転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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4583話

「さて、行くか」

「……アクセル、今日は戦いだよな?」

 

 家を出ようとした俺に、コーネリアが呆れた様子でそう言ってくる。

 

「ん? そうだけど? だから、これからヒロアカ世界に行くんだし」

「……なら、少しくらいは手加減をしてもよかったのではないか?」

 

 そう言うコーネリアは疲れた様子はないものの、昨夜の……朝方まで続いた行為によって、起きた時は疲れ切っていた。

 寝て起きた時に疲れ切っているとはこれいかに?

 そう思わないでもなかったが……まぁ、昨日と違ってUC世界とペルソナ世界の恋人達は来なかったしな。

 クーデリアはオルフェンズ世界から来ていたが。

 ともあれ人数が少ないと当然ながら疲れる訳で……まぁ、起きてから魔法球で休んできたので、今はもうこうして復活しているが。

 

「その割には今はもう元気そうだが?」

「……魔法球を使ったのだから、当然だろう。もし魔法球がなければ、今日の仕事は休む事になっていたぞ」

「あー……うん、悪いな。次からは気を付ける」

 

 真剣な表情でそう言ってきたので、俺としても素直に謝るしか出来ない。

 とはいえ、俺にしてみれば昨日に引き続きとはいえ、半年ぶり以上の情事だったのだから、少しくらいはしゃいでも悪くないとは思うんだが。

 もっとも、それを言えばコーネリアに一体何を言われるか分かったものではないので、言わないが。

 

「そうしてくれ。……それで、連れていくのはムラタ、イザーク、オウカ、木乃香、桜咲、神楽坂の6人と量産型Wが3人でいいんだな?」

「ああ、それで問題ない。ムラタとイザークは今日は実働班の訓練には出られないけど、それで問題ないか?」

「構わん。アクセルの行動の方が重要だ。……それにしても個性、か。一体何故そのような呼び方になったのやら」

 

 コーネリアのその言葉に、俺はヒロアカ世界で以前個性について調べた時の事を思い出す。

 

「確か、中国で光る赤子が生まれて、それが個性の始まりだった筈だ。その母親が、光っているのも個性だと言ったところ、それが広がって特殊能力を個性と呼ぶようになったんだとか」

「……母は強し、だな」

 

 そう言うコーネリアの表情には微妙に複雑な色がある。

 コーネリアにしてみれば、母親という存在について思うところがあるのだろう。

 実際には自分の母親ではなく、ルルーシュやナナリーの母親についてだが。

 まぁ、その件については置いておくとして。

 

「とにかく、その光った赤子の件からヒロアカ世界には個性がもたらされた訳だ」

「もっとも、良い事だけじゃなかったんでしょう?」

 

 俺とコーネリアの会話に、美砂がそう入ってくる。

 美砂もまた、昨夜の情事で限界以上に疲れていたのだが、魔法球によって今はもう全快している。

 

「そうだな。個性によって大きく混乱したのは間違いないらしい」

 

 AFOの件とかもその辺には関係しているのだろうが。

 そう考えると、AFOはまさに巨悪って感じなんだな。

 というか、オールマイトによって殺された筈が、まだ生き残っていたというのが素直に驚きだ。

 

「やっぱりそういうのってどの世界にもいるのね」

 

 美砂のしみじみとした呟き。

 いやまぁ……うん。俺の行く世界が原作のある世界なので、その辺は仕方がない。

 これが原作のない……本当の意味での異世界とかなら……それでも魔王とかそういうのが普通にいそうだよな。

 となると、いわゆる日常系とかそういう原作の世界なら、AFOのようなボスはいないという事になるのか。

 

「あ、そうそう。そういえば……しのぶがちょっと残念そうにしていたわよ?」

 

 ふと気が付いたかのように、美砂がそう言ってくる。

 いや、けど……しのぶ? 何で?

 現在のしのぶは鬼滅世界からホワイトスターに出向といった扱いになっている。

 正確には、ホワイトスターの技術とか生活様式とか常識とか、そういうのを学ぶ為に来ているのだが。

 後は毒に対する知識も深いし、独特な感性を持っている為、技術班にも協力しているとか。

 何しろ鬼滅世界で半ば無敵に近い鬼に効果のある毒を作れるという時点で、普通ではない。

 そういう意味で、技術班に協力するくらいはやってもおかしくはないのだろう。

 もっともしのぶの所属はあくまでも鬼滅世界なので、正式に技術班に所属するといった事は無理なのだが。

 

「まぁ、しのぶは今回の一件には向いてるかもしれないけど」

 

 呼吸という、気の亜種を使う訓練をしてきただけに、生身での戦いにはかなり向いているのは間違いない。

 ましてや、ホワイトスターに来て気についても相応に訓練はしているだろうし。

 ただ、やっぱりシャドウミラーの所属ではなく、あくまでも出向というのが影響している。

 シャドウミラーに所属していないがホワイトスターに来る奴となると、荒垣もいるな。

 シャドウについての調査とか、そういうので荒垣もそれなりの頻度でホワイトスターに来ている。

 もういっそ、シャドウミラーに所属すればいいと思うんだが、どうやら今のところ本人にそのつもりはないらしい。

 ただ、荒垣の場合は鬼滅世界に行った時もシャドウミラーの所属ではないが相応に活躍したので……まぁ、それに今日の戦いは爆豪やラグドールを助けるのが目的でもあるし、事情を話せば来たかもしれないが、今から連絡をするのは難しいだろう。

 そう思っていたのだが……

 

「荒垣みーつけた」

「え? おい、どうしたんだよ、アクセル!?」

 

 家でのやり取りを終えて転移区画に行くと、ちょうどそのタイミングでゲートから荒垣が出で来たところだった。

 

「荒垣が今日ホワイトスターに来たのは、ペルソナの検証の為か?」

「ああ、そうだよ。だから、もう行ってもいいだろ」

「残念ながら、荒垣の今日の仕事はキャンセルされ、俺と一緒にヴィラン……悪者退治だ」

「ちょっ、おい、勝手に決めるんじゃねえっ!」

 

 何故か荒垣が俺の言葉に不満を漏らすも……

 

「荒垣にとっては残念だが、今回の一件は強制だ」

「ぐ……畜生が」

 

 俺の言葉に荒垣はそう吐き捨てるだけで、諦める。

 こういう状態になった時、何を言っても俺が自分の決めた事を曲げないと、そう理解している為だろう。

 

「技術班の方には連絡をしておくから、安心しろ。それに……悪者退治なのは間違いないが、同時に連れ去られた男女1人ずつを取り戻すのが目的でもあるしな」

 

 もっともラグドールはともかく、爆豪辺りは俺が助けに来たと言っても決して喜んだりはしないだろうが。

 それどころか、余計なお世話だと怒鳴り散らしたりしてもおかしくないと思う。

 

「……分かった、行く」

 

 荒垣は何だかんだと人が良いんだよな。

 以前は不良達の溜まり場でそれなりに大きな影響力を持っていた荒垣だったが、今は……今は……あれ? 今の荒垣は何をしてるんだ?

 大学には行かなかった筈だし、真田のように格闘の道に進んだ訳でもない。

 美鶴……というか、桐条グループのシャドウ対策機関、シャドウワーカーで働いてるんだったか。

 あるいは、フリーターなり何なりをしている可能性もある。

 ……まぁ、その辺については触れない方がいいだろう。

 

「よし、じゃあまずは他の連中と合流するぞ」

「は? 他に戦力があるのなら、俺はわざわざ行く必要はないんじゃないか?」

「戦力は多い方がいいんだよ。何しろ今回襲撃するのはかなり厄介な悪者……ヴィランの拠点だし」

 

 もしオールマイトからAFOの話を聞いていなければ、あるいは俺もここまで本気にはならなかっただろう。

 だがしかし、今のこの状況を考えると戦力はそれなりに多い方がいい。

 いやまぁ、もし本当に戦力が重要ならこういう人数ではなく、それこそ実働班全員にエヴァや茶々丸、後はエルフ達も連れていけば良かったのかもしれないが。

 

「分かったよ」

 

 俺の言葉に諦めたようにそう言う荒垣。

 そんな荒垣を引き連れ、他の面々の待っている場所に向かう。

 

「遅いぞ!」

 

 真っ先にそう怒鳴ってくるのは、イザーク。

 

「いや、遅いって言われても……一応約束の時間の前ではあるんだがな」

「すいません、アクセルさん。イザークもこう見えて、アクセルさんと一緒に行動出来るのを喜んでいるんです」

「オウカ! 何を勝手な事を……」

「イザーク」

「ぐぬぅ」

 

 うわ、露骨な力関係を見たな。

 本来なら、オウカはお淑やかな性格をしているのだが、イザークと付き合った事で大分変わってしまったらしい。

 あるいは恋人のイザークに対してだけ特別にそういう風に思っているのかもしれないが。

 

「来たか」

 

 そしてこちらは、悠々自適といった様子で……いや、寧ろいつ戦いになっても構わないといった様子のムラタ。

 その手にはいつもの日本刀を持っている。

 銃刀法については……まぁ、気にしない事にしよう。

 もし何かあっても、雄英や……それでも駄目なら公安辺りに任せればいいだろうし。

 

「今日は、よろしくお願いします、アクセルさん」

「アクセル君、よろしくなー」

 

 ムラタの剣気、あるいは鬼気? そんな感じの雰囲気に警戒の視線を向けつつ、桜咲が俺に挨拶をし、それに続くように木乃香が言葉を掛けてくる。

 ムラタと桜咲は、俺が思っている以上に相性が悪いのかもしれないな。

 シャドウミラーに所属するようになってそれなりに時間が経つんだし、仲良くやるのは無理でも、それなりに上手く付き合えるようになってもいいと思うんだが。

 

「アクセル、こんな面子を集めて本当に大丈夫なの?」

 

 そして明日菜が俺にそう声を掛けてくる。

 ムラタと桜咲の関係について、明日菜的にも色々と思うところがあるのだろう。

 ……もっとも、今回明日菜を推薦したのがムラタだと知れば、一体どのように思うのかは少し気になるところだったが。

 

「まぁ……今は色々とあっても、実際に行動する際にはどうにかなるだろ」

「……本当でしょうね?」

「多分大丈夫だとは思う。もし何かあっても、その時はこっちでどうにかするから安心してくれ」

「まぁ、アクセルがそう言うのなら、信じてもいいんでしょうけど」

 

 完全に納得した様子ではなかったが、それでもこれ以上は何も言わない方がいいと判断したらしい明日菜。

 

「五飛は……まぁ、うん」

 

 何やらW世界の方で急用が出来たとかとで、五飛の参戦は急遽取りやめになった。

 荒垣を連れて来たのは、その辺もあっての事だったりする。

 

「後は……ああ、お前達か」

 

 最後に少し離れた場所で待機していた量産型W達に声を掛けると、3人はそれぞれ敬礼をしてくる。

 

『は。今日はアクセル代表の指示に従うように言われています』

「分かった。頼む」

 

 これがWナンバーズならともかく、量産型Wとなると自我や個性といったものはなく、人型の機械のような存在だ。

 そうである以上、俺がここで何を言ってもあまり意味はない。

 なので短くやり取りをするだけで十分だった。

 ……いっそ、エキドナでも呼んでも良かったかもしれないな。

 エキドナなら俺からの指示だと聞けばすぐに来るだろうし。

 もっとも、レモンが何らかの指示をしていた場合は、もしかしたらそっちを重視する可能性もあったが。

 

「さて、じゃあこれが今日一緒に行動するメンバーだ。お互いに色々と思うところがあったりするかもしれないが、ここにいる面々なら下らないプライドとかそういうので馬鹿な真似はしないと信じてる」

 

 そう言うと、イザークがピクリと反応したものの、オウカの手前か、あるいは俺の言葉が正しいと思ったのか、反応する様子はない。

 少しだけ意外だったのは、ムラタに思うところがあるっぽい、桜咲が特に何の反応も示さなかった事だろう。

 それこそ桜咲の性格を思えば、何らかの反応をしてもおかしくないとは思ったのだが。

 騒動が起きないのは、個人的に助かるが。

 

「ちなみに目的は既に知っていると思うが、ヒロアカ世界にあるヴィラン連合の拠点を襲撃し、連れ去られた爆豪とラグドールを助け出す事だ。勿論、それを邪魔する……2人を連れ去ったヴィラン連合のヴィランが邪魔をした場合は排除してもいい」

 

 そう言うとムラタが獰猛な笑みを浮かべる。

 ……一応、ムラタには斬ってもいいが斬り殺さないようにと言ってはあるんだが。

 このムラタの様子を見ると、微妙に信用出来なさそうな気が……

 まぁ、ムラタもその辺りについては十分に理解しているだろうから、大丈夫だろうとは思うけど。

 

「俺達は基本的にプロヒーローと一緒に行動するとは思うが、指揮系統は違う。そういう意味ではプロヒーローをそこまで気にする必要はないが、それでもヒロアカ世界にはヒロアカ世界の決まりがある。郷に入っては郷に従えって言うだろう? そういう意味でも、特に相手を殺すといったようなことは厳禁だ。……質問は?」

「アクセル君、うちは後方って事だけど、プロヒーローに従えばええの?」

「そうしてくれ。明日菜と桜咲も木乃香と一緒に行動していればいいから。後方だから多分大丈夫だとは思うけど、それでも万が一の時はあるかもしれないから、気を付けてくれ」

 

 敵に黒霧がいる以上、転移をしてこちらの後方を攻撃するといった可能性は十分にある。

 その時は明日菜と桜咲が何とかする必要があるが……まぁ、明日菜と桜咲がいれば、どうとでもなるだろうと思っておく。 

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