転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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番外編194話 SEED FREEDOM編 第07話

「皆、よく無事で……」

 

 そうエリカが言う。

 その目には驚きと嬉しさが入り交じっていた。

 結局マリューとエリカは無事に連絡を取れ、それでやり取りをした結果ここは間違いなくオーブで、幻影でも何でもないとマリューは判断した。

 そうして俺達がいたターミナルの基地には必要最小限の人員だけを残し、残りは俺の影のゲートを使ってこうして一気にオーブまで戻ってきた訳だ。

 ちなみに基地にあったMSとか戦艦とかそういうのは俺が空間倉庫に収納して持ってきた。

 そうして戻ってきた俺達を見て、エリカは……それにエリカの部下、というか仲間も嬉しそうな様子を見せていた訳だ。

 こうしている時間もないだろう。

 そう思ったが、そもそもコンパスの基地での俺が自分の事について話したり、SEED世界でどういう風になったのかといった話をしていたので、そんな事を言える筈もない。

 なので、俺はキラから借りたスマホを使い、情報収集をしていく。

 それによると、どうやらファウンデーションの連中は宇宙に脱出し、月に向かったらしい。

 この世界でも月にはそれなりの月面都市があるから、そういう意味ではおかしくないのか?

 他には……何だか大西洋連邦の報道官がコンパスを責めるような声明を発表してるな。

 

「あの……少しいいかしら?」

 

 ネットで情報収集をしていると、エリカが俺に向かって声を掛けてくる。

 マリューを始めとした面々とのやり取りは無事もう終わったらしい。

 

「どうした?」

「……少し信じられないのだけれど、貴方がMSを持っていると、そう聞いたのだけど」

 

 半信半疑……いや、1信9疑といった感じで尋ねてくるエリカ。

 影のゲートでやって来た面々から話を聞いていなければ、とてもではないが俺の空間倉庫については信じていなかっただろう。

 

「ああ、本当だ。格納庫に案内して貰えれば、そこに出してもいいぞ」

「……それは……いえ、分かったわ。今はそういう事を考えている暇はないしね」

 

 格納庫に案内するように言った俺に対し、エリカは少し悩んだ末にそう許可を出す。

 なるほど、普通なら格納庫というのはそう簡単に見せていい場所ではない。

 そこに見ず知らずの俺を通してもいいのかどうか迷った様子だったが、それでも今の状況ではそれも仕方がないと判断したのだろう。

 俺を連れて、格納庫まで案内する。

 ……何故そうなったのかは分からないが、マリューを始めとした面々も俺達と一緒に格納庫まで移動する。

 いやまぁ、それが駄目って訳じゃないんだけどな。

 ただ、それはそれでどうかと思わないでもない。

 そんな訳で格納庫に到着すると、キラ乗っていたフリーダムの系列機……の残骸だったり、シンが乗っていたジャスティスの系列機とか、ゲルググとかギャンとかズゴックとか、その他諸々ターミナルの基地から持ってきた物を取り出す。

 最初に俺がフリーダムの系列機の残骸を取り出した時は、エリカの目は驚愕に歪んでいた。

 まぁ、それも無理はないと思う。

 エリカにとって……いや、オーブの人間にとって、キラというのは最強の象徴に近い。

 そんなキラが乗っていたMSがここまでボロボロにされたのだから、エリカの……もしくはエリカと一緒にマリュー達を出迎えた面々が驚愕するのはおかしな話ではない。

 とはいえ、それはあくまでもこの世界での事だ。

 シャドウミラーの実働班には、キラがSEEDを発現させても勝てない者は多数いる。

それこそ、シャドウミラーのイザークは、キラと戦っても完封に近い勝ち方が出来てもおかしくはなかった。

 もしくは、キラと組むというので思い浮かぶのはアスランだが、イザークとオウカのコンビを相手にした場合、勝つのは非常に難しいだろう。

 

「よし、これで全部だな。……後は、ゲートを設置する場所を決めて欲しいんだが。ゲートを設置すれば、シャドウミラーの面々を戦力として呼ぶ事も出来るだろうし」

 

 そう言うと、エリカは難しい表情を浮かべる。

 

「話は聞いてるわ。けど、そういう重要な事は、さすがに私だけの判断で決められないのよ。上に連絡をしてるから……」

「構わん、私が許す!」

 

 エリカが最後まで言うよりも前に、格納庫に声が……聞き覚えのある声が響く。

 声のした方に視線を向けると、そこにいたのは予想通りカガリだった。

 オーブを率いる立場にいるカガリだが、どうやらキラ達が無事に戻ってきたという話に、いてもたってもいられなくなってここまで来たらしい。

 ……なるほど。キラを始めとして俺の知っている面々は以前と比べて大人っぽくなっているが、カガリもまたそれは同じらしい。

 とはいえ、以前の……俺の知っているカガリと違うのは、以前は国の代表でもないのにガーガー喚いているのではなく、今は国の代表としてゲートを設置する許可を出したのだから、成長してるよな。

 この辺は、多分だがSEED世界のカガリよりも大人になっているんじゃないかと思う。

 この辺はウズミがまだ生きているかどうかの違いだろう。

 ウズミが生きているSEED世界のカガリは、順調に……だが、それでもゆっくりと成長はしているものの、この世界ではウズミが死んだので、それによってカガリがオーブを引っ張る事になり、それによって急成長したのかもしれないな。

 

「カガリか」

「お前がアクセルか。……話は聞いている」

 

 当然ながら、俺の件についてはカガリについても報告は上がっていたのだろう。

 あっさりとそう言ってくる。

 俺についての情報を何も知らなければ、それこそゲートの設置を許可をするとか、そういう風には言えないしな。

 

「感謝する。それで、ゲートの設置は具体的にどこにすればいい? SEED世界……この世界とは違って俺達が関与した世界のオーブに設置した場所と同じでいいか?」

「構わん」

 

 へぇ。

 それはちょっと意外だったな。

 てっきりもう少しこう……どこにゲートを設置するのか迷うかと思ったんだが。

 

「分かった。なら……そうだな。誰か一緒に来てくれ。ゲートを設置するにしろ、見ておいて貰った方がいいだろ」

「ムウ、お願い出来る?」

 

 俺の言葉にマリューがムウに頼む。

 

「え? 俺が行くのか?」

「ええ。本当なら私が行きたいところだけど……こっちはこっちで、色々と話し合いをしないといけないでしょう?」

 

 マリューの言葉に、ムウは仕方がないかと頷く。

 マリューはコンパスの中でも幹部というか、ラクスに次ぐ地位だ。

 いや、もう少し下なのか?

 とにかく今ここにいる中では間違いなくトップの地位にいる。

 だが、ムウは……一般の兵士といった訳ではないが、それでもマリューと比べるとどうしても地位は低い。

 そうなれば、ムウがゲートの設置に参加するのは当然といった事なのだろう。

 

「待ってくれ、俺も行く」

 

 そう口を挟んできたのは、アスラン。

 これはちょっと意外だったが……まぁ、アスランはコンパス所属ではなく、ターミナル所属だ。

 正確には所属ではなく出向なのだが。

 

「構わないかしら?」

「アスランの方に問題がなければ、それでいい」

 

 マリューの言葉にそう返す。

 実際、ゲートを設置してホワイトスターと繋げるだけなのだから、それを見ている者が何人いても、俺としては構わない。

 そんな訳で、俺、ムウ、アスランの3人でゲートを設置しに向かうのだった。

 

 

 

 

 

「よし、ここだな。一応少し離れてくれ」

 

 ゲートの設置場所まで移動すると、ムウとアスランにそう声を掛けてから空間倉庫からゲートを取り出す。

 

「うおっ!」

「なっ!?」

 

 ムウとアスランはいきなり現れたゲートに驚きの声を発するものの、俺はそれをスルーしてゲートを起動する。

 コンテナ状のゲートは、パタパタと開いて展開していき……やがてゲートとしてのシステムを起動させ、ホワイトスターと繋げる。

 今まで他の世界では何度かこの状態でホワイトスターに繋がらないといった事もあったのだが、今回は特に何の問題もなく繋がった。

 

『アクセル? どこにいるの? レモンからはSEED世界に行ったと聞いてるのに……あら?』

 

 空中に浮かぶ映像スクリーンに映し出されたのは、マリュー。

 その言葉からして、どうやらレモンからアギュイエウスの改良後のテストで俺がSEED世界に転移したと聞いていたのに、何故か俺がSEED世界にいなかった事に気が付き、こうして俺が他の世界に転移した後で連絡をしてくるのを待っていたという事だろう。

 ちなみに最後の疑問の声は、俺と一緒にムウとアスランが向こうの映像スクリーンに映し出されているからだろう。

 

『ムウと……アスラン? どういう事? SEED世界にはいなかったのよね? それにムウは今日実働班の訓練の筈……いえ、そこにいるのはムウなの? 顔に傷が……それに私が知ってるムウやアスランとは、随分と年上のように思えるんだけど』

 

 そう言い、ムウとアスランの方を見るマリュー。

 ちなみにムウとアスランの方も、自分を見ている……自分が知っているようで知らないマリューの姿に声も出せない程に驚きの表情を浮かべていた。

 ムウもアスランも、俺から話を聞いて、SEED世界においては俺がマリューと付き合っているというのは知っている筈だ。

 だが、それでもこうして目の前で実際にその証拠と呼ぶべき光景を見せられれば、それに驚くなという方が無理だった。

 

「どうやら、アギュイエウスが妙な反応をしたようでな。こっちの世界も一応SEED世界と言えばSEED世界なんだが、どうやらヘリオポリスが襲撃された時に俺が介入しなかった世界になるらしい」

『あら……つまり、SEED世界の並行世界、パラレルワールドといったところになるのかしら?』

「俺達にしてみればそんな感じだな。で、当然の如く俺がこの世界に転移してきて騒動に巻き込まれて、それを一段落……って訳じゃないが、取りあえず落ち着いたところで一度オーブにやってきて、ゲートを設置している」

『あら……また、不思議な状況になってるわね』

「不思議なというか、面白い状況といった表現が正しいけどな。取りあえず後でSEED世界出身者は集めて、こっちの世界に来させて見ても面白いかもしれないな」

『悪趣味じゃない?』

「いや、そうでもないと思うぞ。多分、喜んでくれる者も多いと思う」

 

 実際、スティング、アウル、ステラが生きていると知った時、ムウはもの凄く驚いていたし。

 シンもステラの名前には強く反応していた。

 他にもこの世界のマリューはナタルに会ったりしたいだろうし、シンやルナマリア、メイリンも同期のレイに会ったりしたい筈だ。

 他にも色々とあるのは間違いないので、これからファウンデーションと戦う上で士気を上げるというのは悪くない選択だと思う。

 

『まぁ、その辺は後で詳しい話を聞くとして……トラブルと言っていたけど、戦力が必要かしら?』

「ああ、久しぶりに実働班の出撃だ。精霊の卵と無人機も当然ながらな」

『そこまでする必要があるの?』

「折角の機会だしな。それにこの世界では何故かギャン、ゲルググ、ズゴックなんかも開発されてるぞ。そういうのを貰う為の条件として戦力を提供するという事になっている」

『……ザク、グフ、ドムでも驚いたけど、ギャンにゲルググ、ズゴック? 一体何がどうなってそうなっているのかしら?』

「さぁ? 取りあえず俺はガンダムのある世界だからという事で納得してるけどな」

 

 なら、この世界のジンとかシグーとかゲイツとか、そういうのはUC世界に出ないのかといった疑問もあるが。

 あ、でもナスカ級はルナ・ジオン軍の主力艦になってるな。

 ただ、ナスカ級はあくまでもシャドウミラーで手を回した結果なので、今回の件はちょっと違うか。

 

『取りあえず話は分かったわ。まずは私がそっちに行ってみた方がいいわね。……そっちの私はどんな感じ?』

「そうだな、苦労してるような感じだ」

『あら。……自分で言うのもなんだけど、私はどこに行ってもそんな感じなのね。取りあえず他の人達にも連絡をするから、待っていてくれる? アクセルが無事だって知らせないといけないし』

「分かった、頼む」

 

 そうして通信が一度切れる。

 

「ちょ……おい、アクセル。一体どういう事だよ!?」

 

 通信が切れると同時に、ムウが俺に向かって掴みかかるようにして聞いてくるのだが……一体何について言ってるのか、分からない。

 

「何がだ?」

「いや、今のマリューだよ! あのマリュー……何だか随分と若かったぞ!? それこそヘリオポリスで会った時のマリューくらいの年齢だ!」

 

 ああ。なるほど。

 何を驚いているのかと思ったら、そんな事か。

 

「シャドウミラーに所属する者の中で、希望者は不老になれるからな。マリューも当然ながらその恩恵を受けている」

「マジか……不老……それって、人類にとって夢の1つだろ? ……ん? ちょっと待て。それじゃあそっちの世界の俺も?」

「ヘリオポリスの時のままだな」

 

 実際にはヘリオポリスの一件があってからシャドウミラーに所属して時の指輪やその受信機を身に付けるまではそれなりにあったのだが……その件については、取りあえず黙っておく事にするのだった。

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