火星に向かっていた俺達は共同宇宙港に到着する。
そうなると、俺達は即座に行動に出る。
一番早い降下船に主要な面々と乗り込む。
とはいえ、勿論本当に全員で降下船に乗り込んだ訳ではない。
グランやガラン、ジャコバ、イサリビ、ハンマーヘッドもそのままには出来ないしな。
そんな訳で、主要な面々ではあっても全員という訳ではない。
荒事とかに向かない面子もいるし。
「それで、兄貴。ノブリスにはどうやって?」
「普通に殴り込みといった感じだな。……ノブリスの拠点はクリュセにあるから、MSは使えないが、MWは使える」
どうするのかと聞いてきたオルガにそう答える。
オルガにしてみれば、やる気ではあるがどのようにするのかというのは俺に任せているのだろう。
勿論無茶な事を言えば、それは駄目だと言うだろうが。
「MWは……使わない方がいいんじゃないかと。街中で使える兵器ですが、実際に街中でMWを使っているのを知られれば、ギャラルホルンが出てくるでしょうし」
「……なるほど。それもそうか」
現在のギャラルホルンの火星支部を任されているのは、マクギリスの派閥の者の筈だ。
そういう意味ではある程度誤魔化せるのかもしれないが……それでも借りは作りたくない。
どうしても必要ならその時は躊躇うつもりはないが、今はその時じゃないしな。
そんな訳で、オルガの言うようにMWを使うのは止めておく。
空間倉庫、あるいは影のゲートがあるので、ノブリスの屋敷に直接転移して空間倉庫からMWを出すといった事も出来るのだが……そういう事をしなくてもどうとでも出来る相手に対して、わざわざ魔法とかを使う必要もないだろう。
「なら、普通に武器を持って乗り込むぞ。その場合、敵の攻撃で被害を受けるかもしれないが」
一応防弾用の服とかそういうのもあるが、貫通力の高い武器によっては意味がない。
……いや、全く意味がないという事はないのかもしれないが、それでも怪我をするだろうし、最悪死ぬ。
「それでも、兄貴だけにやらせる訳にはいかないでしょうよ」
オルガの気持ちは嬉しいが……いや、そうだな。これもMSでの戦闘の時と同じようにすればいいのか。
「なら、まずは俺が1人で突っ込む。そうなれば敵の攻撃は俺に集中するだろう。その隙を縫ってオルガは金庫とか倉庫とか、そういう重要そうな場所を押さえてくれ」
「それは……そうなると俺達は安全ですけど、兄貴が危ないんじゃ?」
「攻撃が集中するのは間違いないが……魔法を使える俺をどうにか出来るとでも?」
実際には魔法とかもそうだが、混沌精霊の俺に物理攻撃は通用しない。
まぁ、そもそも俺に攻撃を命中させられる奴がどれだけいるのかが問題だが。
「兄貴がそう言うのなら……」
オルガは俺が魔法使いであっても、混沌精霊であるというのは知らない。
だが、それでも俺の強さについては十分に知っているので、渋々といった様子だが納得したらしい。
「問題ないから、任せろ。それより、金目の物は出来るだけ壊さないように頼むぞ。具体的には、絵画とか壺とか……それ以外に飾ってる物とかも」
ノブリスの資産を考えれば……そして自分に危害を加える者はいないと考えていれば、廊下や部屋に飾っている諸々は偽物やレプリカ、イミテーションといった物ではなく本物の可能性が高い。
であれば、ノブリスの資産だ。
売れば相応の金になる筈であり、アーブラウ軍の基礎を築く為のMSやMW、あるいはそれ以外の物資とか、そういうのを集める資金になるだろう。
「それは……いや、でも……向こうも迎撃してきますよね?」
「だろうな。だからこそ、オルガにはその辺をしっかりして貰う必要がある。……まぁ、敵の主力は俺に集中してる筈だから、オルガ達に向かう戦力そのものはそこまで多くはないと思うが」
この辺が、この作戦……俺が目立って敵の攻撃を引き付けるという作戦のメリットだ。……これを作戦と呼んでもいいのかどうかは微妙なところだが。
攻撃が命中せず、もし命中しても効果がない俺が敵の攻撃を集めるので、味方に被害が出にくいのだ。
俺の特殊性を存分の利用している訳だ。
まぁ、普通は効果がなくても銃撃されるというのは好ましいものではないが……うん。俺の場合は自分で言うのもなんだけど、色々な意味で特殊だし。
数え切れない程の戦場を潜り抜けてきた影響で。その辺の感覚が麻痺してるんだろうな。
これで混沌精霊になっていなければ、もう少し違ったのかもしれないが。
「分かりました。出来る限り頑張ります」
こうして、俺とオルガは打ち合わせをしながら降下船が地上に到着するのを待つのだった。
「さて、じゃあそういう訳でいきなりだが始めるぞ」
「……本当にいきなりですよね。分かってましたけど」
降下船で地上に到着してから、まだ殆ど時間が経っていないものの、俺達……俺とオルガ、それ以外にも今回の襲撃に参加する者達は既にノブリスの屋敷が見える場所にいた。
何人かが気持ち悪そうにしているのは、影のゲートを使った時、影に沈む感触が気持ち悪いと思った者だろう。
そういう者がいるのは知ってるので、特に驚くような事ではない。
もっとも、最初は気持ち悪くても、何度も経験していればそのうち慣れるのだが。
なので、気分を悪そうにしている相手についてもスルーし、オルガとの会話を進める。
「兵は拙速を……って言うだろ?」
「は?」
俺の言葉に、理解出来ないといった様子のオルガ。
ああ、そう言えばスラム街出身だったよな。これについて分かる訳がないか。
「簡単に言えば、素早く動くのは大事だって事だ」
実際には少し違うのだが、オルガに分かりやすいようにそう説明する。
するとオルガも俺の説明で納得したのか、素直に頷く。
実戦経験という意味では、それこそCGS時代から使い捨て同然の扱いをされてきたのだ。
素早く動くのが大事だというのは、実戦経験の中でこれ以上ない程に理解しているだろう。
「分かって貰えたようで何よりだ。……それで、これが武器だ。防具の方も忘れるなよ」
そう言い、空間倉庫の中から銃火器や防弾ジャケット、防弾服、ボディアーマーといった装備品を次々と出していく。
今のところ俺達がいるのは建物の陰になっている場所なので見つかってはいないが、いつまでもいれば門番とかに見つかる可能性は十分にある。
なので、出来るだけ早く行動する必要があった。
ちなみに俺も魔法とかではなく銃を手にする。
……ただし、拳銃の類ではなく地面に設置したり、あるいは車に設置したりして使う、重機関銃を右手に、左手には最強の拳銃として名前が知られている50口径の奴だったが。
そうしてオルガを含めた他の面々の準備が整ったのを見ると、当初の予定通りまずは俺が1人でノブリスの屋敷に向かう。
「と……止まれ!」
俺の姿を見た門番……いや、護衛なのか? まぁ、似たようなものだろうが、ともあれその男は即座にそう言ってくる。
それが威圧するような様子ではなく怯えているような様子なのは……まぁ、俺の外見を見れば明らかだろう。
本来なら人が持つのは不可能……とまではいかないが、それでもこうして軽々と持つ事は無理な重機関銃と、50口径の弾丸を撃てる大きめの拳銃。
それを見て、驚いたり怖がるなという方が無理だった。
あるいは護衛だからこそ、俺の持つ武器がどれだけ強力なのかを理解しているのだろう。
ましてや、ノブリスが自分の身の安全をしっかりと守る為に雇っている護衛は腕利きが多いし。
この護衛にとって不幸な事に……あるいは幸運なのかもしれないが、俺の事を知らないらしい。
俺はそれなりにノブリスと会っているし、護衛も拠点を作った時にそれを見に来たり、施設を整えるのを手伝ったりもしている。
なので、俺と顔見知りの護衛もいるのだが、門の前にいる護衛達は違ったらしい。
「ノブリスに会いに来た。一応言っておくが、俺は怒っている。素直にノブリスをこちらに出すのならともかく、俺に危害を加えようとした場合……」
そこで言葉を止めて、重機関銃の砲身を護衛達に……より正確には、その後ろにある門に向けてトリガーを引く。
次の瞬間、ガガガガガという音と共に重機関銃から多数の弾丸が発射され、門は呆気なく破壊される。
……それでいながら、護衛達に1人も死者どころか怪我人もいないのは、PPによって高められた射撃と命中の数値のお陰だろう。
『……』
護衛であっても……いや、護衛としてそれなりの修羅場を経験しているからこそか、重機関銃の射撃によって何も出来なくなる。
そんな男達に俺は重機関銃を手に近付いていく。
すると、目の前まで俺が到着したところで、ようやく向こうも我に返ったのか、ぎこちない動きながらもこちらに視線を向けてきた。
「退け」
「ひぃっ!」
俺の目の前にいた男がそんな悲鳴を上げながら逃げ出すと、それに釣られるように他の護衛も逃げ出した。
……それでも屋敷の中に逃げたのなら、まだ俺が襲撃してきた事を知らせに行くといった言い訳も出来たのかもしれない。
だが、逃げたのは屋敷の外に向かってだ。
それだけ今の攻撃が怖かったのか。
怖かったんだろうな。
混沌精霊になったお陰でその辺の感覚は既に人外のものになっている俺だが、それでも一般人……一般人? まぁ、普通の人間だった頃の感覚を忘れた訳ではない。
普通の人間の場合、銃弾を回避したり、斬り落としたり、弾いたり、あるいは命中しても効果がなかったりといった事は出来ないのだ。
そんな連中が、それこそ1発当たれば手足であってもその衝撃によって心臓が破裂するなりなんなりして死ぬという事になるような重機関銃の弾丸を間近で……それも自分には当たらずとも、自分の方に向かって撃たれたらどうなるか。
それが、今のこの光景だった。
「さて、じゃあ行くか。お前達は後から来てくれ」
最後の言葉は唖然としているオルガ達に向けたもの。
俺が重機関銃を撃ったのに驚いているのか、それともその威力に驚いているのか。もしくは、あれだけ連射しても結局1発も護衛達に命中させなかった事に驚いているのか。
その辺りは俺にもちょっと分からないが、その辺りについては慣れて貰うしかない。
「わ、分かりました。兄貴……お気を付けて」
そんな風に言ってくるオルガに軽く重機関銃を振ると、俺は破壊された門から中に入る。
当然ながら、屋敷の方ではかなりざわめいてる。
耳を澄ませば、襲撃だとかそんな風に言ってる声も聞こえてくる。
さて、この状況でノブリスはどう動くか。
一番無難なのは、襲撃があったのだから屋敷から逃げ出す事だろう。
これが、例えば普通の会社の社長とか会長とか、政治家といった者達ならそのような行動をしても問題はない。
だが、ノブリスは火星圏で強い影響力を持つ武器商人。
つまり、裏世界の顔役だ。
そんな人物が、襲撃があったからといって逃げ出したりしたら、どうなるか。
その話を聞いた者達に侮られる事になる。
勿論、普通に襲撃があった場合、死ぬよりは逃げ出した方が正しいとは思う。
思うのだが、それはあくまでも俺の考えだ。
裏世界での事を考えれば、襲撃があったとしてもそれを堂々と正面から受け止め、返り討ちにするというのが最善だろう。
勿論、それは実際にそういう風に出来ればの話だが。
あるいは屋敷から逃げないまでも、シェルターとかがあれば、そこに逃げ込むといった方法もある。
ノブリスが一体どこまで現状を理解しているか、だな。
テイワズの落とし前は既に終わっている筈なので、それに続いて俺達の落とし前についても想像しているか。
そもそも、俺達が火星に戻ってきたのを察知してるかどうか。
いや、これはさすがに察知してないという事はないだろう。
ノブリスの情報網を考えれば、俺達が火星に戻ってきたという情報は知っていてもおかしくはない筈だ。
ただし、俺達が戻ってきたのと今回の襲撃のタイミングは少しおかしい。
であれば、俺達以外の別の敵の襲撃と考えてもおかしくはない。
……ノブリスの性格であったり、何より武器商人という商売上、どうしても敵は多いだろうしな。
あ、でも別に俺は顔を隠している訳でもないので、防犯カメラとかそういうのがあれば、襲撃者は俺だと認識しているかもしれないな。
そんな風に思いながら、俺は屋敷に向かう。
途中で屋敷の屋上から狙撃をしてきた奴がいたが、俺は敢えてそれをそのまま身体で受けて……
「死ね」
反撃として重機関銃を撃ち込む。
放たれた多数の弾丸は、狙撃手を一瞬にして肉片に変える。
あ……まぁ、いいか。死んだのなら、それはそれで構わない。
寧ろこっちを殺そうとしたのだから、向こうも死んでもおかしくはないだろう。
そんな風に思いつつ、俺は屋敷の扉の前に到着し……それを蹴り破る。
ノブリスの屋敷の扉だけに、当然ながら非常に頑丈な扉だったが、俺の蹴りに耐えられる筈もなく、そのまま屋敷の中に吹き飛んでいく。
「ノーブーリース君、あーそびーましょー」
アクセル・アルマー
LV:45
PP:630
格闘:313
射撃:333
技量:323
防御:323
回避:353
命中:373
SP:3003
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1984