転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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活動報告の方で恒例の次の世界当てクイズをやっています。
正解者には番外編のリクエスト権がありますので、気になる人はどうぞ。



面白かったら、評価の方よろしくお願いします。


4235話

 強硬派のジム・カスタム3機に絡まれた後は、特に問題らしい問題もなく、月に向かって進む事が出来た。

 そして……当然ながら、そうなると月に向かっているコロニーと、それを守っているシーマのナスカ級と合流する事にもなる。

 コロニーを奪取した場所から月に向かうルートというのは、別に1つという訳ではない。

 また、同じルートであっても微妙に進むコースが違ったりもする。

 そういう意味では、こうしてシーマ達と合流出来たのはラッキーだったのだろう。

 ……もっとも、コースとかが違ってもコロニーのような巨大な建造物を移動させているのを思えば、容易に見つけられたとも思うが。

 

「じゃあ、俺は向こうに移るな。シュタイナー達はこれからどうするんだ?」

「取りあえず、月までは一緒に行きます。コロニーの護衛が1艦だけというのは心配でしょうし」

 

 戦力がないのは間違いないしな。

 それを見た海賊やジオン軍残党、あるいはデラーズ・フリートの残党、もしくは強硬派がちょっかいを出してくる可能性は十分にあった。

 とはいえ、もしそうなったら恐らく……いや、確実にちょっかいを出してきた者達は後悔するだろうが。

 そうならないように……そもそも戦力が足りないから襲われたりしなくてもいいように、シュタイナーが護衛に協力してくれるのだろう。

 

「悪いな」

「いえ」

 

 俺の言葉に、シュタイナーは短くそう返すのだった。

 

 

 

 

 

「アクセル!」

「うおっ!」

 

 シーマのナスカ級に行くと、俺の姿を見つけたニナが飛び付いてきた。

 無重力なのだが、スペースノイド……もっと言えばルナリアンであるニナは、無重力でも身体を動かすのは特に問題がないどころか、かなり得意らしい。

 まるでミサイルの如く……というのは少し大袈裟かもしれないが、とにかくそんな感じで突っ込んで来たニナを受け止める。

 一瞬、ここで回避しても面白いのでは?

 そう思わないでもなかったが、ニナは俺を心配してこうして突っ込んで来たのだから、回避したりするのは不味いだろうというのは容易に予想出来た。

 なので、突っ込んできたニナをしっかりと受け止める。

 

「もう、もう、もう。心配させないでよね!」

「悪かったな。けど、こうして俺は無事だから安心してくれ」

「……本当に? 怪我もしていない?」

「ああ」

「ノイエ・ジールはどうしたの?」

 

 ふと、気になった様子でそう聞いてくるニナ。

 いや、無理もないか。

 俺がノイエ・ジールに乗って出撃したのは、ニナも知っている。

 なのに、今回こうして合流した時にはノイエ・ジールはなかったのだ。

 とはいえ、こうして聞いてきているということはバスクの説明を聞いていないのか、それとも聞いても嘘だと判断したのか。

 しまったな。シュタイナーのナスカ級にノイエ・ジールを牽引させてくればよかった。

 どうやって誤魔化すか……そう考え、ふと思いつく。

 

「ペズンの方に運んで貰った。まずはシーマ達と合流する必要があったからな。ノイエ・ジールのような大型MAを運ぶと、どうしても速度とか落ちるし」

 

 それでも地球上でノイエ・ジールとかを運ぶ時には空気抵抗とかあるので、宇宙空間で運ぶのは地上で運ぶのと比べるとかなり楽なのは間違いないのだが。

 

「それで……でも、無事だったらすぐに連絡を入れてくれてもよかったじゃない!」

「そうだな、その件については悪かった。星の屑の後始末とかそういうので、こっちも色々と忙しくてな」

 

 そう言い、ニナを落ち着かせるように撫でる。

 にしても……今の俺は10代半ばの姿だ。

 そしてニナは20代。

 普通に見れば、ある意味で犯罪的だよな。

 それともおねショタってこういうのなのか?

 ニナにしてみれば、この外見の俺を好きになったのだ。

 この状況には問題ないのだろう。

 ……もっとも、少し離れた場所ではルセットが面白そうな笑みを浮かべて俺とニナを見ているが。

 これ、教えた方がいいよな?

 ニナの頭を撫でつつ、耳元で口を開く。

 

「ルセットが見ているけど、いいのか?」

「……っ!?」

 

 その言葉で我に返ったらしいニナが、慌てたように俺から身体を離す。

 そして、ルセットに視線を向けると……その目に映ったのは、面白そうな笑みを浮かべているルセットの姿。

 

「ルセットぉっ!」

 

 無重力に慣れているニナらしく、重心移動でくるりとその場で反転し、近くにあった壁を蹴ってルセットに向かって突っ込んでいく。

 当然ながらルセットはそんなニナを黙って待っている筈もなく、こちらもまた床を蹴って逃げ出す。

 そんなやり取りを見ていると、シーマがこちらに近付いてくる。

 

「どうやら無事だったらしいね。アクセルの事だから大丈夫だとは思っていたけど」

「そうだな。……もし俺が普通だったら、間違いなく死んでいたような体験はしてきたけど」

「……何があったんだい?」

 

 不思議そうに尋ねてくるシーマ。

 シーマは俺について全てを知っているので、特に隠す必要もなく……追いかけっこをしているニナやルセットには聞こえないよう、注意しながら口を開く。

 

「ソーラ・システムの指揮を執っていた奴が典型的な強硬派でな。俺の事が気に食わなかったらしく、俺がエリックと戦っているところを、俺達を巻き込むような形でソーラ・システムをコロニーに向かって照射したんだよ」

「……本当かい?」

「ああ。ちょうどその時はもうエリックを倒していたから、ノイエ・ジールを守る為に咄嗟に外に出て、ノイエ・ジールを空間倉庫に収納して、俺は生身でソーラ・システムの照射を浴びた」

「……自分の機体を守る為に、生身でソーラ・システムに当たるとか……普通なら、とてもじゃないけど信じられないよ」

 

 そう言うシーマに、だろうなと、自分の事ながら同意する。

 するとシーマはすぐに笑みを浮かべ、再び口を開く。

 

「もっとも、アクセルのやる事だと思えば、納得出来てしまうけどね」

「それは、俺が喜んでもいい事なのか?」

 

 シーマの言葉にそう突っ込む。

 とはいえ、シーマも俺が混沌精霊であると知っているからこそ、こういう風に言ってるのだろうが。

 

「喜んでもいいんじゃないかい? 私はアクセルが無事で嬉しいしね」

「そうか。なら、追加でお土産だ。ソーラ・システムでコロニーを照射されたけど、それでコロニーは破壊されてなかったから、爆煙に紛れて空間倉庫に収納してきた。ソーラ・システムの照射を受けたから無傷とはいかないが、それでも茨の園でシーマが護衛しているコロニー以外に、もう1基使えるコロニーが増えたぞ」

「……本当かい? アクセルの空間倉庫とかいうのは、コロニーも中に入れておけるなんて……」

「ホワイトスターも一時期俺が空間倉庫に収納していたんだから、コロニーくらいなら平気だよ」

 

 そう言うと、最初は呆れの表情を浮かべたシーマだったが、すぐにその顔には笑みが浮かぶ。

 

「ともあれ、今も言ったが破壊はされていないものの、ソーラ・システムの照射を受けたのは間違いないから、茨の園で使うにしても、修理とかは必須だな。……まぁ、その辺はコバッタとかが頑張ってくれるとは思うけど」

 

 コロニーの外壁作業なら、コバッタ以外にもバッタやメギロートなんかも頑張ってくれそうだよな。

 そこまで無人機を運ぶのが結構大変そうだけど……もっとも、茨の園の運営も基本的に無人機とかでやる事になりそうだから、どのみち無人機を一定数運ぶ必要はあるんだが。

 特に暗礁宙域にある場所となると、そこにずっといるというのは精神的にも厳しい。

 ……ああ、でもコロニーが1基そのままあるとなると、その辺も問題なかったりするのか?

 コロニーが普通に使えるのなら、ストレスとかあまり感じなくてもいい……いや、違うな。

 コロニーはあるかもしれないが、そこにあるのはあくまでもコロニーだけだ。

 サービスを行う人員という意味では、どうしてもその数は少ない。

 となると、コロニーがあってもそこには何らかのサービスを行う人員とかはいない訳で……だからこそ、コロニーがあってそこに住んでいていても気の休まらない者も多いだろう。

 そう考えると、やはりここはもっと茨の園に人員を集め、いっそ暗礁宙域にある秘密基地という扱いではなく、ルナ・ジオンが有する拠点の1つという扱いにした方がいいかもしれないな。

 まぁ、その辺についてはルナ・ジオンの上層部が考える事だから、俺がどうこう言うような事ではないだろうが。

 

「そうだね。デラーズ・フリートが使っていた場所である以上、ドラッツェだったかい? あのMSの生産ラインもあるだろうし。……まぁ、もしあったとしてもうちで使うような事はないだろうけど」

「だろうな」

 

 それについては俺も否定しない。

 何しろ、実際にドラッツェと戦った事でその性能については十分に理解している。

 元々がザクⅡF2とガトルのニコイチのMSである以上、性能にはそこまで期待していなかったが……実際に戦ってみた感じでは、実際にその性能は好ましいものではなかったのだから。

 最初に見た者がMAと勘違いしたように、かなりの巨体。

 その割に性能は決して高くはない。

 いやまぁ、ガトルの推進器を使っているのもあって、加速力と直線的な機動力は相応に高いので、使い道もない訳ではないが……MSと戦う上で、機動性はともかく運動性が低いのは致命的だ。

 もっとも、俺が乗っていたのはノイエ・ジールなので、MSではなくMAなのだが。

 そんなドラッツェだけに、当然ながらルナ・ジオンとしても自軍で採用したいとは思わないだろう。

 加速力と機動性は魅力的かもしれないが、それならヅダがある訳だし。

 そしてヅダはドラッツェよりも圧倒的に小さいので、使いやすいのも事実。

 もっとも、資料的な意味をしてある程度の数は保管しておくかもしれないが。

 けど、生産ラインを使わないのなら、いっそシャドウミラーで引き取ってもいいかもしれないな。

 シャドウミラーにはMSに限らずかなりの数の機動兵器の生産ラインがあるし。

 

「ねぇ、アクセル。ちょっと話を聞かせて貰える?」

 

 ニナから逃げ切った……というよりも、ニナが息を切らしている事から自然と追いかけっこは終わりになったのだろう。

 ルセットが俺に近付いて来て、そう声を掛けてくる。

 

「何だ?」

「……アクセルがこうしてここに戻ってきた以上、聞くまでもないとは思うんだけど……デンドロビウムはどうなったの? アクセルがコロニーを確保した時に聞いた話だと、その時点で既に中破に近い状態だったらしいけど」

 

 ああ、なるほど。

 ルセットにしてみれば、自分の開発したデンドロビウムがどうなったのか、気にするなという方が無理だろう。

 ガンダム開発計画に関わったという事ではニナも同じなのだが、ニナの場合開発に関わったのはゼフィランサス……フルバーニアンとサイサリスだけだ。

 もっとも、サイサリスの方は元ジオン系の技術者がメインとなっている第2研究事業部がメインとなっているので、ニナが関与した割合は少ないのだが。

 そういう意味では、本気でニナが関与した機体となると、フルバーニアンだけになるのか。

 ともあれ、そのフルバーニアンもサイサリスも、ソロモンの観艦式の一件で双方共におじゃんとなっている。

 ……そんなニナと違い、ルセットは自分の開発したデンドロビウムが、それもデラーズ・フリートのエリックに奪われたデンドロビウムがどうなったのかというのは気にするなという方が無理だった。

 

「エリックが操縦したデンドロビウムは、間違いなく強かった。ただ、Iフィールド発生器がなくなっていたのもあって、ソーラ・システムを守っている連邦軍……強硬派と戦ったりした時にもダメージを受けたし、その後で俺と戦った時にもIフィールド発生器がなかったから、それなりにダメージは受けていたな」

「……そう。そうなると、やっぱりIフィールド発生器はアクセルのノイエ・ジールみたいに分散した方がいいのかもしれないわね。でも、そうなると整備性とかの問題も出てくるのがちょっと」

「その辺については、トレードオフって奴だろ。整備性を優先して弱点を剥き出しにするか、整備性を多少犠牲にしてでも分散配置するか」

 

 個人的には、Iフィールド発生器は分散配置するのがベストだと思う。

 特にノイエ・ジールの場合は一見しただけだとどこにIフィールド発生器があるか分からないし、もしビームじゃなくて実弾兵器によってIフィールド発生器が破壊されたとしても、それは複数あるうちの1個である以上、場合によっては……かなり無理をするが、残りのIフィールド発生器によってカバー出来るかもしれない。

 カバー出来なくても。一部にはIフィールドがなくても、大部分はIフィールドを展開出来るので、防御力もしっかりと期待出来るし。

 

「難しいところね。……いえ、勿論アクセルが言いたい事は分かるわよ? でも、整備性を犠牲にするような機体が増えると、それはそれで問題になるのは間違いないでしょうし」

 

 悩むルセットの表情はどこか色っぽく、俺は自然とそこに目が吸い寄せられるのだった。

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