転生とらぶる2   作:青竹(移住)

1588 / 2196
4244話

 ガーベラ・テトラ改の説明が続く。

 クリスはガーベラ・テトラ改から少し離れた場所にあるビームマシンガンに視線を向ける。

 

「以前も説明したと思うけど、メインの武装はガーベラ・テトラの時と同じくビームマシンガンよ。当然ながらビームライフルとしても運用出来るようになっているけど、ガーベラ・テトラの時よりもマシになったとはいえ、冷却機構の問題があるわ」

「ビームガンと同じく、技術的にまだまだ発展途上だから仕方がないか。けど、性能は上がってるんだろう?」

「ええ、ガーベラ・テトラで使っていた物よりも冷却機構は強化されてるわ。それでも今言ったように、まだ十分とは言えないけど」

 

 ガーベラ・テトラで使っていた物より性能が上がっているのなら、悪くはないか。

 それに110mm機関砲が4門あるんだから、ある程度ビームマシンガンを使ったら110mm機関砲を交互に使えばいい。

 ……110mm機関砲の残弾がなくなったら、話は別だが。

 

「それと、こちらもアクセルが希望した……というよりも、あると便利という事で頭部バルカンが搭載されてるわ」

「え? マジか?」

 

 これについては、本当に予想外。

 実際に頭部バルカンがあると便利だとは、今まで色々な場所で口にした覚えがあるし、以前開発途中の奴を見た時は頭部バルカンはなかったと思うし。

 だが、まさかガーベラ・テトラ改に実装されるとは思わなかった。

 そもそも、ガーベラ・テトラ改はジオン系のMSだ。

 ……正確には試作4号機をベースに開発されたので、連邦系の血も十分に引いているのだが。

 寧ろそれを誤魔化す為にジオン系MSの特徴である曲線的な装甲を多用していると考えると、割合的には連邦系MSの方が多いだろう。

 そう考えると、ガーベラ・テトラが頭部バルカンを装備しているのはおかしくはない、のか?

 そんな風に思いながらガーベラ・テトラの頭部を確認してみると、確かに連邦系MSと同じくコメカミの辺りに頭部バルカンの発射口がある。

 

「本当にあるな」

「でしょう? これはアクセルにとっては嬉しいんじゃない?」

「そうだな。何しろ頭部をそちらに向けるだけでバルカンを発射出来るし。かなり便利なのは間違いない」

 

 なければないでいいが、あればかなり便利に使える武器。それが頭部バルカンだ。

 

「そうね、私もそう思うわ。けど、ギャン・クリーガーにはないのよね」

 

 残念そうに言うクリス。

 クリスもエース級の実力を持っているので、乗っている機体はギャン・クリーガーだ。

 だが、このギャン・クリーガーはジオン系の機体なので、頭部バルカンはない。

 というか、ギャン・クリーガーの頭部の形状を思えば、頭部バルカンを内蔵するのは物理的に無理なような。

 もしギャン・クリーガーに頭部バルカンを装備するとなると……そうだな、外付けのバルカンポッドを使うとか?

 ただ、ギャン・クリーガー……いや、ギャン系のMSというのは頭部の形が特徴的なので、普通のバルカンポッドを装備させるのは難しいような気がする。

 もし本当にバルカンポッドを装備させるのなら、ギャン・クリーガー用に専用の物を作る必要があるだろう。

 

「それでガーベラ・テトラ改に戻るけど、頭部バルカンはあるけどスペースの問題で弾数そのものはそこまで多くないわ」

「それは……まぁ、こっちで何とかするよ」

 

 頭部バルカンは基本的に牽制であったり、ミサイルの迎撃とかに使う。

 無意味に頭部バルカンを使うようなことはせず、必要な時だけ使うということにすれば、弾数に関してはそこまで問題ではないだろう。

 もっとも、そう分かっていても、実際に使うとなるとつい使いすぎるという事はよくあるのだが。

 特に戦闘というのは命懸けの戦いだ。

 その中では気が付けば予定以上に武器を消費させてしまっているという事は珍しくない。

 もっとも、そういう風になるのは基本的にまだ戦場に慣れていない奴だけで、ベテランになればそういう事は……絶対にないとは言わないが、それでもそういう風になるのはかなり少なくなる。

 ただ、初めて乗るMSとなれば、ベテランであってもそういう風になってもおかしくはないが。

 その辺については、俺がガーベラ・テトラ改に乗った時にもそうなる可能性があるという事になるので、注意は必要だろう。

 

「さて、頭部バルカンについてはこの辺でいいとして、ちょっと後ろに回りましょうか」

 

 そう言い、クリスは俺を連れてガーベラ・テトラ改の後ろに回り……

 

「え? これ……」

 

 ガーベラ・テトラ改の後ろ……バックパックの辺りを見て、俺の口からはそんな声が漏れる。

 ガーベラ・テトラには、背中に装備するシュツルム・ブースター・ユニットというのが装備出来るようになっていた。

 ブースター・ユニットとプロペラントタンクが一緒になったユニットで、かなり巨大な作りになっている。

 その為、戦場に向かう時に使うのなら問題はないが、実際に戦場で戦闘になったりした場合、デッドウェイト……邪魔になるので、戦場に到着したら爆発ボルトを使って排除する。

 実際にソロモンの戦いにおいて俺はそれを使っているので、便利であると同時に必要なくなったら非常に邪魔な物であるという認識が俺の中にはあった。

 そんなシュツルム・ブースター・ユニットだが、それと同じ物が……いや、ガーベラ・テトラで使ったのに比べると大分小さくなっているが、ガーベラ・テトラ改の背中の部分に装備されている。

 

「ああ、シュツルム・ブースターね」

 

 クリスが俺が何を見ているのかを知り、そう言ってくる。

 ちなみにシュツルム・ブースター・ユニットではなく、シュツルム・ブースターと口にしたのは……

 

「取り外し出来ないのか?」

 

 そう、それが理由なのは恐らく間違いなかった。

 ガーベラ・テトラの時は爆発ボルトで戦場に到着したら自由に取り外しが出来たのだが、ガーベラ・テトラ改の場合は見た感じだと取り外しが出来るようにはなっていない。

 つまり、最初から機体から排除するというのを考えておらず、ずっと装着したままなのだろう。

 だからこそ、ガーベラ・テトラの時と比べると小型化されているんだろうな。

 

「そうね。以前も言ったように固定されているから取り外しは出来ないわ。小型化した影響でプロペラントタンク……推進剤の量も以前の物に比べると少なくなったけど、その代わり装備したまま普通に戦闘でも使えるようになったでしょう? テール・バインダーと同じように、AMBAC肢としても使えるでしょうし」

「……なるほど」

 

 クリスが言うように、シュツルム・ブースターの大きさや形状を考えれば、AMBAC肢として使えるのも分からないではない。

 ブースター……イメージ的には強力なスラスターといった印象だが、それがある以上、テール・バインダーと同じようにAMBAC肢として使うと同時に、緊急の時にスラスターとしても使えるだろう。

 テール・バインダーと違うのは、その大きさが明らかに大きい――それでもガーベラ・テトラのシュツルム・ブースター・ユニットと比べるとかなり小さいのだが――というのと、テール・バインダーに内蔵されている110mm機関砲がないという事か。

 

「後は……背部に何本かあるのはスタビライザーか」

 

 スタビライザーというのは、簡単に言えば機体を安定させる為の装置だ。

 宇宙空間でそこまで必要か? と疑問を抱いたのだが……

 

「あれ? もしかしてこのガーベラ・テトラ改って宇宙用MSじゃなくて、汎用MSか?」

 

 汎用型のMSとしては、F型のザクとかが分かりやすいだろう。

 機体を大きく変更しなくても、設定を少し変えるだけで地上でも宇宙でも使用が可能になっている。

 場合によっては、設定の変更すら必要なくシームレスに宇宙と地上で使えたりする機体もあるらしい。

 ガーベラ・テトラ改にスタビライザーがあるという事は……つまり、そういう事なのでは? と疑問に思い、クリスに視線を向ける。

 するとクリスはそんな俺の視線に笑みを浮かべて頷く。

 

「正解、このガーベラ・テトラ改は地上でも普通に使えるように設計されてるわ。元々が宇宙用MSだったんだけど、地上でも使えるようにした方がいいんじゃないかという意見が出てね」

「まぁ、俺の場合は地球に行く事も多いしな」

 

 クリスの言葉にそう返す。

 実際、アプサラスとかが気になってハワイに行く事は多いし、水天の涙や星の屑の関係で地上で戦った事もそれなりに多い。

 そうなると、地球上でも使えるMSというのは俺にとっても嬉しい。

 もっとも、具体的にいつ地上でMSを使うのかというのは……今のところ、予定にはなかったりするが。

 

「それを聞けば、開発した人達も喜ぶでしょうね。……とにかく、ガーベラ・テトラ改についての説明はこれで大体終わりね。アクセル的には満足出来たかしら?」

「ああ、ガーベラ・テトラよりもかなり強化されてるのが分かる。とはいえ、ここまで機動力や運動性を強化としたとなると、使いこなすのはその辺のエース級でも難しいとは思うけど。それこそ異名持ちでないと難しいんじゃないか?」

 

 エース級と一口に言っても、そこには色々と違いがある。

 それこそノリスのように異名持ちと同等の実力はある者であったり、もしくはベテランからようやく1歩踏み出したくらいの者だったり。

 ちなみに俺の中ではMSのパイロットは新兵、ベテラン、エース、異名持ちといったようにカテゴリを分けている。

 実際には他にも色々とあったり、ニュータイプがいたりとあるのだが……まぁ、大雑把なカテゴリとしてはそんなに間違ってはいないと思う。

 

「そうね。ただ、これはあくまでもアクセル専用の機体だもの、もしガーベラ・テトラがギャン・クリーガーに取って代わるような事になった場合でも、ここまで徹底的な改修はしないと思うわよ。勿論、ガーベラ・テトラそのままという訳ではなく、ある程度の改修はするでしょうけど。……特にビームマシンガンとか」

「だろうな」

 

 クリスのその言葉には、俺も反対は出来ない。

 俺が使っているビームマシンガン……正確にはビームライフルとしても使えるビームマシンガンだが、これはかなり使いやすいのと同時に、技術的にまだ未熟な事もあって、冷却性能が追いついていない。

 その為、ビームマシンガンやビームライフルとして使っている場合、ふと気が付けば冷却性能が追いつかずに使えなくなるというのが普通にある。

 それなら、普通の……Eパック方式のビームライフルを使えばいい。

 そっちならまだ技術が完成したとまでは言わないが、それでも普通に使う事は出来るのだから。

 あるいは、ギャン・クリーガーで使っているシェキナーを使うか。

 ……ただ、ジャイアントガトリング、メガビームランチャー、マイクロミサイルランチャーを1つに纏めた武器で、非常に強力であるのは間違いないが……その武器の特性上、どうしても小型化は難しい。

 いや、将来的にはもしかしたら小型化が出来るかもしれないが、今は無理だ。

 そんな訳で、シェキナーは強力な武器ではあるものの、中にはその取り回しの悪さから普通のビームライフルとかを使っている者も多い。

 ただ、基本的にガーベラ・テトラは強襲用のMSなので、一気に敵に近付いてシェキナーを使って大きなダメージを与え、即座に撤退。

 そんな使い方も悪くはないと思うんだが。

 

「まぁ、別にシェキナーをどうしても使えって訳じゃないし、それぞれが使いやすい武器を使ったらいいとは思うけどな」

「私はシェキナー、そんなに嫌いじゃないんだけどね」

 

 俺を励まそうというのか、それとも単純に事実を口にしただけなのか。

 それは分からなかったが、クリスはそう言う。

 

「使いこなすのは難しいけど、使いこなせれば強力な武器なのは間違いないしな」

「ええ、そうね。……それで、ガーベラ・テトラ改だけど、早速試してみる? もう完成はしてるし、可能な限りアクセル向きの設定にしてあるから、後は実際にアクセルが乗ってみて、細かい調整をするだけよ」

「そうだな。なら、乗ってみるか。……ああ、そう言えば茨の園については聞いてるか?」

「ええ、デラーズ・フリートの拠点でしょう? アクセルが確保したコロニーを持っていくとか。なるほど、そこでガーベラ・テトラ改の本格的なお披露目をする訳ね」

 

 ああ、知っていたのか。

 茨の園の件は知ってる者が少なかった筈だが……そう思ったのだが、すぐに納得する。

 クリスは俺の恋人だ。

 そして今回の一件で大きな働きをしたシーマも俺の恋人だ。

 そうなると、その関係から茨の園についての話が伝わるかもしれないと考え、クリスにも話されてたのだろう。

 そうなると、恐らくだがクスコにもこの話は伝わってる可能性が高いな。

 モニクは……元々が役人で政府側の人間なので、その辺りについては寧ろ最初から知ってる側だろうし。

 そんな風に思いつつ、俺はクリスと話を続けるのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。