転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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4237話

「……大丈夫か?」

 

 行為を終え、俺の隣でぐったりとしているニナに尋ねる。

 汗の粒が浮かんでいるニナの肌は、先程まで俺が触れていたのもあってか、扇情的に見えた。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……もう駄目……」

「一応痛くないようにしっかりと準備はしたんだが」

「……ケダモノ」

 

 ニナの特徴でもある金髪を、汗で顔にへばりつかせながらそう言ってくる。

 その口調とニナの言葉に、どこかゾクリとした思いを懐く。

 だが、それを表に出さないようにして、まだ息の荒いニナを抱きしめると、汗で……あるいはそれ以外の理由で濡れた髪を撫でる。

 

「……もう」

 

 荒い息も大分落ち着いたのか、ニナは一糸纏わぬまま、俺に抱きついてくる。

 ニナの柔かで滑らかな肌の感触を感じつつ、口を開く。

 

「そこまで痛くはなかっただろ?」

「……馬鹿」

 

 俺の身体に顔を押し付け、自分の表情が見えないようにしながらニナがそう言ってくる。

 そんなニナを撫でつつ、20分程が経過する。

 その間、ずっと俺に抱きついていたニナだったが、ゆっくりと……それでいながら名残惜しげに俺から離れる。

 

「……シャワーを浴びるわ。まさかこの状態のままで人前に出る訳にもいかないだろうし」

「士官室でよかったな」

「……馬鹿」

 

 ニナはそう言うと、シャワー室に入っていく。

 士官室にはかなり狭いが、シャワー室がある。

 こういう行為の後なので、出来れば2人でシャワーに入りたいところなんだが、とてもではないが2人が一緒に入るのは無理……いや、それどころか1人でやっとといった程度の狭さのシャワー室だが。

 そんなニナの姿を見送ると、俺はベッドの上に寝転がる。

 ……士官室ではあるが、ベッドもそこまで広い訳ではない。

 それでもニナを抱けたので、狭苦しいという訳ではないのだが。

 ただ……ホワイトスターにある俺の家のベッド、特注の……部屋の大半を占拠しているベッドと比べると、どうしてもこのベッドは快適とは言えない。

 ホワイトスターの家にあるベッドは、広さだけではなくて品質という意味でも特注……それも最高級の代物だ。

 そう考えれば、最新鋭艦とはいえ軍艦の……それも戦艦とかではなく巡洋艦の士官室のベッドの質に不満を抱くのは仕方がないのだろうが。

 

「にしても……」

 

 ベッドで横になり、天井を見ながら呟く。

 

「フラれたな」

 

 いや、これは正確にはフラれたと言ってもいいのかどうかは、正直なところ微妙だが。

 ニナが俺を嫌いになった訳でも、俺がニナを嫌いになった訳でもない。

 ニナは俺を好きであっても、性格上ハーレムを受け入れられなかった。

 ただ、それだけの事だ。

 フラれたって事ならペルソナ世界で雪子にもフラれてるし、別にこれが初めてって訳でもない。

 そういう意味では、不思議なことにそこまでショックを受けている訳ではないのも事実。

 これでニナとの間に何か決定的な問題があって……というのであれば、また話は違ったかもしれないが。

 ニナがハーレムを受け入れられないというのは、決定的な問題なのかもしれないが。

 ともあれそんな事を考えていると、シャワー室からニナが出てくる。

 バスタオルを身体に巻いて。

 

「えっと……ねぇ、アクセル。その……今更の話なんだけど、その……着替えが……」

 

 言いにくそうに、またシャワーを浴びたからか、それとも羞恥からか。ともあれ頬を赤くしたニナがそう言ってくる。

 ……なるほど。ニナが俺の部屋に来た時は特に何も持っていなかったな。

 つまり、着替えがない訳だ。

 俺の部屋に来た時の着替えはあるが……うん、下着の方は色々と、本当に色々な意味で使うのは難しいだろう。

 

「あー……その、だな。服の方は無事なんだから……」

「……一応言っておくけど、その先を口にしたらどうなるか分かってるんでしょうね?」

 

 どうやら下着を身に付けないというのは駄目らしい。

 となると……仕方がない、か。

 ニナの性格を考えれば、全てではないにしろ俺の秘密を知っても、それを迂闊に口にするような事はないだろう。

 そんな訳で空間倉庫からニナが使える替えの下着――以前レモンやマリューにそのくらいは用意しておくように言われた物――を取り出すと、ニナに渡す。

 勿論、その下着は誰が使っても問題がないような簡素な下着で、それこそコンビニとかで売ってるような物だ。

 ただ、こういう時はそこまで問題ではないだろう。

 ……もっとも、そういう下着なのでサイズ的な問題とかはあるらしいが。

 

「ほら、これを使え」

「え? ……ねぇ、ちょっと、アクセル? この下着……どこから出したのかしら?」

「空間倉庫だ」

「空間倉庫? ……それって?」

「簡単に言えば、俺の使える特殊なスキルだな」

「……魔法?」

 

 ニナの口からそんな言葉が出たのは、ルナ・ジオンの成り立ちを……シャドウミラーの下部組織的な存在であるという事を考えれば、自然な成り行きだろう。だが……

 

「外れだ。これは俺個人が持つ特殊能力だな」

 

 まぁ、エヴァ辺りなら似たような魔法を開発出来たりするかもしれないが。

 ただ、今のところはそういう魔法とかは存在していない。

 あるいはあるのかもしれないが、俺は分からない。

 

「アクセル?」

「もうここまで来たんだし、このまま黙っておくのもニナに対して誠実な対応じゃないか」

 

 そう言い、俺はベッドから起き上がる。

 ……服を着ていない俺の身体を見て、ニナが薄らと頬を赤くするのが見えた。

 そんなニナの前で、俺は指をパチンと鳴らす。

 すると次の瞬間、俺の身体は白炎に包まれ……白炎が消えると、そこには20代の俺の姿があった。

 

「……え? アクセル?」

「ああ」

「いや、でも……私の知ってるアクセルとは……」

「こっちが俺の本当の姿……って訳じゃない。別に変装してたとかそういう訳じゃなくて……」

 

 再度パチンと指を鳴らすと白炎が身体を包み、それが消えるとそこにあったのは10歳くらいの姿となった俺の姿。

 

「……え?」

 

 三度指を鳴らすと、そこには先程までと同じ10代半ばの姿があった。

 

「こんな感じで、俺はちょっと特殊な存在でな。今のように3つの年齢の外見になれるんだよ」

「……待ってちょうだい。ちょっと考えさせて」

 

 そう言い、ニナはベッドに座る。

 その際、身体に巻いていたバスタオルが少しずり上がり、白く肉感的な太股の際どいところまで見えているのだが、本人はその辺りについて気が付いている様子はない。

 そのまま部屋の中が沈黙で満たされ……やがてニナが再び口を開いたのは、たっぷりと10分程が経過してからの事だった。

 

「つまり、貴方は私の知ってるアクセルであると同時に、シャドウミラーを率いるアクセル・アルマー本人。そういう事でいいのね?」

「正解だ」

「入れ替わっていたとかそういうのでもなく、私と知り合った時からずっとアクセルだったと?」

「そうだな。ニナとずっと一緒にいたのが俺なのは間違いない」

「……そう」

 

 俺の言葉に安堵した様子で息を吐くニナ。

 あれ? てっきり怒るのかと思ったんだが。

 

「いいのか?」

「何が、かしら?」

「いや、一応……ほら、俺はニナを騙していた事になる訳だし」

「そうね。でも、アクセルの立場を考えれば仕方がないでしょうし。……念の為に聞いておくけど、アクセルはアクセル……シャドウミラーを率いているアクセル・アルマーでいいのよね?」

「そうだな。それで間違っていない」

「……色々と、本当に色々と言いたい事はあるけど……まぁ、そんなアクセルを好きになったのは私だし。それに、不思議と納得しているところがあるのも間違いないのよ」

「納得?」

「ハーレムの件。以前聞いた時から、疑問はあったのよ。勿論この世界でもハーレム……という程ではないにしろ、多くの女を囲っている人というのは珍しくないわ。特に政治家や社長なんかはそうでしょうね」

 

 それは偏見なのでは?

 そう思わないでもなかったが、すぐにその考えを否定する。

 何故なら、ハーレム……とまではいかないが、多数の女を囲うというニナの言うような事をするには、当然ながら相応の金が必要になる。

 場合によっては、金だけではなく権力もか。

 2人や3人くらいと同時に付き合うのなら、ある程度は何とかなるかもしれないが。

 その辺は付き合う相手にもよるだろうけど。

 恋愛感情ではなく、仕事として愛人をしているとか、そういう場合もあるだろうし。

 まぁ、中には俺とは比べものにならないくらいの女誑しがいて、金や権力がなくてもハーレムを作っているとか、そういう可能性も十分にあるが。

 

「それはどの世界でもそういう感じだし、否定はしない」

「でしょう? でも、アクセルは……その、凄腕のパイロットかもしれないけど、金や権力があるようには思えなかった。そんな状況で何人もの相手と付き合って、その上で他の人達もそれを納得してるのは、普通なら考えられないわ。けど、シャドウミラーを率いるアクセルなら話は違ってくる。私も月の人間だから、シャドウミラーがどういう存在なのかは十分に理解しているつもりよ」

「……まぁ、そういう一面があるのは否定しない」

 

 もし俺が国を率いる立場ではなく、それこそただのパイロットであったらどうなるか。

 それでも複数の女と付き合ったりはするかもしれないが、それでも今のように20人以上の恋人を作り、その多くと一緒に住む……同棲するといったことはまず出来なかっただろう。

 そのような事が出来ているのは、俺がシャドウミラーを率いる立場で、ホワイトスターという拠点がある為だ。

 

「でしょう? ……ちなみに、以前はちょっと誤魔化されただけど、アクセルの正体を知った今なら隠す事はないでしょう? ハーレムメンバーはどのくらいいるのかしら?」

「20人以上だな」

 

 そう言うとニナは数秒沈黙し……やがて呆れたように大きく息を吐く。

 

「大勢いるとは思ってたけど……まさか、そんなにいるとは思わなかったわ」

 

 呆れの視線をこちらに向け、そう言うニナ。

 ニナにしてみれば、俺が口にした人数は予想外だったのだろう。

 

「そう言われてもな。……ニナももしかしたらその中の1人になっていたかもしれないんだぞ?」

「……そうね。本当にそうなっていたら、それはそれでよかったかもしれないとは思うわ」

 

 憂いの表情で言うニナ。

 しまった。話題の選択をミスったな。

 ニナは俺と付き合うのは止めたけど、だからといって別に俺を好きだという気持ちがなくなった訳ではない。

 それは俺も同様だったが。

 

「あー……ちなみに、俺の件は秘密にしておいてくれ」

「馬鹿ね、当然でしょ。そもそも、アクセルが……まさか、シャドウミラーを率いるアクセル・アルマーが、何でガンダム開発計画のテストパイロットなんてやってるのよ」

 

 呆れたようにそう言うニナ。

 さっきの発言をスルーしてくれるらしい。

 その事に感謝しながら、俺は口を開く。

 

「単純に言えば、報酬目当てだな。ニナも聞いてるだろう? ガンダム開発計画の機体が1機ずつ余分に作られて譲渡されるって話は」

「そうだけど……別にアクセルが派遣されなくても、報酬は支払われたと思うわよ?」

 

 まさか、原作云々って話は出来ないしな。

 

「そうかもしれないが、やっぱり自分で直接乗ってみないと分からない事もあるしな。……もっとも、結局はパワード・ジムに乗ってる方が多かったけど」

「……開発、随分と押していたものね」

 

 しみじみとニナが呟く。

 恐らく、ガンダム開発計画の機体を……ゼフィランサスやサイサリスを開発していた時の事を思い出しているのだろう。

 

「そんな感じだな。それに……俺はネギま世界……魔法のある世界なんだが、そこで活動している時に色々とあって人間から混沌精霊という種族になった。こうして外見年齢を変えられるようになったのもその影響だな」

「人間じゃなくなったの?」

「そんな感じだ。……まぁ、本当に色々とあったんだよ」

 

 実際、もしあの時にあやかとかが頑張ってくれないければ、俺は暴走したままモンスターという扱いになっていてもおかしくはなかった。

 そんな当時の事を思い出す。

 

「……随分と変わってるのね」

「それは否定しない」

 

 実際、俺という存在は色々な意味で特殊なのは間違いない。

 それを考えると、ニナの言葉は決して大袈裟でもないだろう。

 

「まぁ、とにかくそんな訳で……まだ他にも幾つか秘密はあったりするが、これが俺……アクセル・アルマーだ。……それで、どうする?」

「どうするって何が?」

「……いや、何でもない」

 

 俺の恋人になるかと、そう言おうかと思ったが、ニナの様子を見る限りでは恐らくそれに頷くことはないだろうと判断し、そう誤魔化す。

 そして、俺はそれから暫くの間ニナと話を続けるのだった。

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