転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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番外編190話 SEED FREEDOM編 第03話

「うわぁ……マジか……」

 

 現在俺はニーズヘッグに乗って生き残りのMSと共にいる。

 アスランと遭遇して案内され、一度撤退した形となったのだが……うん。

 色々な意味で衝撃的な展開だった。

 まず第1に、ファウンデーションが自国に自分達で核ミサイルを撃ったという事。

 しかもそれはロゴスの仕業、あるいはキラ達のせいという事になっていた。

 ファウンデーションが何を考えているのかは分からないが、自国に核ミサイルを撃ち込むというのは驚きだった。

 そして第2に、アークエンジェルも沈んだという事だった。

 正直なところそれを聞いた時、顔の血が引いた。

 俺にしてみれば、アークエンジェルというのは恋人のマリューが乗っているというイメージが強い。

 もっともシャドウミラーにおいてはミネルバと共に精霊の卵が量産して運用していたりするが。

 それにこの世界はSEED世界はSEED世界でも、俺の知っているSEED世界ではない。

 まだ確実ではないが、情報を集めた結果、俺が予想したようにシャドウミラーが介入しなかったSEED世界となる。

 多分だが、原作の世界……なんだろう。

 以前SEED世界に介入した時は原作知識があった筈だが、ペルソナ世界でニュクスと戦った結果、原作知識がなくなってしまったしな。

 ともあれ、現在俺達はファウンデーションからかなり離れた場所……何でもターミナルという組織が用意した隠れ家にいた。

 勿論、隠れ家とはいえ、戦艦の類はないものの、MSは多数あるのでかなり大きな基地だ。

 そんな中、当然ながら俺の乗っているニーズヘッグは他の面々に警戒されていた。

 ……いやまぁ、キラやギャンを倒したしな。

 ちなみにそのギャンのパイロットだが、コンパスとかいうザフトでも連合でもオーブでもない組織に所属しているMSだった。

 で、キラやシンといった面々も、今はそのコンパスとやらに所属しているらしい。

 なら、何でギャンのパイロットがキラを狙おうとしたのか……それは生憎と俺にも分からない。

 取りあえず今は捕らえられて軟禁されているらしい。

 で、その女とキラの件もあり……そして何より、ニーズヘッグは小型の機体ではあるが、バリオン創出ヘイロウやヒュドラ、尻尾といったようにラスボス……いや、裏ボスや隠しボスといったような存在感を出している。

 そんな機体がいきなり現れたのだから、それに警戒するなというのは分かる。

 だからこそ今もシンが乗っているジャスティスや他のMS……驚いた事に、ギャン以外にゲルググの姿もあったのだが、そんなMS達に警戒されていた。

 何でこの世界でザクやグフ、ドム、ギャン、ゲルググ、ズゴッグがあるんだろうな?

 まぁ、ガンダム系の世界だからと言われれば、それも納得するしかないが。

 

『アクセルだったか? MSから降りてくれ。言うまでもないと思うが、迂闊な行動はしないで欲しい』

 

 アスランの乗っているズゴッグから、外部スピーカーでそんな声が聞こえてくる。

 通信じゃなくて外部スピーカーなのは、格納庫にいる面々に対しても状況を知らせる為だろう。

 俺はそれを聞いて、あっさりとニーズヘッグのコックピットを開く。

 普通ならある程度は警戒してもおかしくはないのだろう。

 ここにいる戦力はコンパスとターミナルの2つの組織の戦力だが、その2つの組織はかなり強い協力関係にある。

 そんな2つの勢力は、ブラックナイツに……いや、正確にはそのブラックナイツが所属するファウンデーションに、いいように嵌められてしまったのだ。

 だからこそ、この倉庫にいる者達の中には冷静ではない者も多い。

 もし俺が何か変な動きをしたら、即座に殺しに来てもおかしくはないと思える程に。

 だが……それでも俺はその辺を気にしない。

 この世界は科学の世界なのだから。

 いやまぁ、ブラックナイツの中には稚拙ながらも精神干渉をするといった能力の持ち主もいたから、科学と超能力の世界と評すべきなのかもしれないが。

 ただ、超能力はまだまだ発展途上……というか、まだ生まれたばかりといった感じだし、その超能力者もファウンデーションにしかいない。

 しかも超能力……俺のステータス的な感じでは、恐らくブラックナイツの面々も念動力レベル1といったところか。

 あるいは1にすらも到達していない可能性があるな。

 そのような場所だけに、生身の俺にダメージを与えられる存在はまずいない。

 この倉庫には、とてもではないがいないのは間違いなかった。

 けど、そうだな。なら、軽いデモンストレーションでも見せてやるか。

 そう判断し、ニーズヘッグのコックピットから跳び降りる。

 

「きゃああああああっ!」

 

 誰かの叫ぶ声。

 無理もない。

 乗降ワイヤーとかそういうのを使わないで跳んだしな。

 普通に考えれば自殺でしかない。

 だが……そんな悲鳴はやがてどよめきに代わる。

 コックピットから跳んだ俺が地上に落ちる速度が明らかに遅かった……それこそ飛んでいるようにしか見えなかったからだろう。

 いや、実際に飛んでるんだけどな。

 そんな感じで俺が地面に着地すると、見覚えのある男……ただし、俺が知っているのと比べると顔に幾つか大きな傷跡のあるムウが近付いてくる。

 それを見れば、俺が予想していた俺の予想……ここがシャドウミラーの関与したSEED世界ではなく、原作の世界であるというのは理解出来た。

 ただし、このムウは俺の知っているムウよりも明らかに年上だ。

 これは俺の知っているムウはシャドミラーに所属する大きなメリットである、時の指輪の受信機を持っており、不老になっているからだろう。

 

「おいおいおいおい、お前さん、一体今何をしたんだよ!?」

 

 ムウもブラックナイツとの戦いで疲れはいるのだろうが、俺の行動に驚きを露わにしているその様子からは、とても疲れているようには思えない。

 もっとも、疲れてはいても未知の存在である俺を前に、疲れを見せたりは出来ないのだろうが。

 

「何って、空を飛んだだけだろう? そんなに驚くような事か?」

 

 ムウが驚いているのを理解しながらも、何でもないかのように言う。

 俺という存在について、強烈な印象を残す為には必要な事だった。

 ムウと話しながらも周囲の状況を確認すると……拳銃や突撃銃、狙撃銃を持った兵士達が俺を狙っていたのだが、そのような兵士達も完全に動きを止めていた。

 そのような兵士を用意した件については、不満はない。

 いやまぁ、物理攻撃では俺にダメージを与えられないからというのもあるが、ムウ達の立場としては、恐らくコンパスにとって最強の戦力であるキラを倒すことが出来た俺という存在を警戒しない訳にはいかなかったのだろうし。

 とはいえ、あの時のキラはブラックナイツの精神干渉によって決して万全の状態ではなかった。

 キラが万全の状態であれば、俺ももう少し苦戦はしていたと思う。

 ギャンのパイロットは……まぁ、うん。そこそこの技量ではあるけど、以前会った訳でもないので、俺からはそこそこのパイロットとしか表現出来ない。

 実働班は勿論、精霊の卵のパイロットと戦っても勝つのは難しい、そんなくらいの実力だろう。

 

「飛ぶって……お前さん、一体……」

「それを答える前に、ちょっといいか?」

 

 ムウの言葉にそう返し、俺はニーズヘッグに近付いていく。

 これで俺がここにあるニーズヘッグ以外のMSに近付いたりすれば、呆然としている兵士達も武器を構え直したのかもしれないが、近付いたのがニーズヘッグ……俺の機体である為か、特に何も反応はない。

 俺の行動で我に返った兵士とかもいたりはしたが。

 俺はニーズヘッグに触れると、次の瞬間ニーズヘッグは空間倉庫に収納され、その姿を消す。

 

「……何が……?」

 

 全く理解出来ないといった様子で呟くムウ。

 先程俺が飛んだ時も驚いた様子だったが、ニーズヘッグが……MSに比べれば小型とはいえ、その姿が消えたのを見て、全く理解出来ないといった呆然とした様子を見せていた。

 

「さて、俺が誰かだったな。……そうだな、今のを見て貰った通り、俺は特殊能力とか魔法とかそういうのが使える。で、その正体はお前達とは違う世界に介入した異世界の国家、シャドウミラー。それを率いる者だ」

 

 そんな俺の言葉が、格納庫に響き渡るのだった。

 

 

 

 

 

「どうぞ」

 

 そう言い、赤いショートカットの女……俺が知ってるのに比べると随分と大人になっているが、ルナマリアが俺の前に紅茶を置く。

 現在俺がいるのは、会議室。

 そこでマリューやムウ、キラ、アスラン、シン、他にも何人かの面々と共向かい合って座っていた。

 ルナマリアはそのまま部屋を出るのではなく、メイリンだったか? 妹の隣に座る。

 ルナマリアの用意した紅茶は……まぁ、毒とかそういうのが入ってる訳でもないっぽい。

 いやまぁ、もし普通に毒が入っていたとしても、魔力的な毒とかそういうのでない限り俺には効果はないんだが。

 そうして俺が紅茶を一口飲んだのを見て、マリューが少しだけ驚く。

 ……というか、マリューとムウの間が近いというのは……多分、この世界というか原作の世界では、ムウはマリューとくっついたんだろうな。

 俺の知っているムウとは偉い違いだ。

 もっとも、俺の世界のムウとこの世界のムウのどちらが偉いのかというのは、また別の話だが。

 

「さて、じゃあ……一体何から話せばいいのかしら? 正直なところ、アクセルさんが異世界から来たというのを聞いて、どう反応すればいいのか迷っているというのが正直なところです」

 

 そう言うマリューの顔には疲れがある。

 無理もないか。

 話を聞く限り、ファウンデーションとは当初協力関係にあったのに、実はそれは罠でブラックナイツによってボコボコにされたのだから。

 とはいえ、キラを始めとするコンパスがブラックナイツより弱かったという訳ではないと思う。

 まず、ブラックナイツが罠を仕掛けた。

 この時点でコンパスの部隊は後手に回ってしまう。

 そしてコンパスにおいて、恐らくは最高戦力のキラがブラックナイツの精神干渉によってまともな状態ではなくなった。

 それでもある程度の強さは残していたものの、万全の状態とは程遠かったのだろうというのは、実際に戦った俺が理解している。

 あるいは戦闘が始まる前から、ブラックナイツが何らかの干渉をキラにしていたのかもしれないな。

 ブラックナイツにしてみれば、キラはコンパスの最大戦力だ。

 前もって対処しておくのは不思議な話ではない。

 とにかくそんな訳で、キラが万全の状態ではなかったというのは大きいだろう。

 そして次に、ブラックナイツが使っていたMSのビームを無力化する……ラミネート装甲とはまた違う装甲。

 それに対して、コンパス側の主力武器はビーム兵器だったというのが、この場合は痛い。

 一応キラの乗っていたMSのように、レールガンとかの実弾兵器もあったが、それでもかなり数は少なく、対処出来なかった。

 ニーズヘッグのヒュドラのビーム砲も防がれたのには、ちょっと驚いたしな。

 もっとも、精神コマンドの直撃を使うとあっさりと対処出来たが。

 また、ニーズヘッグの武器にはビーム砲だけではなく重力波砲の類もある。

 このSEED世界ではまだ全然発展していない重力波砲の類であれば、ブラックナイツのMSの装甲でも防げないだろう。

 それ以外にも、エナジーウィングを使って刃状に固定したエネルギーを無数に放つ攻撃は……どうだろうな。

 

「アクセルさん、どうかしましたか?」

「いや、ブラックナイツだったか? あの連中のMSがビームを防いだのは、ラミネート装甲とはまた違う技術なんだと思ってな」

「ラミネート装甲を知ってるの? 異世界から来た貴方が?」

「ああ。というか、見て分からなかったのか? 俺の乗っていたニーズヘッグ……あれに使われている装甲も、一応分類としてはPS装甲になるんだぞ?」

 

 実際にはW世界のガンダニュウム合金を使って作ったT-LINKフレームなので、既にPS装甲と呼んでもいいのかどうかは微妙なところだが。

 

「何故、異世界からきた貴方がラミネート装甲やPS装甲について知っているのですか?」

 

 うーん、他人行儀。

 いやまぁ、このマリューにしてみれば俺は間違いなく見ず知らずの他人……どころか、異世界人を名乗る怪しい存在でしかないしな。

 

「俺が異世界の存在だと言っただろう。うちの国家……シャドウミラーは今ここに俺が来たように、異世界に転移する能力がある。そして以前俺が転移された場所……そこは、ヘリオポリスで、ちょうどザフトの襲撃によってマリュー達が開発したガンダム……いや、この世界だとガンダムと呼んでいるのはキラだけで、正確にはG兵器だったか? それを奪われるところだった訳だ」

 

 そう言う俺の言葉に、話を聞いていた者達……特にあの場に実際にいた、マリュー、キラ、アスラン……後は現場にはいなかったがヘリオポリスの外でクルーゼと戦っていたムウは、信じられないといった表情を浮かべるのだった。

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