『へへっ、どこだ宇宙人め。たっぷり可愛がってやるぜ』
ジオン軍残党の拠点……オービルがコアファイターⅡに乗って逃げた方向に向かっていると、モンシアがそんな風に呟く声が聞こえてくる。
「宇宙人じゃなくて、スペースノイドだろ」
『へぇへぇ、すいませんね、教養がなくて。アクセルとは違うんだよ』
『中尉、指揮はいつもこうなんですか?』
俺とモンシアの通信を聞いていたウラキがそんな風に言ってくるが……それがモンシアの気分を損ねたらしい。
いや、元々モンシアはゼフィランサスの件でウラキを目の敵にしている。
というか……うん。自分が言い寄ろうとしたニナが俺と付き合っている――とニナが思わせている――のもあって、その不満もウラキにぶつけている形だ。
分かりやすくゼフィランサスの件があったので、ウラキが集中的に狙われている訳だ。
……うん、ウラキには悪いと思う。
なので、半ば俺のとばっちりを受けているウラキにはそれとなくフォローしておく必要があった。
もっとも、ウラキも原作主人公だ。
そう考えれば、寧ろこの程度の事は自力で乗り越えて貰う必要があるのだが。
『んあ? ウラキぃ、俺はしつこいのが信条だ。偶然で1回くらい俺をやり込めたからって、図に乗るんじゃねえぞ!』
モンシアがまたウラキに絡む。
この2人、本当に相性が悪いよな。
というか、これは単にモンシアの質が悪いだけか。
『あ、中尉。1時半です』
モンシアの言葉に黙り込んだウラキだったが、さすが最新鋭機のゼフィランサス。
そのレーダー範囲はジム・カスタムよりも上で、真っ先に敵の存在を嗅ぎ取ったらしい。
『ほれほれ、待ちくたびれたって拗ねてるぜ。全員、ぶっ放せぇっ!』
『ちゅ、中尉、こんな状況では当たりっこありませ……』
どん、と。
俺の撃ったジムライフルの弾丸が、敵……ザクⅡF2のコックピットを貫く。
「あ、悪い。当たったぞ」
『ほ……ほれみろウラキぃっ!』
指示を出したモンシアも、恐らくは本当に当たるとは思っていなかったのだろう。
それも1発で。
それでもモンシアは1年戦争で俺の実力を知ってるし、模擬戦でも実力は見せたので、何とか自分を納得させると調子に乗った様子でそう言う。
『嘘だろ……こんな状況で当てるなんて……』
信じられないといった様子で呟くウラキ。
姿を現したザクⅡF2は、まさかいきなり自分の仲間が撃破されるとは思っていなかったのか、動揺しながらも射撃をしつつ後退していく。
「ウラキ、忘れているようだから言っておくが、俺は本来ガンダム開発計画のテストパイロットをしていたんだぞ?」
『っ!?』
俺の言葉にウラキが黙り込む。
もしかしたら、モンシアと同じく自分の地位を俺が狙っているとか、そういう風に思ったのかもしれないな。
実際にはそんな事はないのだが。
『いいから、ウラキ少尉、お前も撃て。これは上官命令だ。分かってるんだろうな? アクセルの攻撃で向こうはもう逃げ腰だ。今がチャンスなんだって分からねえのか?』
そんなモンシアの言葉に反応した訳ではないだろうが、ノリスのグフ・カスタムのガトリングシールドが火を噴く。
ガガガガガガガ、という音と共に連続して発射される弾丸。
後退していたザクⅡF2は、それを見た瞬間、全速力で逃げ出し始めた。
『ウラキぃっ!』
モンシアの苛立ちの声に、ウラキもゼフィランサスのビームライフルを構え、発射する。
そして逃げ出すザクⅡF2を追い始める。
……あ。俺がコックピットを撃ち抜いたザクⅡF2が倒れた時に潰されたのだろう、オービルの死体っぽいのが……まぁ、見なかった事にしておくとしよう。
どうやらいつの間にかコアファイターⅡは撃墜されていたらしい。
スパイとはいえ、やっぱり捨て駒だったのだろう。
ザクⅡF2のパイロットを撃破して撃墜数は上がっているが、オービルの件はどうやら俺の撃破扱いという事にならなかったらしい。
それは残念に思うが、今は別にそこまで撃破数に執心している訳でもないしな。
そうして全速力でこの場から逃げ出すザクⅡF2。
『そぉれみろぉ! 敵は基地まで案内してくれるとよ!』
喜色満面といった様子のモンシアの言葉。
それは一般的に考えれば間違っていないのだろう。
だが……何だ? こうも簡単に基地まで案内してくれるのか?
少しこう……妙じゃないか?
いやまぁ、最初こそはいきなり仲間が撃破され、しかもゼフィランサスのビームライフルを恐れて逃げ出したように思えるが……
『アクセル中尉、これは……』
俺が感じた疑問を同様に感じたのか、ノリスが通信でそう言ってくる。
ノリスにしてみれば、状況から考えて違和感があったのだろう。
「罠、か?」
『恐らくは』
俺とノリスの意見が一致したところで、モンシアに声を掛ける。
「モンシア、敵の逃げっぷりには違和感がある。恐らくこれは罠だ」
『何だって? ……だが、罠だったとしてもこれで逃がす訳にはいかねえだろうが! それはアクセルも分かってるだろ!? ここで逃がせば、今回の一件は全くの台無しなんだぜ!?』
モンシアのその言葉は、俺にも納得出来るものがあった。
実際、オービルの件が判明するまで、アルビオン隊は……いや、アフリカに来ている連邦軍の部隊は、何も手掛かりらしい手掛かりを見つけられなかったのだから。
とはいえ、だからといって敵の罠がある可能性のある場所に突っ込むのは……
「そうなると、敵の罠を食い破るというやり方になると思うが、それで構わないんだな?」
『ああ、それでいい。幸い、こっちには俺とアクセルとその護衛がいるしな。ウラキの奴も、本人の技量はともかく、MSは高性能だ』
そう言い、俺の言葉に頷くモンシア。
……それでいながらも、きっちりウラキに対してしつこく言うのは、本人が言うようにしつこさが取り柄だからなのだろう。
もっとも、その辺りが理由でニナに嫌われているのだが。
本人はその事に気が付いているのかいないのか。
ウラキの方も、お坊ちゃん的な性格だからか、上官の嫌味には黙って耐えないといけないと、そう思い込んでるのがちょっとな。
いやまぁ、本人がそれでいいのならいいんだろうが。
もしウラキがモンシアに食って掛かった場合、その時はその時でモンシアは嬉々としてウラキの相手をするだろうし。
そんな事を考えていると……
『モンシア中尉、左方向に反応!』
不意にウラキが叫び、それと同時にバズーカの砲弾が飛んでくる。
懐かしい……というのは少しどうかと思うが、そういう表現が相応しいのは間違いない。
1年戦争中、ジオン軍のMSというのは、バズーカをそれなりに使っていたし。
ザクのバズーカしかり、ドムのバズーカしかり。
『何ぃっ!』
その言葉と共に、モンシアのジム・カスタムはシールドを使ってバズーカの一撃を防ぐ。
咄嗟の時にこうして素早く、的確に動けるのは、やはり異名持ちの小隊に所属するだけの事はあるな。
まぁ、不死身の第4小隊の前には裸踊りのモンシアとして有名だったのだが。
『くそっ、新手か』
「モンシア、横から来た方は俺とノリスで仕留める、お前はウラキと一緒に前方を!」
先程逃げていたザクⅡF2も、ここで待ち伏せをしていた戦力と合流し、こちらに向かって距離を詰めていた。
『おい、待てアクセル! この部隊の指揮は俺が!』
「ならどうする? このまま敵に包囲されるのを待つのか?」
自分の指示に従えと言うモンシアに向かい、こちらに飛んできたバズーカの砲弾を回避しながらそう言う。
モンシアにしてみれば、自分が指揮を任されているのに俺が勝手に行動方針を決めたのが気に食わないのだろう。
もっとも、だからといってモンシアもここですぐにどう行動すればいいのかといった指示を出すのは難しかったらしいが。
『ええい、くそ! 分かったよ! ウラキ、俺に付いてこい! アクセルは護衛と一緒に左側の敵を倒せ!』
結局モンシアは俺の指示を受け入れる。
モンシアにしてみれば、嫌だったがそうするしかないと思ったのだろう。
……もっとも、それこそがこの場合は正しい行動だったのだが。
「分かった。行くぞノリス」
『了解しました』
俺のジム・カスタムとノリスのグフ・カスタムは、左側に新たに姿を現した敵に向かう。
敵は丘の向こうにザクⅡF2が2機。
上半身と下半身を丘に隠し、頭部と肩の辺り、そして武器だけがこちらから見えていた。
なるほど。こっちの攻撃を防ぎ、そうしながら一方的に攻撃を行えるという訳だ。
MSの性能差を考えると、少しでも自分達が有利になるように行動したいと思うのは当然で、そういう意味ではおかしくはない。
おかしくはないが……俺とノリスを相手にするには甘いな。
「ノリス」
短く名前を呼ぶと、それだけでノリスは俺が何をして欲しいのかというのを理解し、ガトリングシールドを丘に向け、トリガーを引く。
ガガガガガガガという、発射音。
向こうもこれは危険だと思ったのか、丘に完全に姿を隠す。
当然ながらそうなればこちらに攻撃されるような事はないので、俺のジム・カスタムは一気に間合いを詰める。
なお、ガトリングシールドでこちらの援護をしていたノリスも、援護しながら距離を詰めていた。
ガトリングシールドを撃ちながらだから、当然のように距離を詰めるのは普通に移動するよりも遅いのだが、それでも動きながら集弾する能力はさすがだ。
何より、俺の行きたい方向には弾丸を撃たないでいてくれるのも助かる。
そして丘の上まで行くと、俺はスラスターを使って大きく跳躍した。
向こうもグフ・カスタムのガトリングシールドで狙われている今、俺の操縦するジム・カスタムが間合いを詰めてきているのは知っていた筈だ。
これが新人なら……例えばウラキやキースなら、こっちの行動を読む事が出来ず。無駄に攻撃をしたりするのかもしれないが。
しかし、ジオン軍残党は1年戦争から戦ってきたベテランだ。
……まぁ、1年戦争の時も終盤になると学徒兵とかがかなり戦場に出ていたらしいが。
アムロの乗っていたガンダム並の性能を持つゲルググが量産されても、ベテランパイロットの多くがそれまでに死んでいるか、ルナ・ジオンに逃げ込んでいたりしたのもあって、学徒兵が……それこそろくに戦闘経験もないのにゲルググに乗って、無駄に命を散らした者が多かったというのは、聞いた事がある。
とはいえ、学徒兵の中でも生き残りなら1年戦争が終わって3年もの間ジオン軍残党として活動している訳で、そういう意味ではベテランに近い操縦技術を身に付けていてもおかしくはない。
……もっとも、ここは地球だ。
学徒兵が使われるようになったのは1年戦争終盤の戦場が宇宙になってからの話だ。
そういう意味では、地球にいるジオン軍残党はしっかりと訓練をしたMSパイロットの集まりで、宇宙にいる学徒兵出身のジオン軍残党よりも練度は高いのだろう。
だからこそ、この状況でもザクⅡF2はバズーカとザクマシンガンを空中のジム・カスタムに向かって撃つのを躊躇う事はしない。
丘の向こう側にいる2機のザクⅡF2だけに、ノリスのグフ・カスタムが撃っているガトリングシールドを今は無視出来るというのは大きいだろう。
そんな訳で、空中に浮かんでいる俺のジム・カスタムは格好の獲物という訳だ。
……これが人なら、跳躍して空中にいる時点で相手の攻撃を一方的に受ける事になる。
魔力や気を使えるなら、虚空瞬動とかそういうので対処も出来たりするが。
とはいえ、それはシャドウミラーではある意味常識だが、このUC世界においては非常識でしかないのも事実。
まぁ、これについてはあくまでも生身での話だ。
MS……それも現時点において最新鋭MSの1つであるジム・カスタムは、当然ながら機体の各所にスラスターがあるので、それを使えば空中でもある程度自由に動かすことが出来る。
右手にジムライフル、左手にシールドを装備している関係上、AMBACは足でしか出来ないが。
それでも空中で機体制御を行いつつ、素早くジムライフルのトリガーを引く。
1発、2発、3発。
連続してザクマシガンを撃っていたザクⅡF2のコックピットに命中し、それによって撃破扱いとなる。
続けてもう1機……と思ったが、ガトリングシールドをパージしたグフ・カスタムが素早く近付き、ヒートサーベルをコックピットに突き立てていたので、こっちについては俺が撃破するまでもなかった
こうして丘から俺達を狙っていた敵は撃破する事に成功する。
『アクセル中尉、どうしますか?』
ノリスの考えに、モンシアとウラキ達が戦っている方に視線を向けると、そこではそれなりに苦戦している様子が映像モニタに表示される。
横から回り込んだ敵についてはこちらで対処したが、そもそも向こうは待ち伏せをしていたのだ。
そうなると向こうにも相応の戦力がいるのは間違いなく、実際モンシアとウラキも敵の数に対処が難しそうだ。
「ウラキ達を助けに行くぞ」
そう言い、俺はノリスと共にモンシアとウラキの援軍に向かうのだった。
アクセル・アルマー
LV:45
PP:770
格闘:313
射撃:333
技量:323
防御:323
回避:353
命中:373
SP:3003
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:2010