転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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4128話

「これが……ゲートか。えっと、兄貴。あれって量産型Wとかいうのだったよな?」

「そうだ。門番……門番? まぁ、ゲートって名称で、それを守っているんだから門番で間違いないか。そんな存在だよ」

 

 名瀬の問いにそう答える。

 異世界に行けるのが、このゲートだ。

 それを知っている者にしてみれば、このゲートを奪って異世界の存在を自分の物にしたい……そんな事を考える者がいてもおかしくはない。

 そういう連中が来た時、量産型Wはその牙を剥く。

 何しろ量産型Wは魔法や魔術も使える。

 それだけに、生身で襲い掛かってくるような奴がいた場合、その強さを存分に発揮するだろう。

 ……MSやMWで襲ってくる可能性もあるが、その時はシャドウミラーがMSで対応するし、ハシュマルがまだいればハシュマルが対応も出来るだろう。

 そんな諸々を考えると、オルフェンズ世界の者達がゲートをどうにか出来るというのは、まずない。

 それこそ、火星の上空……宇宙空間からダインスレイヴ辺りを撃ち込んだりしたら、また話は別かもしれないが。

 

「じゃあ、行くぞ。……ホワイトスターを初めて見るんだから、はしゃぎすぎないようにな」

「ちょっと、アクセル。はしゃぐって……もしかして、私の事を子供だとでも思ってるの?」

 

 ラフタが不満そうに言ってくるが……

 

「なら聞くが、異世界の服とかアクセサリとか、ファッション関係の何かがあっても、ラフタははしゃいだりしないんだな?」

「ぐ……それは……マニキュアとか、ちょっと気になるわね」

 

 ラフタはファッションに強い興味を持っている。

 それだけに、異世界にファッション用品とか、そういうのがあれば気になってもおかしくはない。

 個人的には、別にそれは悪いとは思わない。

 ただ……今も言ったように、はしゃいだりしないようにして欲しいと思うだけだ。

 

「っていうか、異世界のファッションって、どういうのがあるの?」

「色々とあるぞ。シャドウミラーが交流を持ってる世界は幾つもあるから、その世界によってファッションとかも違ってくるし」

 

 とある世界では絶賛されるような服や宝石であっても、別の世界ではそんな物かと思われたりするのは珍しくない……らしい。

 ミナトや美砂、円から聞いた話だと、そんな感じだった筈だ。

 

「ふーん。それは興味深いわね。ね、ダーリン」

「あー……うん。程々にな」

 

 名瀬は困った様子でそう言う。

 ラフタの事だから、ここで駄目だと言っても諦める事はないと判断したのだろう。

 

「話は決まったようだし、行くぞ」

 

 そう俺が言うと、他の名瀬率いるタービンズの一行と共にゲートに入り、量産型Wがすぐに操作をし……そして次の瞬間、俺達の姿はホワイトスターの中にあった

 

「これは、凄いね」

 

 アミダが周囲の様子を見て、そう呟く。

 他の者達も、驚いた様子でホワイトスターの転移区画を眺めていた。

 無理もないか。

 先程までは外にいたのに、一瞬にしてどこかの部屋の中……部屋? まぁ、屋根のある場所にいたのだから。

 

「さて、そんな訳で見学に行くぞ。まずは店のある場所でいいんだよな?」

 

 そう尋ねると、そのラフタはその言葉で我に返ったらしく、即座に頷く。

 

「勿論よ。まずはその場の店を見る事で、そこがどういう場所か分かりやすいんだもの」

「……まぁ、それは否定しないけどな」

 

 店のある場所で人の数が多ければ活気のある地域という事になる。

 逆に人の数が少なければ、活気のない地域となる。

 それだけに、ラフタの言ってる事は決して間違ってはいない。

 ただし、それはあくまでも一般的に考えた場合での話だ。

 具体的には、このホワイトスターはそれぞれの世界でシャドウミラーと国交を持っている者達が許可をした人物しか来る事は出来ない。

 何しろホワイトスターで何か問題を起こした場合、そのペナルティは個人ではなく、問題を起こした者が所属している世界全体に与えられるのだから。

 最悪、その世界は一定期間ホワイトスターの出入り禁止とかになってもおかしくはない。

 各世界ともそれが分かっているだけに、問題を起こさないような人物しかホワイトスターに行く許可は下りない。

 

「そんな訳で、お前達も気を付けるように」

 

 事情を説明し、そう締めくくる。

 オルフェンズ世界の人間は、荒っぽい者が多い。

 いやまぁ、地球とかに行けばそうでもないのかもしれないが、火星や木星では力こそ全て的な一面があるのも事実。

 それだけに、その論理をホワイトスターの中で発揮して騒動を起こした場合、オルフェンズ世界全体が責任を取ることになる。

 そうなると、それこそテイワズに睨まれるのは間違いない。

 もしくは、マクギリスにも睨まれるかもしれないな。

 実質的にギャラルホルンのトップに立ったマクギリスだが、モンターク商会の会長という顔も持ってるしな。

 とはいえ、これからの忙しさを考えると、モンターク商会もマクギリスが活発に動かすといった事は出来ないだろう。

 となると、異世界間貿易に関わってこない可能性もあるのか。

 

「分かってるわよ。アクセルは私達が何に見えてるのかしら」

 

 不満そうな様子でそう言うラフタをよそに、俺は量産型Wにエアカーを用意させるのだった。

 

 

 

 

 

「うわ、凄い人ね」

 

 エアカーで商店街……より正確には交流区画なのだが、そこに到着すると、ラフタが興味津々といった様子で呟く。

 その相棒のアジーも、言葉には出さないが興味深そうな様子で周囲を見ている。

 

「随分と目立ってるようだね」

 

 名瀬の隣でアミダがそう言うのが聞こえてきた。

 まぁ、それは当然だろうな。

 アミダは顔立ちが整っており、その上で露出も大きい。

 下着をつけておらず、短いシャツを胸の前で結んでいるだけだ。

 その豊かな双丘は当然のように完全には隠されていないし、胸から下の部分はしっかりと露出している。

 その腹の部分には傷跡が残っているものの、アミダはそれを隠す様子はなく、寧ろ堂々と晒していた。

 それがかえって人の目を集める理由になるのだろう。

 他にも、アミダと一緒にいる名瀬も顔立ちが整っており、美男子やイケメンと呼ぶに相応しいので、女達の視線を集めていた。

 とはいえ、俺がいるのも視線を集めているのに影響はしてると思うが。

 自分で言うのも何だが、俺はホワイトスターにおいてかなりの有名人だ。

 それだけに、視線を集めるのはおかしなことではない。

 

「あ、ほら。向こうによさそうなお店があるわよ。行きましょう!」

 

 ラフタがそう言い、服を置いている店に向かって進む。

 

「悪い、兄貴。その……もう少し付き合ってくれ」

「まぁ、初めてホワイトスターに来たんだ。そのくらいは仕方がないか」

 

 そうして、俺はラフタや……それ以外にもアジーやアミダの買い物に名瀬と共に付き合うのだった。

 

 

 

 

 

「さて、それで買い物はもういいとして、次はどうする?」

「他にはどういう場所があるんだい?」

 

 アミダが興味深そうに聞いてくる。

 交流区画でのショッピングは、それなりにお気に召したらしい。

 

「そうだな。エルフとかがいる公園、ワイバーンのいる牧場、ドラゴンとかの剥製がある博物館、魔力泉のスパ……他にも色々とあるが、有名所だとこのくらいか」

 

 もっと言えば、それこそマクギリス達が見た、実働班の訓練風景とか、交流区画でもネギま世界からやって来た魔法使いが魔法を見せて大道芸的な事をしていたりもするんだが。

 魔法使いは何だかんだで人気なんだよな。

 どの世界でも、魔法というのはやはり一種の憧れがあるらしい。

 更にネギま世界の魔法は基本的には誰でも訓練をすれば使えるようになるというのも大きい。

 ただ……当然ながら、少し練習しただけで魔法が使えるようになる訳ではない。

 それこそかなり真剣に長時間訓練をする必要がある以上、そこでギブアップするような者も多い。

 中にはかなりの才能の持ち主で、それこそちょっとコツを教わっただけで魔法を使えるようになった者もいるらしいが。

 

「私はスパに興味があるね」

 

 アミダのその言葉で、次に行く場所は決まったのだった。

 

 

 

 

 

「これがスパ、か。……兄貴、魔力泉ってことは、やっぱり何か違うのか?」

 

 水着姿になった名瀬が周囲の様子を見ながらそう聞いてくる。

 ちなみに名瀬は別にMSパイロットって訳ではないが、それでも組織を……海賊に襲われたり、あるいは今はもういなくなったが身内のジャスレイの手の者にちょっかいを出されたりもするので、それに対処する為に相応に身体を鍛えてはいる。

 その為、現在魔力スパにいる他の客……特に女が、名瀬に熱い視線を向けていた。

 視線を向けられている本人は、それを全く気にした様子がなかったが。

 

「そうだな。魔力の影響で色々と身体にいいのは間違いない。他にも美容とかにもいいらしい」

「あー……だから客の割合は女が多いのか」

「そんな感じだな」

 

 女の美容に対する熱意というのは、非常に強い。

 だからこそ、ホワイトスターに来る事が出来た女の多くはこうして魔力スパを利用してるのだろう。

 シャドウミラーにしてみれば、丸儲けでウッハウハといったところか。

 そうして俺と名瀬が話していると、やがてアミダ、ラフタ、アジーの3人がやって来る。

 アミダとラフタはそれぞれ、黒と青のビキニ。そしてアジーは白のワンピースタイプの水着を着ていた。

 

「待たせたね。……どうだい?」

 

 アミダが笑みを浮かべ、そう言いながら自分の肢体を見せつける。

 それに負けじと、ラフタとアジーも同様に。

 ……ただし。見せつける相手は俺ではなく、名瀬にだが。

 この4人の関係を考えれば、それも当然だろう。

 

「ああ、全員似合ってるよ。全く、どこの美人か最初は分からなかったくらいだ」

 

 名瀬の言葉に、アミダは黙って笑みを浮かべ、ラフタは嬉しそうな笑みを、そしてアジーは薄らと頬を赤くして視線を逸らす。

 紅茶派の俺だが、こういう時はコーヒーがあってもいいかもしれないな。

 

「ほら、そこ。イチャついてないで、スパを楽しむぞ。時間にそこまで余裕はないんだしな」

 

 むぅ、と。

 ラフタが名瀬との時間を邪魔され、不満そうにこっちを見てくる。

 そういうのは、俺のいない場所でやって欲しい。

 

「そうだな。じゃあ、早速魔力泉を楽しむか」

 

 そう言い、名瀬はアミダと一緒に魔力泉の温水プールに入る。

 アジーが続き、そして少し遅れて不満そうな様子を消してラフタも追う。

 俺はそれを眺めつつ、このままここにいるのも何なので俺も温水プールに入る。

 そして1時間程遊び……スパを出る事にする。

 アミダとかはもっといたかったらしいが、ここで時間を使いすぎると、他の場所を見て回る余裕がないんだよな。

 なのでそうならないように、上がるのだった。

 ここが気に入ったのなら、今日じゃなくてまた別の日に来ればいいだろうし。

 幸い、テイワズは異世界間貿易を積極的に行う予定らしいから、タービンズの面々はホワイトスターに来る機会は多いだろうし。

 ……何らかの問題を起こせば、それはそれで面倒な事になり、最悪出入り禁止になるかもしれないが。

 

「じゃあ、次は牧場だな。……ワイバーンとかいるから、楽しめると思うぞ」

「ワイバーンって……そういうのもいるのか?」

「ああ。鉄華団の連中はワイバーンに乗るのを楽しんでいたぞ」

「……乗れるのか」

 

 唖然とした様子で名瀬が言う。

 無理もないか。

 ワイバーンの出ている作品とかにもよるが、基本的にワイバーンというのは竜種……つまり、ドラゴンの一種と見なされる事が多い。

 それだけに、つまりワイバーンに乗るというのはドラゴンに乗るという事と同じ意味なのだから。

 実際、その判断はそう間違ってる訳じゃないし、そう考えると名瀬が驚くのもおかしな事じゃない。

 

「ちなみに牧場はワイバーン以外にも色々な動物がいるし、他にもチーズやソーセージ、ハムといった諸々も売ってるから、それなりに人気のある場所だ」

 

 鉄華団の面々にとって、食事というのは色々と特殊だ。

 例えば木の実とかそういうのや、肉や野菜なんかはそれなりに食べられるが、魚は気持ち悪くて食べるのを躊躇するといったような。

 もっとも、最終的には料理をした魚を美味いと言って食べていたが。

 そんな面々であっても、チーズやハム、ソーセージといった食材は普通に食べられる。

 いや、それどころか喜んで食べていた。

 その辺りのことを思えば、名瀬達にも牧場の商品は喜ばれる筈だ。

 もっともタービンズでは普通に魚とかも料理して食べていたので、そこまで極端に喜ばれるという事はないと思うが。

 

「へぇ、どのくらい美味しいのがあるか、少し楽しみだね」

 

 予想外な事に、牧場の直販所について興味を示したのはアミダだった。

 そんなアミダに引っ張られるように、牧場に向かう。

 いや、アミダはホワイトスターの中について詳しくないんだから、どこに牧場があるのかとか、そういうのは分からないと思うんだが……まぁ、取りあえずそれだけ楽しみにして貰えたという事で、俺にとって悪くない気分だったのは間違いなかった。

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