転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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4569話

「んん……」

 

 そんな声が聞こえ、意識が覚醒していく。

 自分でも何が何だか分からない中、声のした存在を……柔らかく、滑らかなそれを抱き寄せる。

 

「あん」

 

 その艶っぽい声に意識の覚醒が急速に進み……

 

「ああ……」

 

 凛の身体を抱きしめ、その滑かな肌の感触を楽しみつつ、今自分がどこにいるのかを理解する。

 昨日……いや、もう一昨日か。とにかく林間合宿で爆豪とラグドールがヴィラン連合に連れ去られ、雄英に戻ってきたところで雄英の面々……それ以外に関係者に対して俺の事情を話し、雄英の敷地内にゲートを設置する許可を貰って、久しぶりに……半年以上1年未満的なくらいにホワイトスターに戻ってくる事が出来たのだ。

 その上で事情説明やら交渉やら、その他諸々を行い、オールマイトの治療とかそういうのもあって時間が取られたが、とにかく家に戻ってきて歓迎会をやり……その歓迎会が終わったところで、久しぶりに恋人達と愛し合う事になった訳だ。

 本当に久しぶりという事もあり、何より恋人が全員いたのもあって、朝方まで行為は続き……現在、全員が限界となって気絶するように寝てしまっている。

 俺の場合は程よい疲れにぐっすりと眠っていたのだが……これは俺が混沌精霊だから体力がもの凄いというのもあるのだろう。

 そんな風に考えつつ、抱いている凛の身体の感触を楽しむ。

 楽しんでいると……

 

「昨日、あれだけしたのに、まだ満足出来ないの? この、ケダモノ」

 

 俺に抱かれていた凛だったが、いつの間にか目を覚ましておりそう言ってくる。

 ただし、言葉は俺を責めるかのようなものだったが、その顔には嬉しそうな笑みを浮かべていた。

 

「そのケダモノに好き放題されて、何度も達したのは誰だ?」

「……馬鹿」

 

 そうした睦言を楽しんでいると、その声が刺激になってか他の者達も起きてくる。

 ちなみに時間は午前8時前。

 ……行為が終わったのが午前5時くらいだったのを考えると、睡眠時間は足りない。

 そんな訳で、凛や目を覚ました面々……ミナト、シーマ、千鶴、マーベルといった面々は他の皆を起こして魔法球に向かう。

 ちなみに魔法球は魔法球でも、オールマイトの治療をしている魔法球ではない。

 さすがにオールマイトでも、事後の女達が複数やってくれば……ああ、でもまだ培養ポッドの中だったりするのか?

 それとも培養ポッドから出て、今はリハビリをしているのか。

 具体的にどのくらいの時間で治療が完了するのか、そしてリハビリにどれだけの時間が掛かるのか、あるいはそもそも魔法球の中と外でどのくらいの時差があるのか……その辺については聞いていないので、何とも言えないが。

 ともあれ、恋人達が魔法球に行った今、寝室にいるのは俺だけだ。

 ……換気扇とかもかなり高性能な奴があるんだが……うん、この部屋で眠っていたのでそこまで当初は気にならなかったが、改めて部屋の中は……事後の凄い臭いだ。

 まぁ、量産型Wやコバッタ辺りがその辺はどうにかしてくれるだろうと思っておこう。

 そんな訳で、寝室を出てシャワーを浴びてリビングに来ると……

 

「行ってきます」

「……行ってきます」

 

 丁度ラピスとルリが家を出るところだった。

 ラピスはいつも通りだったが、ルリは数秒の沈黙の後で『行ってきます』と口にしていた事、そして何よりも微妙な表情を浮かべていた事から、恐らく昨夜の一件について理解しているのだろう。

 年頃の娘として考えれば、嫌悪感を示さないだけいいのかもしれないが。

 もっとも、よそはよそ、うちはうちと言いつつも、俺の家は色々な意味で他の家とは違う。

 ともあれ、自分達で朝食の準備をして出掛けたルリとラピスを見送り、俺も娘の手料理で朝食を食べる。

 突出して美味い訳でも、食べられない程に不味い訳でもない普通の料理。

 それを食べながら、TVを見る。

 とはいえ、ホワイトスターのTVは独自のTV局がある訳ではなく、他の世界……具体的にはゲートを設置している世界の電波を受信して映されるといった形だ。

 なので、複数の世界のニュースを見られる訳だが……

 

『火星において、鉄華団が海賊の拠点を襲撃、討伐しました。これにギャラルホルンのマグギリス代表は感謝の声明を出し……』

『画期的な新合金の製造に成功した那波重工ですが、アメリカの企業による買収には応じないと声明を出し……』

『BETAがいなくなった事によって平和になりましたが、BETAによって破壊された自然を修復するのに……』

『桐条グループの投資によって稲羽市は急速に発展しており……』

 

 そんな様々な世界のニュースを見る。

 

『こちらに入っている情報によれば、雄英高校の1年の林間合宿がヴィラン連合に襲撃されたという情報は正しいようです。どうやらプッシーキャッツもそれに巻き込まれたらしいですが、そちらの被害は不明です。現在病院にその襲撃によって怪我をしたと思われる生徒達が入院しており、雄英高校の責任が問われます』

『だから僕ぁ、前から言ってるんですよ。幾ら雄英が優秀だからって、自由にさせすぎだって。もっとしっかりと管理をしていればこういう事にはならなかったのは間違いないんだ。これは雄英の責任ですよ。自分達こそ最高、自分達こそ正しい、そんな風に思っているから、こういう事が起きるんです』

『そうですね。雄英のその点は以前から問題になっていました。今回の襲撃の件も物議を醸しています』

『もっと透明性をね。それに僕達の意見を採り入れていれば、今回のような事にはなっていなかったんですよ。根津校長にはその辺をしっかりとして貰いたいところですね。僕の意見をしっかりと聞くべきなんですから』

 

 ヒロアカ世界のニュース……というか、討論番組? あるいはコメンテーターの主張? とにかくそういうのを聞きながら、そうかと思う。

 ゲートがその設置された場所の放送を受信してこちらに流せる以上、ヒロアカ世界で雄英の敷地内にゲートを設置したのだから、ヒロアカ世界のTV放送もホワイトスターで見られる訳か。

 けど……

 

「マスゴミだな」

 

 ヒロアカ世界のニュースを見て、そんな風に思う。

 ニュースを読んでいる女も雄英の失点だと決めつけているし、コメンテーターにいたっては自分が雄英の運営に関わっていればこのような事にはならなかったと、そう言いたいようにしか思えない。

 勿論、他の世界のマスコミが問題ないかと言えば、それは否だ。

 だが……ヒロアカ世界のマスコミ……マスゴミは、他の世界のマスコミと比べても一段と劣る。

 いや、勿論俺だってヒロアカ世界のマスコミ全てがマスゴミと呼ぶような存在であるとは思っていない。

 ヒロアカ世界の中にも、きちんとしたマスコミが存在していてもおかしくないとは思う。

 思うのだが、こうしてTVのニュース番組を見る限りだと……

 というか、さっき少しだけだが映った病院って、茨や緑谷を始めとして、一昨日の開闢行動隊の襲撃で意識不明になったり、重傷を負ったりした者達が入院している病院だったりしないか?

 そういう病院を映せば、それこそ開闢行動隊……ヴィラン連合に情報を与えるだけになってしまうような気がするんだが。

 ……今日、見舞いに行くって事になってるんだが、大丈夫かこれ?

 もしかしたらマスゴミのせいで見舞いは禁止とか、そういう風になったりしないよな?

 まぁ、そうなったらそうなったで、こっちでも適当に手を打てばいいだけだろうが。

 

「……さて、そろそろだな」

 

 朝食を食べ終え、TVを消してそう告げる。

 昨夜の俺が頑張りすぎたせいもあってか、魔法球で休んでいるレモン達はまだ戻ってこない。

 ……レモン達はいいけど、オルフェンズ世界の火星のトップであるクーデリアとか、UC世界で働いているシーマとか、ペルソナ世界の美鶴やゆかりは大丈夫なのか?

 遅刻って事にならないといいけど。

 そんな風に思っていると、ピンポンとチャイムが鳴る。

 この時間に、一体誰だ?

 そう思ってリビングを出て玄関の扉を開くと……

 

「おはようございます、アクセル代表」

「フミタン? ……ああ、なるほど」

 

 昨夜のパーティでは、フミタンの姿もあった。

 だが、パーティが終わって寝室にクーデリアを含めた恋人達と移動した時、フミタンの姿はどこにもなかった。

 ……うん、昨日の夜の行為の中でフミタンがいなかったのは俺も確認している。

 どうやらいつの間にか……という表現はどうかと思うが、とにかく俺達が寝室に行く前に、フミタンは帰ったらしい。

 あるいはこの家からは出たが、ホワイトスターからは出ていなかったのかもしれないが。

 とにかく消えていたフミタンは今丁度クーデリアを迎えに来たのだろう。

 

「クーデリアは魔法球で休んでいるから、こっちに戻ってくるまでそれなりに時間が掛かると思うぞ」

「そうですか、では中でお待ちしてもよろしいでしょうか?」

「いや、構わないけど……いいのか?」

「何がでしょう?」

 

 俺の言葉の意味が本当に分からないといった様子で、フミタンは首を傾げる。

 表情があまり動かないフミタンだけに、本気で分からないと態度で示しているのか、それとも意図的にこういう態度をしているのか。その辺は俺には分からなかったが。

 ただ、何となく……本当に何となくだが、フミタンが俺を責めている訳ではないだろうというのは予想出来てしまう。

 

「いや、クーデリアの件だよ」

「ああ、アクセル代表がその獣欲のままに蹂躙したお嬢様ですね」

「いや、言い方!」

 

 フミタンの、あまりと言えばあまりの表現にそう突っ込む。

 とはいえ、今のフミタンの表現が間違っているのかと言われると……昨夜の行為を思い出すと、否定も出来ない。

 特にクーデリアとシーラの2人の絡みは俺を興奮させるには十分なものだったし。

 それにクーデリアとモニクが一緒にゆかりを……というのも、俺を興奮させた。

 そのような経験があるだけに、フミタンの言葉は決して否定出来ないのも事実。

 

「……ふふっ、冗談です。いえ、アクセル代表がお嬢様をそちらの方面で蹂躙したのは間違いないようですが、それが……それこそがお嬢様の幸せであると考えれば、私もその件でアクセル代表を責めたりは出来ませんし」

 

 それはつまり、クーデリアが悲しんでいれば話は別という事なのだろう。

 いや、クーデリアに忠誠を誓うメイドとして考えれば、それは当然の事ではあるのだろうけど。

 

「クーデリアが幸せなら、俺も助かったよ。……それで、さっきも言ったと思うけど、クーデリアは他の面々と共にまだ戻ってきていない。ルリとラピスは既に出掛けたし、俺もこれから出掛けるから、フミタンは家の中で待っていてくれ。朝食はルリやラピスが作ったのがあるから、特に作る必要はないと思う。用意するのなら、飲み物か何かを用意すればいい」

「分かりました。……では、アクセル代表。行ってらっしゃいませ」

 

 そう言うと、フミタンはメイドらしい優雅な一礼を見せる。

 いや、俺はまだ出掛けるつもりは……ああ、でも別に今出掛けてもいいのか。

 ヒロアカ世界にある部屋に一度戻ってもいいだろうしな。

 

「ああ、行ってくる。クーデリアは勿論、他の連中の世話を頼んだぞ」

 

 そう言い、俺は転移区画に向かうのだった。

 

 

 

 

 

「うん、LINの方にもある程度書き込みがあるな。……まぁ、昨日の今日だし、当然か」

 

 ゲートを使ってヒロアカ世界に戻ると、早速スマホを確認する。

 なお、ゲートの側には量産型Wやコバッタが昨日よりも若干多めに護衛としていた。

 受付……というか、事務所的な感じで建物を作るって事だったけど、その辺はどうなったんだろうな。

 そんな風に思いつつ、量産型Wに声を掛ける。

 

「何か異常はなかったか?」

「はい、特に何の問題もありませんでした」

 

 量産型Wだけに、嘘を言うという事はまずない。

 いや、あるいはこれが作戦行動中で、対象が俺ではない場合なら嘘を言うという事もあるかもしれないが……この状況で、しかも俺に対して嘘を言えるようには設計されていない筈だ。

 

「そうか。なら、いい。じゃあ、引き続きゲートの護衛を任せる」

「はい」

 

 そうして短く言葉を交わすと、俺は影のゲートを使ってマンションにある俺の部屋に戻る。

 

「一応……こうして見る限りだと、特に侵入者の類はいないか」

 

 そう思いながらも、念の為にスライム使って部屋の中を調べる。

 どんなに巧妙に隠したところで、スライムがあれば盗聴器なり隠しカメラなりは見つけられる。

 もっとも、何らかの個性を使ってこの部屋を調べているとか、そういう事であればスライムであっても見つけることは出来ないかもしれないが、その時はその時だろう。

 取りあえずその辺については問題がなかったので、ロボット掃除機とAI搭載のスーツケースを眺める。

 相変わらず何らかのやり取りをしているようには見えるのだが、それが具体的にどのようなものかと言われると、分からない。

 ともあれ、俺にとってはこうして眺めているとそれなりに楽しいというのは間違いないので、暫くの間ソファに寝転がりながら、その光景を眺めるのだった。

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