ボゾン。
ラウの国とギブン家が共同開発したオーラバトラーか。
言ってみれば、それはラウの国にとって切り札的な存在だろう。
具体的にどのくらいの能力を持っているのかは分からないが、もし本当にそのボゾンというオーラバトラーを持ってきたのなら、それはキブツがフラオンやラウの国を裏切り、キッス家を残す為にやってきたというのに大きな説得力はある。
「持ってきたのはボゾン1機だけか?」
「いえ、一応ダーナ・オシーやドロといったような戦力もありますが……アクセル王が興味を示すと思われるのは、ボゾンだけかと」
「……何人でやって来た?」
「30人程です」
30人程か。
それだけの人数で、ラウの国かここまでやって来たというのは、それなりに凄いとは思う。
とはいえ……
「ナムワンとかに乗ってこなかったのか? 30人程いるのなら、ナムワンで来た方が便利だっただろうに」
そう告げると、キブツは首を横に振る。
「無理でした。ボゾンを奪ってくるのが精々で。向こうも、オーラシップはそう簡単に奪わせるといった真似はしなかったでしょうし。……それに何より、もしナムワンで移動してくればドレイクの手の者に見付かっていたでしょうし」
「だろうな」
キブツのその言葉には、強い説得力があった。
ドレイクは現在、ラウの国との国境線沿いに見張りを出している。
それこそアの国と隣接する事になったラウの国が……あるいはラウの国に逃げ込んだフラオンやピネガン達がこちらに先制攻撃をしてこないかどうかを警戒して。
また、アの国の内部であっても恐獣やガロウ・ランの存在がいる以上、定期的に見回りは行われている。
そう考えると、ナムワンに乗っていなかったとはいえ、寧ろキブツ達はよくそのような者達に見付からずにドレイク城のあるアの国の王都までやって来られたものだ。
それが逆説的にキブツやその部下達の有能さを示していると言ってもいいか。
そう考えると、キブツ達は拾いものだったかもしれないな。
……勿論、キブツ達が偽りなく俺に降伏を申し出てきたのならの話だが。
「なら、そうだな。まずはそのボゾンというオーラバトラーを見せて貰うか。どこにある?」
「さすがにここまで持ってくる訳にはいかないので、少し離れた場所に置いてあります」
ここがドレイク城からそう離れていない事を考えれば、それも当然だろうな。
キブツの言葉には納得出来るものがあったので、俺は取りあえずボゾンを確保しておきたいという考えや、キッス家の面々が下手にドレイク軍に見付かったりしないようにする為に、迎えに行く事にする。
「じゃあ、俺をそこまで案内しろ。お前達が下手にドレイク軍に見付かったら、面倒な事になるしな。その時に俺がいれば、特に問題はなくなる筈だ」
「分かりました」
へぇ、即座に頷くのか。
本来なら、自分達の隠れ家に連れていくという事は、当然ながら危険だ。
それこそ、俺がもしキブツ達を殲滅するつもりがあるのなら、致命的な事になってもおかしくはないのだから。
しかし、キブツは俺の言葉に素直に頷く。
この辺もキブツを信じるには十分な理由となるな。
まぁ、俺を本拠地に連れ込んで、捕らえるなり殺すなりしようと考えているのなら、また別の話だが。
その時は俺もこの連中を殺すだけだ。
そうして、俺はキブツの乗るピグシーと、ここまで案内してきたガロウ・ランの男と共に、キッス家の隠れ家に向かう事にする。
「こ、これは……」
移動する為に、俺が空間倉庫から取り出したサーバインを見て、キブツが驚きの声を上げる。
ドレイク軍では、俺が魔法を使ったりするのはそれなりに知られているだろうし、あるいはショウからの情報でキブツ達も話だけは聞いていたかもしれないが、やはりこうして目の前で直接見るというのは驚くのだろう。
「俺のオーラバトラー、サーバインだ」
赤い装甲を持つサーバインは、その左手にはレプラカーンの使用している物を改良した複合兵装の盾を装備している。
このおかげで左手のオーラショットは使えなくなったが、複合兵装の方にオーラショットがあるので、取りあえず問題ではない。
機体バランスの件も、それなりに操縦した事によって既に慣れているし。
「これで送っていくよ。お前達だけだと、ドレイク軍に見付かった場合、どうしようもないだろうし」
ドレイク軍にしてみれば、敵の中でも主要人物の1人がガロウ・ラン1人だけを連れて、アの国の中にいるのだ。
普通に考えれば、それは倒すべき相手でしかない。
あるいは、捕虜にするか。
そういう意味では、俺がこうして連れていくというのはキブツの安全が保証されるという意味で決して間違ってはいないのだろう。
驚くキブツとガロウ・ランの男をそのままに、俺はサーバインに乗り込む。
片膝を突いた、いわゆる駐機姿勢の類ではなく直立している状態の為、普通ならコックピットに乗るような真似は出来ない……訳ではないが、難しいのは間違いない。
だが、それはあくまでも普通ならだ。
俺は空を飛び、そのままサーバインのコックピットに向かう。
俺が空を飛んだのを見て、再びキブツ達が驚きの声を上げていたが、それは気にしない。
ミ・フェラリオのように空を飛ぶ種族とは思えない俺が空を飛ぶのは、それこそ驚いても当然の事なのだから。
だからこそ、俺が空を飛ぶのを初めて見る者達からは、毎回驚きの声が上がる。
とはいえ、バイストン・ウェルの人間であってもオーラバトラーを含めたオーラマシンで空を飛ぶのは、もう珍しくはないんだが。
そんな驚きの声を聞きながら、俺はサーバインのコクピットに入って機体を起動させる。
相変わらず機体を起動させる度に大量の魔力を持っていかれるものの、その魔力の量は起動するごとに減っている。
それを考えれば、将来的には魔力消費なしで機体を起動させるようになる可能性も十分にあった。
「乗れ」
膝を突き、右手を地面に向けて伸ばし、外部スピーカーでそう告げる。
一応右手にもオーラショットとワイヤークローはあるのだが、基本的に多数の武器が内蔵されている複合兵装の方が、先制攻撃としては使いやすい。
弾切れになったら、最悪盾を捨てて身軽になるといったような事も出来るしな。
にしても、複合兵装の盾か。……グフ・カスタムが使っているガトリングシールドとか、再現出来たら面白いんだけどな。
そんな風に考えていると、キブツとガロウ・ランの男がサーバインの右手に乗るのが見えた。
そして右手に衝撃を与えないように、オーラコンバータを使って浮き上がる。
「どっちに行けばいい?」
『向こうです』
俺の問いに、キブツがそう告げる。
その言葉に従って、空を飛ぶ。
サーバインの移動速度なら、本来ならそこまで時間を掛けずとも目的の場所まで到着するのは難しくはないだろう。
だが、速度を出せば当然ながらサーバインの右手に乗っているキブツ達が落ちる可能性がある。
そう考えれば、やはり最大速度を出すなどといったような真似は出来ない。
そうして10分程空を飛んでいると……不意に映像モニタに数機のドラムロが映し出される。
不味いな。
アの国にいて、ドラムロを使っている以上、あれは間違いなくドレイク軍の者だろう。
キブツ達がいない状況ならともかく、こうしてキブツを連れている状況で出くわすというのは予想外だった。
……せめてもの救いは、ジェリルのような血の気の多い奴が乗っているレプラカーンの姿がない事か。
「ドレイク軍に見付かった。ちょっと話をするから、余計な真似はするなよ」
その言葉に、キブツは声を出さずに頷く。
この状況で自分が見つかればどうなるか、しっかりと把握しているのだろう。
とはいえ、俺のサーバインが普段飛んでいる速度よりも明らかに遅く飛んでおり、サーバインの手の中には明らかに人が2人いるというこの状況は、ドラムロのパイロットにとっても疑問を抱くには十分だろう。
事実、空を飛んでいた3機のドラムロは、進行方向を変えてこちらに向かって飛んでくる。
出来ればこのまま俺の存在に気が付かず、もしくは気が付いても赤いサーバインという、バイストン・ウェルに1機しか存在しないオーラバトラーである事から、そのまま放っておいてくれれば助かったのだが。
まぁ、来てしまったものはしょうがない。
それに考えようによっては、ドレイクに前もってある程度の事情を話しておいて、キブツをドレイク城に連れていった時に手続きを省略出来るという事でもあるし。
『失礼します。アクセル王でしょうか?』
ドラムロ隊との距離が近付いたところで、向こうからそう通信が送られてくる。
アクセル王か? と聞いてはいるものの、向こうもこの赤いサーバインという時点で俺だというのは認識していたのだろう。
あるいは、これがサーバインではなくドラムロやビランビー、バストール、レプラカーンといったオーラバトラーであれば、機体そのものはドレイク軍の物であってもパイロットはガロウ・ランやフラオン軍、もしくはドレイクに不満を持っている反乱分子……といった可能性もあるだろう。
だが、このサーバインは本当の意味で俺しか乗れないオーラバトラーだ。
それこそ、俺以外の者がサーバインに乗ろうとすれば、オーラ力を吸い取られて死んでしまってもおかしくはない。
俺だからこそ、このサーバインに乗れるのだ。
「ああ、俺だ。そっちは見回りか?」
『は。妙な集団を見たとの報告がありまして……』
あー……これはあれだな。
多分、その妙な集団というのは、キブツ達キッス家の面々で間違いない。
まぁ、30人程もいる集団が移動していれば、誰かに見られてもおかしくはない。
数人単位で移動していれば、見つからなかった可能性もあるが……それは俺の言い分か。
キブツにとっては全員で纏まって移動した方がいいと判断したのだろう。
実際、そのように集団で移動するのなら、戦力を集中することが出来たり、移動が楽になったりといった利点も多いし。
「そうか。それについては俺に任せろ。俺の関係だ」
『は?』
意表を突かれたような表情を浮かべる兵士。
自分達の探していた相手が、主君であるドレイクの盟友たる俺の関係だと言うのだから、そんな疑問を抱くのも当然だろう。
とはいえ、ここで隠しておいて、後でそれが発覚したりした場合は、それこそ向こうが俺を怪しむだろうし。
なら、ここで正直に言っておいた方がいい。
「フラオン軍の一員が、俺に対して降伏の意思を示した」
『っ!?』
フラオン軍と聞き、兵士の顔は意表を突かれたものから厳しいものへと変わる。
『本気ですか? フラオンは今まで散々お館様に逆らってきた相手ですよ? そのフラオンに味方をしていた者の降伏など……罠に決まっています』
「どうだろうな。フラオンに……正確にはギブン家に協力をしていたが、このままだと自分の家が潰れてしまうと、そう思ってもおかしくはないだろう?」
俺にしてみれば、家が云々といったのはあまり興味がない。
だが、それはあくまでも俺の価値観であり、それを重視する者がいるというのは理解出来る。
特にここはバイストン・ウェルというファンタジー世界で、貴族も普通に存在しているのだから、家の存続というのは大きな意味を持っていてもおかしくはない。
『それは……』
兵士も俺の言葉には思うところがあったのか、黙り込む。
「それでもお前達が心配なのは分かる。だから、これからドレイク城にいるドレイクに、俺がこれからキブツ・キッスを連れていくと言ってくれ。そこで、俺がキブツが裏切らないようにして降伏するという証拠を見せるから、と」
『……分かりました』
俺の言葉に頷く兵士。
兵士にしてみれば、家の件の事は十分に理解出来る。
しかし、同時にフラオンに従っていた人物を信用出来るかと言われれば、また微妙な思いもある。
そんな中で俺がドレイクに直接話をすると言えば、兵士にすれば納得するしか出来ない。
他にも、俺はドレイクと対等の同盟者だ。
そうである以上、俺に不満を言うということは、ドレイクに不満を言うのと同じ事だ。
実際には色々と違うのだが、兵士にしてみれば同じような事だろう。
「なら、行け。俺はキブツを連れて、ドレイク城に向かう。くれぐれも攻撃をしないようにしろ」
『は!』
兵士はそう言うと通信を切り、仲間のドラムロを率いてドレイク城の方に向かう。
「そんな訳で、取りあえず安心しろ。……意外なところで俺が本気でお前達の降伏を認めるという思いを見せられたな」
これで実は降伏を認めずにキブツ達を殺そうとした……としたような真似をしているとは思わないだろう。
あるいは、実はドレイクも協力してそんな事を考えているといった可能性は否定出来なかったりするが。
勿論俺はそんな事を考えてはいないのだが。
「とにかく、ボゾンの置いてある場所……そしてキッス家のいる場所に向かうぞ。案内をしてくれ」
そう言い、俺はサーバインに乗ったままキブツの指示する方向に向かって飛ぶのだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1560
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1680