転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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4096話

「プルーマ? それがあのMAっぽい奴の名称か?」

『ああ。ただし、アクセルが間違っているところが1つある。プルーマはMAではない。正確にはMAが作り出した小型サブユニットだよ』

「つまり……MAの使い魔的な存在か?」

『使い魔とは……アクセルらしい表現だね。ただまぁ、そのように思っても構わない。MAにしてみれば、使い捨てに出来る捨て駒だね』

「つまり……MAではないのか」

『そうなるよ。ただ、プルーマがあるという事は、近くにMAが埋まっている可能性もある。注意して発掘作業をして欲しい』

 

 真剣な表情でそう言ってくるマクギリス。

 マクギリスにしてみれば、アーブラウとSAUの戦闘が終わり、ラスタルとの内乱に備えて戦力を整えているところだ。

 余計な騒動は、出来るだけ避けて欲しいというのが正直なところなのだろう。

 もっともそれを言うのなら、ジャスレイとの件を片付けるというのが俺達にも近いうちにあったりするのだが。

 

「そうは言ってもな。MSとプルーマが埋まっていたところは、ハーフメタルの鉱山として有益な場所だ。そうなると、その周辺を採掘しないという手はないぞ」

『……MAが出たら、それこそ発掘作業どころではなくなると思うのだけどね』

 

 だろうな。それについては俺もそう思う。

 今まであのガンダムやプルーマが見つからなかったのは、ハーフメタルの鉱床があるからこそだ。

 そうなると、もしそのプルーマを作ったMAが地中に埋まっているとしても、それはつまりハーフメタルの鉱床の近くという事になる。

 ハーフメタルの採掘場である以上、それを止めるという訳にはいかない。

 何しろ、検討に検討を重ねて、そこでハーフメタルの採掘を行うと決めたのだ。

 その上で、ハーフメタルの採掘をする為に各種施設も用意した。

 ここで別の場所でハーフメタルを採掘するとなると、結構な……いや、かなりの額の損失となる。

 

「その時は、こっちで何とかするよ」

『アクセルであっても、MAの相手はそう簡単なものではないと思うのだが?』

「そうだな。普通ならそうかもしれないが、今の俺なら大丈夫だ」

 

 それこそ、いざとなったらホワイトスターから援軍を呼べばいい。

 シャドウミラーの実働班だったり、それこそプルーマと同じく無人機のメギロートやバッタを大量に投入出来る。

 もっとも、もしそのような事になればその採掘場は戦闘の影響によって破壊されてしまうだろうが。

 まぁ、それでもMAを倒す事が出来たのなら、こっちとしては悪くないと思う。

 

『何故そこまで自信があるのかは分からないが、アクセルだからな。……それでも、くれぐれも注意してくれとしか言えないが。ああ、それと話は変わるが、ガラン・モッサの身柄は助かった。その報酬として約束したエイハブ・リアクターは、既にそちらに送った。近いうちに届くだろう。……それにしても魔法というのは凄いね。いっそ魔法で取りに来てくれると助かったんだが』

 

 意味ありげな視線を俺に向けるマクギリス。

 地球で行われたアーブラウとSAUの戦争が終わった後、システムXNを使って火星に転移してきたのを、俺の魔法だと思っているのだろう。

 

「魔法は便利だけど、何でも出来るって訳じゃないからな。けど、マクギリスがその気なら魔法を習ってみるか?」

『ははは、興味深いけど時間がないのでね』

「だろうな」

 

 俺もマクギリスがそう返すだろうと思って今の言葉を口にしたんだし。

 ……もしこれでマクギリスが魔法を教えて欲しいと言えば、恐らくその時は俺もどう返せばいいのか迷っていただろう。

 

「魔法の件に関しては置いておくとして、まずはMAだ。……ちなみにギャラルホルンには、どういうMAが埋まっている可能性が高いとか、そういう情報はないのか? ギャラルホルンは、MAと戦う為に作られた組織だろう?」

『残念だけど、そのような情報はない。……ギャラルホルンはMAと戦う為に作られた組織だというのは間違いない。しかし、厄祭戦においてそのような情報の多くが紛失してしまっているんだ』

 

 それってギャラルホルンの意味があるのか?

 一瞬そう思ったが、厄祭戦が終わってから今まで、歪な形ながらもオルフェンズ世界を治めてきたのは、間違いなくギャラルホルンだ。

 そういう意味では、しっかりとやるべきことはやってきたのだろう。

 

『それで話はプルーマに戻すが……気休めにしかならないかもしれないが、プルーマはMAによって大量に製造される。つまり、プルーマが見つかったからといって、必ずしも近くにMAが埋まっているとは限らない』

「限らないが、可能性としては十分にある。……違うか?」

 

 あるいはプルーマだけなら、俺もそういう風に認識したかもしれない。

 だが、プルーマと一緒にガンダムも見つかっているとなれば、MAが本当に近くにないとは、到底思えなかったのも事実。

 

『そうだね。ゼロではないとは思う。……もしアクセルが希望するのなら、ギャラルホルンから人を送ってもいいけど、どうする?』

「今はまだいい。MAが実際に見つかったら、人を派遣して貰おうとは思っているが。……ちなみに、その時は出来れば改革派から人を派遣して欲しいな」

『善処しよう』

「ガランの件はどうなったんだ? 何か情報を引き出せたのか?」

 

 普通なら自信満々で、それこそ自分が直接火星に来るといったような事を口にしてもおかしくはないと思うのに、今のような言葉を口にするとなると、恐らくはまだ自白をさせたという訳ではないのだろう。

 

『いや、残念ながらまだだよ。もっとも、時間の問題だと言っておこう。……そうなれば、あの戦いの裏で誰が糸を引いていたのかはっきりするのだが』

 

 そう言いつつも、マクギリスの様子を見る限りでは裏にいた人物が誰なのか、予想出来ているように思える。

 そしてマクギリスがそのように思う相手となれば、想像するのは難しくはない。

 恐らくラスタルを想定しているのだろう。

 ……実際、あのまま戦いが長引けばギャラルホルン内でのマクギリスの評価は落ちていただろう。

 そうなれば、マクギリスだけではなく改革派までもが同様に評価を落としていた筈だ。

 その上で……こちらは予想、いや妄想に近いものの、マクギリス達が収める事が出来なかったアーブラウとSAUの戦争を、ラスタル率いるアリアンロッド艦隊が収めたらどうなるか。

 マクギリスの評価を下げた上で、ラスタルの評価は上がる。

 しかも戦争を実際にコントロールしていたのがガランであり、そのガランがラスタルと繋がっていたら、アリアンロッド艦隊が出て来た時点で戦争を終わらせるのもそう難しくはないだろう。

 それがアーブラウ側の勝利なのか、それともSAU側の勝利で終わるのか。

 その辺は俺にもちょっと分からないが。

 ただ、予想ではSAU側を勝利させたんじゃないかと思う。

 アーブラウには、シャドウミラーと鉄華団がいる。

 そしてシャドウミラーと鉄華団は、マクギリスと半ば協力関係にある。

 ……以前はラスタルも俺達を味方に引き入れようとしていたのだが、夜明けの地平線団の一件で女のエースとイオクが俺と敵対したしな。

 てっきり、その後で弁明や言い訳でもするのかと思っていたが、そういうのはなかったし。

 ラスタルにしてみれば、ハーフビーク級を俺達に渡してきただけに、あっさりと仲間に引き入れるのを諦めるとは思えなかったのだが。

 ただ、エリオン家の財力があれば、ハーフビーク級の1隻程度はそこまで痛いものではないだろう。

 いわゆる、損切りという奴だろう。

 ニュアンス的にちょっと違う気がするが。

 

「ガランの件については分かった。こっちでも何か分かったら知らせるよ」

『そっちで? 何か手掛かりでもあるのか?』

「あるような、ないような……多分ある」

『どっちなんだ』

 

 マクギリスが呆れたように言うが、実際のところ自信はある。

 シャドウミラーの技術班が作ったハッキングツールでゲイレールのコックピットに保存されていたデータを吸い出したのだから。

 その中には、データごとにパスワードが掛かっていたりしたので、明らかに怪しい。

 なので、現在そのデータは技術班に頼んで解析をして貰っている。

 技術班の能力を思えば、そろそろ……

 あるいは、それがフラグだったのだろう。

 ちょうどそのタイミングで、扉がノックされる。

 マクギリスに断り、扉を開ける。

 

「アクセル、少しいいですか? 連絡が来たのですが」

 

 するとそこにいたのはシーラ。

 具体的にどこから連絡がきたのかというのを口にしていないのは、それがマクギリスに聞かせる事が出来ない相手……つまり、ホワイトスターからの連絡だからだろう。

 

「内容は?」

「データの解析が終わったと。……これがデータの内容だと」

 

 そう言い、印刷した紙を渡してくる。

 ……わざわざ印刷してくるというのは、どうなんだ?

 そう疑問に思うものの、ともあれ渡された紙に書かれた内容を読む。

 詳しく読むのではなく、あくまでも流し読みだったが……

 

「ビンゴ、だな」

『アクセル?』

「実は、マクギリスには言ってなかったが、ガランの乗っていたMS……ゲイレールをこっちで確保していた」

『それは分かっている。あの戦場で倒したMSはシャドウミラーと鉄華団が所有権を得たのだから』

 

 何気にあの戦争では、MSを確保するという意味では結構な儲けになったんだよな。

 ガランやその部下達のMSであったり、シャドウミラーや鉄華団が倒したSAUのMSだったり。

 そんな訳で、俺がガランのゲイレールを確保したという事そのものには、マクギリスも特に責めたり、不満を口にしたりといった事はない。

 

「ガランの乗っていたゲイレールを調べてみたところ、少し怪しいところがあってな。それで色々と調べてみた結果がこれだ」

 

 そう言い、シーラから受け取った紙を映像モニタの向こう側にいるマクギリスに見せる。

 

『それは……』

「ガランとラスタルの繋がりを示すデータだ。かなり厳重にパスワードが掛けられていたり、暗号化されていたりしたから、こうしてはっきりと分かるまでには時間が掛かったが。もっとも、さすがにラスタルと明確に名前は出していないが、書かれている内容からそれとなく察する事は出来る」

『そのデータ、譲って貰えないだろうか?』

「俺達でこうして苦労して復元したデータだぞ? それをただで寄越せというのはどうなんだ?」

 

 まぁ、実際に苦労したのは技術班の面々だし、その技術班の者達にしても天才揃いである以上、パスワードの解除とか暗号化されたデータの復元とかは、そこまで難しくなかったとは思うが。

 とはいえ、それでも労力を使ったのはこっちだ。

 それをただで渡すというのは、許容出来ない。

 

『ふむ。……エイハブ・リアクターはかなり渡したし、他に何を希望する?』

「そうだな。レギンレイズを10機。それでこの書類をそちらに渡そう。火星支部に引き渡せば、かなり急いでそっちに持っていくんじゃないか?」

 

 火星支部のトップは、改革派に所属している。

 ……これで実は現状維持派に所属していれば、それはそれで面倒なことになったのは間違いない。

 マクギリスの先読みの勝利だな。

 もしくは単純に、ラスタルは火星をそこまで重視していなかっただけとも考えられるが。

 どのみち、今の状況が俺やマクギリスにとって悪くないのは間違いない。

 

『分かった。その条件でいい』

 

 交渉もなしに、全てこっちの要望を受け入れたな。

 まぁ、俺にとっては助かるけど。

 レギンレイズはグレイズよりも高性能だ。

 そうである以上、シャドウミラーでレギンレイズを使うのは戦力アップとして丁度いい。

 

「じゃあ、そういう事でよろしく頼む。……この書類や復元されたデータについては今日か明日にでも火星支部に持ち込む。マクギリスの方からも火星支部に連絡を入れておいてくれ」

 

 マクギリスと俺達の関係については、火星支部でもよく知られている。

 そうである以上、火星支部の者達が俺達の行動を邪魔しないとは思う。

 しかし、火星支部のトップがマクギリスの派閥であっても、火星支部全てがマクギリスの派閥ではない。

 純粋にラスタルに心酔している者もいるだろうし、ラスタルの派閥から買収されている奴がいる可能性もある。

 そうである以上、前もってマクギリスからの連絡を入れておいて貰うのは悪くない。

 特にこの書類やデータはマクギリスにとって少しでも欲しい物だ。

 だからこそ、前もって連絡を入れておき、スムーズに事態が進むようにするのは、マクギリスにとっても助かる筈だ。

 

『そうさせて貰うよ。……出来れば、アクセルには魔法で地球に持ってきて欲しいところなのだが』

「無理を言うな、無理を。魔法も無条件で使える訳じゃないんだから」

『戦争の時は使ったようだったが?』

「あの時はあの時、今は今なんだよ」

 

 そう言う俺の言葉に、納得したのかどうかは分からなかったが、マクギリスは笑みを浮かべて『そうか』と頷くのだった。

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