転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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転生とらぶる1の方、無事にダンバイン編以降の削除が終わりました。
完結にして、あらすじと最後の話に転生とらぶる2のURLを貼って起きました。
これにて、完全に分割作業完了となります。

ただ、どうやら転生とらぶる1は文字数の関係でPDFでのDLが出来ないようです。
こちらについてはシステム的な問題なので、私ではどうしようもありません。
今のPDFに変わる前なら、テスト用のPDFで普通に全部DL出来たんですけどね。

どうしてもPDFで保存をしたい方は、機能提案で運営に要望を出してみると対応して貰えるかもしれません。
あくまでも、運営の判断次第なので絶対ではないですが。

私も以前、何話から何話までを指定してPDFで保存出来るようにして欲しいと要望を出しましたが、残念ながら不採用となったようですし。


ともあれ、これで分割作業も無事に終わりましたので、これからも転生とらぶるをよろしくお願いします。


4125話

 オルフェンズ世界における、恐らくは厄祭戦以来最大の戦いは終わった。

 維持派を率いたラスタルが降伏し、それを大々的に知らせた為に、それ以上の戦闘は起こらなかった。

 今まで数え切れない程の戦いを経験して来た身としては、こういう戦いでは負けた方が素直に負けを認めるといったことはあまりない。

 だというのに、こうして維持軍の全員が素直に負けを認めたのは、やはりフレイヤとS-11ミサイルの力が大きかったのだろう。

 ナノラミネートアーマー? 何それ美味しいの? とでもいったように、フレイヤとS-11ミサイルは維持軍の多くの者達を殺した。……いや、消滅させたといった表現の方が正しいか?

 ともあれそんな感じだっただけに、負けを認めないといったことは出来なかったのだろう。

 負けを認めなければ、それこそまた同じ攻撃が飛んでくるかもしれないと思ってもおかしくはないのだから。

 

「さて、そんな訳でこれでこのオルフェンズ世界の騒動も一段落ついた訳だ」

 

 そう俺が言うのを、マクギリス、ガエリオ、カルタ、レモン、マリュー、コーネリア、オルガ、名瀬がそれぞれの表情で聞く。

 なお、現在俺達がいるのはニヴルヘイムの会議室だ。

 本来なら戦いが終わった後の会議とかそういうのをやるのなら、この戦いの主力であったマクギリスの乗っていたスキップジャック級に集まるべきなのだが……それでもニブルヘイムで会議をするというのは、マクギリスの要望だった。

 とはいえ、そのような事を言う理由は分かる。

 例えばこれでニヴルヘイムが普通の軍艦であれば、あるいはマクギリスも来たいとは言わなかったかもしれない。

 だが、何しろニヴルヘイムは空を飛ぶ……あるいは宇宙空間を飛ぶ城だ。

 ギアス世界で作られたダモクレスをベースとして建造されたこのニヴルヘイムは、外見的にはかなり優美な城といったように見える。

 オーラバトルシップの、グラン・ガランと似たような形が。

 ただ、ニヴルヘイムとグラン・ガランで大きく……決定的に違うのは、その戦力だろう。

 グラン・ガランはそれなりに戦闘力を持っているものの、オーラバトルシップの中ではあくまでも下位の戦闘力しかない。

 ……それこそ、オーラバトルシップどころか、オーラシップとかを相手にしても、純粋な戦闘力では負けているのではないかと思えるくらいに低い戦闘力だ。

 それに対して、ニヴルヘイムは最初から戦闘を前提として建造された……より正確には、ダモクレスに興味を持った技術班が、その時点で詰め込める技術の多くを詰め込んで作った機動要塞だ。

 その戦闘力は優美な外見と裏腹に非常に強力だった。

 そして、実際にその戦闘力を維持軍との戦いで存分に発揮出来た訳だ。

 だからこそ、その特異なニヴルヘイムはマクギリス達の興味を惹くのに十分な代物だった訳だ。

 マクギリス達にしてみれば、今は協力関係を築いているものの、将来的にはどうなるか分からない。

 であれば、少しでもシャドウミラーの戦力を把握しておきたいと思うのは、おかしな事ではなかった。

 もっとも、それを表に出すような事はしなかったが。

 

「そうだね。シャドウミラーの……そして鉄華団とテイワズの協力には感謝してるよ」

 

 そう言い、マクギリスは座っていた椅子から立ち上がり、俺に……そして他の面々に対しても一礼してくる。

 

「俺達は相応の報酬を貰った上での行動だし、火星の件も考えれば、今回の一件は決して悪くなかったしな」

「兄貴と同じく、相応の報酬を約束されている以上、俺もそれは構わねえ」

「この世界が大人しくなるのは、俺としても歓迎だしな」

 

 俺の言葉に、オルガと名瀬がそれぞれ続く。

 当然の話だが、マクギリスは鉄華団やテイワズに対しても報酬を約束されていたらしい。

 このような大きな戦いに巻き込むのだから、それくらいは当然の話だが。

 ただ、一体どんな報酬を貰ったのか気になるところだ。

 予想としては、鉄華団は金、テイワズは……俺達と同じく、エイハブ・リアクターの製造技術か?

 いや、けどそれはちょっと考えにくいな。

 テイワズはこのオルフェンズ世界においてはギャラルホルンに次ぐ組織なのは間違いない。

 だが、それでも……いや、だからこそギャラルホルンとしては、自分達で独占しているエイハブ・リアクターの技術を渡したいとは思わないだろう。

 それにシャドウミラーは異世界の存在だが、テイワズは違う。

 となると、もっと別の……そう、例えばテイワズが地球で行う商売における優遇措置とか?

 何しろ、オルフェンズ世界での大きな騒動はもう終わった。

 いや、もしかしたら俺が知らないだけで、まだどこかに騒動の火種が転がっている可能性は十分にあるが。

 ただ、目に見える火種はなくなったのだ。

 そうである以上、MSは海賊とか敵対する組織への戦力として必要だが、それでも新型を次から次に作る必要はなくなる。

 それこそ、テイワズ・フレームやイオ・フレームのMSで十分に対処可能だろう。

 勿論、エイハブ・リアクターの製造技術があればそれに越した事はないが、それよりも商売上の優遇の方がテイワズ的には美味しいだろう。

 エイハブ・リアクターに関しては、それこそ高密度デブリ帯であったり、あるいは襲ってきた敵を倒して、そのMSのエイハブ・リアクターを確保したりも出来るのだから。

 ただ……今回の戦いでフレイヤとS-11ミサイルを使った結果、エイハブ・リアクターはどうなったんだろうな。

 フレイヤの方は空間が消滅したので、エイハブ・リアクターも消滅したと思ってもいいだろうが、戦術核並の威力を持つS-11ミサイルなら、エイハブ・リアクターは残ってるんじゃないか?

 その辺は、後で戦場を探索して、どうなったのか探してみればいいか。

 

「俺達の報酬はともかく……ラスタルはどうするつもりだ? ラスタルがセブンスターズの3人を処刑したのはかなりの衝撃だったが、だからといってあの言い分を本当に信じた訳ではないだろう?」

 

 俺の問いに、マクギリスは当然といった様子で頷く。

 そして他の面々も、当然のように頷いていた。

 ラスタルの言葉は、あからさますぎるのだ。

 そもそも、維持軍の中核をなしていたのはアリアンロッド艦隊だ。

 そしてダインスレイヴを運用していたのも、当然のようにアリアンロッド艦隊。

 そんなアリアンロッド艦隊に、事なかれ主義を通し、最後の最後でようやく維持軍に合流した2家が命令を出来るとは思えない。

 そもそも、ダインスレイヴを用意するのにラスタルが気が付かないという事は、まずないだろう。

 そしてイオク……こちらについては、ラスタルと近しい関係にあったという事で、多くの者がそれを知っている筈だ。

 であれば、あるいはイオクならダインスレイヴを用意するようなことは出来るかもしれない。

 かもしれないが、こちらでもやはりラスタルがその辺りの状況に気が付かないというのは、まず有り得ないだろう。

 

「じゃあ、ラスタルの対処はどうするのかしら?」

 

 マリューのその問いに、マクギリスは少し困った様子で口を開く。

 

「決まっているのは、表舞台に立つ事はもうないといったところかな」

「そのように言うという事は、殺さないのか?」

 

 コーネリアが続いて尋ねる。

 コーネリアにしてみれば、ラスタルを生かしておく必要はないと判断したのだろう。

 実際、その意見には部屋の中にいる何人かも賛成なのか、頷いている者もいた。

 俺もラスタルについては、殺してしまった方が手っ取り早いとはおもう。

 

「ラスタルはアリアンロッド艦隊を育て、運用してきた実績がある。また、セブンスターズのエリオン家の当主としても存在感があるし、何よりカリスマ性を持っている。そんなラスタルをそのままにしておけば、それこそ最悪の場合、ラスタルが密かに戦力を用意して蜂起するといった可能性も否定は出来ないだろう? あるいは……ラスタル本人にその気がなくても、ラスタルを慕う者達によって祭り上げられる可能性も否定は出来ないし」

 

 そうコーネリアに続けて言う。

 ラスタルが生きていることの危険さは、明らかだ。

 

「アクセルの言いたい事は分かる。だが、ラスタルも今回の戦いで力の差を理解した筈だ。もし蜂起するような事があっても、勝ち目があるとは思わないだろう。今回の一件で、エリオン家がどうなるかも分からないしな」

「……なぁ、マクギリスさんよ。そこまでしてあの男を生かしておきたいってのは、どういう理由だ?」

 

 オルガの問いに答えたのは、マクギリス……ではなく、ガエリオ。

 

「それは簡単な話だ。ここで話題に出たように、エリオン公はカリスマ性がある。そんなエリオン公が死んだら、どうなる? 英雄として祭り上げられてもおかしくはないだろう?」

 

 ガエリオのその言葉にはそれなりに説得力があったのか、オルガも納得する。

 他にも話を聞いていた者達が、何人も納得した様子を見せていたのだが……マクギリスの仲間のカルタまでもがなる程と頷いているのは、一体どういう訳だ?

 

「なら、どうする?」

「このまま静かに消えて貰うのが最善だろう」

 

 名瀬の言葉にそう返すマクギリスだが、このまま静かに消えて貰うというのが、ひっそりと暗殺をするという意味なのか、イズナリオのように隠居させて人のいない場所で暮らさせるという意味なのか、どっちなんだろうな。

 どっちもありそうだが。

 

「ラスタルに付いての話は分かった。それならセブンスターズはどうなる? ここにいる3家以外は全て当主が死ぬなり捕らえられるなりしてる訳だが」

「名称を変えて、私達の3家で構成することになるだろう。ただ、既得権益は可能な限り減らす。アグニカが望んだギャラルホルンを取り戻す為に」

 

 アグニカが望んだギャラルホルンって、どういうのなんだろうな?

 そんな疑問を抱くが、ガエリオやカルタもどこか微妙な表情を浮かべているのを見ると、多分マクギリスしか知らないような何かといったところなんだろう。

 

「ギャラルホルンの改革が進むのなら、こっちとしては助かる」

「ああ、その件についてだが……火星について、独立するという形に持っていきたいのだが、どうだろう?」

「火星を独立って……本気で言ってるのか?」

「ああ、勿論だ。アクセルにとっても、その方がいいと思うが」

「いやまぁ、それはそうだが……マクギリス的には本当にそれでいいのか?」

 

 これが例えば、俺がオルフェンズ世界に初めて来たばかりの頃であれば、既に火星は植民地としては出涸らしでしかなく、ハーフメタルが精々といったところだったので、損切りという意味で独立という選択肢もあっただろう。

 だが、今は違う。

 このオルフェンズ世界において、シャドウミラーと……異世界と繋がる、唯一の場所。

 そのような場所だけに、それこそ多くの者がこれから火星に注目する筈だ。

 火星が植民地としても既に絞りかすのような場所であるだけに、土地を買ったり、あるいはシャドウミラーとの異世界間貿易をしたいと思うような者達、それ以外にも多くの者が集まってくるのは、間違いない事実。

 それこそ、もしギャラルホルンが現在持っている既得権益を使えば、異世界間貿易に手を出して大きな利益を得る事も可能だろう。

 だというのに、一体何故この状況で火星を独立させるといった事を言ってくるのか。

 

「勿論本気だ。この件については、既にアーブラウを含む地球の国家ともそれぞれ話をしている」

「……よく受け入れたな」

 

 国の上層部の中には、自分の利益の為なら何をしてもいいと思うような者も多い。

 そんな中で、間違いなく金になるというのに、アーブラウを含めた他の国々が火星から手を引くというのは理解出来なかった。

 一体、何故そのようなことなっているのかと疑問に思うのは当然だろう。

 

「地球の国々も異世界という存在がとてつもない価値を秘めているのは理解している。だが……あくまでも未知の存在だ。いや、既にアクセル達がこうして目の前に出ている以上、完全に未知という訳ではないにしろ、今回の戦いでシャドウミラーが果たした役割は大きい」

「そして、戦いを見た者であればシャドウミラーを敵に回したいとは思わない」

 

 マクギリスの言葉にガエリオが続く。

 すると、そんなガエリオの言葉に他の面々もそれぞれ頷いていた。

 ……無理もないか。

 オルフェンズ世界においては禁忌の兵器とされていたダインスレイヴだが、そのダインスレイヴよりも圧倒的に威力の違う、それこそ文字通りの意味でレベルが違うと称するのが相応しい、フレイヤとS-11ミサイルを見たのだ。

 ギャラルホルンの内部、それでいてこのオルフェンズ世界の未来を決める戦いで、フレイヤとS-11ミサイルを見せたのだ。

 当然ながら、地球にある各国もその情報を入手しているだろうし、そんな兵器を躊躇なく使う俺達を敵に回したくないという感想を抱くのは、そうおかしなことではないか?

 

「話は分かった。その辺については色々と調整も必要だが、前向きに検討しよう」

 

 俺の言葉に、マクギリスが安堵の息を吐くのだった。

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