「お前……もしかして、聖戦士よりも外交官とかそっちの方が向いてるんじゃないか?」
そう言った俺の視線の先にいるのは、トッド。
昨日トッドから一緒に行動させて欲しいと言われ、ドレイクから許可を貰う事が出来たらいいと言ったんだが……まさか、翌日には許可を貰ってくるとは思わなかった。
ギブン領を攻めてる時に俺がショウの鹵獲を任された時もそうだったが、トッドは一体どうやって交渉して、許可を貰ってるんだ?
普通にそれが理解出来ない。
「そっちに進んでも面白いかもしれないが、俺が今やるのは聖戦士としての仕事だよ」
得意げに言うトッド。
実際、普通なら到底無理だと思われるような事をやっているのだから、そのような態度になってもおかしくはない。
とはいえ……
「トッドのやる気は理解しているが、今日はミの国に向かわないぞ。今日は新しい地上人との顔合わせがあるしな」
その言葉にトッドは不満そうな表情を浮かべるが、ドレイクにしてみれば新たな地上人に俺の紹介をしない訳にはいかないだろう。
もし俺の事を知らない場合、アレンを含む新たな地上人達が俺に絡んでくる……といったような問題も起きかねないのだから。
ドレイクとしては、そういう時はどうあっても俺の味方をするしかない。
しかし、当然の話だが新たな聖戦士となる地上人を処分したりもしたくはない。
迂闊に地上人を処分するようになった場合、それを面白く思わず出奔するといったような可能性も否定は出来ないのだから。
だからこそ、そういう問題になる前に俺の存在を地上人に知らせておくというのは、ドレイクにとっては必須なのだ。
それと、俺だけではなくマーベルと遭遇するといったような事も問題になりかねない。
地上人3人のうち、赤い髪の奴は女だったが、残り2人は男だ。
そしてマーベルは美女と呼んでも皆が納得するような美貌を持っている。
そういう意味で、妙なトラブルになるという可能性もあるので、話はしておいた方がいい。
「で、どうする? 俺はもう少ししたら地上人に会いに行くけど、その時トッドも来るか?」
現在地上人達は食事も終え、このバイストン・ウェルがどのような世界なのかという説明を受けている筈だ。
それと、バイストン・ウェルにおいて地上人がどのような存在なのかという説明とかも。
その辺りの説明……というか、講義か? その講義が終わったら、俺の登場になる訳だが……今の地上人3人は、まだトッド達については知らない筈だ。
あるいは講義の時にトッドとトカマクの名前を出したりしているかもしれないが、アレンがトッドを自分の知っているトッドだと認識するかどうかは、微妙なところだろう。
そういう意味では、こうして直接トッドが顔を出すというのは大きな意味があるし、トッドにとってもそんなに悪くない展開の筈だ。
地上にいた時、空軍のパイロットという点ではアレンはトッドよりも上の存在だったかもしれない。
だが、それがバイストン・ウェルで使われているオーラバトラーともなれば、話は変わってくる。
地上の戦闘機とバイストン・ウェルのオーラバトラーでは、その意味は大きく変わってくるのだから。
「……分かった。俺も行く」
俺と同じ事を考えたのか、それとも全く別の事を考えたのか。
その辺は俺にも分からなかったが、トッドは1分程考え込んだ後で、そう言った。
そうなると、後はトッドもドレイクの部下が呼びに来るまで待つしかない訳だ。
「そう言えば、ビランビーはどうだった? もう乗ってるんだろう?」
自分のダンバインがなくなった以上、トッドが乗るのはドラムロかビランビーしかない。
トカマクはドラムロでもう慣れているのだが、トッドはショットの開発したダンバインの後継機たるビランビーに乗っている筈だった。
「ああ、悪くないオーラバトラーだと思うぜ。ただ、ダンバインの後継機って割には……そうだな、思ったよりも力はないな。ああ、勿論全体的に見ればダンバインよりも上だと思うところも結構あるぜ?」
「それは、オーラコンバータの関係だろうな」
元々、ダンバインは地上人用として開発されたという一面があるが、それ以上にゲドを開発した時、オーラコンバータによってオーラバトラーの性能が想定した以上に上がるといった現象が現れたのに興味を持ったショットが開発した機体だ。
パイロットのオーラ力によって、ダンバインの性能は無制限……というのは少し違うか、それに近いくらいにまで上がる。
言ってみれば、純粋な機体性能……カタログスペックという点では、ダンバインはそれ程優れている訳ではない。
あくまでも、パイロットの持つオーラ力を利用して、オーラバトラーの性能を上げるといった効果に特化している機体と言ってもいい。
それに比べて、ダンバインの後継機として開発されたビランビーは、後継機という割にはパイロットのオーラ力によって機体性能を上げるといったような能力は使われていない。
代わりに、ショットが開発したオーラ増幅器が採用されており、本来ならオーラ力が足りず乗れない人物であっても、十分に性能を発揮出来る能力を持っていた。
そういう意味では、ダンバイン最大の特徴を消し去ったのだから、ダンバインの後継機と呼ぶのは少しどうかと思わないでもないが……まぁ、それでも高機動型のオーラバトラーという意味では、ダンバインの後継機と考えてもおかしくはないのかもしれない。
その辺りを説明すると、トッドは納得したような、それでいて不満そうなような、そんな表情を浮かべる。
トッドにしてみれば、後継機なのに性能が下がっているというのは不満なのだろう。
とはいえ、聖戦士でも何でもないパイロットが乗るというのを考えると、まさかダンバインと同じようなオーラコンバータを使う訳にもいかないのは事実だ。
当然だが、ダンバインに使われているオーラコンバータは高性能であるだけに、コストも高い。
普通の兵士が使う量産型として設計されたビランビーに、ダンバインが使っているようなオーラコンバータを採用したりといった真似は出来ないだろう。
「オーラコンバータか。なら、俺のビランビーだけをダンバインのオーラコンバータにする訳にはいかないのか?」
「出来るかどうかは分からないが、ショットに聞いてみたらどうだ?」
ここでゼットではなくショットの名前を上げたのは、やはりビランビーを開発したのがショットだからだ。
純粋な技術者として考えれば、何気にゼットの方が高い能力を持っていたりするんだが。
実際、俺のサーバインに使われているマジックコンバータもゼットが主になって開発された物だ。
だが、それでもゼットはゼットで仕事がある。
ビランビーの方はもう完成しているが、それに対してゼットの開発しているバストールの方は、まだ試験中らしい。
ゼットはそっちの方が忙しい筈だった。
自分の恋人のガラリアが乗る事を前提として開発されてる機体なので、その辺は当然かもしれないが。
そうして話していると、やがてドレイクの兵士が訪ねてきたとメイドから報告があった。
どうやら新たな地上人3人にバイストン・ウェルについての説明が終わったらしい。
「さて、マーベル、トッド、行くぞ」
そんな俺の言葉に、マーベルは特に緊張した様子もなく頷き、トッドは緊張した様子で頷く。
マーベルにしてみれば、新しい地上人3人は全員が今日初めて会う相手だ。
それに対し、トッドはやはりアレンの存在について思うところがあるのだろう。
それでも、いつまでも会わない訳にはいかない以上、トッドは頷いたらしかった。
「トッド!? トッド・ギネスか!?」
部屋の中に入ってきた俺達……というか、トッドを見て、アレンは驚きの声を発する。
やはりトッドの事は知らなかったらしい。
それだけに、アレンの驚きは尚更だったのだろう。
それこそただの驚きではなく、驚愕といった言葉が正しいような、そんな驚き。
「アレン・ブレディ……久しぶりだな」
そんなアレンに向けて、トッドはそう声を掛ける。
「アレン、知り合いかい?」
トッドとアレンのやり取りを見て、2人が知り合いだと判断したのだろう。
赤い髪の女が、アレンに向かってそう尋ねる。
「ああ。俺と同じくアメリカ軍の奴だよ。もっとも、俺はパイロットで向こうはパイロット候補生だけどな。ジェリルにはこの2つの違いが分かるか?」
「つまり、あっちのトッドってのは補欠とか2軍とか、そんな感じなんだろ?」
ジェリルと言われた女は、アレンの言葉を聞いてトッドを哀れむような目で見る。
そんなジェリルの態度が気にくわなかったのだろう。
トッドはジェリルとアレンを睨みながら口を開く。
「言っておくが、軍隊ではアレンの方が立場は上だったが、このバイストン・ウェルでは俺の方が上だぞ。オーラバトラーの操縦を戦闘機と同じように考えていたら、それこそ痛い目を見るからな」
そう言うトッドだったが、実際には戦闘機に乗っていた経験は間違いなくオーラバトラーの操縦でも活かされている。
トッドも多分それは理解しているのだろうが、アレンの手前、素直にそれを認めるような真似は出来ないのだろう。
「へぇ、そうかい。なら、後でオーラバトラーとやらに乗ってみたら、トッドの言う事が正しいかどうか分かるかもな」
アレンにしてみれば、トッドというのは明らかに自分よりも格下の相手といった認識なのだろう。
地上ではそれは間違っていなかったのだろうが、このバイストン・ウェルにおいては大きく違う。
まぁ、ショウみたいにいきなりダンバインに乗って敵と戦って戦果を挙げるような者もいるが、当然そのような者は基本的には少数でしかない。
今の状況を思えば、それこそアレンがダンバインに乗ったからといって、ショウのように活躍が出来るとは思えない。
……まぁ、その辺はこの後実際にオーラバトラーに乗ってみれば、分かるだろうが。
「それで、そっちはアレンの知り合いらしいけど、他の2人は? フェイの知り合いかい?」
ジェリルの言葉に、フェイと呼ばれた男は首を横に振る。
アレン、ジェリル、フェイ。
これが新たな地上人3人の名前らしい。
「いや、知らないな。アレンの知り合いと一緒にやって来たって事は、地上人なんだと思うけど」
「半分正解だな。……どうやら俺達の事はまだ教えて貰ってなかったらしいが」
そう言い、視線をこの部屋でアレン達にバイストン・ウェルについての説明をしていたと思しき文官の男に視線を向けると、その男は即座に頭を下げてくる。
「申し訳ありません、アクセル王。ですが、お館様から、アクセル王については自分で話させた方がいいだろうと言われまして……」
「だろうな。別に責めてる訳じゃないから、気にするな」
マーベルだけならともかく、地上の人間でもなく……そもそもこの世界とは違う異世界の王が実はバイストン・ウェルにいると言われても、普通は信じられない。
それこそ、お前は何を言ってるんだ? といったように頭の中身を心配されても、おかしな事はないだろう。
「王? 王様だって?」
ジェリルが信じられないといった様子でこっちに視線を向けてくる。
さっきのやり取りでも思ったけど、随分と気の強い女だな。
そういう意味ではガラリアに似た気質だし、意外とオーラバトラーの操縦に向いてるかもしれないな。
とはいえ、ガラリアと似た性格となると、手柄を求めて暴走する可能性があったが。
「ああ、王だ。正確にはバイストン・ウェルでも地上でもなく、異世界の国の王だけどな」
「異世界? 本気で言ってるのか?」
俺の言葉にアレンがそう尋ねてくるものの、言葉の中にはそこまで強い疑問の色はない。
そもそも、自分達がバイストン・ウェルというファンタジー世界に召喚されるといったような真似をされている以上、俺の言葉も迂闊に疑うといったような真似はできないのだろう。
それでも素直に信じた様子がない辺り、疑り深いのはアレンの性格かもしれないが。
いや、今まで俺の事を話した他の面々も似たようなものだったか?
素直に俺が異世界の人間だというのを信じるなんて真似は、常識があればこそ出来ないのだろう。
「そうだ。本気だ。取りあえず俺が異世界の人間だという証拠は……こんなのでどうだ?」
軽く指を鳴らすと、俺の影から先端が尖っていない影槍が延びる。
『なっ!?』
新たな地上人3人が、揃って影槍を見て驚愕の声を上げる。
それだけ、目の前の光景を信じられなかったのだろう。
……実際には、バイストン・ウェルといった世界に召喚されたことを思えば、そこまでではないのだろうが。
「このバイストン・ウェルで、人間は魔法を使えない。……まぁ、オーラ力ってのがあるから、似たような真似は出来るかもしれないけどな。この世界で魔法を使えるのは、お前達をこの世界に召喚したエ・フェラリオとかくらいだ。そうである以上、俺が魔法を使っているのを見れば、多少は俺の話に信憑性はあるだろう?」
取りあえず俺は人間ではなく混沌精霊なのだが、その辺は誤魔化してそう告げるのだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1540
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1676