「じゃあ、アクセルさん。このガルム・ロディの方はこっちで処理しておきます。外に出たら、ダルマになったガルム・ロディをこっちに入れて下さい」
グレイズの補給が終わったところで、メカニックにそう声を掛けられる。
メカニックとはいえ、元ブルワーズ……海賊だ。
その姿はかなりの筋肉がついており、戦いになっても十分頼りになるだろう様子だった。
……もっとも、それはあくまでも素手での戦いに限っての話だが。
さすがに魔力や気による身体強化とかがない以上、敵が銃火器を持っていれば対処は出来ない。
「ああ、分かった。片方は自爆してコックピットが潰れているから心配ないが、もう1機はコックピットが無事な筈だ。コックピットを開放したら、中から銃撃をしてくる可能性もあるから気を付けろ」
そう注意し、俺はグレイズで出撃する。
そしてグランの側を浮いていたMSを……うん?
1機はコックピットが潰れており、先程と変わらない。
だが、もう1機のガルム・ロディはコックピットが開いていた。
念の為にと内部の様子を映像モニタに表示してみるが、そこには誰もいない。
パイロットはどこだ?
周囲の様子を確認してみるが、どこにもいない。
となると……
「シーラ」
『何かありましたか?』
映像モニタに表示されたシーラが、即座にそう答えてくる。
この反応の早さはさすがだな。
「ダルマにして宇宙に浮かべてあったガルム・ロディのコックピットが空になっている。どうにかして脱出したらしい。もしかしたら……というか、多分グランに入り込んでいると思うから注意してくれ」
グランにと言ったのは、単純に四肢を失ったガルム・ロディが浮かんでいたのがグランの近くだったからだ。
あのような状況であれば、コックピットから脱出した者は一番近くにある船に向かうだろう。
頭が回るのなら、一番近くにあるのではなく、もっと離れた場所にある船に向かってもおかしくはないが。
とはいえ、そうなるとガランもジャコバも結構離れた場所にある以上、生身で移動するのは難しい。
ましてやこちらの船は別に一ヶ所に留まっている訳ではなく、普通に動いているのだから。
もし離れた場所にいるガランやジャコバ、あるいはハンマーヘッドやイサリビに向かおうとして、失敗したら間違いなく死ぬ。
それも敵に攻撃されて一瞬で死ぬのではなく、パイロットスーツの空気がなくなっての窒息死だ。
……というか、海賊の中にはパイロットスーツを着ないで生身で乗る者も多いのだが。
まぁ、その辺はそれぞれという事なのだろう。
今回はそのお陰で助かったようなものなのだから、余計にそうなのは間違いない。
『分かりました。すぐに警戒するように指示をします。他の船にも必要でしょうか?』
「やっておいた方がいいとは思う」
可能性は低いが、それでもその低い可能性をどうにかするというのを、今まで何度も見てきた。
そうである以上、ここで少しの手間を惜しみ、それによって味方に被害が出るのは遠慮したい。
あるいは一緒にいるのが仲間ではなく、ただの同行者というのなら……そしてシャドウミラーと対立をしているのなら、わざわざ連絡は入れなくてもいいだろう。
だが、鉄華団とタービンズは仲間だ。
それぞれの組織を率いる2人と兄弟分の杯を交わしている以上、見捨てる訳にはいかない。
もっとも、鉄華団もタービンズもそれなりに腕利きが揃っている。
海賊の1人や2人がいても、それに対処するのは容易だろう。
……容易だろうとは思うが、それでも何らかの破壊工作とかをされたら目も当てられないしな。
そんな訳で、ここはやっぱりしっかりと連絡をしておいた方がいい。
「取りあえず格納庫の辺りを優先的に見張っていた方がいいだろうな」
そうアドバイスしておく。
格納庫は宇宙空間において、外と繋がっているところだ。
いや、実際には普通に船に乗る為の場所もあるが、そういうのは普通なら外から開けられないようになっている。
それと比べると、格納庫はMSを出撃させられるようになっている。
勿論宇宙空間である以上、隔壁の類はあるのでそう簡単に船の中に侵入する事は出来ないだろうが。
ただ、それでもロックされている入り口から入るよりは容易だろう。
『では、そのように。……アクセルは出撃して敵の迎撃をお願いします』
「問題ないが、どの方面に向かえばいいんだ?」
『下方向をお願いします。他の方向とグランを始めとした他の護衛はシャドウミラーとタービンズでどうにか出来ていますので』
ここで鉄華団の名前が出て来ないのは、三日月と昭弘の2人がいないからだろう。
一応シノが昭弘の使っていたグレイズに乗るという事になっていたが、MSに乗ったばかりのシノを戦力として数えるのは難しい。
もっとも、阿頼耶識があるので普通のパイロットよりは大分マシだが。
それにシノも自分からMSのパイロットになると宣言した以上、シミュレータとかを使って訓練をしたりはしていただろうし。
「分かった。じゃあ……出撃する」
そう言い、俺は格納庫にいる面々に出撃すると外部スピーカーで告げるのだった。
なるほど、結構大規模な戦いになってるな。
グランから出撃した俺は、下から攻撃をしている海賊……恐らくは夜明けの地平線団だろう敵に向かって進む。
当然だが、一応他にもMSは出撃しており、戦っていた。
戦っていたのだが……
「シノか」
噂をすれば何とやら。
まさかここでシノと共に戦う事になるというのは、俺にとっても予想外だった。
そのシノもガルム・ロディ3機を相手に何とか逃げ回っている状況だ。
……素人のシノがここまで生き延びる事が出来たのは、グレイズの性能と阿頼耶識の力。後は……まぁ、シノの操縦技術もそれなりだという事にしておこう。
そんな風に思いながら、俺は戦場に突き進み……
「直撃」
精神コマンドの直撃を使い、120mmライフルを撃つ。
弾丸はシノのグレイズを追っているガルム・ロディのコックピットを背後から貫き……そのままどこかに飛んでいく。
あ、しまった。
動きを止めないと、当然ながらそのままどこかに飛んでいくのは当然の話だった。
もっとも、敵は海賊だ。
それにこうして見てみた感じだと、敵の数はそれなりに多い。
単純計算で、1つの方向にいるのが1隻の海賊船と3機のMSだとすると、前後左右上下の合計6方向で海賊船が6隻にMSが18機となる。
とはいえ、1隻の海賊船に必ずしも3機のMSを搭載してるとは限らないし、海賊船も必ずしも1隻とは限らない。
ましてや、俺が既に1つの方向にいた海賊船を撃破している以上、残りは5つの方向になるし。
それでもかなりの数が残っているので、鹵獲するだろうMSの数は結構多くなってもおかしくはなかった。
「シノ、無事か?」
吹き飛んでいったMSについては、取りあえず考えない事にする。
後ろからだが間違いなくコックピットを貫いた以上、パイロットが死んでいるのは間違いないのだから。
そんな訳で、次に俺がやるべきなのはシノの安全を確認する事だった。
『おう、アクセル。こっちは問題ねえよ。少しばかり苦戦したが、その程度だったしな』
いや、あれは少しばかりといった程度じゃないだろ。
そう突っ込みたくなったが、シノの性格を考えるとその辺りに突っ込んでも多分意味はないだろう。
というか、これは痩せ我慢なのかもしれないな。
何しろ俺は、未だにシノに重要な任務を任せる事は出来ないという判断を覆してはいない。
個人的に接する分には、シノは悪くない相手だ。
シノ本人も仲間思いだし。
MSに乗る気になったのも、恐らくその辺の事が影響してるのだろう。
……あるいは、女にモテたいからMSのパイロットになったと言っても納得は出来るが。
ともあれ、人として接する分には間違いなく問題のない人物であるのは間違いない。
「そうか。無事で何よりだ。それより、とっとと片付けるぞ。この連中を片付けて、他の場所にいる海賊達も倒さないといけないしな」
『了解した。じゃあ、さっさと行くぜ。残りは2機だから、1機ずつでいいな? おわぁっ!』
通信の途中でシノが悲鳴を上げる。
残っていた2機のガルム・ロディが攻撃してきたのだ。
向こうにしてみれば、こっちが攻撃をしてこないのだから、その隙を突くというのはおかしな話ではない。
いや、寧ろ当然だろう。
それでも悲鳴を上げつつ咄嗟に回避している辺り、さすがと言ってもいいのだろう。
阿頼耶識システム万歳といったところか。
もしこれが阿頼耶識に対応していない普通のコックピットだったら、それこそ敵の攻撃を回避することは出来なかっただろう。
阿頼耶識だからこそ……半ば反射的な行動でMSが動くからこそ、今の攻撃を回避出来たのだ。
「よく回避した!」
そう叫びつつ、俺はシノのグレイズに向かって攻撃を行っているガルム・ロディに向かって120mmライフルの銃口を向け……
「直撃」
精神コマンドの直撃を使い、コックピットを貫く。
これで2機。
関節を破壊してもよかったのだが、さっきの自殺を見ているとな。
自殺されるよりは、俺が撃破して撃墜数を1上げて、後は少しだけでも……本当に少しだけでも経験値とした方がいいと判断しての事だ。
それと解呪をする為に少しでもPPを必要としているのも事実だし。
そんな訳で、手加減をするつもりはない。
……もしかしたら、MSのパイロットがヒューマンデブリという可能性もあるが、そうだった場合は仕方がないと判断する。
ブリッジに乗っていれば、ヒューマンデブリだというのを見て分かるものの、MSだと分からない。
いや、阿頼耶識を使っているMSの動きは特徴的なので、そういう意味ではヒューマンデブリだと分かりやすいのか?
そう考えると、俺が撃破したMSはどちらも阿頼耶識ではない、普通に操縦している動きだった。
「お、やるな」
そんな風に言ったのは、残る1機のガルム・ロディをシノのグレイズが倒している光景を見たらからだ。
バトルアックスでコックピットを潰したその光景は、阿頼耶識だからこそのものでもあるのだろう。
ともあれ、これでMSを全て撃破したのは間違いない。
となると、次に向かうのは……
「シノ、あの船はどうする? お前が撃破するつもりなら任せる、お前が無理なようなら、俺がやる」
『俺にやらせてくれ!』
そう叫ぶシノ。
やる気満々だというのは、ここで大きな手柄を……と思っているのだろう。
PPや経験値、撃墜数はそれなりに惜しいが、だからといってここで絶対に必要というものではない。
シノが敵を倒したいと言うのなら、譲るのは俺としては構わない。
「分かった。なら、シノに任せる」
そう俺が言うと、シノは感謝の言葉を口にして海賊船に向かって突っ込んでいく。
当然ながら海賊船も近付いてくるシノのグレイズには気が付いており、必死になって迎撃をしているが、阿頼耶識によって操縦されるグレイズの動きはその攻撃を次々に回避していく。
この辺、さすがだなと俺も納得するところだが……
「あ」
海賊船の砲撃の威力と精度を見誤ったのか、それとも以前俺が言ったように大事なところでミスったのか。
理由は俺にも分からなかったが、とにかく海賊船の攻撃を食らうグレイズ。
とはいえ、ナノラミネートアーマーがある以上、一撃だけでどうこうなる筈もない。
ないのだが、MSにダメージはないものの、それでも直撃を受けた衝撃は殺せずに吹き飛んでいく。
ある程度離れたところでスラスターを使って何とか立て直したが……俺が行くか。
「シノ、退け」
『おい、アクセル!?』
いきなりの言葉に納得出来なかったのか、シノはそう叫んでくる。
シノにしてみれば、自分がここで退けと言われるとは思ってもいなかったのだろう。
とはいえ、このままシノを放っておくと大ポカをしそうだしな。
「いいから、今は退け。ここでお前を殺すようなことになったら、オルガに会わせる顔がない」
『おいっ!』
不満一杯な様子で叫ぶシノだったが、それ以降の通信は無視して海賊船に迫る。
当然ながら、そうなると海賊船はシノのグレイズではなく俺のグレイズに向かって攻撃をしてくるものの、俺はその攻撃を回避しながら距離を詰めていく。
向こうにしてみれば、攻撃が全く当たらないという今の状況は悪夢でしかないだろう。
俺もそれは分かる。分かるが……だからといって、行動を止める訳にはいかない。
「俺の動きを見て、それを次に活かせ」
特に緊張した様子もなくそう告げながら機体を操縦する。
……まぁ、次に活かせと言っても、俺は普通の操縦でシノは阿頼耶識を使った操縦だ。
そういう意味では、シノが俺の操縦を見て自分のものにするのは難しい。
それでも俺の操縦が何らかの役に立つのなら、悪くはない。
そんな風に思いながら俺の操縦するグレイズは海賊船のブリッジの前に到着し……
「直撃」
精神コマンドの直撃を使い、120mmライフルによってブリッジを破壊するのだった。
アクセル・アルマー
LV:45
PP:95
格闘:313
射撃:333
技量:323
防御:323
回避:353
命中:373
SP:3003
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1877