転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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4055話

 公園でエルフ達と話をしていた三日月を回収すると、時間も時間なので俺はホワイトスターに戻り、その日は解散となった。

 オルガを始めとした鉄華団の面々にとっても、今まで全く思いもしなかった異世界の存在に戸惑っていたりするので、その辺は自分達で色々と考えたいだろうと思っての事だ。

 そして次の日……俺の姿は、UC世界にあるルナ・ジオンにあった。

 より正確には、ルナ・ジオンの首都クレイドルに存在する、政庁。

 一度セイラに顔を出しておけと言われていたので、こうしてやって来たのだ。

 ガンダム開発計画についても、色々と話があるという事だったし。

 そんな訳で、俺は政庁の中でも限られた者しか使えない、セイラの執務室のある階層に直通のエレベータに入る。

 ちなみに俺の顔を知らないのか、俺がこのエレベータに向かっているのを見た何人かが、呆れの視線を向けてきていた。

 多分、俺が政庁について詳しくないのだと思ったのだろう。

 もっとも、俺は普通にエレベータに乗ったのだが。

 少しだけ、俺にそういう視線を向けていた者達がどのように思ったのか気になったが……うん。まぁ、今は別にいいだろう。

 そんな訳でエレベータから下りた俺は真っ直ぐにセイラの執務室に向かう。

 セイラはルナ・ジオンの女王なので、当然ながらSPがついている。

 これは普通なら、量産型WやコバッタをSPにすればいいのだろう。

 ルナ・ジオンにおいては、量産型Wやコバッタは普通に用いられているので、それは別におかしな事ではない。

 だが、見映えや伝統とか、そういうのからSPは人間の役目となっている。

 勿論、何かあった時は量産型Wやコバッタが出てくるのだが。

 政庁の1階にいた中には俺の事が分からない者もいたが、さすがにセイラのSPは俺の顔を知ってるらしい。

 当然か。

 現在のルナ・ジオンは、言ってみればシャドウミラーの下部組織だ。

 そして俺はシャドウミラーを率いる者。

 これを分かりやすく表現するのなら、本社と子会社といった感じか。

 子会社の警備員が、親会社の社長を分からずに問題を起こすとか、そういうのはまずないと思う。

 それを示すように、SPは俺の姿を見ると敬礼をして扉をノックする。

 すると中から入ってもいいといった声が聞こえ、俺は部屋の中に通される。

 

「久しぶりですね。アクセル」

 

 何らかの作業をしていたセイラだったが、その作業を中断して俺を見ると、そう声を掛けてくる。

 

「ああ、久しぶりだな。俺にとっては……大体4年ぶりくらいか」

「……モニクから話を聞いていましたが、時差というのは凄いものですね」

「まぁ、俺にとってはその辺についてはあまり気にする必要がないしな」

 

 混沌精霊として、不老の俺だ。

 もし不老でなければ、4年というのはかなりの時間となる。

 何しろ15歳が19歳になるくらいだけの長さなのだから。

 

「そう。……私にとっては、アクセルと会えなかった時間も長かったのですが」

「悪いな。まさか、俺もこういう事になるとは思っていなかったし」

 

 実際、神の呪いによって世界から追放されるとは思っていなかったし、その呪いによってホワイトスターに戻ってくるのにここまで時間が掛かるというのは予想外だったのも事実。

 もし俺がクーデリアを抱いていなければ、ホワイトスターに戻ってくるのはもっと遅かった筈だ。

 そういう意味では、色々と特殊な状況なのは間違いない。

 ……もっとも、その辺りについて説明するつもりはないが。

 これがシーマ、モニク、クスコ、クリスの4人であれば、俺との関係から話してもいいし、実際に話したのだが。

 

「そうね。神の存在する世界……そのような世界があるというのは、私にとっても驚きよ」

「この世界に神はいないしな」

 

 いやまぁ、もしかしたらどこかに神はいるのかもしれないが。

 ただ、ペルソナ世界のように人前に出て来るといった事はないだろう。

 この世界の原作とペルソナ世界の原作の違いといったところか。

 この世界はあくまでもガンダム……人型機動兵器、MSといったように科学技術の世界だ。

 これで魔法のある世界であれば、また少し話は違ってくるんのかもしれないが。

 

「喜ぶべきか、悲しむべきか。難しいところね」

 

 このUC世界にも、一応宗教は存在する。

 ただ、宇宙に出たのも影響があってか、そこまで活発という訳ではない。

 それでも結婚式や葬式とか、そういうのは宗教に則ってやるのだが。

 

「この世界で下手に宗教の影響力が強くなると、面倒な事になるのは間違いない。そういう意味では宗教勢力が強くないのは悪くないと思うけどな」

「そうですね。……さて、いつまでもここで話をするのはどうかと思うので、お茶にしましょう。色々と話を聞きたいですから」

 

 そう言うと、セイラは椅子から立ち上がるのだった。

 

 

 

 

 

「どうです? これはクレイドルで育てている茶葉の紅茶ですが」

「……美味いな。それに香りもいい」

 

 紅茶派としては、セイラの淹れてくれた紅茶には素直に脱帽だ。

 もっとも、紅茶派ではあるが缶紅茶とかでも問題なく飲めるといった俺は、そういう意味では本当の……ディープな意味での紅茶派という訳ではないのだろう。

 もしそういう紅茶派がこの紅茶を飲めば、もっと的確な感想を口にするだろうし。

 とはいえ、俺が美味いと言った事でセイラは満足そうな様子を見せていたが。

 セイラにとっても、この紅茶は自信があったのだろう。

 あるいは自分の淹れ方か。

 紅茶というのは、幾ら葉が上質であっても、淹れ方次第で美味くも不味くもなる。

 この紅茶をこうして美味く淹れられたのは、それだけセイラの紅茶を淹れる技術が凄いからなのは間違いなかった。

 

「ふふっ、ではこちらもどうぞ。最近美味しいと評判のお店のクッキーです」

 

 嬉しそうに勧めてくるクッキーに手を伸ばして口に運ぶと……なるほど、サクリとした食感と、口の中ですぐに溶けていくような、そんな感触。

 

「美味いな」

 

 素直に感想を述べる。

 そうして満足そうなセイラと色々と世間話をし……気が付けば、1時間程も経っていた。

 何だかセイラが妙にはしゃいでいて、俺もそれに引っ張られるような形で世間話を楽しんだのだが、そろそろ本題に入るか。

 俺としてはもう少しセイラと話をしていてもいいのだが、セイラは女王としての仕事もあるしな。

 

「さて、そろそろ本題に入ってもいいか? 何でも、アナハイムからガンダム開発計画についての相談が来ているという話だったが」

「……ええ、そうね」

 

 俺の言葉に、真剣……いや、少し不機嫌か? とにかく口元から笑みを消し、セイラが俺を見てくる。

 

「どこまで話を聞いていますか?」

「腕利きのテストパイロットを欲しているといった程度だな」

 

 シーマから聞いた話はその程度だった筈だ。

 そんな俺の言葉に、セイラは頷く。

 

「それで大まかには間違っていません」

「けど、ガンダム開発計画はあくまでも連邦の計画だろう? なら、何で連邦からテストパイロットを選ばないんだ?」

 

 俺が知ってる限りでも、アムロやユウ……それには及ばないが、それでもエース級と称するに相応しいヤザンやバニングといった腕利きがいる。

 また、連邦軍の巨大さから考えると、俺が知らないだけでエース級のパイロットは多くいるだろう。

 なのに、何故わざわざざ連邦軍からではなく、ルナ・ジオンにパイロットを要求してくるのか。

 ……あ、でもアムロは無理か。

 俺が聞いた話だと、ニュータイプという事で危険視されており、半ば軟禁に近い状態にあるらしいし。

 それでも一応パイロットの教官として働いてはいるようだったが。

 

「色々と事情はあるのでしょう。アクセルは忘れているようですが、アナハイムは月の企業です。その辺りの関係もあるでしょうし……他にも色々と後ろ暗いところもあるのでしょうね」

 

 なるほど、言ってみればこれはゴマすりのようなものか。

 アナハイムにしてみれば、本拠地が月にある以上、ルナ・ジオンとの関係は最重要だ。

 あれ? でも本社という意味では地球じゃなかったか? あ、それとも本当の意味で本社を月に移したのか。

 まぁ、どのみち実質的な本拠地が月だったのは間違いないが。

 

「それでテストパイロットか?」

「ええ。ただ、その報酬がアクセル好みなのは間違いないわ」

 

 そう言い、笑みを浮かべるセイラ。

 どうやら余程に自信のある内容らしい。

 いや、この表現は正しくないか。

 アナハイム側から出してきた報酬なのだから。

 

「そんなにか?」

「ええ。当初はもっと別の報酬だったんだけど、アクセルならこちらの方を喜ぶと思って。もっとも、この話が来た時はまだアクセルは行方不明だったから、他のパイロットを派遣して、その報酬をシャドウミラーに渡そうと思っていたんだけど」

 

 なるほど、シャドウミラーが未知の技術を集めているのは、当然ながらセイラも知っている。

 そういう意味で、未知のMSを入手するというのは、シャドウミラーにとっては利益だろう。

 ただ、そんな中で俺が帰ってきた。

 なので、シーマを通して俺にこの話を持ってきた訳か。

 本来なら、俺がテストパイロットをやる必要はない。

 ないのだが、ガンダム開発計画が気になるのも事実。

 それで開発されたガンダムの性能を実感出来るというのは、それこそ報酬がなくてもテストパイロットに立候補したいくらいだ。

 

「そうだな。悪くないと思う。ただ……報酬となるMSについてはどういうのだ? 具体的に教えてくれ」

「ガンダム開発計画においては、最初に4つのコンセプトのMSを開発したらしいわ。1つが単純にアクセルも知っているガンダム、RX-78の正統進化系の汎用MSね。もう1つは最強の攻撃力を持たせる為に核兵器の運用を前提としたMS。次にMA的な要素を持ったMS。そして最後が強襲用のMSといった具合に。……まぁ、実際には最初にそれら全ての特徴を持ったMSを作ったみたいだけど、とてもではないけど使い物にならなかったから、コンセプト別にしたというのが正直なとこらしいけど」

「えーっと、ちょっと待て。色々と突っ込みどころ満載だな」

 

 セイラの言葉を一度止めて、ガンダム開発計画について考える。

 ガンダム開発計画は連邦軍にとっても重要な機密なのに、その辺りの情報を知っているのはどうかと思うが、この件についてはそもそもアナハイム側から話を持って来た以上、その辺の情報漏洩は自然な流れだろう。

 それでも最初に試作機を作ってそれが使い物にならなかったというのは……まぁ、ルナ・ジオンの諜報能力の影響だろうが。

 で、次がガンダム開発計画の各種MSについてだな。

 最初のRX-78、つまりアムロが乗っていたガンダムの正統進化系の汎用機というのは分からないでもない。寧ろこれが大本命といったところだろう。

 だが、それ以外のガンダムは……

 まず、核攻撃用のガンダム。

 そう言われて真っ先に思い出すのは、1年戦争でジオン軍が使っていたザクⅡだろう。

 それも数千機も作られたというF型ではなく、核兵器運用を前提にしたC型か。

 ただ、核兵器は南極条約で禁止されている。

 とはいえ、南極条約はあくまでも1年戦争の時に結ばれたもので、既にその1年戦争が終わっている以上は、連邦軍で核兵器運用型のガンダムを作っても問題はないのだが。

 もっとも、理屈としては問題がなくても、感情の問題がある。

 1年戦争……特に序盤に行われた1週間戦争やルウム戦役では、核兵器が大量に使われた。

 1年戦争において、UC世界の人口は半分になったとも、3割になったとも言われているが、その最大の原因は1年戦争やルウム戦役だ。……コロニー落としも大きな理由だが。

 ともあれ、それだけ大量に核兵器が使われた以上、UC世界の人間は核アレルギーに近いものを持っている者も多い。

 そんな中で核兵器を運用する為のガンダムというのは、表沙汰になれば間違いなく問題になるだろう。

 もっとも、個人的には少し興味はあるが。

 そしてMA的な存在のガンダム。

 これについては、恐らくビグ・ザムの影響があるのだろう。

 ソロモンで遭遇したビグ・ザムによって、連邦軍は非常に大きなダメージを受けた。

 また、それ以外にもルナ・ジオンはビグ・ザム級の攻撃力を持つアプサラスがあるし、MAという括りではヴァル・ヴァロやビグロ、ビグロマイヤーといったビグロ系のMAを集めたMA部隊もある。

 それに脅威を感じたというのもあるのだろう。

 もっとも、連邦軍も1年戦争時代にガンダム7号機を開発しており、それはFSWS計画に沿ったガンダムで、2段階の増加装甲をやると、半ばMA的な存在となっていたのだが。

 ガンダム開発計画のMA的な存在というのは、もしかしたらその辺から発展したものなのかもしれないな。

 そして……強襲用のガンダム。

 正直なところ、これが一番意味不明だ。

 いやまぁ、コンセプトは分かる。

 それにジオン軍が1年戦争中に開発した強襲用MSのケンプファーは実際に結構な戦果を挙げたようだし。

 だが……だからといって、わざわざガンダム開発計画で作るのかと言われると……正直微妙なところだ。

 個人的には強襲用MSとかは好みなんだが。

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