「マジか」
ASRSを使って近付いた結果、映像モニタに表示された光景に思わず俺はそんな言葉を出す。
シーラとの通信で簡単な打ち合わせを終え、現在シャドウミラーと鉄華団の戦力は、ジャスレイの戦力を少しでも引き付ける為に、全面攻勢に出ている。
……普通に考えれば、そういう事をすればジャスレイの性格なら逃げかねない。
逃げかねないのだが、既にマクマードが出した追っ手とも戦っているらしい以上、ジャスレイがここで逃げられるような場所はどこにもない。
いや、勿論ジャスレイの性格を考えれば、テイワズ以外に繋がりのある組織とかはあるかもしれないが……それでもジャスレイにしてみれば、ここで勝つのが最善なのは間違いない。
そんな訳で、本来ならシャドウミラーと鉄華団が全面攻勢に出たらもう駄目だと判断して逃げ出してもおかしくはないジャスレイだったが、もう後がない……それこそ背水の陣と言うべきか? いや、ちょっと違うか。
とにかく今はまだ何とか踏ん張っている。
恐らくだが、ジャスレイにしてみればシャドウミラーと鉄華団がこうして全面攻勢に出ている以上、ここを凌げば自分達が勝てると思っているのだろう。
まさか、俺が単独で後ろから回り込んでくるとは思っていない筈だ。
そんな訳で、現在俺は戦場を回り込み、ジャスレイ軍とも呼ぶべき戦力の後方に回り込んだ訳だが……そこで待っていたのは、驚くしかない存在だった。
具体的には、金色の軍艦。
大分改造はされているものの、大きさから考えるとハーフビーク級……か?
恐らくはハーフビーク級だとは思うが、その艦体全てが金色になっているのだ。
何と言うか、こう……悪趣味だな。
ちなみにこのオルフェンズ世界において、ナノラミネートアーマーというのは基本的に色で性能は変わらない。
ただ、敵に見つかりにくい隠密性の高い色……黒とかはナノラミネートアーマーの色の中ではかなり高額らしい。
それとは逆に、白のような目立ちやすい色のナノラミネートアーマーは安い。
バルバトスがああいう色なのは、値段の問題もあるらしい。
……もっとも、バルバトスは鉄華団の象徴と呼ぶべき存在だ。
正面から堂々と敵を叩き潰すといった戦い方を三日月が好み、それを求められている以上、派手だからこそ安い色のナノラミネートアーマーでも問題はないのだろう。
もっとも、派手とはいえ、それは俺が思っているガンダムの色として考えれば、普通にらしいと思えるような色ではあったが。
ともあれ、そんな訳でナノラミネートアーマーは派手になればなる程に値段が安くなる。
そしてジャスレイの旗艦と思しきハーフビーク級なのだろう装甲は、金色という非常に目立つ色になっていた。
ジャスレイの性格を考えれば、金色というのは疑問だ。
……いや、疑問でもないのか?
ジャスレイにしてみれば、基本的に自分が戦場に出るとは思っていなかったのかもしれないな。
つまり、あのハーフビーク級はあくまでもジャスレイの象徴的な存在であるという考えで作られた可能性は十分にある。
実際に戦闘に参加しないので、目立つ色であってもいい。……いや、象徴だからこそ目立つ色にしたというのも考えられるな。
しかし、マクマードと名瀬の行動によって、ジャスレイも追い詰められ、今のような状況になった。
そう考えれば、今こうして金色のハーフビーク級が戦場に出て来てもおかしくはなかった。
「まぁ、こうして自分がどこにいるのかを教えてくれるのは嬉しいけどな」
ミロンガ改のコックピットの中に俺の声が響く。
そしてすぐに攻撃をしようとして……ふと気が付く。
今更の話だが、もしかしてこれ……あの金色のハーフビーク級にジャスレイが乗っていない可能性もあるんじゃないか?
金色のハーフビーク級は、当然ながら目立つ。
目立つからこそ、ジャスレイは自分がそれに乗っていれば攻撃される可能性があると考えてもおかしくはない。
とはいえ、ハーフビーク級以外の軍艦はどれもが通常の船を改修した程度で、最初から軍艦として設計されたハーフビーク級には及ばない。
……もっとも、あのハーフビーク級は俺の知っているハーフビーク級と比べて随分と改修されているが。
ともあれ、問題なのはやはりどの軍艦を攻撃するかだよな。
さすがに1隻を撃破すれば、他の軍艦も敵がいるというのは分かる筈だ。
そうである以上、こちらとしても最初に狙う1隻はしっかりと考えないといけない。
だが同時に、現在も前線ではシャドウミラーと鉄華団が派手に動いているのだから、こっちが考える時間もそうない。
この辺については、正直どうするべきなのか難しい。
難しいが……ここで無駄に時間を使うのもどうかと思う。
「よし、決めた」
撃墜する標的を選び、ASRSを展開したまま近付いていく。
標的は、金色のハーフビーク級。
目立つが性能が……防御力が高い金色のハーフビーク級と、目立たないが防御力が低い――ハーフビーク級と比べてだが――軍艦ではない船を無理矢理改修した艦。
ジャスレイの性格を考えると、万が一を恐れて金色のハーフビーク級に乗ってると判断したのだ。
ミロンガ改が手にしているのは、ビームマシンガン。
……あ、しまったな。どうせならトールギスⅢが装備していたような、ビーム系ではなく重力波砲の類を持ってくればよかった。
まぁ、いいか。
俺の場合は精神コマンドの直撃があるから、ビーム兵器でも普通にナノラミネートアーマーにダメージを与えられるし。
勿論、あればあった方が便利だし……いっそサラマンダーに乗るのもありかもしれないな。
サラマンダーの重力波砲は、その存在が目立つので殆ど使ってこなかった。
だが、ゲートが開いた今となっては、その辺は気にしなくてもいい。
まぁ、ここまで来てしまった以上は今更の話か。
ASRSを展開したままだったが、ある程度近くまで移動したところでASRSを解除する。
周辺の軍艦にしてみれば、エイハブウェーブもないのにいきなり姿を現したと思えるだろ。
あるいは、エイハブウェーブがないからこそ、まだ俺の存在に気が付いていない可能性も否定は出来ない。
それでも目視すれば、あるいは通常のレーダーでならミロンガ改の姿を確認出来る筈であり……
「ビンゴ」
金色のハーフビーク級の動きは、即座に退避するというものだった。
迎撃ではなく退避を選ぶという事は、恐らくあれにジャスレイが乗ってる筈だ。
もし身代わりが乗ってるのなら、それを疑われない為に積極的に攻撃してくるだろうし。
そんな訳で、この場を逃げ出そうとする金色のハーフビーク級に向かって進む。
当然ながら金色のハーフビーク級はミロンガ改を近づけまいと、攻撃してくる。
対空砲やミサイル、更には……
「おいおいマジか」
主砲を放つ金色のハーフビーク級。
だが、当然ながらそんな攻撃に命中する筈もない。
あっさりと回避し……そして当然ながら主砲の一撃は俺が回避すれば俺の後ろに飛んでいく訳で、結果として俺の後ろにあったジャスレイの手勢が乗っていた軍艦に命中する。
ナノラミネートアーマーのお陰もあって、一撃で撃墜という事にはならなかったが、それでもハーフビーク級の主砲が命中した威力はかなりのもので、結構な被害を受けたのは間違いない。
「ジャマー起動、と」
主砲を回避したミロンガ改に向け、大量のミサイルが飛んでくる。
だが、ミロンガ改にはジャマーがあり、ミサイルの類を無力化するのは容易い。
そんな俺の予想通り、ミサイルはそれぞれがあらぬ方向に飛び……中には、味方の軍艦に命中するミサイルもあった。
対空砲にいたっては、そもそも命中しない。
いやまぁ、もし命中してもナノラミネートアーマーではないが、ミロンガ改はPS装甲があるし。
そもそも……本当にそもそもの話ではあるが、宇宙で対空砲って間違ってないか?
空はどこにあるという意味で。
勿論、世の中にはそういう感じの名称が他にも多くあるので、それはそれ、これはこれといったように分かってはいるが。
ともあれ、そんな攻撃を回避しつつ金色のハーフビーク級のブリッジに向かう。
ハーフビーク級だけではないが、多くの軍艦に共通の弱点……いや、構造と言うべきか? とにかくそんな特徴として、ブリッジの目の前に取り付いた敵を攻撃出来る方法というのはない。
まぁ、そもそも軍艦はそういう状況を想定しないのだろうが。
もしそういう事になったら、本来ならMSがその敵を排除するが……
「直撃」
精神コマンドの直撃を使い、ミロンガ改に向かって攻撃しようとしてきたガルム・ロディのコックピットをビームマシンガンで貫く。
そして仲間が攻撃された隙を突くかのように姿を現した別のガルム・ロディに向かい、同様に精神コマンドの直撃を使い、コックピットを貫く。
うん、考えてみれば当然の話だが、ジャスレイの性格を考えると幾ら前線でシャドウミラーと鉄華団が激しく動いているからといって、自分の護衛を残さない訳がないよな。
もっとも、その護衛がガルム・ロディだというのはちょっと予想外だったが。
ガルム・ロディはロディ・フレームのMSで、かなり多く作られている。
そんな中でも大量にガルム・ロディを使っていたのが、夜明けの地平線団だ。
……もしかして、夜明けの地平線団の戦いから逃げ延びた奴が、ジャスレイと合流したのか?
もしくは単純に、夜明けの地平線団とは関係なくガルム・ロディを使っていたのか。
その辺りの理由はともあれ、こっちとしては特に問題はない。
護衛もどうやらこの2機だけのようだし、後は金色のハーフビーク級のブリッジを……
『待て! 取引だ! 取引をしよう!』
ビームマシンガンの銃口を金色のハーフビーク級のブリッジに向けた瞬間、オープンチャンネルでそんな通信が入ってくる。
それが誰の声なのかは、考えるまでもない。
とはいえ、最後の言葉くらいは聞いてもいいだろうと、通信に応じる。
……勿論、ビームマシンガンの銃口をブリッジから外すといったことはせずに。
「取引だと? そんな事を言える立場だと思っているのか?」
『そっちにとっては、悪い話じゃねえ。だから、まずは話を聞いてくれ。な? 頼むよ。その銃口を下ろして、落ち着いてだな……』
「下らない戯れ言はその辺にしておけ。それがお前の最期の言葉でいいか?」
『待て! 待ってくれ! だから、そう慌てるなって。な? お前さんのような一角の人物にとって、俺は役に立つぜ?』
慌てた様子でそう言ってくるジャスレイ。
絶体絶命のピンチなのは間違いないが、それでもジャスレイは頬を引き攣らせ、冷や汗を掻きつつ、それでも自分が死ぬとは思っていない様子だった。
それだけ自分の才能に自信があるのだろう。
実際、テイワズを今のように大きくしたのは、ジャスレイの才能がもたらした資金力が大きかったのは間違いない。
そういう意味では、ジャスレイの自信はきちんとした実績があってのものだ。
実際、ジャスレイがいればシャドウミラーを運営する上で色々と便利なのは間違いないが……能力と性格は別物であり、ジャスレイは能力は優れていても、性格という意味では決して当てに出来ない。
それこそ獅子身中の虫になる気しかしない。
もしどうしてもジャスレイを部下として使うのなら、それこそ鵬法璽を使う必要があるだろう。
だが、そこまでして欲しい人材なのかと言われると、そうでもない。
あるいは俺がこのオルフェンズ世界に来た時に最初に遭遇したのがジャスレイであれば、この世界について色々と知るという意味でジャスレイに鵬法璽を使った可能性もある。
だが、俺が鵬法璽を使ったのはクランクだったし、今となってはそれで良かったとも思う。
クランクがいたおかげで、アインも仲間になったしな。
……そのアインには、当然のように嫌われているが。
それでも今のアインはシャドウミラーに居心地の良さを感じているようだった。
ギャラルホルンでは火星生まれとして差別されてきたアインだ。
そういうのを関係なく、気楽に生きることが出来るシャドウミラーというのは、案外居心地の良い場所なのは間違いないだろう。
ともあれ、そんな訳で俺はクランクに鵬法璽を使ったのは後悔していないが、ジャスレイに鵬法璽を使ってまで手に入れたいとは思わない。
エヴァからも、鵬法璽は出来る限り使うなと言われているしな。
それを破って……いや、破るというのはちょっと違うか?
とにかく、鵬法璽を使ってまで欲しい人材ではない。
「残念だが、俺達にお前は必要ない。マクマードもそう判断したから、お前を切り捨てたんだろう?」
『あの老いぼれは、俺が力を付けるのを怖がったんだよ! その点、あんたは違う筈だ! それに俺を切り捨てた以上、テイワズはこれから金に困る! そこであんたの下についた俺がいれば、テイワズを乗っ取る事だって可能な筈だ!』
いやまぁ、ジャスレイの考えは間違っていない。
方向性は大分違うが。
マクマードにしてみれば、自分が関与しているという証拠は残していないものの、俺にちょっかいを出し続けているジャスレイの存在は危険だと判断して切り捨てたのだ。
「お前を切り捨てても、テイワズが金に困る事はない。それを理解しているからこそ、マクマードはお前を切り捨てたんだ。異世界との貿易があれば、お前はいらないとな」
『は? 何を……』
その言葉を最期まで言わせず、俺は精神コマンドの直撃を使って金色のハーフビーク級のブリッジにビームマシンガンを撃ち込むのだった。
アクセル・アルマー
LV:45
PP:730
格闘:313
射撃:333
技量:323
防御:323
回避:353
命中:373
SP:3003
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:2004