バーンとの戦いを終えた俺は、正式にドレイクの同盟者という扱いになり、城に部屋を用意して貰った。
ちなみにマーベルも俺の部屋の隣に自分の部屋を用意して貰っている。
ドレイクはともかく、ドレイクの部下達の中にはマーベルを特に役立つ能力も持っていない、単純に俺の女だという認識をしている奴もいたが……その辺りは後々どうにかしていけばいいだろう。
とはいえ、マーベルはアメリカでは大学生でしかない。
ショットやゼットのように特殊な技術を持っている訳でもない以上、どうしても即戦力とはならない。
本人もそれは分かっていたのか、俺の部屋にやって来て相談していた。
「パーティまでの時間だぞ」
「ええ、分かってるわ。……私も準備があるし」
ちなみにこのパーティ。俺とドレイクの同盟を祝う為のパーティだ。
表向きは祝うといったものだが、実際には俺に自分の実力を見せる為のものだろう。
この類のパーティというのは、自分の持っている財力を見せつけるといった意味が強いんだろうし。
そしてマーベルの準備というのは、パーティ用のドレスに着替えるという事だ。
マーベルがバイストン・ウェルに転移してきた時は特に何か持ち物の類は持っていなかったので、ドレスや化粧用品の類はドレイクが用意する事になる。
いや、正確にはドレイクの妻か?
娘のリムルは顔を見たが、妻の方はまだ会ってないんだよな。
そんな相手ともこのパーティで顔を合わせる事になるだろう。
「それで、マーベルがこの世界で何をするかか。……そうだな。オーラバトラーに乗ってみるのはどうだ?」
「……え?」
俺の口から出たのがそこまで予想外だったのか、マーベルは数秒動きを止めた。
だが、すぐに俺を本気か? といったような視線で見てくる。
「実家が牧場だから、馬に乗ったことはあるけど……何でオーラバトラー?」
「何となくだな」
そう告げるも、実際に俺がマーベルにオーラバトラーを勧めた理由はある。
この世界において、オーラバトラーというのは原作的に非常に大きな意味を持つ筈だ。
そしてマーベルがこの世界の原作キャラである可能性が高い以上、オーラバトラーに乗る才能がある可能性は十分にあった。
こうして見る限りでは、何かを感じるといったような事はないんだが……今はまだオーラバトラーの操縦が未熟でも、訓練をすれば急激に能力が伸びるといった可能性は否定出来ない事実だ。
「何となくって……それはちょっといい加減すぎない?」
「そう言われてもな。他に何か使えそうな技術とかはあるのか? ……馬に慣れてるんなら、ユニコンの騎乗は出来るだろうから、伝令兵とか?」
馬車とかもユニコンが牽いているのだが、そちらは普通にユニコンに騎乗するよりもかなり楽な筈だ。
「とはいえ、伝令兵をやるよりもオーラバトラーに乗っていた方がいいと思うけどな」
伝令兵は、当然のように生身――鎧の類は着るだろうが――での移動となる。
それに比べれば、オーラバトラーのパイロットならそれに乗っているだけに攻撃をされても生き残る可能性が高い。
……まぁ、それは今だけの話であって、将来的に他の勢力もオーラバトラーを用意するようになれば、危険度は跳ね上がるだろうが。
「……そうでしょうね」
マーベルも俺の言葉に一理あると考えたのか、特に反論するような真似はしない。
今の状況を考えれば、贅沢を言ってるような余裕はないと理解しているのだろう。
俺がマーベルの立場になれば、働いたりせずに遊んで暮らすといったような事も考えるのだが。
マーベルは基本的に生真面目な性格をしているので、その辺はどうしようもない。
エリナとか美鶴とかと同じような感じだな。
もっとも、エリナも美鶴も俺と付き合うようになってからそれなりに考え方は柔軟になっていたりするのだが。
「ともあれ、今日のパーティが終わったら、ショットやゼットから俺はオーラバトラーを貰う約束になっている。その時、マーベルも一緒に来たらどうだ? それでオーラバトラーに乗ってみて、それで駄目なら改めてやれる事を探せばいいだろうし」
エルフ城の格納庫での話を聞いた限り、オーラバトラーを操縦出来る者は決して多くはないらしい。
そうである以上、もしマーベルを乗せてみてもそこに結果が伴わなかった場合……それで責められるといったような事は基本的にないと思ってもいい。
まぁ、地上人である以上は……といったように見られるかもしれないが。
ちなみに、今更……本当に今更の話だが、『地上人』と書いて『ちじょうじん』ではなく『ちじょうびと』と読むんだよな、この世界だと。
普通だと『ちじょうじん』だと思うんだが。
「そうね。分かったわ。何もしないで、ただアクセルに養って貰うというのは面白くないし、そのつもりでやらせて貰うわ」
最終的に俺の提案に頷くマーベル。
……マーベルの外見は美人だし、最悪メイドという選択肢もあると思うんだが。
ただ、個人的にはメイドというのはそこまで好きって訳じゃないので、推奨はしないけど。
そうしてマーベルと話していると、やがて時間となったのか、ドレイクに仕えているメイドがやってきて、マーベルを着替えさせる為に連れていく。
俺もまた、別のメイドがやって来ると、パーティ用の服装に着替えさせられる。
不思議なのは、バイストン・ウェルには女にはパーティ用のドレスがあるものの、男にはタキシードの類はないんだよな。
この辺、純粋に文化の違いと言われればそれまでだけど。
ともあれ、バイストン・ウェルでは違和感のない服装に着替え……それから暫く待つ。
俺の着替えはすぐに終わったのだが、当然のように女の着替えというのは時間が掛かるのだ。
それこそ、1時間程度で終われば御の字といったくらいに。
今回のパーティは、俺とドレイクが同盟を結んだ事を祝って行われるパーティだ。
表向きは同盟という形をとっていても、実際には一種の雇用契約に近いのだが。
ドレイクにしてみれば、幾ら俺が王と名乗っていても部下も何もいないのだから、それを信じるといった事は出来ないだろう。
だが、俺が持つ特殊な能力の数々を目にし、それによって俺に敵対されないように抱え込んでおいた方がいいと判断しての、同盟。
その判断は領主として的確だろう。
俺もその辺は承知の上で、ドレイクと同盟を結んだんだしな。
少なくても、フラオンとドレイクのどちらを選ぶかと言われれば、俺はドレイクを選ぶ。
エルフ城では税が厳しくて生活するのも苦労するといった様子で、しかもその税金が何に使われるかというと、フラオンの遊興費だしな。
それに比べれば、ドレイクの領民は税金もそこまで重くはないらしく、幸せな日々を送っている。
これでフラオンに肩入れするのは……いやまぁ、フラオンを操り人形にして自分が裏でアの国を操るとかなれば、まだその辺も理解は出来ただろうが。
ともあれ、そういう訳でお互いの思惑が一致して同盟を結び……それをドレイクの部下達に知らしめる為のパーティ。
そんなパーティに参加する以上、主賓の俺は当然パートナーと同伴するのが相応しいのだが、バイストン・ウェルに来たばかりの俺にそんな相手がいる筈もない。
ホワイトスターと行き来出来るのなら、恋人の誰かを連れてくる事も出来たのだが。
そんな訳で、現在の俺が同伴のパートナーとして連れていく事が出来るのはマーベルのみで……そのマーベルの準備が終わるのを、こうして待っていた訳だ。
特にやるべき事もなかったので、空間倉庫から取り出した雑誌を読んで時間を潰していると……部屋の扉がノックされる音が聞こえてきた。
雑誌の中身が牛肉の美味い部位の捌き方という……ちょっと興味深い内容だったのだが、取りあえず雑誌を閉じる。
「お待たせしました、アクセル王。マーベル様の準備が整いました」
ドレイクが俺の担当としてつけてくれたメイドが、そう言ってくる。
表向きは俺の世話をする為って話だったが、実際には俺やマーベルの情報を何でもいいからドレイクに知らせるのが目的なのだろう。
まぁ、今のところは特に知られて困るような事はないので、問題もないのだが。
「そうか。なら、パーティは?」
「そろそろ始まる頃かと」
「ちょうどいいタイミングだったな」
正確には、それに時間を合わせるようにして、メイド達がマーベルを飾り付けたという方が正しいのだろうが。
「時間もいいようなら、そろそろ行くか」
そう告げ、メイドと共に部屋の外に出ると……
「ほう」
部屋の前で待っていたマーベルを見て、思わずそんな声が漏れる。
元々美人ではあったが、メイド達によって着替えさせられ、化粧をした事により、一段とその美貌は増していた。
「……どうかしら?」
一言呟いて見惚れていた俺の様子が気になったのか、マーベルは少しだけ不安そうに尋ねてくる。
「似合ってるぞ。元々マーベルは美人だったけど、それが5割増しくらいになってるな」
「そう? ……ありがとう」
俺の言葉に満足したのか、薄らと頬を赤く染めつつも感謝の言葉を口にしてくるマーベル。
ちなみにその栗色の髪はいつものように背中に流しているのではなく、盛り上げるような形になっていた。
ドレスの方もマーベルの肢体を強調するように、胸元が大きく開いているタイプの青いドレス。
生地は……生憎とそっち関係の知識がある訳ではないので、分からないが。
ただ、見た感じでは絹に近い質感を持っているように思えた。
「では、アクセル王、マーベル様。そろそろパーティ会場の方へ」
そう言われ、俺はマーベルに腕を出す。
パーティ会場に入る前なんだから、別にここで腕を組む必要もないような気がしたが……まぁ、2人でこうして移動するのに慣れていないのを考えれば、少しでも慣れた方がいいのは間違いない。
そんな訳で、俺はマーベルと一緒に廊下を進むのだが……
「マーベル?」
「何?」
「……何か緊張してないか?」
そう告げる。
実際、こうして見た感じではマーベルはどこか緊張しているように思えたのだ。
とはいえ、今の状況を考えれば仕方がない。
マーベルは別に家が大金持ちという訳でもなければ、古くから続く家柄といった訳でもない。
牧場をやっている……聞いた限りでは一般家庭よりは裕福だが、金持ちとは言えないといったような暮らしをしていたらいし。
そんなマーベルだけに、貴族の……それも大貴族と呼ぶべきドレイクの開くパーティに参加するというのは緊張するのだろう。
それも参加者の1人ではなく、主賓の1人として。
一応アメリカとかならパーティとかも結構頻繁にやっているといったイメージなんだが。
「マーベル、そこまで緊張する必要はないと思うぞ。パーティに参加している連中は、結局のところドレイクの配下だ。そうである以上、ドレイクの同盟者という立場の俺達の方が立場は間違いなく上だ」
「……それはアクセルが、でしょう? 同盟を結んだのはアクセルであって、私は関係ないもの」
「一応、マーベルは俺の身内って扱いにしてあるぞ」
一緒に来ているメイドが俺とマーベルの会話を聞き逃さないようにしているのを理解しつつ、そう告げる。
取りあえずこれでドレイクやその部下達がマーベルにちょっかいを出すような真似はしにくくなった筈だ。
……もっとも、それを知った上でも妙なちょっかいを出すような連中はいたりするのだが。
特にバイストン・ウェルはファンタジー世界だけに、ドレイクの件よりも自分の感情を重視する奴もいる。……いや、これはファンタジー世界云々は関係ないのか?
若干そんな疑問を抱くも、取りあえず今は気にしない事にする。
「そんな、これ以上アクセルに迷惑を掛ける訳には……」
「別にマーベルの為なんだから、迷惑って訳じゃないぞ。それに、俺とマーベルは一緒にバイストン・ウェルに来たんだ。そうである以上、そこには何らかの意味があってもおかしくはない。……違うか?」
「それは……そうなのかしら?」
戸惑った様子を見せるマーベルに、頷く。
こういう時、こっちも迷った様子を見せると相手も俺の言葉を本気で信じていいのかどうか迷うのだ。
だからこそ、今回のような時はしっかりと断言しておくべきだった
「俺はそう思っているし、マーベルにもそう思って貰えると嬉しい」
そう告げると、俺の腕を抱くマーベルの力が少しだけ強くなり……マーベルのドレスに包まれている双丘が、肘でひしゃげる感触があった。
……うん、取りあえずこの幸せな感触を味わえただけでよしとしておこう。
そうして話をしながら通路を進み……やがてパーティ会場が見えてきた。
マーベルも俺と話した事で完全ではないにしろある程度緊張は解けたのか、安心した様子を見せ……こうして俺とマーベルはパーティ会場となっている広間に入っていくのだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1290
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1637