転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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4119話

 シャドウミラーオルフェンズ世界支部のスキップジャック級、そして鉄華団、テイワズ。

 そんな勢力と合流した俺達は、前もってマクギリスから知らされていた宙域に向かう。

 するとそこには、既に多数のハーフビーク級や、それよりも小さい艦種の軍艦……そして、旗艦的な役割をしているスキップジャック級の姿もあった。

 

『アクセル、ギャラルホルンのスキップジャック級から連絡が入ってるけど、繋いでもいい?』

「ああ、構わない」

 

 マリューの言葉にそう言うと、すぐに映像モニタにマクギリスの姿が表示される。

 マクギリスだけではなく、その側にはガエリオとカルタの姿もある。

 

『やぁ、アクセル。……何と言えばいいのか分からないが、それがシャドウミラーの本当の戦力ということでいいのかな?』

「そうなるな。これが全力という訳ではないが」

『……それでもかい?』

 

 マクギリスの呆れるような言葉。

 無理もないか。

 合流したシャドウミラーオルフェンズ世界支部や鉄華団、テイワズを抜かしても、純粋なシャドウミラーの戦力だけで、マクギリス達の派閥が用意した以上の戦力がある。

 もっとも、その大半は無人機の艦隊……カトンボとヤンマなのだが。

 ただ、そのカトンボとヤンマに乗っているのは、シャドウ、メギロート、バッタといった戦力だ。

 バッタは数で押すだけの性能で、メギロートもこのオルフェンズ世界においては決して強くはないだろう。

 ……メギロート、実はUC世界ではガンダムとかよりも性能が高いんだが。

 だがそんな中、シャドウは違う。

 重力波砲を標準装備しているシャドウは、オルフェンズ世界のMSを相手にしても一方的に勝利出来るだけの性能を持っている。

 そんな3機種が……しかも、カトンボはともかくヤンマは重力波砲も持っている。

 そういう意味では、シャドウミラーの戦力だけでマクギリス達の派閥どころか、ラスタルの派閥を込みで考えても対処出来るだけの戦力なのは間違いなかった。

 

「それでもだよ。有人機はともかく、無人機はこの数十倍、数百倍、数千倍用意しても問題ないくらいには揃ってる」

 

 そう言うと、映像モニタの向こうでマクギリスは頬をヒクつかせる。

 普通なら俺の言葉を聞いても嘘だと……あるいは嘘ではなくても、大袈裟に言ってると思うだろう。

 実際、マクギリスの側にいるカルタは俺の言葉を信じているようには思えない。

 だがホワイトスターに行ったマクギリスとガエリオは、俺のその全てを見た訳ではないにしろ、ある程度事実であるという実感があるのだろう。

 実際、シャドウミラーがオルフェンズ世界に劣っているところは……何がある?

 国土の広さは負けているな。

 ただ、シャドウミラーの国土ではないが、友好関係にある世界との広さを考えれば、シャドウミラーが勝っているだろう。

 もっとも、それはあくまでも友好世界の国土で、シャドウミラーの国土ではないと言われればそれまでだが。

 MSの性能……まぁ、色々と特殊な性能を持ってるのは分かるが、総合性能で考えるとこっちが上だ。

 延命技術……これはオルフェンズ世界の方が上かもしれないが、シャドウミラーに所属した者は希望すれば誰もが時の指輪の受信機を貰い、不老になれる。

 人口、これについては間違いなくオルフェンズ世界の方が上だろう。

 シャドウミラーの欠点の1つが人口の少なさだ。

 とはいえ、自分で言うのもなんだが基本的にシャドウミラーというのは少数精鋭だ。

 所属している者の多くは何らかの得意な何かがある。

 もしシャドウミラーが住民を募集すれば、それこそ数え切れない程の者達が集まってくるだろう。

 ……まぁ、中には情報を流すとか、破壊工作をするとか、そういう後ろ暗い考えを持ってる奴もいる可能性があるが。

 その辺については量産型Wやコバッタに対処させようと思えば出来るが……わざわざそこまでして余計な人数を集めたいとは思わないしな。

 純粋な労働力なら、それこそ量産型Wやコバッタでどうとでもなるし。

 

『なるほど、話は分かった。……正直なところ、そこまで戦力があるとしても、集めないでいてくれて、こっちとしては助かったよ。もしそうなっていたら、この戦いは誰の戦いなのかということになるだろうし』

 

 マクギリスの言葉に、だろうなと俺は頷く。

 この戦いは、言うまでもなくギャラルホルンの内乱だ。

 ギャラルホルンを改革するか、それとも現状維持にするか。

 セブンスターズのうち、4つの家は現状維持を選んだ。……いやまぁ、マクギリスが事なかれ主義の2家をラスタルの派閥に行くようにコントロールしたというのが正しいのだろうが。

 そんな訳で、4家対3家。

 セブンスターズ内での戦力については、それなりに拮抗してる方だろう。

 だが……そこで、ギャラルホルンの戦力すら霞むような大量の戦力を持って俺が現れたらどうなるか。

 これがギャラルホルンの内乱ではなく、異世界の存在であるシャドウミラーとギャラルホルンの一部が協力してラスタル達を倒したという風に受け取られかねない。

 それはそれで、決して間違っている訳でもないんだけどな。

 

「なら、丁度いい具合になったんだな。……さて、その件はともかくとして、これからの事だ。どうやら戦いはまだ始まっていなかったみたいだが、戦いが始まった時の指揮権について」

『分かっているよ。あくまでこちらから出来るのは要望。それを受け入れるかどうかは君達次第。そういう事でいいんだね?』

「そうなる。それと、俺は戦いが始まったら一度消える」

『……やっぱり、本気でやるのかい?』

 

 どのような表情をすればいいのか、分からないといった様子のマクギリス。

 戦闘が始まったら俺が何をするのか。

 一応、前もってその件についてはマクギリスに知らせてある。

 最初それを聞いた時は反対したマクギリスだったが、最終的には受け入れた。

 心情的には思うところがあるものの、有効な手段であるというのは理解出来たからだろう。

 

「せっかくMAがあるんだ。使わない手はないだろう? ……これでハシュマルが地上用MAじゃなくて、宇宙用MAであったらこの戦場に連れてくるとかして戦力にも出来たんだけどな」

 

 プルーマを生み出すMAという存在は、宇宙での戦いにおいても大きな戦力となってくれただろう。

 もっとも、プルーマを生み出すのはエネルギーや原材料となる資源を補充する必要がある。

 宇宙空間に浮かんでいるデブリとかでそれが出来るかどうかは微妙なところだが。

 そんな訳で、俺が計画したのはハシュマルをアリアンロッド艦隊の本拠地として使っているコロニーの、それも軍事基地に限定して攻撃させるというものだった。

 アリアンロッド艦隊にしてみれば、自分達が戦っている間に自分達の本拠地が攻撃されていると聞けば、間違いなく動揺する。

 そして戦闘中に動揺するというのは、致命的なミスを引き起こしてもおかしくはない。

 戦術的に見れば、決して間違ってはいない方法。

 にも関わらず、マクギリスがすぐに頷かなかったのは、やはりハシュマルがMAだからこそだろう。

 ギャラルホルンというのは、MAを倒す為の組織。

 それだけに、MAを使うというのに思うところがある者も多い。

 実際、火星でもギャラルホルンの火星支部が、俺達と敵対こそしていないものの、ハシュマルが暴走した時、すぐに対処出来るようにシャドウミラーの拠点から少し離れた場所に戦力を待機させているくらいだし。

 俺達に友好的な存在である火星支部ですら、そうなのだ。

 他の者達……マクギリスと俺達が手を組んでいると知っていても、俺達を知らない者達にしてみれば、ギャラルホルンの歴史を知っているだけに……そして教育の成果として、ハシュマルというMAを従えたという俺の存在を面白くないと思ってもおかしくはない。

 

『それが有効なのは分かってるんだけどね。……もっとも、あくまでもMAを従えたのはアクセルだ。それに、その件について思うところがある者も、私の隠し球を見れば問題はないだろう』

 

 先程とは違い、自信に満ちた笑みを浮かべるマクギリス。

 何だ? 隠し球って……何かあるのか?

 マクギリスの様子を見る限りだと、かなり自信があるようだが。

 その辺は少し気になるが、ここまで自信満々である以上、マクギリスの件についてはそっちに任せておけばいいだろう。

 俺は自分のやるべき事をやるだけだ。

 その後、俺だけではなくシャドウミラーからはマリューやナタル、鉄華団からはオルガやビスケット、テイワズからは名瀬、そしてギャラルホルンからはマクギリスといった面々によって、戦術の確認が行われる。

 既に戦術については前もって説明されていたので、その確認だ。

 とはいえ、その戦術はあくまでも事前に想定していたもので、戦いの中では予想外の事が起こるのは珍しくない。

 また、こうして実際に集まったとこで、予定とは違う何かがあったりして、その修正をするという意味でもそれぞれ話し合っておく必要があった。

 ……ちなみにシャドウミラーを率いる俺は、その会議に参加していない。

 本来なら参加した方がいいのだろうが、何しろ戦いが始まったら俺は一度火星に戻り、ハシュマルを連れてアリアンロッド艦隊の本拠地となっているコロニーの基地を襲撃するという仕事があるのだ。

 それが終わったら戦場に戻ってくるが、その時は既に本格的に戦闘も始まっているだろう。

 そんな訳で、俺が特に急いで何かをやる必要はない。

 それに俺の戦闘方法は基本的に友軍というか、陽動というか、1機だけでの行動になる事が多い。

 これは単純に、俺の操縦するニーズヘッグの動きに普通の部隊では付いてこられないからだ。

 だからといって、圧倒的な機動性と運動性を誇るニーズヘッグが、わざわざ足の遅い仲間と一緒に行動するのは、ニーズヘッグの真価を発揮出来ない。

 あれだ……UC世界で表現すると、ガンタンクとドムを一緒に行動させる意味があるかという感じ。

 連邦系とジオン系のMSが一緒に行動するのは……まぁ、ない訳でもないが。

 1年戦争終了後の連邦軍は、資金的な問題でMSの新規開発が難しく、接収したジオン軍のMSを積極的に使っているし。

 勿論、ドムとガンタンクであっても使いようによっては一緒に行動させる意味はあるのだろう。

 だが、総合的に見てガンタンクと一緒に行動させることで、ドムの持つ高い機動力が使えなくなるというのは、大きなマイナスだ。

 ニーズヘッグと他の機体を一緒に行動させるのも、それと同じようなものだった。

 そんな訳で、大まかな戦術については後でマリューやコーネリアに聞けばいい。

 シャドウミラーの部隊を動かすのはマリューやコーネリアなのだから。

 そんな風にしていると……

 

『アクセル、いよいよ敵がお出ましよ』

 

 マリューからの通信。

 それが何を意味してるのかは、こちらに近付いてくるスキップジャック級、ハーフビーク級、それ以外の軍艦の数々を見れば明らかだ。

 ……分かってはいたが、アリアンロッド艦隊も基本的にはマクギリスの艦隊と戦力的には同じなんだよな。

 どちらもギャラルホルンに所属していると考えれば、当然か。

 でも、ラスタルの陣営にはスキップジャック級が3隻いるな。

 セブンスターズのうち、4家が向こうにいるからとか、そういう理由からか?

 スキップジャック級は旗艦としての役割もあるが、純粋に戦力としても決して弱くはない。

 いや、寧ろかなり高性能だと言ってもいいだろう。

 そんなスキップジャック級が3隻も向こうにあるという事は、こっちの被害もそれなりに出そうだな。

 とはいえ、こっちもスキップジャック級は2隻だ。

 実際にはマクギリスの艦隊に1隻あり、シャドウミラーのオルフェンズ世界支部のシーラが艦長を務めている1隻の合計2隻。

 数では負けているが、練度という点では……どうだろうな。

 あのスキップジャック級に誰が乗っているのかで、その辺は大きく変わってくる。

 もしアリアンロッド艦隊の者であれば、警戒する必要もあるだろう。

 だが、アリアンロッド艦隊も何だかんだと俺達との戦いで結構な被害を出しており、精鋭はかなり減っているのも事実。

 そうなると……もしかしたら、優柔不断な2家の旗艦だったりするのか?

 当主が優柔不断で無能だったとしても、家にある財産や戦力はセブンスターズに相応しいものの筈だ。

 つまり、スキップジャック級を用意する事は不可能ではない。

 ……その割には、ガエリオとカルタはスキップジャック級を用意したりはしていなかったが。

 その辺はどうなってるんだろうな?

 そんな疑問を抱きつつ、俺は様子を見る。

 するとにわかに動きがあったのは、ラスタルの艦隊……ではなく、マクギリスの艦隊。

 何だ?

 そんな風に思っていると、スキップジャック級から1機のMSが出撃している。

 あれは、ガンダムだな。

 グシオンやバルバドスとかと比べても、ガンダムらしいガンダム。

 

『ギャラルホルンに所属する者よ、聞け! 私はマクギリス・ファリド! このバエルの名において命じる。ギャラルホルンに所属する者達よ、バエルの下に集え!』

 

 オープンチャンネルで、マクギリスがそう宣言するのだった。

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