蒔苗の屋敷の跡地。
島の周囲に浮かんでいる軍艦の砲撃によって、既に屋敷は完全に破壊されていた。
攻撃された時に火事にでもなったのか、炭となっている場所もある。
また、つい先程の砲撃によって破壊の跡はより大きくなっていた。
そんな場所で、俺は空間倉庫から予定通りにミロンガ改を取り出す。
いかにも運動性が高そうな……それでいて、運動性や機動性に全振りした為に、防御力は完全に捨てている機体がそこにはあった。
もっとも、防御を完全に捨てたとはいえ、シャドウミラーの技術班が改修したこの機体は、ある程度それをフォローするだけの性能を持っている。
具体的には、バリアが。
それも、ブレイズ・ルミナス、G・テリトリー、Eフィールド、PS装甲といった具合に。
特に最後のPS装甲は正確にはバリアではなく装甲だ。
ミロンガ改の機体性能を活かしつつ、その装甲の薄さをどうにかしようと考えた結果、採用されたのがPS装甲だった。
もっとも、俺の戦闘スタイルは基本的に敵の攻撃を回避するというものである以上、当たらなければどうという事はないのだが。
もし当たっても、バリアで対処出来るし。
また、敵の攻撃がミサイルの場合は、ジャマーもある。
そういう意味で、そこまで防御力に問題はないんだよな。
そんなミロンガ改のコックピットに乗り込み、機体を起動させる。
ミロンガ改の武器はエナジーウィングにビームサーベル、ビームマシンガンという基本的な物だ。……いやまぁ、エナジーウィングはちょっと普通ではないかもしれないが。
正確には他にもS-11ミサイルがあるが、これは今この場で使うにはちょっと威力が高すぎるし、何より空間倉庫にある程度の予備があるとはいえ、それでも数は有限だ。
ゲートが繋がってホワイトスターと自由に行き来出来るようになれば、残弾についても気にしなくていいのだが。
いや、ゲートが使えるようになるという事は、俺の解呪が終わったという事を意味している。
それはつまり、ニーズヘッグを使えるようになっている訳で……それなら、ミロンガ改ではなくニーズヘッグに乗ってもいいんだよな。
そんな風に思いつつ、ASRSを起動させる。
これによって、ミロンガ改は消えたので、レーダーとか映像モニタとかでミロンガ改を見つける事は出来なくなった。
もっとも、気配遮断と同じく攻撃をするとその効果は切れるのだが。
勿論、気配遮断と同じく効果が切れるのは間違いないが、その理由は違う。
気配遮断はそういうスキルだし、ASRSは純然たる科学によるものなのだから。
それでも効果が切れるというのは同じなのだが。
ともあれ、まずは当初の予定通り海に向かうか。
さっきもここに砲弾を撃ち込んできたので、また撃ってくる可能性は十分にあった。
そんな訳で、スラスターとエナジーウィングを使ってその場から飛ぶ。
あ、ちなみに今更の話だがサラマンダーにもエナジーウィングは装備されてるので、その辺で同一勢力の機体と認識されてもおかしくないかもしれないな。
今更の話か。
まず向かうのは……正直なところ、どの軍艦からでもいいので、適当に決める。
こうして俺の勝手で決められた結果、狙われてしまった軍艦の乗組員は運が悪いのだが……まぁ、他の軍艦も沈めるので、そういう意味では構わないだろう。
最終的には全員が同じ場所に行くのだから、
そういう風に考えつつ、何となくで選んだ軍艦に向かう。
当然ながら、ASRSのお陰でミロンガ改の存在には全く気が付いた様子がない。
そんな訳で、俺はそちらに向かい……ブリッジに向かい、ビームマシンガンを撃つ。
ビームマシンガンというのは、その名の通り一撃の威力が強い訳ではなく、小さなペレット状のビームを多数撃ち込むという武器だ。
オルフェンズ世界のMSはともかく、ナノラミネートアーマーとかがない相手にとっては強力な武器ではあるものの、それでも一撃必殺とはいかない。
いかないのだが……軍艦にとってみれば、それは致命的な一撃だった。
ブリッジを破壊され、まずは1隻目。
……うん? 撃沈はされてないんだが、それでも撃墜数が1上がってるな。
まぁ、もうこの軍艦は戦力にならないとステータスのシステムが判断したのだろう。
これで、実は後からまた動き出したりしたら困るが。
とはいえ、ビームマシンガンだとMSはともかく、軍艦は撃破出来ないしな。
このオルフェンズ世界のMSを相手にした場合は、精神コマンドの直撃を使わないと撃破は出来ないが。
ともあれ、ブリッジを破壊することで撃破扱いになるのは助かった。
もしそれでも駄目なようなら、格納庫の中に侵入して、内部から撃破するといったようなことをする必要があるし。
内部からの破壊なら、間違いなく撃破出来るだろう。
それに、ここは地球だ。
ましてや、相手は海上船。
底の部分に穴でも開ければ、それだけでこっちの勝利は間違いない。
ミロンガ改は一応海中でも動けない事はないので、そういう手段を取っても……いや、戦闘終了後のメンテナンスを考えると、海に潜ったりしたら洒落にならないか。
もっとも、こうして海の上を飛んで行動してるだけで、波飛沫が当たったり、潮風によって機体に相応のダメージはあるのだろうが。
そんな風に考えつつ、撃破した軍艦から一番近い別の軍艦に向かう。
「っと」
ASRSが切れたので、当然ながら他のギャラルホルンの軍艦はミロンガ改の存在に気が付き、味方ではないという事で自分に近付いてくるミロンガ改に向かって迎撃を始める。
だが、放たれる対空兵装……いわゆる機関砲の類は、素早く動くミロンガ改には全く命中しない。
ミロンガ改は元々運動性や機動性に特化している機体であり、それにプラスして装備されたエナジーウィングが、更に運動性や機動性を増している。
また、普通ならこうした操縦をすればGによってパイロットにダメージがあるのだが、混沌精霊の俺にしてみればこの程度は何の問題もない。
そんな訳で、対空兵装は全く効果がなく、そのまま2隻目の軍艦のブリッジの前に辿り着き、躊躇なくビームマシンガンを撃ち込む。
これで2機。
正確には2隻なのだが。
「っと、そういうのもあるのか」
俺が2隻目の軍艦を破壊したところで、他の軍艦からミサイルが発射される。
砲弾ではどうしようもないので、ミサイルを使って撃破しようとしたのだろう。
エイハブ・リアクターの影響で電子機器は妨害されるのだが、ハーフメタルを使ったりしてるのか?
もしくは、遠距離ではなく短距離でなら、ミサイルの誘導もある程度出来るのか。
だが……
「相性が最悪だったな」
ミロンガ改のジャマーを発動させると、それによってミサイルはあらぬ方向に飛んでいき……やがて海の中に墜落し、少し時間が経ったところで爆発によって水柱が生み出される。
これは恐らくだがギャラルホルンにとっても予想外の結果だった筈だ。
実際、数秒ではあっても対空砲の狙いが大きく外れたし。
あるいはそのような状況であっても対空砲を撃つのを止めなかったのは、褒めるべきかもしれない。……まぁ、自動操縦の可能性も高いが。
ともあれ、そうして油断をした時点で致命的な訳で……
「死ね」
対空砲の狙いが逸れたのをこれ幸いと、軍艦のブリッジの前に到達するとビームマシンガンを撃ち込む。
これで3機。
そのまま他の軍艦も次々と撃墜していく。
4機、5機、6機、7機、そして……
「これでラスト!」
最後の1隻に対しては、ブリッジの間近まで迫ったところで、エナジーウィングの一斉掃射を行う。
ブリッジは当然のようにそれを防ぐことは出来ず、これで島の周囲にいた8隻の軍艦全てが撃破されたことになる。
……以前の襲撃の時はもう少し軍艦の数がいたように思うんだが。
何らかの理由で、何隻かの軍艦は戻ったのか。
その辺は俺には分からなかったが、とにかく敵の数が減ったのは間違いない。
これは俺にとって決して悪いことではなかった。
もしかしたら……本当にもしかしたらの話だが、イズナリオの不正に付き合うのが嫌になって戻ったのかもしれないし。
もしくはマクギリスが手を回したという可能性もあるが、それについては正直なところ何とも言えない。
あくまでもそうだったらいいなと、そういう風に思うだけなのだから。
ともあれ、軍艦を撃破した以上はもう勝負がついた訳で。
オープンチャンネルを使い、ギャラルホルンのMS隊、後はいるかどうか分からないが歩兵に対しても通信を送る。
「ギャラルホルン所属の者達に通告する。俺はシャドウミラーを率いる、アクセル・アルマー。島の周囲にいた8隻の軍艦は全て撃破した。もうお前達が戻るべき母艦はない。大人しく降伏しろ。そうすれば命は助ける。それとイズナリオ・ファリドが企んでいたアーブラウ代表の件も、蒔苗が選挙で勝利した」
その通信を、向こうがどのくらいまで素直に聞くのかは正直なところ分からない。
あるいは嘘だ、デタラメだとして全く話を聞かない可能性もある。
……とはいえ、海を見れば本来ならそこにいる軍艦の姿がないことには気が付くだろう。
あるいはMSでの戦闘中であっても、俺が軍艦を撃破している姿を見るようなことは出来たかもしれない。
何よりこのオープンチャンネルに軍艦側から否定の声が出ないのだから、それが俺の言葉の信憑性を強めていた。
「繰り返す。既にお前達は負けた。このまま戦い続けていれば、それこそ死ぬだけだ。大人しく降伏しろ。そうすれば命だけは助けてやる」
それはつまり、助けるのは命だけでMSとかそういうのは全部こっちで貰うという事を意味しているのだが、このオープンチャンネルの通信を聞いてそれを理解している者がいるかどうか。
自分達が追い詰められているからこそ、現在自分達がどのような状況にあるのか分からない。
そういう事になってもおかしくはないのだから。
「降伏するのなら、武器を捨てろ。MSから降りろ。シャドウミラーと鉄華団プラスアルファの連中も、降伏した相手を攻撃するのは禁止する」
そう告げる。
ちなみにオープンチャンネルについては、エイハブ・リアクターの影響があってもこの島くらいの中では普通に通じる。
それはつまり、オープンチャンネルについて聞いていなかった、聞こえなかったという言葉は通用しない訳で。
もしこのオープンチャンネルを聞いた後でもMSに乗ったままであったり、武器を持ったままであった場合は撃破されても構わない。
「また、この通信を聞いているシャドウミラー、鉄華団、プラスアルファの者達に告げる。この通信が終わったあとでもMSに乗ったまま、武器を持ったままのギャラルホルンの者がいたら、即座に殺してもいい」
ちなみにプラスアルファというのは、ラフタとアジーの事だ。
タービンズは表向き俺達に協力をしている訳ではないので、その名前を出さない方がいいと判断したのだ。
「さて……どうだろうな。オープンチャンネルに……あ、しまったな」
そこまで呟いたところで、俺は自分のミスに気が付く。
具体的には、ミロンガ改でオープンチャンネルを使った事だ。
サラマンダーとミロンガ改には、エナジーウィングという共通点がある。
そして当然ながら俺はグシオンに乗っている時もナノラミネートアーマーを無効化する何らかの手段を持っているとギャラルホルンには認識されているのだ。
そんな俺がミロンガ改に乗ってオープンチャンネルを使ったと分かれば、それを聞いた者はサラマンダーに俺が乗っていたと判断するだろう。
……まぁ、その件は魔法についてもそれなりに公にしたし、今更の話だろう。
この一件が終われば火星に戻るんだし。
そろそろ解呪の件についても進展があって欲しいところだ。
それなりに魔力を使って解呪を進めようとしてはいるのだが、今のところそこまで大きな進展はない。
シーラが言うには、少しずつではあるが解呪が進んでいるという話だが。
シーラの性格を考えると、それは俺に対するお世辞とか、落胆させないように嘘を言ってるとか、そういう事はないだろう。
それこそシーラなら、本当に解呪が進んでいなければきちんと解呪は全く進んでいないと言う筈だ。
つまり、解呪が進んでいるのは間違いないのだ。
……にしても、俺の魔力で、それもPPを使ってSPを大量に上げたにも関わらず、それでも解呪にここまで時間が掛かるのは……正直なところ、ここまで強力な呪いだとは思わなかった。
毎晩毎晩、解呪の痛みに耐える身にもなって欲しい。
とはいえ、いつまでもその件について考えている訳にもいかないか。
今はとにかく、島の戦いを終わらせるのが先決だろう。
出来ればマクギリスとも連絡を取りたいところだが……こっちから連絡するのは色々と不味いだろうし、取りあえず今は向こうから連絡が来るのを待つしかなかった。
アクセル・アルマー
LV:45
PP:475
格闘:313
射撃:333
技量:323
防御:323
回避:353
命中:373
SP:3003
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1953