転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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4496話

「で? 緑谷がそっちのメリッサだっけ? その女とイチャついているのを見せられて、それで俺にどうしろと? いっそ、そういうのは瀬呂に任せた方がいいと思うけどな」

「おい、アクセル!? 何でそこで俺に話を振るんだよ!?」

 

 瀬呂がとんでもないといった様子で俺に向かって叫ぶ。

 いやまぁ、そんな瀬呂の気持ちも分からないではないけどな。

 ここで緑谷と麗日の……麗日さんの痴話喧嘩に巻き込まれるような事があったら、洒落にならないし。

 

「いやいや、こういうのは瀬呂の役目だろ?」

「おい、こら。何でそこで俺の役目になるんだよ。こういうのは、それこそアクセルの出番だろ。女関係はアクセルの専門なんだから」

「それこそ、おい、こらと言いたくなるんだが? 勝手に俺をそういうのの専門にしないでくれ」

 

 そう言うと、瀬呂は勿論他の女達からもジト目を中心とした視線を向けられる。

 あれ? 何でここでそんな風になる?

 いやまぁ、勿論俺はホワイトスターには恋人が20人近くもいるし、そういう意味ではこういうのの専門家と言われてもおかしくはない。

 だが、それはあくまでもその辺りの事情について知っている者がいたらの話だ。

 俺の秘密について知っているのは龍子を含めて少数だけで、この場にいる面々でその辺りの事情を知っている者はいない。

 なら、何故こういう事で俺に話を振られるのか。

 ……そう思ったが、他の面々の視線に押されるようにしながら、俺は口を開く。

 

「えっと……麗日と緑谷は友達なんだから、緑谷がメリッサとそういう関係になっても問題はない……訳じゃないよな、うん」

 

 話の途中で麗日が俺に視線を向けてきたので、慌てて話を逸らす。

 実際には、別に緑谷と麗日は付き合っている訳ではない。

 恐らくは麗日は原作ヒロインなので、最終的には緑谷とくっつくは思うんだが、今はまだそういう関係ではない。

 であれば、緑谷がメリッサとイチャついていてもおかしくはない。

 というか、それこそ原作的な流れを考えた場合、緑谷がファンのオールマイトの知り合いの娘となると、メリッサもヒロインの1人であってもおかしくないとは思う。

 あれ? そうなると、ここからラブコメ的な意味での三角関係になるのか?

 もしくは、この先もヒロインが新たに追加する事によって、四角関係、五角関係といったように緑谷のヒロインが増えていくのかもしれないな。

 もっとも、緑谷の性格を考えればハーレムを作るといった事はまずない。

 であれば、やはり最終的にはヒロインを1人選び……それが恐らくは麗日なのだろう。

 勿論これはあくまでも俺の予想でしかない。

 緑谷が最初に会ったのが麗日だからという程度の。

 だから、もしかしたらメリッサが最終的には緑谷とくっつくかもしれないという可能性も十分にある訳だ。

 

「とにかく、緑谷がメリッサと仲が良いのは分かったけど、麗日の事も構ってやるのを忘れないように」

「なぁっ!? アクセル君、一体いきなり何を……」

 

 俺の言葉を聞いた麗日さんが、麗日に戻る。

 どうやら照れ臭くなったのもあってか、麗日さんではいられなくなってしまったらしい。

 とはいえ、俺にしてみればそっちの方がやりやすいので助かったのは間違いないが。

 

「えっと……? どういう事?」

「何でもないんよ、デク君。アクセル君の言う事は気にせんといて」

 

 俺の言葉の意味が理解出来ないといった様子の緑谷に対し、麗日は話を誤魔化そうとする。

 取りあえず緑谷のメリッサとラブラブ事件……あるいは浮気未遂事件は無事に終わりを遂げたので、後は気にしないようにする。

 

「じゃあ、話は一段落したところで……」

「してないんですけど!?」

「一段落したところで、これからどうするかだな」

 

 麗日の言葉をスルーし、そう他の面々に尋ねる。

 そんな俺の様子に麗日はまた何かを言おうとした様子だったが、茨がその耳元で何かを囁くと、それ以上は何も言う様子はなかった

 茨、一体何を言ったんだろうな?

 まぁ、麗日が薄らと頬を赤く染めた上で黙り込んだのを見る限りだと、何を言ったのかは何となく……本当に何となくだが予想は出来るが。

 

「じゃあ、私が案内しましょうか?」

 

 そんな麗日とは違い、こちらは特に何も気にした様子がなくメリッサがそう聞いてくる。

 この様子からすると、メリッサには緑谷に対して思うところがないんだろう。

 それはメリッサが緑谷を嫌っているとかそういうことではなく、緑谷をそういう対象として見ていないと、そういう事だ。

 緑谷にしてみれば、嬉しいやら悲しいやら、複雑な思いを抱いているといったところか。

 まぁ、その辺は俺達にはあまり関係ないので、メリッサの言葉に素直に頷く。

 

「そうしてくれると助かるけど、いいのか?」

「いいのよ。マイトおじさまから聞いたわ。皆、マイトおじさまの生徒なんでしょう?」

「あ、いや。私と茨は別のクラスかな」

 

 メリッサに対し、拳藤がそう言うが……

 

「一佳達も、オールマイトが教えてるんだから、生徒でいいんじゃない? 私達だって別にオールマイトが担任って訳じゃなくて、担任は相澤先生だもん」

 

 三奈が、そう言う。

 実際、三奈のその言葉は決して間違ってはいない。

 俺はこの世界に原作があると知っていて、緑谷が原作主人公で、オールマイトが原作でも緑谷と何らかの関係があるから、オールマイトがA組によく顔を出すといったように認識しているが、別にオールマイトはA組だけじゃなくて、B組でも授業を受け持っている。

 

「そう言われれば、そうかもしれないな」

「ふふっ、仲が良いようで何よりね。さ、とにかくサポートアイテムの案内をするから、行きましょう」

 

 そう言い、メリッサは俺達を連れて色々な場所を見て回る。

 このI・アイランドで暮らしているだけあってか、メリッサはサポートアイテムについてはかなり詳しかった。

 うーん……有能。

 本人は謙遜していたが、多分既に一人前となるだけの実力を持っていると思う。

 とはいえ、それを本人に言っても謙遜していたが。

 ……いや、謙遜じゃないな。

 メリッサの父親は、オールマイトの相棒だった男だ。

 つまりオールマイトのサポートアイテムを作っていた人物で、そうなると名実共にNo.1……いや、オールマイトはあくまでも日本のプロヒーローなので、微妙に違うか? とにかくそんな感じで、自分の父親という上澄み中の上澄みを知っているだけに、自分が一人前であると認めることは出来ないのだろう。

 父親が偉大なだけに、その辺は仕方がないのかもしれない。

 ともあれ、メリッサが気楽に話し掛けてくる性格……いわゆるコミュ強と呼ばれる類の人物だけに、サポートアイテムについての説明を聞いている間に自然と女達とメリッサは仲良くなっていった。

 勿論女達だけではなく、男も同様だ。

 特に瀬呂はメリッサがかなり好みだったのか、何とか仲良くしているように見えた。

 ……もっとも、瀬呂も絶対にメリッサと付き合いたいといった訳ではなく、あくまでも付き合えたらラッキーといった程度のようだったが。

 まぁ、無理もない。

 メリッサは金髪美人と称するのに相応しいし、眼鏡を掛けているのもあって知的にも見える。

 いや、見えるんじゃなくて実際に知的なのか。

 話を聞く限りだと、既に相応の成果を残しているようだし。

 そんなメリッサだったが……他の女達が瀬呂の狙いを知ってか知らずか、何気に瀬呂の邪魔をしているように思える。

 そんな感じでサポートアイテムを見ていると、やがてそれも一段落して喫茶店で休憩する事になったのだが……

 

「ぐぬぬぬぬ……」

 

 何故かその喫茶店には峰田がいて、いつもの如く血の涙を流しながら俺を睨んでいた。

 あるいは、これで峰田が普通にいるだけなら、俺達と同じくI・アイランドに観光で来たのだろうと納得するが、その服装は喫茶店の制服だ。つまり……

 

「バイトか?」

 

 峰田の血の涙をスルーし、そう呟く。

 すると峰田の相棒と呼ぶべき上鳴が、同じく制服を着てこちらにやって来て頷く。

 

「正解。I・アイランドに何とかして来たかった中で、何とかここのバイトを見つけて潜り込んだんだ」

「上鳴はともかく、よく峰田が合格したね」

 

 耳郎が呆れつつ、そんな風に言う。

 とはいえ、それについては俺も同感だ。

 上鳴は女好きではあるしチャラい性格をしているものの、それでも客商売にそれなりに向いている。

 だが、峰田の場合は性欲が強すぎて、いつ暴走してもおかしくはない。

 それこそ喫茶店に来た客に言い寄ったりしてもおかしくはないのだ。

 ……さすが、爆豪と並んでA組のアレな奴の1人。

 ま、それ以外にも個性の影響……かどうかは分からないが、背が小さすぎるというのもある。

 つまり、注文の品をテーブルまで持っていくのに時間が掛かるし、テーブルの上に置くのも、かなり難しい。

 喫茶店としては、峰田を雇うのは自殺行為でしかないような気がする。

 そうなると、峰田がバイトで雇われたのは……やっぱり雄英のヒーロー科の生徒だからというのが大きいのか?

 雄英のヒーロー科というのは、日本最高のヒーロー科だ。

 その生徒であれば、間違いなく優秀な訳で。

 実際、峰田はテストの成績も悪くないし、個性もサポート型ではあるが、かなり有用だ。

 ステインの一件で炎に弱いという弱点が発覚したものの、それはつまり炎以外なら問題がないという事を意味して……意味して……うーん、どうなだろうな。

 多分だけど、炎以外にも雷とかそういうのにも弱いと思うんだよな。

 その辺は、今度上鳴辺りに試して貰う必要があるだろうけど。

 とにかくバイトの採用を決めた人物は、恐らく雄英のヒーロー科の生徒という事で決めたんだとは思うが、峰田は優秀なのは間違いないけど、性格的にはかなり問題がある。

 バイト中に色々とやらかさないといいんだが。

 もっとも、そのような時は上鳴が相棒としてフォローするだろう。

 

「まぁ、バイトしてる理由については分かった。で、取りあえず注文だが……俺はI・アイランド限定の紅茶と、同じく限定の……ショートケーキ、エクレア、ミルクレープを頼む」

 

 上鳴に注文した途端、女達から鋭い……それでいて嫉妬混じりの視線が向けられる。

 いやまぁ、そういう視線を向けてくる理由は分からないでもないけどな。

 ケーキの類は美味いけど、当然ながらカロリーが凄い。

 そんな中でケーキを3つも注文したのだから、女達に羨ましがられても仕方がない。

 

「私もアクセルさんと同じく限定の紅茶と、シュークリーム、チョコケーキ、ドーナッツをお願いしますわ」

 

 そんな中、ヤオモモがそう注文する。

 まぁ、ヤオモモの場合は個性を使うのにカロリーを使うしな。

 それだけに、ヤオモモはダイエットとかそういうのを考えなくてもいい。

 勿論、個性を使わなければ摂取したカロリーは身体に残る訳だし。

 とはいえ、それはあくまで個性を使わない場合での話でしかなく、個性を使えばカロリーは消費する。

 ヤオモモの個性はダイエット向けであるのは間違いない、

 

「ヤオモモ……」

 

 葉隠が羨ましそうに言う。

 とはいえ、葉隠は個性によって透明なので……いや、でも透明でも服を着ているし、それを思えばダイエットとかに興味を持っていてもおかしくはないのか。

 

「えっと……その……この店のケーキは美味しいから、食べすぎはどうかと思うけど、注文してみたらどうかしら?」

 

 メリッサがそう言う。

 この店を選んだのはメリッサだったが、ケーキが美味いからというのも理由なのだろう。

 そういう店でもなければ、バイトを募集したりしないだろうしな。

 

「じゃあ、私はクレープ」

「イチゴパフェ」

「バナナパフェ」

 

 メリッサの言葉に、他の面々がそれぞれに注文していく。

 すると上鳴と峰田は注文を取っていく。

 そうして注文をすると、峰田と上鳴は厨房に向かう。

 

「それにしても、こういうオープンカフェってのもいいよな」

 

 俺達が現在いるのは喫茶店だが、店内ではなく店外だ。

 いわゆる、オープンカフェって奴だな。

 今日は晴れているのもあってか、俺達以外にも多くの者達がオープンカフェを楽しんでいる。

 曇りだったり、雨だったりすればオープンカフェ向きではない。

 だが、こうして晴れであれば、オープンカフェは丁度いい。

 もっとも、I・アイランド特有の技術力を使って、それによりオープンカフェを快適に楽しめるようになっているのかもしれないな。

 

「そうですね。アクセルさんがいるお陰で、私も快適で楽しい気持ちです」

 

 いつの間にか俺の近くに座っていた茨が、俺に向かってそう言ってくる。

 

「I・アイランド、茨にとっても悪くなかったんじゃないか? サポートアイテムは茨にとっても重要だろう?」

 

 茨のヒーローコスチュームは、特に何らかの機能を持っていない普通の服装だ。

 であれば、ヒーローコスチュームにI・アイランド製のサポートアイテムを使うというのも悪くないと思う。

 

「……アクセルさんがそう仰るのであれば、少し考えてみたいと思います」

 

 そう、茨は言うのだった。

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