ナスカ級とアルビオンがラビアンローズに向かうのを見つつ、俺はノイエ・ジールのコックピットから通信を送る。
「じゃあ、シーマ。そっちは頼んだ」
『任せな。アクセルはこっちの心配よりも、コロニー落としの方を何とかするんだね。地球にコロニーが落ちると、ハワイにも影響が出る可能性は高いだろう?』
「そうだな。ハワイだと特に」
コロニーのような巨大な存在が地球に落ちた場合……直接ハワイに落ちるという事がなくても、海に落ちたりした場合、津波が起きてしまう。
特にハワイは、正確にはハワイ諸島という多数の小さな島の集まった場所だ。
それだけに、津波に対しては非常に弱い。
勿論、その辺りの心配はあくまでもコロニーが海に……それもハワイに津波の影響があるような場所に落ちた場合の話だ。
だが、海というのは地球の7割近い。
そうなると、ハワイに津波が来る可能性は十分にあった。
それを防ぐにはどうしたらいいか。
地球にコロニーが落ちれば、もうどうしようもない。
なら、地球にコロニーを落とさなければ、それで問題はなかった。
……まぁ、強硬派も何らかのコロニー落としを防ぐ方法を考えているのは間違いないので、もし俺達の行動が失敗しても、もしかしたら対処出来る可能性は十分にあったが。
とはいえ、それでも相手が強硬派となると、何をしでかすのか分からないんだよな。
コロニーを止める為に別のコロニーを持ってきて、コロニー同士をぶつける……なんて方法を考えていても、俺は驚かない。
いや、強硬派という事を考えると、寧ろ納得すらしてしまう。
まぁ、コロニーの中には誰もいない……あるいはいても、デラーズ・フリートが護衛として派遣してきた兵士程度の者達だろうから、コロニー同士をぶつけても強硬派的にはそこまで大きな被害にはならないんだろう。
『じゃあ、アクセル。コロニーの方は頼んだよ』
その言葉と共に通信が切れる。
そんな様子を確認してから、俺もノイエ・ジールに乗ってコロニーに向かう。
ちなみに、補給については一応連邦軍の軍艦で出来るようになっているが……どうだろうな。
ミサイルの類は共用出来るらしいのである程度は何とかなるが、それでも完全に安心は出来ない。
具体的には、強硬派の手の者が意図的にミサイルに不発弾を入れておく。もしくは遠隔操作が可能な状態にして、ミサイルを搭載しているノイエ・ジールを遠距離から爆発させる。
そんな事を普通にしそうなんだよな。
勿論、絶対にそんな事になるとは限らない。
それこそ中にはコーウェン派に友好的な者もいるだろう。
だが……それでも、だからといって完全に安心出来る訳ではないのも事実。
どこに強硬派がいるのか分からないというのが、俺にとっては厄介極まりないのだから。
そんな訳で、出来ればミサイルとかの補給は止めておいて……推進剤の補給程度にしておきたい。
推進剤ならそこまで手の込んだ嫌がらせは出来ないだろうし。……多分。
ミサイルとかは極力使わないようにし、ビーム兵器主体での戦闘にすればいいだろう。
幸いな事に、ノイエ・ジールはビーム兵器を多数装備している。
そう考えると、継戦能力という点では非常に高いのだ。
……もっとも、ノイエ・ジールの高い加速力に耐えられるのが長時間戦える条件だが。
「見えてきたな」
ノイエ・ジールで宇宙空間を進みながら、移動している2基のコロニーの姿を確認する。
実際にはもっと遠くからコロニーそのものは見えていたのだが。
ただ、コロニーの周辺で行われている戦いの光景を見る事が出来たのは、ある程度まで近付いてからの話だ。
「デンドロビウムは……いないな」
レーダーを使って確認するものの、デンドロビウムの姿はない。
連邦軍とデラーズ・フリートのMS同士、軍艦同士の戦いを見て取る事が出来るだけだ。
とはいえ、これについては仕方がないか?
ラビアンローズに設置したレーザー発振ステーションを使って最初にコロニーを追ってきた連邦軍を動けなくしたとはいえ、それでもまだ連邦軍にはかなりの戦力が残ってる。
あるいはこれが、1年戦争時代のジオン軍であれば、ラビアンローズを使ったトリックによって連邦軍を相手に有利に戦えるようになっていたかもしれない。
だが、今回連邦軍と戦っているのは、ジオン軍ではなくジオン軍残党のデラーズ・フリートだ。
地球に残ったジオン軍残党の中では最大規模の戦力を持ってるとはいえ、それでもジオン軍……いや、旧ジオン軍の規模とは比べるまでもない。
であれば、ラビアンローズを使ったトリックがあっても、まだ連邦軍の方が戦力的にはかなり上な訳だ。
それでも戦闘の光を見る限りそれなりに互角に戦えているのは、数では連邦軍が多いものの、質ではデラーズ・フリートの方が上だからだろう。
デラーズ・フリートに所属するパイロット達は、曲がりなりにも1年戦争を経験した者達だ。
それも、恐らくはその大半が1年戦争をずっと戦い抜いた者達だろう。
……中には学徒兵出身の者達もいるかもしれないが。
そんなデラーズ・フリートのMSパイロットに対し、連邦軍は1年戦争後にMSパイロットになった者も多い。
あるいは1年戦争でMSパイロットになった者達も、その多くがソロモンやア・バオア・クーという、1年戦争の後半……どころか、終盤にMSを初めて操縦した者達の筈だ。
そういう意味では、やはり練度という点ではデラーズ・フリートの方が有利となる。
もっとも、それを覆す為に連邦軍はMSの開発や改修をしたり、訓練もしっかりと行っているのは間違いないが。
「なるほど、そうなると……デラーズ・フリートの戦力を減らしていけば、デンドロビウムがそれを止める為にこっちに来るか」
デラーズ・フリートにおいて、デンドロビウムは現在最強のMSだ。
サイサリスがあれば……いや、それでもサイサリスは核兵器運用の為のMSだし、MS同士の戦いには向かないか。
それだけに、現在デラーズ・フリートにおいて、デンドロビウムがどういう使い方をされているのかは大体予想出来る。
デラーズの側で待機している……いや、それはない。
コロニー防衛の為に、今は少しでもデラーズ・フリートの戦力を維持する必要があり……つまり、連邦軍との戦いの激しい場所、あるいはデラーズ・フリートが不利な場所に向かっては、次々に蹂躙するといった行動をしている可能性が高い。
もっとも、これは俺の予想でしかない。
もしかしたら、俺が予想出来ない何らかの行動をしている可能性も否定は出来ないのだから。
そうなると、俺がここでやるべきなのは……デラーズ・フリートの戦力を減らす事だろう。
デンドロビウムがそれで助けに来れば、それでよし。
もし助けに来なくても、2基のコロニーが阻止限界点を超えるまでの間に可能な限り戦力を減らしておく必要があるのは間違いないのだから。
強硬派がどのような手段でコロニーを止めようとしているのかは分からないが、何をするにせよ、デラーズ・フリートの戦力が少ない方がいいのは間違いのない事実なのだから。
であれば、この状況で俺がやるべき事は決まっていた。
戦場が近付いて来たところで、デラーズ・フリートのリック・ドムⅡ2機に追われているジム・コマンド1機の姿を発見し、そちらに向かって偏向メガ粒子砲を放つ。
装甲が厚く実弾兵器には強いリック・ドムⅡだったが、ビーム兵器にその装甲は意味がない。
あっさりと貫かれる……というよりは溶ける? そんな感じで2機のリック・ドムⅡが同時に爆散する。
「無事か?」
『だ……誰だ、お前は!?』
ジム・コマンドのパイロットが動揺した様子で通信を送ってくる。
その動揺は分からないでもない。
何しろノイエ・ジールは、どこからどう見てもジオン系のMAなのだから。
直線を多用する連邦系に対し、曲線を多用するジオン系。
そう考えれば、ノイエ・ジールは間違いなく曲線系であり、ジオン系だった。
ジム・コマンドのパイロットにしてみれば、咄嗟に攻撃しなかったのは褒めてもいいくらいだ。
自分を助け、更には連邦軍用のチャンネルで通信を送ってきているのだから、そこから敵ではないと判断したのかもしれないが。
「ルナ・ジオン軍のアクセル・アルマー中尉だ。現在、アルビオンに……連邦軍に協力している」
アルビオンと言っても、このパイロットがそれを知ってるかどうかは分からないので、連邦軍に協力をしているという事にする。
実際、連邦軍に協力しているのは間違いないので、嘘を吐いている訳ではない。
『……そうか。俺を助けてくれたし、嘘は言ってないんだろうな』
「そうなるな。それで、アルビオンを通して連邦軍の上層部に連絡がいってると思うが、念の為にお前の母艦に……」
確認してくれ。
そう言おうと思ったのだが、ドラッツェが1機、こちらに突っ込んできたのに気が付く。
ジム・コマンドならまだしも、ノイエ・ジールのような巨大なMAが戦場にいるのだから、どうしても目立つのだろう。
「ちょっと待ってろ」
そう言い、こちらに向かってくるドラッツェに向けて有線クローアームを放つ。
まさかそんな攻撃が来るとは思っていなかったらしく、ドラッツェは動揺し……そこに、クロー部分が突き刺さり、呆気なく爆散する。
『嘘だろ、こんなにあっさり……』
今の一撃に、呆然とした様子で言う男。
その様子を見ると、どうやら腕はそこまででもないらしい。
MSなら基本的に3機で1小隊だったりするんだが、他の2機はどこに行ったのやら。
……撃墜されたのかもしれないな。
ともあれ、ジム・コマンドに乗ってるって事は、このパイロットはそれなりに優秀だと思うんだが。
ジム・コマンドは1年戦争中に連邦軍が作ったMSの中では、トップクラスの性能を持つMSの1つだし。……勿論ガンダムとかは除いて。
1年戦争が終わってジム系MSもジム改やジムⅡ、あるいはジム・カスタムに機種が統一され始めているにも関わらず、ジム・コマンドがまだそのまま使われてるのが、機体の性能の高さを示している。
まぁ、その機体の性能の高さもパイロットがヘッポコだと活かせないのだが。
「ともあれ、俺のこの機体……ノイエ・ジールという機体だが、この機体は友軍だというのを徹底するようにしてくれ。この乱戦の中だ。こっちに攻撃して来た相手は敵だと判断して、撃破することになるかもしれないし」
『わ……分かった、すぐに連絡をする!』
俺の言葉の意味を理解したらしく、男は慌てたように叫ぶ。
これでアリバイは出来た。……いや、こういうのをアリバイと呼んでもいいのか?
それでもこちらの存在について話し、攻撃をしないようにと忠告したのは間違いない。
もし強硬派が乱戦のドサクサ紛れに攻撃してきた場合、こっちが反撃して撃破しても問題はなくなった。
……いや、問題がなくなった訳ではないか。
強硬派ならそれでも問題にしてくるだろうが、その時に言い訳出来る要素を残したといった方が正しいか。
そして言い訳出来る要素さえ残しておけば、強硬派が問題視してもそこまで大きな問題……開戦とか、そういう事にはならない。
あるいは1年戦争が始まる前……ジオン・ズム・ダイクンがまだ生きていた時に連邦軍がサイド3宙域のすぐ外で軍事訓練をやったりとかの武力的な威圧をしたように、月の周辺で同じような事をしないとも限らないが……それはそれで構わない。
その時は、それこそジェネシス、バルジ、リーブラ、コロニーレーザーといった戦略兵器を向けて、ルナ・ジオンの支配宙域に入ったら攻撃すればいいだけだし。
いや、その前に一応警告は必要か?
ともあれ、そうなったらそうなったで、どうとでもなるので構わない。
もっともそうなりそうになったら、強硬派以外の者達が止めるだろうが。
また、強硬派と一口に言ってはいるが、強硬派も一枚岩という訳ではない。
強硬派の中でも、幾つかの派閥に分かれている。
だとすれば、強硬派の穏健派……色々と矛楯しているが、ともあれそんな存在がルナ・ジオンと決定的に敵対するのは避けようとしたりしてもおかしくはない。
「じゃあ、頼んだ。……ああ、それと」
ジム・コマンドから離れてデラーズ・フリートに攻撃を仕掛けようとしたところで、ふと聞いておく事があったのを思い出す。
「敵の中に、巨大なMAを見なかったか? このノイエ・ジールと同じくらいの大きさの奴だ」
ガンダム型のMAと言おうかと思ったが、それを具体的にどのように説明すればいいのか分からなかったので、その辺については言わないでおく。
『MA? いや……こっちには情報は流れてきていないが』
「そうか。敵のMAを見つけたら、すぐこっちに連絡をしてくれ。あくまでも連絡が出来る状態ならだけどな」
そう言うと、俺は相手が頷いたのを見て、ノイエ・ジールを2基のコロニーに向けて移動するのだった。
アクセル・アルマー
LV:45
PP:1010
格闘:313
射撃:333
技量:323
防御:323
回避:353
命中:373
SP:3003
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:2058