俺はノイエ・ジールのコックピットに乗り込む。
……いつもなら、俺は宇宙での戦闘であろうともパイロットスーツは着ない。
それは自分が撃墜される事はないという確信を持っているからであると同時に、人間ではなく混沌精霊の俺は生身で宇宙空間に出ても普通に生きていられるからだ。
今まではそれで問題がなかった。
だが、今回はナスカ級にニナがいて、ナスカ級の側にはアルビオンもいて、そしてノイエ・ジールは格納庫に入らないので宇宙空間を牽引している。
つまりノイエ・ジールのコックピットに乗り込むには、牽引しているワイヤーを伝って移動し、宇宙空間でコックピットに乗る必要があるのだ。
それだけに、俺の正体を知らない者達にわざわざ教える必要はないだろうと、パイロットスーツを身につけてノイエ・ジールのコックピットに乗り込んだのだ。
そうして機体を起動させていく。
『アクセル、こちらに向かっている敵を撃退すると聞いたが、それは本当か?』
起動したコックピットにアルビオンからの通信が入り、シナプスの顔が映像モニタに映し出される。
「ああ、そのつもりだ」
『だが、ここで消耗するとコロニーに追いついてからの戦いが厳しくなるのではないか?』
「かもしれない。けど敵を回避して移動するとなると、それこそコロニーに追いつくまでに時間が必要となる筈だ」
それでもコロニーに追いつけるかもしれないが、そうなればそうなったで、コロニーを止める為の時間が足りなくなる。
……当初考えていた、ジェネシスとかをニーズヘッグのシステムXNとかで持ってくるというのは、それはそれで難しいことになるのは間違いないだろうし。
月の周囲に連邦軍が……それも強硬派の連邦軍がいなければ、ある程度はどうにかなったのかもしれないが。
とはいえ、可能な限りは今のこの状態でコロニー落としをどうにかするようにして、それでどうしようもなかったら、空間倉庫やジェネシスの出番となる。
コロニーが月から直接狙える位置を移動したのなら、ジェネシス、コロニーレーザー、リーブラの主砲、バルジ砲といった大出力の攻撃でどうにか出来たりするんだが、デラーズ・フリートもそれを承知の上だからこそ地球を盾にするかのようなコースでコロニーを運んでいるのだろう。
この辺り、抜け目ないよな。
『つまり、倒して進むのが最適解だと?』
「そうなるな。ただ、出来ればアルビオンには戦力を温存して欲しいとは思うが」
『それは……戦力として当てにならないからか?』
シナプスの俺を見る目の力が強くなる。
目力というのはこういうのを言うんだろう。
そう思いながら、首を横に振る。
「いや、不死身の第4小隊だぞ? それが戦力にならないなんてことは、まずない」
その言葉は別にお世辞という訳ではない。
心の底から思っている事だと向こうも理解したのか、シナプスの目から幾分か力が抜ける。
……不死身の第4小隊って事は、入院中のウラキはともかく、その相棒のキースは数に入っていないという事になるのだが……シナプスもその辺については気にしていないようだし、俺も気にしなくてもいいか。
『では、何故アルビオンは戦力の温存をして欲しいと?』
「単純に補給の問題からだ。アルビオン隊の主戦力であるジム・カスタムのメイン武器のジムライフルは実弾だろう? つまり、使えばなくなる。これからデラーズ・フリートと戦いが起こる事を考えれば、残弾は幾らあってもいい筈だ。それに対して、ルナ・ジオン軍はビーム兵器がメインだから、その辺の心配はそこまでいらない」
ギャン・クリーガーとガルバルディβのビーム兵器とかも、Eパック方式ではなく、充電方式だ。
つまりエネルギーを使い切っても、充電すれば使える。
EパックはEパックで、専用の充電機器があれば使い終わったEパックもそれで充電出来るんだが……ガーベラ・テトラもフルバーニアンもない現状では、そういう充電機器は必要ないしな。
『なるほど、話は分かった。では、ジム・キャノンⅡなら出しても問題はないな?』
シナプスの言葉に、なるほどと頷く。
ジム・キャノンⅡはガンキャノン系列のMSだが、ガンキャノンと大きく違うのは両肩のキャノン砲が実弾ではなくビームキャノンだという事だ。
つまり、残弾の心配はしなくてもいい。
「分かった、それなら問題ない。……さて、そろそろ戦闘の時間だ」
こうして俺がシナプスと話している間も、当然ながら敵は近付いて来ていた。
実際、ノイエ・ジールのレーダーにはMSの反応が幾つもある。
あるのだが……
ザクⅡF2だけ? いや、もしかしたら、他のバリエーションもあるのかもしれないが。
とはいえ、少し違和感がある。
デラーズ・フリートにおいて、ザクⅡF2が大量に使われているのは分かる。
何しろザクⅡF2とガトルでニコイチのMSとしてドラッツェなんかを作るくらいだし。
だが……まだコロニーから遠い俺達をどうにかするのなら、ザクⅡF2ではなく、もっと機動性の高いリック・ドムⅡとかを出してもいいんじゃないか?
そんな疑問を抱くが、結局のところザクⅡF2が……ザク系のMSが1年戦争で最多の製造数なのは間違いない。
そう考えれば、ザクⅡF2だけがこっちに向かってくるのはそうおかしくはないのか?
とはいえ、当然ながらMSだけでここまで戦いに来る事が出来ない以上、どこかに母艦がある筈だ。
MSの数が12機ということは、ムサイ級が3隻……いや、ムサイ級はそこまで数もない筈だし、戦闘には向いていないパプワ級とか、そういうので来たのか?
だからこそ、こっちに見つかれば勝ち目がないので、戦場に出て来ないで隠れているのか。
『こちらはジム・キャノンⅡを2機出す。後衛は任せて欲しい』
「分かった、頼む」
そう言うと通信が切れたので、次にナスカ級に通信を入れる。
「アクセル・アルマー、ノイエ・ジール……出るぞ!」
その言葉と共に出撃するノイエ・ジール。
ただし、MAのノイエ・ジールは巨大でナスカ級の格納庫には入らない為に、宇宙空間を牽引されている。
つまり、ナスカ級の特徴でもある電磁カタパルトを使う事は不可能なのだ。
電磁カタパルトがあれば、推進剤を使わず一気に距離を詰める事が出来るんだが……まぁ、ノイエ・ジールならどうしても電磁カタパルトを使わなければならないって事ではないけどな。
そんな風に考えつつ、ノイエ・ジールのスラスターを全開にする。
さすがMAと言うべきか、かなりの加速力で進む。
そして映像モニタには、ザクⅡF2の姿がしっかりと見えてきた。
「まずは……いきなりのメインディッシュだ!」
狙いを定め、メガカノン砲を発射。
ノイエ・ジールの胴体から発射された、いわゆる極太ビーム。
それが2機のザクⅡF2を一瞬にして飲み込み、消滅する。
デラーズ・フリートにしてみれば、まさかいきなりそんな攻撃をされるとは思っていなかったのか、他のザクⅡF2のパイロット達は間違いなく動揺し……うん? 幾ら何でもちょっと動揺しすぎじゃないか?
歴戦のパイロットにしては、こう……俺の気のせいか?
そう思うも、メガカノン砲の威力は向こうにとっても俺が予想していた以上に驚きだったのかもしれない。
実際、残りのザクⅡF2の動きが見て分かる程に動揺しているのか、動きが鈍くなっていた。
このままメガカノン砲を発射してるだけで勝てそうな気はするが……今回の戦いは、ノイエ・ジールの実戦テストという一面もある。
そうなると、ここでメガカノン砲を連射するというのは愚策だろう。
そう判断し、スラスターを全開にして更に進む。
ノイエ・ジールの加速力はかなり高く、何も知らないパイロットがこれに乗ったら、加速のGによって気絶してもおかしくはない。
トールギスに比べればマシだが。
そもそもトールギスと比べるのが間違いなのかもしれないな。
そんな事を考えている間にも、急速にザクⅡF2との距離が縮まっていく。
ザクⅡF2も、いきなり仲間が倒された動揺からは立ち直ったのか、ザクバズーカの砲口をこちらに向けてくる。
出来ればIフィールドの性能も確認しておきたいので、ビームライフルがあればいいんだが……ザクⅡF2では無理か。
もっとも、1年戦争中には外部動力炉を用いて旧ザクでビームライフルを使えるようにしたという機体もあったらしいので、ザクⅡF2であってもビームライフルを使うのは絶対に不可能って訳じゃないんだろうが。
Iフィールドに関しては、デラーズ・フリートで使える相手がいるとは限らないか。
可能性があるとすれば、シーマの古馴染みのゲールの部隊が使っているゲルググか。
ゲルググJとか、厄介なMSとかいたしな。
後は……ラビアンローズで奪取されたデンドロビウムか。
MA的な機体である以上、間違いなくビームは使える。
そもそもステイメンの時点でビームライフルを使えるんだし。
ああ、それと巡洋艦や戦艦もメガ粒子砲を使ってくるか。
もっとも、何故かこの部隊においてはMSの母艦となっている軍艦の姿はないが。
疑問に思いつつ、スラスターとAMBACを使ってこちらに飛んできたザクバズーカの砲弾を回避する。
MSでなくても、ザクバズーカの砲弾を回避するのは難しくはない。
機体の大きさから、寧ろザクバズーカよりもザクマシンガンの方が回避はしにくいんだけどな。
もっとも、ノイエ・ジールの巨体を思えば、ザクマシンガンでは効果がないと判断したのかもしれないが。
ザクバズーカの砲弾を回避しつつ、マルチロックオンシステムを使い……これ、もしかしてルナ・ジオン側から、それもギニアスから流れてないか? アクシズがルナ・ジオンの下部組織である以上、おかしくはないけど。
ともあれ、偏向メガ粒子砲を発射し、4機を同時に撃墜。
これで半分。
あ、シーマ達の分も残しておく必要があるのか。
ノイエ・ジールは大型ミサイル、小型ミサイルといった具合に装備されているのだが、これについては使わないでおこう。
ナスカ級に予備で相応の数を持ってきてはいるのだが、それでも使わないのなら使わないで助かるし。
アルビオンにジム・カスタムを出撃しないように言ったのに、ここで俺が実弾兵器を使うのはどうかと思うし。
そんな訳で……次は、これだ!
有線クローアームを発射。
メガカノン砲と並び、ノイエ・ジールの主力となる武器だ。
本来ならコンピュータによる補助があるのだが、俺の場合はファントムとかで慣れている事もあり、リアルタイムで操縦し、動かしていく。
この辺はかなり難しいものの、オールドタイプでも出来る奴は完全にマニュアル操作出来ると思う。
もしくは、完全には無理でもコンピュータの補助があれば、ある程度は出来る筈だ。
……どうしても無理なら、それこそ完全にコンピュータに任せるといった手もあるが。
ただ、この場合だと有線クローアームの本領を完全には発揮出来ないんだよな。
有線クローアームの先端……クローアームを尖らせたまま、ザクⅡF2に向ける。
最初、ザクⅡF2は自分が狙われるとは思っていなかったらしく、こちらに向けてザクバズーカを撃ち続けていた。
だが、巨大なクローアームが自分に向かって飛んでくるのに気が付いたらしく、慌ててAMBACとスラスターを使ってクローアームから回避しようとするが……
「甘い」
マニュアル操作によって、クローアームはその先端を尖らせたままザクⅡF2に向かい……最後の足掻きとしてヒートホークを構えようとするザクⅡF2だったが、俺の操縦によってクローアームはするりとヒートホークの一撃を回避し、コックピットを貫く。
クローアームのクローの部分はルナ・チタニウム合金であっても破壊出来るだけの威力を持つと、ディアナの技術者達からお墨付きを貰っている。
ルナ・チタニウム合金ですら破壊出来るのだから、当然ながら超硬スチール合金製の装甲ではひとたまりもない。
有線クローアームの攻撃から生き延びるには、回避するしかない訳だ。
「そして、そっちもだ」
仲間が有線クローアームによって殺されたのを見た為か、右手にヒートホーク、左手にザクマシンガンを持ってやって来ているザクⅡF2。
ザクマシンガンの弾丸はスラスターを使って高速で移動することによって回避しており、ザクⅡF2の注意は完全にノイエ・ジールだけに向けられていた。
そんなザクⅡF2の後ろから、俺がマニュアルで操縦する有線クローアームが迫り……ビームサーベルを展開させ、背後からザクⅡF2のコックピットを貫く。
というか、より正確にはコックピットじゃなくて胴体だな。
有線クローアームそのものが大きい為に、コックピットを狙うと自然と胴体を破壊する事になる。
「さて……ああ、もう来たのか」
俺がノイエ・ジールの実戦テストをやってたのだが、背後からシーマの操縦するギャン・クリーガーがガルバルディβを引き連れ……更には、アルビオンからはジム・キャノンⅡが2機やってくるのをレーダーで確認し、戦いはこれで終わりかと納得したところで……
「え? サラミス?」
何故かこちらに向かってくるサラミス級の姿に気が付く。
しかも、明らかにザクⅡF2を援護する形で。
アクセル・アルマー
LV:45
PP:975
格闘:313
射撃:333
技量:323
防御:323
回避:353
命中:373
SP:3003
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:2051