隊列から、アリアンロッド艦隊の旗艦なのだろう戦艦が爆散する。
もっとも、旗艦というのはこのドルトコロニーの一件に参加している艦隊の中での旗艦という意味であり、別にアリアンロッド艦隊そのものの旗艦という訳ではい。
いやまぁ、もしかしたら……本当にもしかしたらの話だが、アリアンロッド艦隊を率いてる人物、マクギリスが最大の敵と判断している人物が乗っている可能性もない訳ではないが……うん。そうなったらそれはそれでラッキーだろう。
マクギリスに恩を売ったと考えれば決して悪くはないと思う。
そんな風に思いつつ、爆散した戦艦から離れて別の敵艦……艦種だと巡洋艦とかそんな感じか?
数の一番多いその軍艦に向け、グラビトンガンポッドを向ける。
旗艦が撃破されたのを見て動揺はしていたのだろうが、それでもこうなると向こうも自分達が危険だというのは判断出来る。
……まぁ、旗艦があっさりと破壊されたのだから、次が自分達の番だと考えてもおかしくはないか。
主砲ではなく対空砲を主に使ってくるのは、軍艦がそれなりに密集しているからだろう。
ここで下手に主砲とかを使おうものなら、それこそ味方に命中してしまう。
そうならないよう、対空砲を使ってるのだろうが……
「甘い」
VFのサラマンダー……それも俺が操縦している機体に、対空砲がそう簡単に当たる筈もない。
そもそもの話、命中してもEフィールドやブレイズ・ルミナスで防がれるだけだ。
もっとも、向こうはサラマンダーについて何も知らないのだから、命中すればもしかして……と思ってるのかもしれないが。
そんな攻撃を回避しつつ、グラビトン砲を放つ。
重力波砲は先程の戦艦の時と同じように艦体を貫き……次の瞬間、爆発を生み出す。
それを見ながら、俺は次の標的を探し……
『私は、クーデリア・藍那・バーンスタイン』
その瞬間に、通信が流れる。
これがクーデリアの言っていた演説だろう。
どうやら予定の時間になってしまったらしい。
『今、TVの画面を通して世界の皆さんに呼び掛けています。私の声が届いていますか』
そんなクーデリアの声を聞きながら、俺は戦いの終わりを認識する。
今回の戦いには幾つかの目的があったのは事実だが、その目的の大半は達成したと言ってもいいだろう。
ギャラルホルン……アリアンロッド艦隊の戦力も、MSは数十機、戦艦や巡洋艦と思しき艦も撃破している。
それこそギャラルホルンが1度の戦闘で失った戦力としては、早々ないだろう戦力の喪失の筈だ。
『皆さんにお伝えします。宇宙の片隅、ドルトコロニーで起きている事を。そこに生きる人々の……ギャラルホルンにねじ曲げられていない、真実を』
この放送はこっちの……シャドウミラーや鉄華団、タービンズといった面々だけではなく、どうやらアリアンロッド艦隊にも届いているらしい。
MSはもう出ていないが、軍艦の挙動がおかしくなっているのが何隻かいる。
やろうと思えば、ここでまた撃破出来たりするんだが。
とはいえ、今の状況でそのような事をすれば、クーデリアの邪魔をするだけになりかねないので、やらないが。
もしクーデリアの演説が終わった後でも攻撃をしてくるのなら、話は別だが。
にしても、演説をするにしてもニュース回線とかそういうのはギャラルホルン側に握られている筈。
だとすれば、一体どうやって……まぁ、その辺は話が終わった後で聞けばいいか。
『私は、自分の生まれ育った火星の人達を救いたいと思い、行動してきました。……もしかしたら、これを聞いている皆さんの中にも私の名前を聞いた事がある人がいるかもしれません。恥ずかしながら、私は独立の象徴……革命の乙女などと呼ばれる事もありますので』
自分で言うか。
そうも思ったが、映像モニタに表示されているクーデリアの様子からすると、不思議な事に、それが堂に入っている。
この辺りが、一種のカリスマ性とでも呼ぶべきものなんだろうな。
「って、マジか!」
クーデリアの演説が始まったので攻撃を止めていたのだが、それをチャンスだと思ったのか、敵艦の1隻がこちらに主砲を放つ。
小賢しい……あるいは目敏いと言えばいいのか分からないが、クーデリアの演説が始まってから少しずつだが艦を移動させて、主砲の射線軸上に味方がいない場所に陣取っている。
いやまぁ、考えてみれば当たり前か。
ギャラルホルンにとって、クーデリアの名前を知ってる者が一体どれだけいるのか。
それこそ火星支部のギャラルホルンなら、火星の情報を集める意味でクーデリアの名前や顔を知っている者もいるだろうが……ここにいるのはアリアンロッド艦隊だ。
クーデリアの名前くらいは聞いた事があるといったような者達が精々だろう。
あるいは、上層部ならもっと詳細にクーデリアについて知っている可能性もあるが。
……他にも、クーデリアのこの演説はTVの放送を使ってのものだ。
それはつまり、クーデリアが映像に映し出されているべきで……クーデリアの美貌を思えば、それで意識を奪われている者とかもいるかもしれないな。
命懸けの戦闘中にクーデリアの美貌に目を奪われて何も出来なくなるとかなったら、それこそ魔性の美貌とか評してもいいけど。
そんな風に思いつつ、俺はサラマンダーのスラスターを全開にして主砲の射線軸上から回避すると同時に、カウンターとしてグラビトン砲を放つ。
本来ならグラビトンガンポッドのバーストモードでないと使えないグラビトン砲は、あまり使いたくはないんだが、今の状況を考えると使わないという選択肢はない。
敵がMSならグラビトンガトリング砲を使って撃破出来るが、さすがに軍艦ともなると、それはちょっと……いや、かなり難しい。
まぁ、精神コマンドの直撃を使ってビーム砲を撃つといった手段もない訳ではないが。
ともあれ、放たれたグラビトン砲はブリッジを破壊し……どこがどうなったのか、次の瞬間には軍艦そのものが爆散する。
そして1隻が爆散すると、当然ながら他のアリアンロッド艦隊の軍艦もそのまま話を聞くという訳にはいかず、サラマンダーに向かって攻撃をしてくる。
ちっ、今の余計な一撃を撃ってきた奴のせいで、クーデリアの演説から目が覚めた連中が出たか。
あるいは、ここまでの失態である以上、何としてもサラマンダーを確保しようと思ったのか。
その理由はともあれ、この状況でこちらに向かって攻撃をしてくる以上はこちらも反撃をしない訳にはいかない。
いや、寧ろタイムオーバーになったのに向こうから攻撃をしてきてくれるのだから、こちらとしても攻撃をする名分が出来たというのは非常にありがたかったか。
「そんな訳で……死ね」
別の軍艦がこちらに主砲を放とうとしているのを察知し、その一撃を回避しつつグラビトン砲を撃つ。
出来ればあまり消耗は……いやまぁ、そうだな。別に今となってはグラビトン砲に拘る必要もないのか。
グラビトン砲によって爆散した新たな軍艦を見ながら、そう思う。
「直撃」
精神コマンドの直撃を使い、こちらを狙ってきた敵艦に向けてビーム砲を放つ。
ナノラミネートアーマーの効果が全く発揮することはなく、ビームが軍艦を貫き、爆散する。
そのまま同じように何隻か倒し……そこでようやくアリアンロッド艦隊の攻撃が止まった。
ようやく自分達が攻撃をすれば、その反撃として撃破されると理解したのだろう。
また、サラマンダーを確保しようにも、それがどれだけ難しいのかを十分に理解しているらしい。
判断するのが遅いと、そう突っ込みたいが……まぁ、サラマンダーの存在を考えると、無理もないか。
とはいえ、ガンダムのように圧倒的な力を持ったMSの存在についてはギャラルホルン側でも当然把握してるんだろうし、そう考えればやっぱり判断が遅いと突っ込んでもおかしくはないか。
『今、私の乗っている船はギャラルホルンと向き合っています。幸いにして、こちらの被害は出ていません。ですが、ギャラルホルンが己の支配の正当性を示す為であれば……あるいは、この私の乗っている船を攻撃しようと考えるかもしれません』
敵艦の攻撃が中断した事で、再びクーデリアの演説が聞こえてくる。
途中でその演説を聞き逃してしまったのは残念だったな。
『ギャラルホルンに私は問いたい。貴方達は正義を守る存在ではないのですか? これが、貴方達の言う正義なのですか。ならば……私はそんな正義は認められない。私の発言が間違っているというのなら……構いません。今すぐ私の船を撃ち落としなさい!』
その言葉は、強い信念を感じられる。
人を惹きつけるカリスマ性があった。
俺が知らない間にも、クーデリアは成長し、覚悟を決めていたということなのだろう。
シーラの教えも大きいが、それ以外にクーデリア本人の素質が大きい。
火星独立の象徴、革命の乙女と呼ばれているのは伊達ではないらしい。
とはいえ……アリアンロッド艦隊の者達がどう判断するのかは別だ。
というか、しくじったな。
ドルトコロニーの作戦に投入された指揮官が乗っている戦艦は、既に沈めてしまった。
つまり、今の状況では誰も具体的にどうすればいいのかが分かっていないのだ。
自分がどのように行動しようと考えても、他の軍艦が同じように考えるとは限らない。
とはいえ、このままここにいるとこの連中の余計な欲望を刺激するか。
あるいはこのような状況になったのは俺のせいだとして、八つ当たり気味に攻撃してくるか。
とにかく今はここにいない方がいいと判断すると、グランのいる方に戻った方がいいな。
ファイターに変形すると、その場を離脱する。
少しだけ予想外だったのは、サラマンダーが飛び去るのを見てもアリアンロッド艦隊が攻撃してこなかったという事だろう。
向こうにしてみれば、後ろを見せたサラマンダーは格好の標的のようにも思えただろうに。
あるいはここで下手に攻撃をして、その結果として戻ってきて再び俺に攻撃されるのを避けたのか?
まぁ、分からないではない。
サラマンダーが、ナノラミネートアーマーを装備したMSや軍艦であろうとも、撃破出来るというのを間近で見せたばかりだ。
向こうにしてみれば、一体どのような手段を使ってそういう事が出来ているのかは分からないだろうが。
ただ、俺にとっては今の状況の方が助かるのは間違いない。
その場から離れると、グランのいる方に向かう。
ドルトコロニーの近くで待機しているのを見つけるが、近くにはイサリビの姿もあった。
どうやら無事に合流出来たらしい。
ハンマーヘッドの姿がないが……まぁ、ハンマーヘッドはタービンズの船だ。
テイワズの中でもタービンズの名前は知られている以上、ここで姿を現すのは不味いと判断したのだろう。
アジーからその辺については聞いているので、ハンマーヘッドがいないのは別に問題ない。
ちなみにバルバトスやグレイズが外に出て撃破したMSの残骸を確保しているのが見える。
どうやら俺が予想していたよりも多くのMSがこっちに向かってきたらしい。
それでもこうして見ている限り、こちらの被害はなかったらしい。
……まぁ、多くのMSはサラマンダーを欲してこっちに来たしな。
そんな風に思いつつ、グランから離れた場所に移動してからASRSを起動して機体の姿を消す。
同時にサラマンダーのコックピットから出て、そのまま空間倉庫に収納。
サラマンダーでそのままグランに戻るのは、色々と不味い。
俺がグシオンではなくサラマンダーで出撃したのは、あくまでも未知の敵が現れたと、アリアンロッド艦隊側に判断させたい為だ。
そうである以上、まさかサラマンダーでグランに戻る訳にはいかない。
もっとも、サラマンダーの行動を見れば明らかにシャドウミラーに……というか、クーデリアに味方をしてるのは間違いない。
アリアンロッド艦隊側でも、当然ながらその程度の事は理解するだろう。
しかし、それでもサラマンダーの色々な意味での特異性から、慎重にならざるをえないのも事実。
何しろサラマンダーが……そしてそれを操縦する俺がどれだけの力を持っているのかは、それこそアリアンロッド艦隊がその身で十分以上に味わったのだから。
これで戦力的にそこまでではないと向こうが判断すれば、あるいはもっと強引にサラマンダーを入手しようとシャドウミラーに手を出して来る可能性もある。
しかし、あの被害を思えばそんな真似はしないだろう。
実際、先程の戦闘でアリアンロッド艦隊が受けた被害は大きいのだから。
そんな風に思いながら宇宙空間を生身で移動し、グランの装甲に着地する。
影のゲートを使い、中に入ると……そこは格納庫だった。
格納庫だったのだが、そこには見覚えのない……いや、ある? どこかで見た覚えがある青いMSが幾つか破損した状態でそこにはあった。
「おい、あのMSは何だ?」
「あ、アクセルさん。戻ってきたんですね。実はあれは……シュヴァルベ・グレイズとかいう機体で、クランクさんが捕らえてきた奴です」
通りがかりのメカニックに聞いたところ、そう言われるのだった。
アクセル・アルマー
LV:45
PP:310
格闘:313
射撃:333
技量:323
防御:323
回避:353
命中:373
SP:3003
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1920