転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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2878話

 ドレイクの口から出た、フラオンを逃がすという言葉。

 その言葉に、疑問を抱く。

 

「どういう事だ? この状況でフラオンを逃がしても、ドレイクの……アの国の利益にはならないんじゃないか?」

 

 寧ろ、個人的にはここでフラオンを逃がすというのは、アの国として見た場合は不利益にしかならない気がする。

 アの国の国王だったフラオンは、自分が贅沢をする為、民に重税を課していた。

 その為に、アの国の民衆……いや、領主達もか。ともあれ、フラオンに対して恨みを抱いている者は決して少なくない。

 もしここでフラオンを逃がすといったような真似をすれば、民衆達からは何故そうなったのかと、疑問に思う者も多く出て来てもおかしくはない。

 幸いな事に、この世界では情報の伝達手段は人伝が大半であり、ネットやTVといったものはない。

 ……狭い範囲ではあるが無線通信が出来るのを考えると、頑張ればラジオくらいは出来そうな気がするが。

 それでも今のところそういうのをやったという者はいない。

 地上人であれば、ラジオというのはすぐに思いついてもおかしくはないんだろうが。

 ともあれ、情報が広がるのは遅くなるのは間違いないだろうが、同時にそれは情報が風化するのも遅くなるということを意味していた。

 少なくても、今の状況を思えば間違いなくフラオンの件は厄介な事になるだろう。

 

「利益にはなる。フラオンを逃がした場合、どこに向かうと思う?」

「どこにって言われてもな……おい、まさか……」

 

 現在フラオンがいるのは、俺達が現在いるミの国だろう。

 そしてフラオンが逃げるとすれば、どこに逃げるか。

 ミの国と隣接しているのは、ドレイクのアの国、そしてドレイクと友好関係にあるビショットのクの国……そして、強国として周辺に名高いラウの国だ。

 他にもリ、ケム、ハワといった国があるが、そのような国に行く場合はアの国かクの国を通り抜ける必要がある。

 それが無理とは言わないが、それでも厄介なのは間違いのない事実だ。

 そうなると、やはりフラオンが逃げ込む先の第一候補はラウの国となるだろう。

 勿論、あのフラオンの事だ。

 もしかしたら何も考えずにクの国に行ったり、アの国を通り抜けてリ、ケム、ハワといった国に向かおうとする可能性も否定はしきれない。

 だが……遠くに離れた小国と、すぐ近くに存在する強国のどちらに向かうかとなれば、普通は強国たるラウの国だろう。

 とはいえ、ラウの国がフラオンを迎え入れるかといった疑問はあるが。

 ラウの国とミの国は現在国交断絶している。

 だというのに、ミの国から逃げてきたフラオンを受け入れるかどうかというのは、正直なところ難しいだろう。

 とはいえ、可能性はない訳ではない。

 伝統を大事にするラウの国にしてみれば、アの国の王族たるフラオンは、受け入れる可能性は十分にあるのだから。

 問題なのは、ミの国にいたというのがどう影響してくるかだが……伝統と感情のどちらを重要視するかだな。

 

「こちらも狙いがあるのだ。アクセル王には分かって貰えると思うが?」

「そうだな。国を率いている以上、国益の為に動くのは当然だ。だが……今この状況でラウの国とぶつかるというのは、国の利益ではなく、国の不利益以外のなにものでもないと思うが?」

「ほう、何故そう思うのかね?」

「考えてみれば分かるだろ。アの国ですら、ようやく治める事が出来たかどうかといった感じなんだぞ? なのに、ここでミの国を占領して……それで、そのまままたラウの国にとなると、ミの国はどうするつもりだ? ただでさえ、ミの国にはピネガンに忠誠を誓った奴が多いってのに」

 

 ドレイクの影響力が高かったアの国ですら、まだ本当の意味で完全に治めたという訳ではない。

 表向きはドレイクに従っているものの、実はギブン家……正確にはギブン領にいるギブン家の残党――という表現が相応しいかどうかは微妙だが――と連絡を取り合っている者もいると聞く。

 アの国ですら、そんな状況なのだ。

 そうである以上、ドレイクにとって手掛かりらしい手掛かりが存在していないミの国をきちんと治められるようになるには、それこそ数ヶ月どころか、場合によっては年単位の時間が掛かってもおかしくはない。

 そんな状況で、更に強国と言われているラウの国に手を出す?

 俺から見れば、ドレイクがやろうとしているのは、自殺行為にしか思えない。

 

「アクセル王の言いたい事も分かる。儂も、正直なところを言えば、暫くはミの国の統治に専念したい」

「なら、そうすればいいだろう? わざわざ、ラウの国なんて大国を敵に回す必要がどこにある?」

 

 アの国も、元々強国ではあった。

 フラオンのせいで国力は落ちているが、現在の国王はドレイクになった以上、時間を掛ければその国力も復帰するだろう。

 また、ミの国も占領して併呑すれば、更に国力は上がる。

 ミの国は小国ではあるが、それでも国と名乗れる規模であるのは間違いない。

 それを併呑するとなれば、アの国の国力は間違いなく上がる。

 どうしてもラウの国と戦うのであれば、それからでもいいだろう。

 何も、今の状況で無理をして攻めるといったような真似はしなくてもいい筈だ。

 

「こちらから攻めなければ、いずれラウの国から攻めてくる可能性が高いからだ」

「……何でだ? フラオンを向こうに送り込んだのならまだしも、今の状況では特にアの国がラウの国に攻められる理由はないだろ? 商売上で何か問題があったとか」

「いや、ナムワンを何隻か売っているし、ドラムロやドロもそれなりに売ってはいるが、取引は問題なく終わってる」

「なら、余計にアの国が攻められる理由はないと思うが?」

 

 あるいは、商売の方で何か揉めた……例えば、ラウの国側か不当に安くしろと言ってきたとか、もしくはドレイクが無意味に値段を上げたとか、そういう事なら、あるいは攻められてもおかしくはない……事はないのだが、それでもまだ納得は出来た。

 だが、特にそれらしい理由はない以上、何故攻められるのかは納得出来ない。

 それは俺の隣にいるマーベルも同様だったらしく、一体何があってラウの国を攻めようとしているのかといったような視線をドレイクに向けていた。

 そんな俺達2人の視線を向けられたドレイクは、やがて口を開く。

 

「端的に言えば、フォイゾン王は儂をアの国の国王とは認めておらず、そしてアの国がミの国を占拠したことによって、ラウの国と隣接してしまう為だ」

「認めないってのは、やっぱり血筋の件か?」

 

 普通に考えれば、ドレイクは既にアの国の国王となっている。

 アの国の貴族達も、その多くがドレイクを国王として認めているし、国民にいたっては大歓迎といった様子だ。

 そんな状況で、王族の血筋を引いてないからドレイクの事を認めないといったような事を言っても……正直なところ、ならどうする? といった疑問がある。

 フラオンが国王に戻るというのは、それこそアの国に住んでいる者の殆どが希望していないだろう。

 だとすれば、フラオンの親戚とか従兄弟とか、血の繋がっている相手か?

 フラオンの両親は既に死んでおり、フラオンの子供もいない。

 フラオン本人は、聞いたところによるとそれなりに女にも興味があったようだし、子供の1人や2人くらいはいてもおかしくないと思うんだが。

 とはいえ、ドレイクも国王として動く以上、その辺を調べていない筈はない。

 それでも特に何らかの動きがなかったという事は、フラオンに子供の類はいなかったのだろう。

 

「うむ。フォイゾン王の性格を考えれば、隣接している国が儂のように王族ではない者が国王となっているというのは、許容出来ないであろう」

「……同じように許容出来ないということなら、ピネガンはどうなる? 結果として、ラウの国とミの国は国交断絶している。それと同じように、アの国も国交断絶という事になるんじゃないか?」

「それは難しい。こう言ってはなんだが、ミの国は小国だからこそ国交断絶という形になったのだろう。それと、ミの国を攻めればパットフット王妃も死ぬ事になりかねない。フォイゾン王としては、親子の縁を切ったとはいえ娘だ」

「つまり、娘だから殺したくない。それに小国でラウの国の脅威になるような心配もないから、国交断絶にしたって事か?」

「恐らくは。だが、そこにミの国を呑み込んだアの国が来た。だとすれば、警戒するのは当然だとは思わないか?」

「それは否定しない。否定しないが、それでも警戒はしても攻めてくるとは限らないだろ? そんな時にこっちから先制攻撃を仕掛けるような真似をしても、それこそ本末転倒だと思うが」

 

 結局のところ、ラウの国がアの国を警戒するからこそ、こちらから攻撃をしようとしているのだろう。

 先制攻撃という意味では悪くないと思うが、それでも今の状況でそのような真似をする必要があるかと言われれば、俺は素直に頷く事は出来ない。

 ましてや、そこにフラオンを送り込むような真似をすれば……それこそ、全面戦争待ったなしといったところだろう。

 

「それでもフラオンを向こうに送り込むのは、正直どうかと思うが」

「このまま戦いが始まれば、フラオンは死ぬだろう」

 

 俺の言葉に、そう断言するドレイク。

 いやまぁ、フラオンの無能さを考えれば、ドレイクの言ってる事には強い説得力があるのは間違いないが。

 フラオンの無能さを考えると、それこそ無意味に自信満々な様子で敵に向かって攻めていき、だが当然ながら戦いではそんなフラオンの言葉など無視する者が多く、死んでしまうという光景が普通に目に浮かんでしまう。

 

「儂がフラオンを殺してしまうと、色々と面倒な事が起きる可能性が高い。それこそ、フォイゾン王辺りがそれを原因としてこちらに打って出るという可能性は否定出来ないだろう」

「可能性は否定出来ないが、だからってラウの国を攻めるのはどうかと思うがな」

 

 ラウの国との戦いそのものは、そこまで苦戦するといったことはないだろう。

 勿論、ラウの国が強国である以上、ミの国と戦う時のように上手くいかないだろう。

 だが、それでもオーラバトラーの本場たるアの国と戦った場合、ラウの国で対処出来る可能性は皆無だ。

 ラウの国でもオーラシップやオーラバトラーの類を多少なりとも輸入してるという話だったので、ダーナ・オシーより高性能なドラムロ辺りは出て来るかもしれないが。

 あるいは、強国であるという事で、もしかしたら……本当にもしかしたら、クの国のアルダムのように独自のオーラバトラーを開発しているという可能性はある。

 とはいえ、それでも無理にラウの国に攻めるというのは、やっぱりどうかと思うんだよな。

 

「悪いが、この件については既に決定している。それを目的として動いているのでな。幾らアクセル王がラウの国との戦いを勧めないとしても、儂は攻める」

 

 そう断言するドレイク。

 この様子から考えると、俺が何を言っても無意味だな。

 それに、俺とドレイクの関係は、あくまでも対等の同盟関係だ。

 対等のということは、俺がここでアドバイスを言ったりするのは自由だが、同時にドレイクが俺の言葉を聞くかどうかというのも、また自由な訳だ。

 どっちが上といった立場ではない以上、それは当然の事だった。

 

「そうか。ドレイクがそう言うのなら、こっちはこれ以上何も言えない。だが……ラウの国と戦いになった場合、間違いなく面倒な事になるぞ?」

 

 フラオンを逃がすという事は、当然だがギブン家の戦力も逃がすという事になる。

 勿論、ギブン家をそのまま全て逃がすという訳ではなく、ミの国の中で戦って戦力を減らすといったような事はするだろうが。

 例えば、アレン達……というか、ジェリル主導でギブン家を攻撃した時に、ギブン家は撤退の準備をしていた。

 その時も戦力をかなり減らしてから逃がすといったような真似をしたんだが、それと同じような事になってもおかしくはない。

 

「勿論、可能な限り戦力は減らすつもりだ。下手に戦力を維持されたままだと、面倒な事になりかねんしな」

 

 そう断言するドレイク。

 まぁ、下手をすれば……本当に最悪の予想をした場合、フラオンがギブン家を率いて、更にはピネガンやその家族、そしてピネガンに心酔している兵士達も引き連れて、ラウの国に亡命するという事になりかねない。

 ラウの国とミの国は国交断絶している以上、ピネガン一家を受け入れるとは思えない。

 だが、そこにフラオンがいればどうなるか。

 もしかしたら、アの国の唯一残る王族であるという情報で、ラウの国がフラオンをピネガン一家諸共受け入れる可能性がある。

 そのような状況であると考えれば、ラウの国は非常に厄介な相手にもなりかねない。

 

「話は分かった。だが……それを俺に聞かせて、どうするつもりだ? ラウの国を攻めるのに手を貸せとか?」

「いや、そうは言わん。もしかしたらそうなるかもしれないが、今のところは考えてはいない。ただ、そういう計画をしていると、アクセル王には言っておきたかっただけだ」

 

 そう。ドレイクは告げるのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1555
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1679
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