ミの国の中を進むドレイク軍。
時々偵察をする連中がやって来てはいたが、前後からの挟撃が行われた以外は特に襲撃を受けるような事もなく、ドレイク軍はミの国を進む。
俺のナムワンの中でも、最初こそ反乱軍とドレイク軍の間で喧嘩騒ぎが起きたが、食堂の一件があってからは特に騒動らしい騒動は起きなくなった。
勿論、あの一件でドレイク軍と反乱軍が友好的になった……といったような訳ではなく、単純に騒動を起こせば俺に殺されると、そんな風に思っての事らしいが。
……まぁ、殺気で無理矢理押さえつけた以上、殺されるといったように思ってもおかしくはないか。
ともあれ、そんな訳でドレイク軍はミの国の中を進み……やがて、明日には王都に到着するだろうという距離まで近付くことになる。そして……
「だよな。向こうにしてみれば、この辺りで防がないと一方的に王都を蹂躙されることになるんだし、どうしてもこの辺りで出撃してくるか」
ナムワンのブリッジで、俺は映像モニタに表示されたダーナ・オシーの群れを見て、そんな風に呟く。
ダーナ・オシーの軍勢の背後には、ナムワンの姿も何隻かある。
ただし、あるのはナムワンだけでゼラーナの姿はない。
フラオン軍と手を組むのを失敗したのか、それとも奇襲を仕掛ける為に戦力を隠しているのか。
普通に考えれば、ここで手を組むのを失敗するというのは有り得ない。
ピネガンにしてもそうだが、フラオンもここでドレイク軍をどうにかしないと、勝ち目がなくなるのは間違いないのだから。
とはいえ、フラオン軍を率いているのがフラオンであるという時点で、こっちの予想外の行動になってもおかしくはないんだよな。
それこそ、自分達と手を組みたいのなら領土の半分を……いや、7割を寄越せとか、金銀財宝を自分に寄越せとか、そんな風な無茶を言ってもおかしくはない。
普通なら、正気か? と言いたくなるのだが、フラオンの場合は正気でそういう風に言ってきたりするし。
そういう意味では、こっちに行動を読ませないという一点で厄介な存在ではある。
もっとも、この場合の厄介というのは、俺達もそうだがピネガン達にとっても厄介なのだが。
「アクセル王、お館様の旗艦の側まで移動します」
「ああ、頼む」
操舵を任されている兵士の言葉に頷き、そう告げる。
本来なら、俺は念の為に戦いについてきているのであって、基本的に実戦に参加するようなことはない。
だが、最後尾に位置していた場合、以前のように挟撃されれば戦闘に巻き込まれてしまう。
それなら、ドレイクのブル・ベガーがいる艦隊中央付近にいた方が結果として安全だろうと判断したのだ。
また、それ以外にも俺のナムワンには反乱軍が乗っている。
反乱軍にしてみれば、ピネガンとの戦いで自分達が出撃しないという選択肢は存在しないのだろう。
そんな訳で、反乱軍のダーナ・オシーが出撃する為にも、ナムワンが最後尾にいるというのは色々と面倒だった。
「アクセル、念の為に聞くけど私達は出撃しなくもいいのよね?」
マーベルが確認するように聞いてくる。
マーベルにしてみれば、ミの国やフラオンという存在は面白くない相手なのだろうが、だからといって嬉々として自分から出撃する……といったような事でもないのだろう。
これがガラリアだったら、それこそ出撃すると言い張っていたかもしれないが。
「ああ。ただ……基本的には出撃しないつもりだが、もしフラオン軍が奇襲を仕掛けてきた場合は、俺達が出撃する可能性もある」
戦力の数と練度で、ドレイク軍はピネガンやフラオンの圧倒的な上にいる。
そうである以上、ピネガンやフラオンがドレイク軍に勝つには、それこそ奇襲でもして直接ドレイクを倒すといったような事はする必要があった。
そうである以上、奇襲を仕掛けてくる可能性が高いのは……やはり、向こうの中でも精鋭と呼ぶべきショウやゼラーナ隊といったところだろう。
勿論、ドレイクもその辺は読んでいるので、相応の戦力を自分の乗っているブル・ベガーの近くには用意している筈だ。
それでも、基本的に強力な戦力……トッドを始めとした地上人の面々や、バーンといった者達は前線に向かわせる必要がある以上、自分の周囲を守らせる戦力はそこまで精鋭という訳ではない。
そうである以上、今回の戦いにおいてはもしかしたら……本当にもしかしたらだが、俺やマーベルの出番があるという可能性は否定出来なかった。
「そうね。何かあったらすぐに出られるように準備はしておくわ。この状況で向こうが勝利をするとなれば、ドレイクの首を獲るしかないものね」
ドレイクではなく、ドレイクの部下がこうして戦いに出てきたのなら、もしやられても指揮系統を他の者が引き継ぐ事で戦い続けられる。
だが、アの国の国王たるドレイクが前線に出て来るのだから、ファンタジー世界って、と思わないでもない。
いやまぁ、ホワイトスターを率いる俺が真っ先に最前線に突っ込んだり、ましてや未知の世界に自分だけで転移するといったような真似をしている以上、その辺は何とも言えないが。
ただ、俺とドレイクでは個人として持っている能力が大きく違う。
そういう意味では、ドレイクが前線に出るというのはやっぱり無謀な一面が大きいのも事実だ。
とはいえ、このバイストン・ウェルはファンタジー世界だ。
後方……戦場ではない場所から指揮を執っているだけでは、兵士からの支持を得るのは難しい。
その辺をどうにかする為には、やはり本人も直接前に出る必要があるのだ。
とはいえ、そのような真似をするのは、やはり色々と危険もあるのだが。
「始まりました!」
と、不意にブリッジにいた兵士の1人が素早く叫ぶ。
その言葉にブリッジの映像モニタに視線を向けると、そこではドレイク軍と正規軍の戦いが始まっていた。
その戦いは、最初から正規軍が不利だった。
当然だろう。元々ミの国は小国で、その上で今までの戦いで結構な戦力を消耗している。
半ばなりふり構わずといった様子で機械の館を多数建造し、ダーナ・オシーの数だけは揃える事が出来たものの、オーラバトラーというのは機体も大事だが、それ以上にパイロットが重要な意味を持つ。
そして当然だが、最精鋭とも呼ぶべきミの国のパイロット達は、かなりの数がギブン領で行われた戦いで死んでしまっている。
実際、俺がミの国の内部を荒らし回っていた時も、機械の館を見つけて攻撃しようとした時に出撃してきたパイロットが新人としか思えない技量の持ち主だったり……といった事は、珍しくなかった。
そうである以上、当然の話だが現在あそこで戦っているパイロット達も実力的には決して腕の立つ者でないのは間違いない。
それを証明するように、ミの国側のダーナ・オシーは次々と撃墜されていく。
「やはり、聖戦士というのは強いのですね」
ふと、艦長が呟く。
艦長の見ている方に視線を向けると、その先ではビランビーがダーナ・オシーを相手に圧倒していた。
4機という事は、バーン以外のビランビー……トッドを入れた聖戦士達だろう。
少し離れた場所では、本来は装備していないオーラランチャーを装備したドラムロが援護射撃をしており、その動きがドレイク軍の兵士達より上だと考えると、多分あのドラムロはトカマクの機体だろう。
やはり、ダンバインに乗ってオーラソードを使い、近接戦闘をするよりは、後方から援護射撃をするというのがトカマクには向いているらしい。
援護射撃とはいえ、敵を倒していない訳ではない。
既に数機のダーナ・オシーを撃墜している。
だが、そんなトカマク以上に活躍してるのが、ビランビーに乗ったトッド達聖戦士だ。
やはり後方から射撃武器で敵を倒すよりも、オーラソードを使って近接戦闘で敵を倒した方が、派手だし……味方の士気も上がる。
「そうだな。こうして見ると、トッド達の技量は間違いなく上がっているらしい」
「何度も模擬戦をやったんだから、その辺は分かっていたんじゃないの?」
そう言ってくるマーベルだったが、勿論腕は上がっていると思っていたが、それでもここまでとは思ってもいなかったというのが正しいところだ。
これは同じ相手と何度も模擬戦を繰り返している弊害なのだろう。
トッドは反乱軍と共に活動しつつ、正規軍やフラオン軍とも戦っていた。
そう思えば、ある程度は自分の実力についても理解していてもおかしくはない。
しかし、アレン達は話が別だ。
多分、何気に今もこうして戦っている中で敵との戦いで自分がこうまで簡単に敵のダーナ・オシーを倒せるというのに、戸惑ってすらいるだろう。
もっとも、そんな風に驚くのも最初だけだ。
すぐに敵との戦いに慣れてくる筈だ。
……その後は自分の実力について調子に乗り、敵に付け込まれるといったような事にならないとも限らなかったが。
取りあえず、今のところはそんな様子がないようだし、もし何かあってもドレイクの兵士達が聖戦士を見殺しにするといったような事はまずないので、問題はないだろうが。
「あの様子を見る限りでは、取りあえず安心して見ていてもよさそうだな。後は、ドレイクに攻撃されないように注意しておけば……」
「アクセル王、後方から攻撃です」
「またか」
まぁ、それくらいしか攻撃の手段がないのは事実なのだろうが、それでも以前も同じような攻撃を行ったのを思えば、意味がないようなものだろう。
どうせ前後から挟撃をするのなら、前回は使わないでここで使えばよかったものを。
……いや、待て。
敵がフラオンならともかく、ピネガンがそんな馬鹿な真似をするか?
ラウの国との一件では見境のないところを示したピネガンだったが、それ以外ではそれなりに有能なのは間違いない。
でなければ、部下からあそこまで熱心に慕われるといったような事はないだろう。
つまり、突出して有能という訳ではないにしろ、有能な人物なのは間違いない筈だ。
そんな人物がこんな真似をする?
疑問を抱き……
「っ!? これは……後方から攻撃を仕掛けてきた部隊の中に、ゼラーナ隊を確認! フラオン軍です!」
そんな俺の疑問を晴らすかのように、ブリッジにいた兵士の1人が叫ぶ。
何かがあると、そう思ってはいたが……なるほど、ここでフラオンと協力して攻めて来たか。
「ダンバインはどうした? 確認出来るか?」
フラオン軍の中で精鋭が揃っているのはゼラーナ隊だが、一番厄介なのは当然ながらショウのダンバインだ。
実際には、ショウもゼラーナを旗艦としている以上、ゼラーナ隊と呼んでもいいのかもしれないが。
兵士は俺の指示に従って周囲の様子を確認していく。
ゼラーナの姿も発見されたことだし、てっきり俺はすぐにでもショウのダンバインを見つけるとばかり思っていた。
しかし……兵士の口から、ショウを見つけたといった報告はない。
そうなると、ショウが戦場に出ていない?
考えられる可能性としては、何らかの理由でショウが戦場に出られないとかか。
例えば、ショウと一緒に地上に出たガラリアは、今もまだ完治していない。
だとすれば、ショウも相応の怪我をしている可能性はある。
とはいえ、ショウがバイストン・ウェルに戻ってきてから、既に何度も戦場に出ているのを確認されている以上、その可能性は低いだろうが。
そうなると、考えられる可能性としては……囮か!?
「マーベル、すぐに出撃準備だ」
「アクセル? どうしたの?」
「現在のドレイク軍は挟撃されているが、その双方共に囮である可能性が高い。ショウのダンバインがいないのが、それを示している」
「なら、狙うのは……」
「一番可能性が高いのは、やっぱりドレイクだろうな」
基本的に俺達はこの戦いに積極的に参戦するつもりはなかったが、それもドレイクが死ぬ可能性があるとなれば、話は別だ。
だとすれば、やはりここはドレイクを守る為にも俺が出撃する必要があるだろう。
一応、ドレイクも旗艦の側にそれなりの数のドラムロを用意してはいるのだが、そのような連中は新兵……とまではいかないが、同時に精鋭とまではいかない。
言ってみれば、標準的な技量の持ち主でしかない。
ゼラーナ隊が相手ならまだしも、ショウが相手となると荷が重いのは間違いないだろう。
そんな訳で、俺はマーベルと共に出撃の準備をする。
マーベルもまた、ラウの国も攻めると言い出したドレイクに疑問を持ってはいるようだったが、それでも今まで世話になってきた相手だ。
多少なりとも情があるのは間違いない。
それだけに、そんなドレイクがショウに狙われている可能性が高いとなれば、それを放っておくような真似が出来ないのは当然のことだった。
「艦長、一応この件はドレイクのブル・ベガーに連絡をしておいてくれ」
「了解しました!」
一瞬の躊躇もなく、艦長が頷く。
艦長にしてみれば、ドレイクは本来自分が仕える相手だけに、その危機を知ったら即座に対応するのは当然だったのだろう。
そうして、俺はマーベルと共にブリッジを出ていくのだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1555
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1679