転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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4141話

「それ……やっぱり必要か?」

「はい。今回の一件は、本来なら異世界間貿易の禁止事項に触れてしまいます。……オルフェンズ世界の時は、まだ異世界間貿易の正式な条約を結んでいないので対処は出来ましたが、UC世界のディアナと、SEED世界のアドゥカーフ・メカノインダストリーとの提携については、色々と問題が起きる可能性があります。幸い、今はシャドウミラーを敵に回してでも不満を訴える世界はありませんが、これからもそうだとは限りません。であれば、その前にシャドウミラーを例外的な存在とするべきかと」

 

 レオンの言葉に、なるほどと頷く。

 とはいえ、この件については既にレオンが……いや、政治班が根回しをしている以上、ここでそれは駄目だとは言いにくい。

 いやまぁ、言えば言ったでその方向に向けて政治班も動くのだろうが。

 ただ、今回の一件……異世界間貿易において、兵器の輸出や輸入、あるいはレンタルやら何やらで、異世界に他の世界の兵器を持っていくのを禁止しているという中で、シャドウミラーだけが例外とするというのは、レオンが言うようにこれからのことを思えば必須だろう。

 門世界やマブラヴ世界といったように戦力を派遣した例はあったものの、それはあくまでも特殊な例だ。

 ……鬼滅世界にネギま世界から魔法使いや神鳴流の剣士を派遣したのも、ある意味では特殊な例だろう。

 禁止されているのは兵器だが、魔法使いや神鳴流の剣士は人だし。

 

「話は分かった。なら、任せる。……ただ、UC世界のディアナとSEED世界のアドゥカーフ・メカノインダストリーとの合同事業については、その例外的な措置でどうにかなるのか?」

 

 レオンの説明にあったのは、あくまでもシャドウミラーは例外という感じだった。

 だが、UC世界とSEED世界でとなると、シャドウミラーとは関係がないような気がする。

 

「問題ありません。アクセル代表は忘れているようですが、ルナ・ジオンの後ろ盾にはシャドウミラーがいて、将来的にルナ・ジオンはシャドウミラーの管轄となるのですから。つまりこれは、シャドウミラーがアドゥカーフ・メカノインダストリーと合同の研究をするという事と同じです」

「……同じか? それはちょっと無理がありすぎるような気がするんだが」

 

 いやまぁ、セイラがルナ・ジオンを建国したのは、俺と接触した時に見た、シャアが小惑星を地球に落とすという光景から、それを止めたいと思ってだ。

 つまり、シャアが小惑星落としを諦めるなり、もしくは失敗するなりすれば、ルナ・ジオンの役割は終わったという事になる。

 なるのだが……今となっては、UC世界におけるルナ・ジオンの存在感がかなり大きくなっているのも事実。

 具体的には、ジオン公国時代にダイクン派と呼ばれた者達が集まってきたり、異世界との関係を持っているので、ルナ・ジオンの首都であるクレイドルに来れば本物の魔法使いを見たり、異世界にしか存在しない動物を見たり、ゴーヤクレープを食べたり出来る。

 ……ん? あれ? 今なんか妙なのが……まぁ、いいか。

 ともあれ、ルナ・ジオンはUC世界において重要な役割を持っているのも事実な訳だ。

 連邦軍の中に存在する、強硬派。

 そこが妙な行動をした時に対処したりもする。

 もっとも、そこで対処するのは妙な行動というのがルナ・ジオンを相手にしたものだからというのが大きいのだが。

 

「同じです」

 

 きっぱりと断言するレオン。

 レオンが本当に心の底からそのように思っているのか、それとも強弁しているだけなのか。

 それは俺にも分からないが、レオンの様子を見る限りではそうした方がいいだろうと思うのも事実。

 

「……分かった。なら、その辺については政治班に任せる。一応、他の者達からも話を聞いてから決めてくれ」

 

 政治班以外の、実働班、技術班、生活班。

 そんな他の班でも問題ないと判断すれば、俺としてもそれで構わないとは思う。

 既に根回しをしている以上、何かあっても大きな問題にはならないだろうし。

 

「分かりました。では、この件はこれで。……では、次の話題ですが、オルフェンズ世界において火星が1つに纏まる火星連合という組織にしてはどうかと話が出ているようです」

「火星連合か。まぁ、分からないではない」

 

 ギャラルホルンの内乱で勝利したマクギリスは、いずれ火星からギャラルホルンを撤退させると言っていた。

 本来なら、マクギリスとしては……いや、新生ギャラルホルンとしては火星から撤退したくはないだろう。

 何しろ火星は異世界と通じる唯一の場所なのだから。

 それこそギャラルホルンにしてみれば、旨みが非常に大きい。

 だが……同時に、火星にギャラルホルンがいるという事は、何かあったらギャラルホルンが火星の治安を守らなければならないという事を意味してもいる。

 異世界に繋がる火星という事で、これから間違いなく大小様々な騒動が引き起こるだろう火星の。

 他にも、ハシュマルの例を見れば分かるように、ハーフメタルの鉱脈近くにMAが眠っている可能性が否定出来ない。

 ハシュマルの場合はルリやラピスのハッキングによって支配下に収めたものの、他のMAが見つかった場合、ギャラルホルンでは対処は難しい。

 他にも何らかの理由でシャドウミラーを怒らせるような事があれば、ギャラルホルンの被害が洒落にならないといった事もある。

 後は……そうだな。ラスタルとの最終決戦で勝利したマクギリスだが、その被害は大きい。

 マクギリス側はダインスレイヴの一斉射撃を受けたし、ラスタル側はフレイヤとS-11ミサイルによって大きな被害を受けている。

 それによって、現在のギャラルホルンの戦力がかなり低下しているのも事実。

 だからこそ、ギャラルホルンは火星の駐留戦力を撤収させて、地球の守りを固めたいという思いもあるのだろう。

 実際、今までは火星や木星のような圏外圏で活動する事が多かった海賊達が、最近では地球にも姿を見せ始めているという情報がある。

 ギャラルホルンの戦力が低下した事で、海賊の中にもちょっかいを出してみようと思った者もいるのだろう。

 MSや軍艦であれば、失った物はまた作ればいいので、問題はない。

 幸いなことに、エリオン家、クジャン家、バクラザン家、ファルク家というセブンスターズのうち、4つの家が取り潰されており、その家の財産は新生ギャラルホルンに没収されている。

 つまり現在のギャラルホルンは戦力は少ないものの、財政的な面で考えた場合はかなり潤っている状況なのだ。

 また、これは不幸中の幸いというか、災い転じて福となすと言うべきか、とにかく内乱の最終決戦によって多くのグレイズが撃破された。

 ギャラルホルンの新型量産機であるレギンレイズに大々的に機種更新が出来るというのは、悪くないことの筈だ。

 資金も豊富にある事だし。

 ただ……ここで問題が1つ。

 MSや軍艦については新しく作ればいいが、パイロットはそうもいかないということだ。

 量産型Wのように容易に作る事が出来ればいいが、このオルフェンズ世界でそのような技術はない。

 だからこそ、パイロットは1から育てる必要がある。

 そして人というのは、そう簡単に増える訳でもない。

 勿論、あの戦いで生き残ったMSパイロットもいるだろうし、ラスタルの部下だったMSパイロットは、ラスタルが負けたという事で素直にマクギリスに従う者も出て来た筈だ。

 ……マクギリスに従うのを屈辱だと感じて、ギャラルホルンを出奔した者もいるだろうが。

 ただ、贅沢な生活というのは一度慣れると元の生活には戻れない。

 ギャラルホルンのセブンスターズの半分以上が取り潰された今、マクギリスに従うのが屈辱だからとギャラルホルンを出奔すれば、暫くは何とかなっても、いずれ金はつきる。

 それに金がつきるまでの生活も、間違いなくギャラルホルンでの生活と比べると貧しくなるだろう。

 自分の誇りと金。

 どちらを選ぶのかは人それぞれだが、金を選んでギャラルホルンに残る者もそれなりにはいる筈だ。

 

「アクセル代表? どうかしましたか?」

「ん? ああ、悪い。オルフェンズ世界の事について考えていてな」

 

 レオンの言葉に我に返り、そう返す。

 

「それで火星連合についてだったな。……戦力的には鉄華団がいるし、そこまで心配する事はないと思う」

 

 ギャラルホルンの内乱に協力した鉄華団の名前は、広く知られている。

 ましてや、シャドウミラーを吸収合併したのもあって、その戦力もまたかなり拡充していた。

 そんな火星連合にちょっかいを出す海賊は……どうだろうな。

 夜明けの地平線団のような大規模な海賊でもあれば話は別だが、その夜明けの地平線団も俺達によって壊滅させられたしな。

 

「そうですね。それに、いざとなればこちらから援軍も出せますので」

 

 それが火星を守る上で鉄華団の存在以上に大きな力となっているのは間違いない。

 シャドウミラーとして使っていた拠点も、現在では既に鉄華団の所有物となっている。

 だが、その施設の側にあるゲートは、相変わらずシャドウミラーの戦力で守っていた。

 ……実際既に何度かちょっかいを出そうしてきた勢力がいたのだが、そのような者達は即座に量産型Wやコバッタによって捕らえられ、鉄華団に引き渡されている。

 その後でどうなったのかは……夜明けの地平線団を嗾けたテラ・リベリオスがどうなったのかを考えれば、想像するのは難しくないだろう。

 

「それで火星連合の件だが、個人的には悪くないと思う。火星連合という国として成立してしまえば、地球にある国からも無茶を言う事は出来なくなるだろうし」

 

 まぁ、それはあくまで表向きの話で、中には裏から手を回して異世界間貿易に自分達も関わろうとか思う勢力はいるだろうが。

 ただ、それでも表のそういう行動がなくなるだけでも、火星的には助かる筈だ。

 

「そうですね。こちらとしても交渉をする相手が火星連合であれば、手間が省けますし」

 

 政治班としては、地球にある国の植民地となっている場所を1つずつ接触していくよりは、火星連合という1つの国という方が楽なのだろう。

 

「その辺は政治班に任せる」

 

 こういうのは専門家に任せて、素人は口出ししない方がいいのも間違いはない。

 ……まぁ、素人だからこその意見が煮詰まった状況の突破口を開くという事もあるんだが。

 

「ありがとうございます。ただ……今回の件については、アクセル代表も決して人任せに出来るという訳ではありませんよ?」

「ん? どういう意味だ?」

「火星連合の初代代表となるのは、当然ながら知名度の高い人物です。そして火星で知名度の高い人物と言えば……」

 

 そこまで言われれば、俺もレオンが何を言いたいのかは理解出来る。……出来てしまう。

 

「クーデリア、か」

「はい。現在オルフェンズ世界の火星においては、そういう方向で話が進んでいるらしいです」

「俺はクーデリアからは特に何も話を聞いてないんだが」

 

 クーデリアはホワイトスターにある俺の家で暮らしている訳ではない。

 ただ、それなりに頻繁に泊まりに来ているのも事実。

 ……最初は色々と慣れない事も多かったようだが、今ではかなり打ち解け、馴染んでいる。

 だが、そんなクーデリアからその辺の話について聞いた覚えはなかった。

 

「恋人同士の関係について私に言われても困ります。それに……アクセル代表の関係は、色々な意味で特別なのですから」

 

 そう言われると、俺も否定は出来ないな。

 ただ、ハーレムを作っているというだけなら、実際にはそんなに珍しくはない。

 いやまぁ、そのハーレムのメンバーが1つの世界の者達ではなく、色々な世界の出身であるというのは普通と違うが。

 

「分かった。なら、クーデリアには俺から話を聞いておく。……まぁ、何となくクーデリアが何を考えているのかは分かるけどな」

 

 クーデリアにしてみれば、オルフェンズ世界の一件……それも自分が独立運動をしてきた火星での出来事だ。

 そうである以上、人の意見を聞くのも大事だが、まずは自分で決めるべきだと、そう思ったのだろう。

 生真面目なクーデリアらしいと言えば、その通りだが。

 ただ、恋人がいるんだから、もう少し頼って欲しいとは思う。

 ……あるいは、魔法とかの訓練の疲れでうっかり言い忘れていたとか、そういう事はないよな?

 現在、マーベル、シーラ、クーデリアの3人は魔力や気を使えるようにする為の訓練を行っている。

 クーデリアはアドモス商会の仕事があるので他の2人と比べて訓練が遅れているものの、それでも魔法球を使って訓練を続けていた。

 もっとも、クーデリアの件はともかくとして、マーベルとシーラはかなり飲み込みが早いらしいが。

 この辺はオーラ力を使っていた影響だろう。

 聖戦士として活躍してきたマーベルと、聖少女と呼ばれる程のオーラ力を持っているシーラ。

 また、マーベルはダンバイン世界において多少なりとも魔法の訓練をしていたのも大きい。

 そんな訳で、訓練時間の足りなさも含めてクーデリアが1歩……いや、もう少し遅れているのは間違いなかった。

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