こちらに向かってくるアリアンロッド艦隊のMS隊に対し、俺は待ち受けるのではなく、前に出る。
考えてみれば当然なのだが、ドルトコロニーの近くで戦闘を行うとなると、コロニーに被害が出る可能性がある。
アリアンロッド艦隊にしてみれば、デモ隊の鎮圧という錦の御旗がある以上、コロニーに被害を出してもデモ隊のせいにすればいい。
それに何より、俺が言うのも何だが、エイハブ・リアクターを使っている――と向こうは勝手に思っている――のに、街中で電子機器に影響を与えないで動かせるというのは、何としてもその技術を欲するだろう。
それとファイター……戦闘機に変形するという技術も。
サラマンダーを入手する為なら、それこそ最悪コロニーの1基や2基破壊しても構わないと、そう思っていてもおかしくはない。
ギャラルホルンにとってはそれでも問題はないのかもしれないが、俺にしてみれば後味が悪い。
それに、クーデリアの演説が始まるまでの時間しか、俺がギャラルホルンと戦える時間はないのだ。
……もっとも、ギャラルホルンの性格を考えると、クーデリアの演説があった後でも普通に攻撃を続けてきそうな気がするが。
ともあれ、タイムリミットがある以上、俺は前に出る。
今は機動力の高いファイターである以上、一気に前に出る。
そうして宇宙空間の中を進むと、やがてグレイズの姿が見えてくる。
こちらに向かって来るグレイズの数は……6機か。
ギャラルホルン……いや、アリアンロッド艦隊のMS隊が基本的に何機編制なのかは分からない。
例えばUC世界においては、黒い三連星の件を見れば分かるように基本的には3機で1小隊という扱いになってる。
もっとも、これも絶対ではない。
2機や4機で小隊を結成していたりするのも珍しい事ではないのだから。
ともあれ、こうしてみるとアリアンロッド艦隊は6機で1小隊、あるいは6機で2小隊といった感じか。
向こうにしてみれば、ここでサラマンダーを確保したい以上、送ってきた戦力がこれだけという事はないだろう。
恐らく、まだ追加でやって来る。つまり……
「各個撃破の機会をくれてありがとな!」
グレイズの射撃武器である120mmライフルを撃たれるよりも前に、俺は連装ビーム砲を放つ。
もっとも、これがあくまでもビームである以上、ナノラミネートアーマーがあるグレイズに効果があるとは思っていない。
思っていないが、実際にビームを撃った時にどう反応するのか見たかったのだが……
「なるほど」
その光景を見て、納得する。
放たれたビームは、グレイズに触れた瞬間には放射状に散らばってあらぬ方向に飛んでいったのだ。
UC世界のIフィールドと似ているようで微妙に違うな。
とにかく、ビーム兵器が通用しないのはこうして実際に見れば明らかだったが……
「うん?」
連装ビーム砲が命中したグレイズ、そして他のグレイズもまた、動揺したように機体の操縦が乱れる。
何だ? 連装ビーム砲は効果がなかった筈だが……いや、そうか。ビーム兵器そのものを見るのも、使われるのも初めてなのか。
だとすれば、動揺してもおかしくはない。
あるいは知識では知っていても、実際に自分の目で見るのは初めてだとか。
ともあれ、そうして挙動が乱れ、武器の120mmライフルを撃ったりもしてこないのは、こちらにとっては好都合。
バトロイドに変形し、グラビトンガンポッドの銃口を向ける。
さて……ビームは弾いた、実弾はナノラミネートアーマーで効果がない。なら、重力波砲の系統はどうかな?
トリガーを引き、次の瞬間にはグラビトンガンポッドから黒いエネルギー……グラビトンガトリング砲が多数発射される。
それに命中したグレイズは、次の瞬間にはあっさりと爆散した。
それも1機だけではない。2機、3機、4機、5機、6機と、全てのグレイズがグラビトンガトリング砲によって貫かれ、撃破されていく。
ナノラミネートアーマーにも効果があるとは思っていたものの、それでもまさかこんな風に敵をあっさり撃破出来る程の威力だとは思わなかったな。
勿論、これは敵がグラビトンガトリング砲を回避しようとしなかった事も影響している。
向こうにしてみれば、先程のビームの一件で動揺していたというのもあるのだろう。
だが同時に、そのビームですらあっさりと弾いたという思いもどこかにはあった筈だ。
結果として、グラビトンガンポッドを見てもそれがグレイズに効果があるとは思わなかったのだろう。
そこに俺のステータスによる射撃の数値やガンファイトの効果が重なり、本来なら撃破出来ないような攻撃であっても、グレイズを撃破するのに十分な威力を発揮した。
グラビトンガンポッドから放たれるグラビトンガトリング砲は、その名の通り重力波砲の一種ではあるが、1発の威力は決して大きくはない。
グラビトンカノン砲という攻撃手段もあるが、それと比べると威力はかなり劣る。
それでも俺のステータスは、その劣った威力であってもグレイズを撃破出来るだけの威力を生み出す事に成功したのだ。
ともあれ、これで6機。
次にこっちに近付いてくるのは……うん?
それなりに多くのMSがいたと思うんだが、こちらに向かってくる速度が……より正確にはスラスターの光が、明らかに先程までとは変わった。
より一層大きい光になったり、もしくは小さい光になったしている。
なるほど、戦力の逐次投入――6機のMSの集団を逐次投入と表現してもいいのかは分からないが――しても、各個撃破されるだけだと、そう理解したのだろう。
その為に向こうが考えたのは、戦力を纏めて投入する事。
やってる事はそこまで複雑ではない。
それこそ、ある程度の能力があれば判断出来る。
だが……そこに、サラマンダーという未知の要素が入ってくると、話は変わってくる。
サラマンダーをどのようにして捕らえるかと考えれば、それこそどのように判断するかは人によって大きく変わってくる。
今回の作戦の指揮を執っているのは、一体誰なのやら。
マクギリスが言っていた、セブンスターズの一員か?
そうも思ったが、今回の件はあくまでもドルトコロニーの一件……つまり見せしめだ。
その為にわざわざセブンスターズの一員が出てくるとも思えない。
とはいえ、それを言うのならマクギリスやガエリオはセブンスターズの一員であるにも関わらず、火星までやって来ていたしな。
原作という存在について考えれば、ここでアリアンロッド艦隊を率いる人物が出て来ても、そんなにおかしくはないような気がする。
まぁ……そうなったらそうなったで構わない。
どのみち戦える時間は限られている以上、指揮官の乗っている戦艦まで落とすのは多分無理だろうし。
そんな風に思っていると、やがてMSが四方八方からサラマンダーに向かってくる。
俺と遭遇するタイミングを合わせるだけではなく、包囲して自分達に有利な状況にしようとしたのだろう。
それは俺にとっても別に構わない。
いや、寧ろ敵が俺だけに集まってくるという意味で、やりやすいという思いすらある。
そんな風に考えながら、ドルトコロニーの方に視線を向ける。
マクギリスの言葉が正しければ、細工されたMSが出撃している筈だった。
だが、こうして見る限りではMSが出撃しているようには思えない。
……いや、何機かMSの反応があるな。
これはデモ隊のMSなのか、あるいはシャドウミラーや鉄華団、タービンズのMSなのか。
……タービンズのMSは出てないか。
パイロットは借りて、シャドウミラーで余っているMSを使っている筈だが。
そっちのMSなのか……
「っと!」
そんな風に考えている間に、サラマンダーの包囲が終わったのだろう。
一斉に120mmライフルを撃ってくる。
向こうにしてみれば、それこそ包囲した時点で既に自分達の勝利を確信していてもおかしくはない。
おかしくはないが……だが、甘い。
バトロイドからファイターに変形し、四方八方から撃たれる120mmライフルの攻撃を回避する。
ファイターの運動性はバトロイドよりも上だ。
また、加速能力もバトロイドよりも高い。
そして何より、俺のステータスを考えると……この程度の攻撃が命中する筈がない。
というか、そもそも攻撃が命中してもブレイズ・ルミナスとEフィールド、ピンポイントバリアといった3種類のバリアがある。
……まぁ、ピンポイントバリアはバリアとして使うには少し使い勝手が悪いが、それでも他の2つのバリアは非常に強力なバリアだった。
サラマンダーに攻撃を命中させるには、その2つのバリアを貫く必要がある。
それは普通のパイロットにとってそう簡単な事ではない。
そんな多くの攻撃の隙間を縫うように移動し……進行方向にいたグレイズとの間合いを詰め……
「直撃」
精神コマンドの直撃を使い、連装ビーム砲を発射する。
最初に遭遇した6機のグレイズに使った時は、ナノラミネートアーマーによって弾かれた連装ビーム砲だったが、今回は精神コマンドの直撃が使われる以上は防げない。
先程とは違い、あっさりと近くにいたグレイズのコックピットが連装ビーム砲によって貫かれる。
爆散するグレイズをその場に残し、包囲網から脱出すると同時にバトロイドに変形。
エナジーウィングから、刃状のエネルギー体を大量に射出する。
この時に大事なのは、俺を包囲しているグレイズの動きを全て把握している事。
エナジーウィングによる掃射は、射角はかなり広いものの、射程そのものはそこまで長くはない。
その為、使い勝手が実は難しい兵器でもある。
だが……俺は基本的に1人で行動する事が多く、そして現在もここにいるのは俺だけ。
そうなると、誤射の類も気にせずに攻撃出来る訳で……
1機、2機、3機、4機……15機。
15機のグレイズが、エナジーウィングから放たれた刃状のエネルギー体によって貫かれ、一斉に撃破された。
「ふぅ。これで俺を包囲しようとしたMS16機は全機撃破と。合計で22機か。後は……まだ来るか」
アリアンロッド艦隊にしてみれば、ドルトコロニーの一件で洒落にならない被害を出している。これだけの被害を出した以上、間違いなく始末書もの……どころか、場合によっては降格ものだろう。
いや、もしかして……だからこそなのか?
ここで俺に負けたままでは、今回の指揮官はもう終わりだ。
だが、もしここでサラマンダーを上手い具合に確保出来たとしたら。
それはまさに一発逆転以外のなにものでもないだろう。
……だからといって、俺がそれに付き合う必要はないのだが。
まだクーデリアの演説は始まってないな。
そして追加のMS部隊は……9機か。
16機で駄目だったのに、9機でどうにかなると思ったのか?
もしくは、エナジーウィングの攻撃が理解出来なかったから、人柱にでもなりにきたのか。
その辺の理由は俺には分からない。
だが……来た以上、こっちで……うん? 何だ?
こっちに来るとばかり思っていた9機のMSだったが、急に進行方向を変えたのが分かる。
俺を迂回するようにして行動し……ドルトコロニーに行くつもりか!?
その判断は理解出来る。
自分で言うのもなんだが、俺の操縦するサラマンダーと普通に正面から戦った場合、それこそ20機……いや、数十機どころか数百機を集めても普通のパイロットではどうしようもないし。
そういう意味では、ドルトコロニーに行くのは理解出来ないでもない。ないのだが……それはつまり、サラマンダーを手に入れる事を諦めたのか?
あるいは、サラマンダーよりも重要な何かがあっての事かもしれないが。
……まぁ、いい。クーデリアの演説までの時間がまだあり、敵戦力のMSは俺を、サラマンダーを無視してドルトコロニーに向かった。
それはつまり、俺にフリーハンドを与えたという事を意味してる。
アリアンロッド艦隊の連中はそれを理解しているのか、それとも理解した上でのこの行動なのか。
もし後者だとすれば、それはつまりまだ何らかの俺に対する対抗策があるという事を意味している。
それが具体的に何かは分からないが、ともあれ俺が大人しく向こうの手に乗る必要はない。
そして今の俺のやるべき事は、ギャラルホルンの……アリアンロッド艦隊の戦力を少しでも減らす事。
そう判断すると、サラマンダーをファイターに変形させ、一気に敵陣に向かう。
狙うのは、敵艦。
出来れば指揮を執っているのだろう戦艦を破壊した方が、戦力的な意味でも敵の人材的な意味でも悪くないだろう。
すると当然ながら向こうも近付いてくるサラマンダーの存在に気が付いたのだろう。
……いや、気が付いたというか、向こうにしてみればサラマンダーをずっと監視していた筈だ。
そのサラマンダーが動いた以上、それも自分達の方に向かってくる以上、迎撃するのは当然の事だったが……甘い。
サラマンダのスラスターを使って小刻みに動かし、真っ直ぐに敵の中央にいる、指揮を執っていると思しき戦艦だろう軍艦に向かって突っ込む。
複数の敵艦から攻撃されるものの、その全てを回避し……そして気が付けば、サラマンダーは戦艦のブリッジの前。
「死ね」
バトロイドに変形し、グラビトンガンポッドの銃口を向け……バーストモードにし、グラビトン砲を放つ。
放たれたグラビトン砲……重力波砲は、アリアンロッド艦隊の戦艦を貫き、宇宙空間に巨大な爆発を生み出すのだった。
アクセル・アルマー
LV:45
PP:280
格闘:313
射撃:333
技量:323
防御:323
回避:353
命中:373
SP:3003
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1914