オーラコンバータの試験を1時間後にするということが決まり、俺の家をドレイクが用意すると約束して、ドレイクとの会談は終わった。
そうしてドレイクの部屋を出ると、ショットは何故か俺に呆れた視線を向けてくる。
「どうした?」
「いや、異世界の王様は女に手を出すのが早いと思ってな」
実際には違うのだが、ショットにはそう思わせておいた方がいいか。
……俺に恋人が10人以上いるのは間違いのない事実だから、ショットの言葉を否定出来ないというのもあるが。
「そうだな。それは否定しない。……ともあれ、1時間後の実験は頼むぞ。俺がオーラバトラーに乗れるようにする為には、魔力でオーラコンバータが動くようにする必要があるんだから」
「分かっている。そちらは心配するな。ドレイク殿の前ではあのように言ったが、実際に作る方法はおおよそ目処がついている」
そう告げるショットは、自信に満ちた笑みを浮かべる。
どうやら、虚勢でも何でもなく、本当にどうにか出来ると思っているらしい。
「分かった。なら頼む」
そう言い、俺はマーベルに事情を説明するべく、部屋に向かうのだった。
「……何でそうなるのかしら?」
マーベルの部屋。
最初こそ俺を見たマーベルはあの事故の件もあって安堵した様子を見せていたが、それもドレイクに今回の件でマーベルと暮らす為の家を貰ったと言った瞬間、冷たい視線に変わった。
まぁ、その気持ちは分からないでもない。
マーベルは間違いなく美人だし、その身体も男好きのする曲線を描いている。
今まで多くの男から性的な視線を向けられてきたのは考えるまでもない。
そんなマーベルが、いきなり俺と同じ家に住む……同棲する事になったと言われれば、こういう態度になるのは当然だった。
「落ち着け。別に俺がお前をそういう視線で見てて、その為にって訳じゃないから」
「……そうきっぱりと言われると、それはそれで少しショックなんだけど」
取りあえず俺がそういうつもりではないと理解したからなのか、マーベルは冷たい視線を止めつつも、少しだけ不機嫌そうになる。
女心って難しいよな。
そういう目で見るのは駄目で、見ないのも駄目とか。
いやまぁ、その辺はそれこそ程度によるのだろうが。
「で? じゃあ、何を考えて家を寄越すように言って、しかもそこに私と一緒に住むなんて真似をしたの? しっかりと説明してくれるんでしょうね?」
「そうだな。まず、俺が異世界から来たのはもう知ってると思うが、そんな俺がこの世界からどうやって異世界に帰ると思う?」
その言葉に、マーベルは俺が言いたい事を理解したのか、驚きの視線を向ける。
「帰れる手段があるの?」
「ああ。ゲートという転移が可能になる装置が空間倉庫の中に入っている。それを使えば、取りあえずマーベルも文化的な生活は出来ると思うぞ」
バイストン・ウェルは、ファンタジー世界だからこそ、科学技術は発達していない。
科学技術が発達した世界で生きていたマーベルにとっては、暮らしにくい世界なのは間違いない。
ゲートを使ってホワイトスターと繋がれば、少なくてもバイストン・ウェルでの生活よりは快適に生活出来るようになるのは明らかだった。
「それは嬉しいわね。いつそういう事が出来るようになるの?」
「ドレイクが庭付きの家を用意してからだな。そうすれば、こっちも色々とやりやすくなる」
オーラバトラーの解析や、その素材となる恐獣の確保。
正直なところを言わせて貰えば、恐獣の素材を使ってオーラバトラーを建造するというのは非常に厄介な一面でもある。
普通の人型機動兵器なら、部品を製造すればそれをそのまま使えるのだが、オーラバトラーの場合は恐獣を殺す必要があるからだ。
それも、1機のオーラバトラーを作るのに必要な恐獣は1種類ではなく、複数の種類だった。
そうである以上、自然と材料は有限となる。
勿論、特定の恐獣からしか確保出来ない素材があるのなら、代わりの素材を探すといったような事は必要だが。
とはいえ、恐獣が生き物である以上はどうしたって数に限りはある。
出来れば素材を金属とかそういうのに変えたいんだが……それもまた難しいらしい。
オーラコンバータは、オーラバトラーを動かす上で生体部品が必須らしい。
詳しい説明は時間が足りなかったので、教えて貰ってないが、ともあれショットが言う限りそんな感じだった。
そんな訳で、ホワイトスターと繋がる、繋がらないは別にしても、出来るだけ多くの恐獣の素材を集めておく必要があるだろう。
「話は分かったわ。……けど、本当に色々と大変な事になりそうね」
「それは否定しない。そもそも、この世界がどのような方向に向かうのかってのも、俺には今のところ分からないし」
オーラバトラーが開発された世界である以上、恐らく何らかの戦いが起きるのはほぼ間違いないと思われた。
しかし、それがどういう戦いなのか、分からないというのは痛い。
今はとにかく様子を見るか。
そう思いながら、俺は時間になるまでマーベルと話をするのだった。
「アクセル王、この度はご迷惑を掛けて申し訳ありません」
ショットが俺に向かってそう言い、頭を下げてくる。
俺を王として扱っているのは、ドレイクがこの実験を見る為にやって来ているというのもあるし、それ以外にも多くの者が集まっているというのがある。
俺に不信感を持っているバーンやガラリアといった者達までもがやって来ているのだから、どれだけ今回の実験が重要なのかが分かるだろう。
バーンやガラリア達も、今はゲドに乗れないが、現在開発中の新型オーラバトラーはどうなるか分からない。
もしかしたら、バイストン・ウェルの人間であってもオーラバトラーに乗れるようになるかもしれないから、今回の実験は他人事ではないといったところか。
「気にするな。この件で俺がオーラバトラーに乗れるようになれば、それはこっちにとっても何よりの出来事だしな。……それで、あれが?」
「はい」
俺の言葉にショットが頷く。
そんな俺の視線の先にあるのは、ゲド……ではない。
正確には、ゲドのコックピット部分だけが取り出されている状態であり、それにゼットが色々と手を加えている状態だった。
「ゲドじゃないんだな」
「はい。今回の目的はあくまでもオーラコンバータですから。ゲドのパーツも限りがありますので」
「だろうな」
俺がマーベルと一緒にいた時に考えたように、ゲドの部品も恐獣の部位を使った素材で作られている。
限りがある以上、壊れると分かりきっている実験に使いたくはないだろう。
……いやまぁ、これが生体部品ではなく普通に金属で使った部品であっても、使い物にならなくなっていれば使ったりはしないだろうが。
キブツがあって、資源の心配をしなくてもいいシャドウミラーでだって、壊れるかもしれないと思えばそれを使ったりといったような真似はしない。
そうして用意されたコックピットを見ていると、ショットが口を開く。
「見た目は悪いですが、きちんとオーラコンバータとしての効果はあります。色々とデータを取りたいので……申し訳ありません」
「いや、それは別に構わない。こういうののデータ取りは必要だろ。全く未知の状態なんだから」
「分かって貰えて助かります。騎士の方々はそのようなところを気にしますので……」
「あー……うん、なるほど。まぁ、そういうのもあるだろうな」
俺の場合は、シャドウミラーの人間だから技術の重要さというのは分かっている。
シャドウミラーが他の世界に対して優位に立っているのは、その高い技術力があってこそだ。
それをこれまでの経験で理解しているからこそ、技術班には好きなようにさせているし、研究資金も大量に注ぎ込んでいる。
……まぁ、それが原因で時折技術班が暴走したりする事があるのだが、そういう時は茶々丸やエキドナを始めとしたお仕置きチームが出撃するだけだし。
それに対処する為に、技術班の連中は虚空瞬動とか使えるようになってるんだよな。
ぶっちゃけ、生身で戦闘をしても一般人……気や魔力が知られていない世界で戦った場合、最強になってもおかしくはないくらいの実力を持っている。
……本当に、何で技術班はあんなになったんだろうな。
それでいて、しっかりと新技術を開発したり、現行の技術をより高性能なものにしているといったように結果も出してるし。
「アクセル王、お願いします」
「ん? ああ、分かった」
ショットに頼まれ、取りあえず技術班の事は放っておいてオーラコンバータ……いや、コックピットブロックと言った方がいいのか? ともあれ、そちらに向かう。
「ゼット、よろしく頼む」
「任せて下さい。データの方はしっかりと取らせて貰いますよ。ただ……本当に大丈夫なんですね?」
「ああ、ゲドの一件の時に、俺が炎に包まれているのを見ただろ? あんな感じになるから、問題はない」
「……普通、炎に包まれれば何でもないといったような事は言えないんですがね」
そう言うゼットに大丈夫だと言い、コックピットに入る。
本来ならコックピットはゲドの内部にあるのだが、今回はコックピットブロックだけなので、装甲といったようなものもない。
そしてゼットが十分に離れたところで、ショットの始めて下さいという言葉を聞き、オーラコンバータに魔力を送り込む。
ただし、ゆっくり……本当にゆっくり、少しずつだ。
T-LINKシステムを使っている時の要領で操縦すると、それこそオーラコンバータが一気に破壊される。
まだオーラバトラーは開発されたばかりである以上、どうしてもその辺は技術的に未熟なのだ。
T-LINKシステムを入手してからレモンがグロウセイヴァーに組み込むまでもっと時間がなかったが、ぶっちゃけレモンのような天才の中の天才と、天才ではあっても普通に天才でしかないショットやゼットを一緒にする方が間違っている。
いっそ、魔力ではなく念動力の方を注ぎ込めばどうなるんだろうな。
T-LINKシステムの事を考えてふとそう思ったが、取りあえず今はやらない方がいいのは間違いない。
そうしてゆっくりと魔力を込めていくと……
「え? もうか?」
ゲドを操縦していた時のように、金属音が周囲に響く。
ゲドに乗っていた時は、ゲドにコックピットが埋め込まれていたので音が周囲に漏れるといったような事はなかったが、今はコックピットが剥き出しの状態だ。
当然ながら、その金属音……オーラコンバータに強い負荷の掛かっている事を示す音は、周囲にも響き渡っていた。
それを聞いた何人かが思わずといった様子で耳を押さえているのが見える。
……マーベルは耳を押さえたりはせず、心配そうに俺の方に視線を向けていた。
マーベルがゲドに乗っていた時は、こんな音が聞こえたりはしなかったのだろう。
真剣な表情でこっちを見ているショットとゼットの方に視線を向けると、2人は揃って頷く。
まだこのまま続けろと、そういう事だろう。
魔力を少し……本当に少しだけだが、強める。
瞬間、オーラコンバータから聞こえてくる音が数割増しになる。
これは……何となく分かった。
恐らくオーラ力と比べると、魔力の方が……何だろうな。エネルギーの質が濃いとか、そんな感じなんじゃないか?
つまり、今のこの金属音は必要以上のエネルギーを流し込まれて、オーバーヒートしていると。
あくまでも自分でそう思っただけで、検証した訳ではないが。
ともあれ、一度金属音の音が酷くなると、上げた分の魔力をもう少し下げてもその音が静まるといったようなことはない。
それどころか、俺が魔力を込めた事によって限界を超えたのか、音は余計に大きくなっていた。
これは、技術的に未熟であるというのもあるが、やはりそれ以上に魔力そのものがオーラ力と違いすぎるというのが大きいのだろう。
まぁ、オーラ力というのは聞いた話によるとネギま世界の気に近い代物だから、俺の魔力と似たようなところがあってもおかしくはない……のか?
そうして考えている間にも金属音は高まっていき、周囲で様子を見ている者達の多くが耳を押さえるようになった瞬間、オーラコンバータが爆発して周囲に炎が広がる。
当然だが、その炎は俺にも襲い掛かってくるが……炎が俺にダメージを与えるような事はない。
コックピットも仮組みだった為か、炎に包まれて煙を出したり溶けたりしている。
今更だけど、俺の魔力のデータを取るってのは、大丈夫なのか?
オーラコンバータの方に専門の機器があった場合、それは炎に包まれると思うんだが。
まぁ、ショットもゼットも、ゲドの一件を見てるんだから心配はいらないか。
そんな風に考えつつ、コックピットから降りる。
当然今も俺は炎に包まれており、周囲では多くの者が混乱していたが……俺が手を振ると、すぐにその炎は消滅するのだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1290
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1637