「ようこそきてくれた、アクセル王」
謁見の間に入った瞬間、ドレイクは座っていた椅子から立ち上がってそう言い、俺の方に近付いてくる。
これは、自分と俺は友好関係にあると、そう周囲に見せたいのか?
にしても、アクセル王か。……いや、この世界の常識を考えればそのように呼ばれておかしくはないし、なにより俺が自分で王だと言ったんだ。
そうである以上、こうしてアクセル王と呼ばれてもおかしな話ではない。
「ああ、昨日は失礼をしたな」
「いやいや、アクセル王の実力をこの目で見ることが出来て嬉しかったよ」
「そうか? そう言って貰えると、俺も行動に出た甲斐があったよ」
「はっはっは。それではこちらに来て欲しい。まずはゆっくりと話をしよう」
今更だけど、ドレイクの言葉遣いは王に対するものではないよな。
いやまぁ、敬われるのはあまり好きじゃないから俺はそれでいいんだが……これは、向こうが俺を王として認めていないといったところか。
いや、言葉ではこうして王と認めているが、言ってみればそれは言葉だけなのだろう。
実際、その判断はそう間違っていない。
王と名乗りながら部下や護衛の1人も連れていないのだから。
一応マーベルが俺と一緒にいるが、マーベルは別に俺の部下とか護衛といった者ではない。
それでもこうして客人というか。同盟をして欲しい相手と俺を認識してるのは、やはり昨夜の一件があったからだろう。
謁見の間にいる者達に視線を向けると、それなりに人数はいる。
俺が来るというのは分かっていたのだから、地上人達もいるのかもしれないが……誰が地上人なのかは分からないな。
バイストン・ウェルの人間も、外見上の違いはない。
これでエルフのように耳が長かったり、角が生えていたり、額に第三の目があったりとかすれば、分かりやすいんだろうけど。
ただ……当然の話だが、何人かは俺を不審の籠もった視線で見ているのが分かる。
恐らく、俺がドレイクを騙そうとしている……もしくは取り入ろうとしているといったように思えるのだろう。
特に長髪の男とショートカットの女の2人が強い不審の表情をこちらに向けていた。
鎧とかを着てるのを思えば、あの2人は地上人じゃなくて、普通にバイストン・ウェルで生まれた奴だろうな。
そんな風に考えていると、謁見の間にあるドレイクの座る椅子の側に俺とマーベルが座る椅子が用意される。
これは、ドレイクが決して俺達を疎んじている訳ではないという事を示す為だろう。
……こっちに不審や敵意といった視線を向けている連中を黙って一瞥する辺り、芸が細かい。
ちなみに、こういう修羅場……と言ってもいいのかどうかは分からないが、そんなやり取りにマーベルはどう思っているのかと視線を向ける。
だが、マーベルは謁見の間でのやり取りを見ても、特に何か反応する様子はない。
あるいは単純に恐怖を表に出していないだけなのかもしれないが。
「さて、それでは……アクセル王を迎えた事を嬉しく思う。それで、早速だが昨夜の返事を聞かせて貰えるかな?」
「こっちのマーベルとも話したが、基本的に前向きに考えている。ただ、決断するよりも前に色々と聞いておきたい事がある、もし同盟が成立すれば、お互いに協力関係になるんだから、それは当然だろう?」
「そう言われると、こちらも拒否は出来ないな。……それで、何を聞きたいのだ?」
「そうだな。まずは昨日言っていた、お前の下にいる地上人達を紹介して欲しい。こっちのマーベルも地上人である以上、会わせておいた方がいいだろう?」
その言葉に反応したのは、謁見の間にいる中の2人。
少し痩せ気味の男と、がっしりとした体格をしている男。
これまでの考えからすると、恐らくこの2人が地上人の2人なのか?
そんな俺の予想を裏付けるように、ドレイクはその2人に視線を向ける。
「ショット、ゼット、2人は前に」
その言葉に従い、俺の言葉に反応した2人が前に出る。
ドレイクが何も言わずとも、2人は口を開く。
恐らく、この辺は前もって打ち合わせでもしてあったのだろう。
「この2人が、ショット・ウェポンとゼット・ライトだ。アクセル王の連れと同じ出身となる」
そう言い、ドレイクはこちらに視線を向けてくる。
その視線の意味は明らかだ。
「マーベル」
マーベルにだけ聞こえるように小さく呟くと、その言葉だけでマーベルは俺が何を言いたいのか理解したのか、座っていた椅子から立ち上がってショットとゼットの2人に視線を向けて口を開く。
「マーベル・フローズンよ。アメリカで大学生をしていたわ」
「ショット・ウェポンだ。ここではオーラバトラーの開発を行っている」
「ゼット・ライトだ。ショットと同じくオーラバトラーの開発と設計を行っている」
今のやりとりだけでも、色々と分かったな。
まず、マーベルは自分の出身と大学生だったという事を話したが、ショットが口にしたのは、バイストン・ウェルに来てからの自分の仕事だ。
そしてゼットは、そんなショットの言葉に追加するように、開発だけではなく設計も行っていると口にした。
これを見ると、ショットは地上にいた時のことを出来るだけ話したくはなく、ゼットはショットに対して競争心のようなものを持っているといったところか。
ともあれ、ドレイクが幸運だったのはこの2人を手に入れた事だろう。
「さて、自己紹介はこれくらいにして……うん?」
何かを言おうしたドレイクだったが、不意にその言葉を止めて視線を通路の方……ただし、俺達が入ってきたような場所ではなく、ドレイクが通る領主専用の通路の方に向けられる。
その視線を追った先にいたのは、10代半ばくらいの女。
何だか興味深そうな様子で、顔だけを出しながらこちらに向けていた。
「リムルか。何か用か?」
「お父様……いえ、少し気になったので」
「ふむ、そうだな。少しこちらに来なさい。アクセル王、我が娘のリムルだ。リムル、挨拶を」
ドレイクの言葉に、リムルはこっちに近付いてくる。
顔立ちは整っているが、美人というよりは可愛いといった表現が相応しい女だな。
ドレイクの視線には意外な事に愛情が込められているのが分かる。
その外見から考えると、少し意外だった。
まぁ、外見が厳ついからといって、それで家族に愛情を持たないなんてのは妙な話なんだが。
「リムル・ルフトといいます」
そう言い、スカートを軽く摘まんで挨拶をするリムル。
「アクセル・アルマーだ」
ドレイクの認識に合わせて王だと言おうかとも思ったのだが、何となくそんな気分にはなれなかったので、黙っておく。
「リムル、すまんがこれから政治的な話し合いがある。お前は戻ってミュージィの授業を受けなさい」
「はい、分かりました。……では、失礼します」
そう言い、頭を下げるとリムルは来た方に戻っていく。
ミュージィという名前が出て来たが、これはドレイクの言葉から考えると家庭教師とか乳母とかお付きの者とか、そういう感じの人物なんだろう。
ともあれ、リムルがやって来た事により謁見の間にあった雰囲気は幾らか和らいだ。
……それでも、俺に向けられる視線の中には不審が込められていたが。
「さて、それでは色々と話を進めよう」
「そうだな。ドレイクは俺に同盟を求めて来た。しかし、知っての通り俺は異世界に存在する国……地上とはまた違う世界の国の王ではあるが、ここにいるのは俺だけだ。ドレイクのように部下もいなければ、拠点も持っていない。にも関わらず、俺に同盟を求めるのか?」
俺のぶっちゃけた話に、謁見の間にいた騎士の多くはあからさまに侮った視線を向け、文官と思しき者達は戸惑ったような視線を向ける。
そんな中、俺の言葉に興味深そうな様子を示したのはショット。
ゼットの方は半信半疑といった様子で俺の言葉が信じられるのかどうか、迷っているといったところか。
「うむ。アクセル王の実力は信頼出来るものだ」
違うか? と視線を向けられれば、俺も謙遜をするつもりはない。
「そうだな。ただ、その実力というのは昨夜の件だろ? 正直なところ、あの一件の実力ってのは、王がどうとかそういう問題じゃないと思うんだが」
昨夜の件……それはつまり、ドレイクの部屋に忍び込んだ事だろう。
これが騎士とかならともかく、王であるというのが関係しているとは一般的には言えないだろう。
「儂が頼りたいのはそこだ。アクセル王のような強者が儂と共にいれば、それは大きな力となるだろう。アクセル王もバイストン・ウェルに来たばかりである以上、色々と儂の力が必要だと思うのだが……どうだろう?」
なるほど。予想はしていたが、ドレイクとしては俺に王云々ではなく、生身の実力を期待しての話だった訳か。
もし俺が普通の……一般的に王と言われている人物なら、ドレイクの言葉に不愉快なものを感じていだろう。
何しろ、アの国の王でもない一介の領主が、王である自分を言ってみれば傭兵代わりに雇おうというのだから。
だが、それはあくまでも普通の王であればの話だ。
俺の場合は、シャドウミラーの王であるというのは理解しているが、同時に今まで何度となく他の世界に行っては傭兵として雇われるといった経験をしているのだから。
そういう意味では、傭兵ではなく名目上は同盟相手として扱ってくれるのは、かなり厚遇されていると言ってもいい。
「つまり、傭兵的な扱いと思えばいいのか?」
「言葉が悪いが、率直に言えばそうなる。勿論、そのような形になる以上、相応の報酬は支払おう。活躍の度合いによっては、より多くの報酬を出しても構わん」
「……お待ち下さい、お館様」
俺とドレイクの言葉にそう割り込んで来たのは、薄い青……というか、水色の長髪をした男だ。
謁見の間の中でも、俺に一際強い不審の視線を向けていた人物でもある。
「控えろ、バーン。儂は今、アクセル王と話しているのだ」
「それは承知しています。しかし、今のお館様のお話を聞いている限り、アクセル王を戦力として遇するという話です。ですがショット殿達から聞いた話によると、地上での戦いというのはバイストン・ウェルとは違うと聞きます。であれば、アクセル王がお館様の思うような戦いが出来るとは限りません。もしくは、オーラバトラーに乗ってと考えているのかもしれませんが、そちらはまだ未知数です」
そんなバーンの言葉に、謁見の間にいた他の騎士達もしっかりと言葉に出すような事はなかったが、同意する様子を見せる。
まぁ、バーンの言いたい事も分かる。
実際にこの時代の地上では大規模な戦争こそないものの、紛争はかなり頻繁に行われているのは間違いない。
しかし、その戦いで使われているのは銃火器の類だ。
それに比べると、このバイストン・ウェルで行われている戦いは長剣や槍といった武器が一般的で、遠距離での攻撃に使う武器も弓とかだろう。
そういうのを考えれば、バーンの言葉に説得力がない訳でもない。
だが……この場合、俺がマーベルと同じくこの世界の人間であればの話だ。
俺はこの世界……地上とバイストン・ウェルを含めたという意味でこの世界とは違う世界からやってきたのだ。
それでも、多くの世界では銃火器を使って戦闘していたのは間違いのない事実だったが。
しかし、当然のようにそのような世界ばかりではないのも事実。
例えば、ネギま世界やペルソナ世界なんかがその典型だろう。
だからこそ、バーンのその言葉はある意味で正解しており……ある意味で見当外れでもあった。
「ふむ。……なるほど。バーンの言うことももっともか。アクセル王、よければその実力を見せてくれぬかな?」
さて、これはどうなんだろうな。
ドレイクが最初からそこまで考えていたのか、それとも本当に成り行きでこんな感じになったのか。
その辺りの理由は正直俺にも分からないが、それでも俺としては別に構わない。
というか、俺はドレイクからの同盟を引き受けるつもりだったんだが、それはまだ言葉に出していない。
いや、前向きにとは言ったが、まだ確定はしていないのだ。
にも関わらず、ドレイクは俺が引き受ける前提でバーンと戦わせようとしているのを考えると……これは恐らくドレイクの予定通りだな。
「分かった。ドレイクがそう言うのなら、俺も実力を見せよう。だが……誰と戦って実力を見せればいい?」
「勿論私と」
バーンが真っ先に立候補してくるが、それは予想通りでもあった。
そんな訳で俺は少し考え、やがて口を開く。
「分かった。それでいい。ただし、バーンとの勝負で俺が勝ったら、オーラバトラーのゲドを1機貰いたい」
ゲドが欲しいという言葉は、ドレイクにとっても予想外だったのだろう。
だが、それでも俺の実力を見る為にはちょうどいいと思ったのか、やがて頷いて俺の要望を受け入れるのだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1290
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1637