ジャマイカンと話しているところで、いきなりの通信。
サラミス級からMSが出撃したというその報告は、俺に笑みを……獰猛な笑みを浮かべるには充分なものだった。
「へぇ……どうやらサラミス級からMSが出撃したようだな。連邦軍は月と……ルナ・ジオンと戦争をするという判断を……」
『待って欲しい! 違う! ……いや、違います! 私にそのようなつもりはない!』
あれ?
映像モニタに表示されたジャマイカンの表情には焦りがある。
最初、それはそういう風に見せているだけなのかと思ったのだが、どうやら本気で焦っているように見えた。
だとすれば、サラミス級からMSが出撃してきたのは、実はジャマイカンにとっては全く把握していなかった事なのか?
「ほう? だが、サラミス級から出撃してきたMSは……」
そこまで言うと、ナスカ級の方で察知した出撃してきたMSの映像がこちらに回されてくる。
これは……色は俺の知っているものとは違うが、ジム・カスタムか?
黒とグレーの中間……ダークグレーとでも称すべき色になっている……ん? あれ? いや、微妙にジム・カスタムとも違うような。
ジム・カスタムのバリエーション機といったところか?
けど、バリエーション機という割には出撃してきた3機が全てがダークグレーに塗装されてるのを見ると……まぁ、いいか。
この展開は、ある意味で俺が望んでいたものに近い状況でもあるのだ。
であれば、ここで俺がどんな行動を取るべきなのかは決まっている。
ただ……ジャマイカンの様子を見る限りでは、どうやら向こうの意図とも違うらしいが。
「なるほど、お前が……この艦隊の指揮を執るジャマイカンが出撃を命じた訳ではないと?」
『その通りだ』
「なら、あのジム・カスタムの改修機と思しき機体は、命令違反をした存在と思ってもいいな?」
『ジム・クゥエルのパイロットについては……』
そこで言葉を切る。
けど、ふーん。ジム・クゥエルね。
話の流れからすると、どうやらジム・カスタムの改修機がジム・クゥエルらしい。
まさか、改修機でも何でもない全くの新造機とか、そういう事はないだろうし。
「ジム・クゥエルのパイロットについては?」
『こちらの言葉を振り切り、独自の判断で出撃した』
それを認めるのか。
いやまぁ、そうしないと自分が出撃するように指示を出したといった風に受け取られかねないのだから、ジャマイカン的に当然なのかもしれないが。
とはいえ、だからといってあっさり部下を切り捨てるのはどうかと思う。
でも、そうだな。見た感じでは出撃したMSパイロットがもし本当に誰からも出撃命令を受けた訳ではなく、本当に自分の判断で出撃したとしたら、ジャマイカンにとってもそうするしかなかったのかもしれないな。
この艦隊に参加していたという事は、強硬派の可能性が高い。
そして強硬派の中には、何を思ったのか自分達の方がルナ・ジオンより立場が上だと、そう思っている者も多い。
UC世界における国の比率を考えれば、実際それは間違っていないだろう。
UC世界の中では90……いや、98%くらいの割合が連邦という国なのだから。
ルナ・ジオンやジオン共和国、アクシズ、木星……後はまぁ、ジオン軍残党であったり、火星にいるキシリアであったり。
そういうのは、勢力図的な意味では全部纏めて2%前後程度でしかない。
……もっとも連邦という組織であっても、その大多数はスペースノイドで、地球に残っているのは一人握りでしかないのだが。
ただ、スペースノイドでも自分が連邦に所属しているという思い……アイデンティティはあるのだろう。
ましてや、その中の強硬派ともなれば余計に。
「なら、命令違反者はこちらで撃破しても構わないな?」
『いや、それは……』
俺の言葉に言い淀むジャマイカン。
ジャマイカンにしてみれば、ここで自分の部下が俺に撃破されるなりなんなりされるのは困るのだろう。
それこそ今回の一件が終わった後で、上から叱責される原因になるだろうし。
「なら、そっちで止めるか? 今の状況を考えれば、止める為に戦力を出してもそれが出撃してきたMS隊に合流してもおかしくないだろうけど」
『ぐ……』
どうやら俺の言葉はジャマイカンにとっても図星だったらしい。
この辺は予想通りだな。
もしこれが強硬派ではなく、普通の連邦軍もいたら、また話は違っただろう。
だが、どうやら予想通りこの艦隊に所属しているのは、全員が強硬派らしい。
だからこそ、もしMSを追加で出撃させた場合、俺が言った通りになる可能性が高いのだろう。
「いいな?」
『……』
沈黙を保ちつつ、それでも決して自分は納得した訳ではないと態度で示しつつも……コクリ、と小さく頷く。
これはもし後で問題になったら……そして自分が俺の行動を黙認したといった感じで上から責められた場合、自分はアクセルの要望に頷いていないにも関わらず、アクセルが勝手に動いた。
そういう風に言い訳をし、俺のせいにしようといったところか。
そうなったらそうなったで、別に構わない。
そもそも俺と強硬派の間には決して友好的になれる筈がないのだから。
なら、俺としても強硬派との関係が悪化したのなら、そういうものだと認識すればいいだけだ。
俺がジャマイカンと話している間に、サラミス級から出撃した3機のジム・クゥエルはこちらとの間合いを詰めてきていた。
ルナ・ジオン軍と連邦軍の艦隊はそれなりに距離をとって向き合っていた為、ジム・クゥエルが出撃してからも、こうして話をする余裕があった訳だ。
だが、その余裕もそろそろなくなる。
手にしたジムライフルをこちらに向けているのを見れば、そろそろいつ射撃してきてもおかしくはないだろう。
そうなっても、俺の操縦するガーベラ・テトラ改に命中させられるとは、到底思わないけど。
ただ、こっちも黙って一方的にやられるのは面白くないので、前に出る。
すると、そのタイミングで3機のジム・クゥエルによるジムライフルが一斉に発射される。
ショルダー・バインダーを使い、あっさりとその一撃を回避。
そのままジム・クゥエルの小隊に向かって突っ込んでいく。
当然ながら、ジム・クゥエルはそのまま黙って俺を見ていたりはしない。
2機が前に出てビームサーベルを構え、残りもう1機は後ろに下がってジムライフルで援護射撃をしてくる。
なるほど、タイミングを合わせて一斉に発射した時にもさすがだと思ったが、即座に前衛と後衛に別れて行動し、それに戸惑った様子がない辺り、小隊内での連携もしっかりと出来ている訳だ。
「けどな!」
ショルダー・バインダーを使い、一気に間合いを詰める。
先程までの5割以下の性能と違い、一瞬にしてショルダー・バインダーの性能を最大限まで活かした行動。
その上で、テール・バインダーのスラスターも使って一気に間合いを詰めたので、前衛の2機にしてみれば、それこそ一瞬にしてガーベラ・テトラ改が近付いてきたように思えただろう。
向こうにとっても完全に予想外の行動だっただけに、慌ててビームサーベルを振るうものの、手足とテール・バインダー、ショルダー・バインダーによるAMBACで回避しつつ、頭部バルカンで前衛のうちの1機の右手……ビームサーベルを持っている右手を集中攻撃し、破壊する。
同時に、右手のビームマシンガンを使ってもう1機のジム・クゥエルの頭部を狙う。
あっさりと頭部は砕け……それを察知しつつ、素早くテール・バインダーのスラスターを使って最初に手を破壊したジム・クゥエルとの間合いを詰めつつ、左手の内側にあるビームサーベルを射出し、そのまま左手で掴み、コックピットを貫く。
そうしてから、強硬派のパイロットを殺すのは不味いか? と思ったが、向こうもこっちを殺しにきているのだから、わざわざこっちが手加減をしてやる必要もない。
頭部を失ったジム・クゥエルが、それでも他のカメラを使ってガーベラ・テトラ改の居場所を察知し、ビームサーベルを振るってくるが……
「甘い」
ショルダー・バインダーを使ってあっさりと回避しながら、右手に持つビームマシンガンをライフルモードにしてコックピットを撃つ。
ビームはあっさりとコックピットを貫き……
「あ、しまった」
甘いのは俺だったな。
ジム・クゥエルから距離を取り、爆散のダメージから機体を守る。
そうしながらも機体の操縦を止めることなく、最後の1機……ジムライフルで後方から援護射撃をしていた最後のジム・クゥエルに向かって進むのだが……
『待て! 止めろ! 止めてくれ! 殺さないでくれええええええええっ!』
オープンチャンネルでそう叫んでくる。
その、あまりと言えばあまりに予想外の行動に、俺は撃破するのを躊躇う。
こっちに攻撃してきた以上、相手を生かしておく必要ない。
そういう意味では殺してもいいのだ。
いいのだが、こうして身も蓋もなく命乞いをされると、やる気がなくなってしまう。
これが例えば、殺すなら殺せといったように言ってきたのなら、その時は俺も躊躇なく殺していただろう。
だが、このパイロットがやって来たのは命乞いだ。
……ましてや、この戦闘はルナ・ジオン軍は勿論、ジャマイカン達も見ている。
そんな中で命乞いをした相手を堂々と殺すのは不味いし……何より、敵が降伏すればジム・クゥエルを完品のまま入手出来る。
最初に戦った2機のうち1機は、右手首が破壊され、コックピットも破壊されている。
2機目にいたっては、こっちにとっても予想外のダメージを与えてしまい、機体諸共爆発してしまった。
つまり、現状において入手したジム・クゥエルは1機だが、それも小破……いや、コックピットも破壊されているのを思えば中破か? とにかく完品ではない。
そうである以上、このままこいつを降伏させれば、ジム・クゥエルの完品を1機そのまま入手出来るということを意味していた。
「なら、降伏しろ。お前の身柄はルナ・ジオンで捕虜として扱う。それでいいのなら、だけどな」
『分かった、降伏する。降伏するから助けてくれぇ!』
うーん、強硬派にはこういう奴もいるんだな。
……いや、もしかして、実はこいつ強硬派じゃないとか、そういう可能性もあるか?
一瞬そう考えてたものの、すぐにそれを否定する。
何故なら、この男も他の2人のパイロットと同じく、ジャマイカンからの出撃命令がないのに、出撃してきたのだ。
普通に考えれば、もし強硬派でなければそんな事はしないだろう。
もしかしたら、他の2人の強硬派に強制的に連れてこられたという可能性もあるが……その割には、最初に3機揃ってジムライフルを撃った時の連携はしっかりとしていたしな。
つまり、この男は出撃する時は間違いなく強硬派だったが、自分の仲間2人があっさりと死んでいく光景を見せられ、それによって怖じ気づいたのだろう。
「よし。なら、持っているジムライフルをこちらに寄越せ。その後はルナ・ジオン軍の艦に連行する。……安心しろ、捕虜としての扱いについては、南極条約に批准して行うから」
南極条約というのは、1年戦争において連邦とジオンが結んだ戦時協定であり、1年戦争が終わった今となっては、意味がない。
ただ、こういう時に相手に分かりやすく説明するのに便利なんだよな。
……もっとも、実際に1年戦争の時には連邦・ジオン関係なく南極条約? 何それ美味しいの? といった感じで捕虜の虐待とか普通に起きていたらしいけど。
戦争中だと考えれば、仕方がないことではあるが。
連邦にしてみれば、地球にコロニーを落としたジオンは許せない。
ジオンにしてみれば、これまで散々弾圧してきた連邦は許せない。
ある程度理性のある者であっても、感情に流されるのは珍しくはない。
そんな集団が戦争を起こしたのだ。
勿論、中には南極条約をきちんと守る者もいるだろう。
だが、末端の兵士であれば、あるいは連邦に、ジオンによって自分の家族や友人、恋人を傷つけられたり殺されたりした者が、果たして素直に南極条約を守るかと言われれば、正直微妙……というか、かなり難しい。
まぁ、今回に関してはそこまで問題はないと思うが。
……本当に大丈夫だよな?
ルナ・ジオン軍に所属している者の中には、元ジオン兵も多い。
そうなると、当然ながら連邦によって理不尽な思いをしている者もおり……そういう意味では、1年戦争の時と実は大きく状況は変わっていなかったりする。
もっとも、ルナ・ジオンという国として独立し、連邦と互角に渡り合っているのを思えば、1年戦争時代とは違うように思う可能性は充分にあったが。
「それで、どうする? 降伏するのなら、さっさとしろ。こっちもいつまでもお前達に時間を割く程に暇な訳じゃないんだ。降伏しないのなら、戦いを続けるぞ。……言っておくが、このまま逃がすとは思うなよ?」
そう通告する俺に、男は大人しく降伏を選ぶのだった。
アクセル・アルマー
LV:45
PP:1165
格闘:313
射撃:333
技量:323
防御:323
回避:353
命中:373
SP:3003
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:2089