転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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この話の関係から、転生とらぶる1のオリジナル機体を更新しています。
興味のある方はどうぞ。

https://syosetu.org/novel/179815/2.html


面白いと思ったら、評価の方よろしくお願いします。


4616話

 研究者の男の、トールギスに関する説明はまた続く。

 

「次は、トールギスの武装についてです。まずトールギスの代名詞とも言うべきドーバーガンですが、これは威力が高いものの砲身が長いので非使用時には砲身を二つ折りにして、取り回しがしやすくなります。また、この砲身を折り畳んだ状態であってもドーバーガンは使用可能です。ただし、砲身を展開した状態の時のような強力な一撃という訳ではなく、威力の弱いビーム砲を連射するといった感じになりますね」

「つまり、砲身を展開すれば、強力なビーム砲を使えると?」

「そうなります。また、砲身を展開した状態でも、威力の弱いビームを連射するといった事は可能となっています」

「なるほど、随分と使いやすくなったな」

 

 そう言うと、研究者は嬉しそうな笑みを浮かべる。

 自分の設計したMSが褒められたのは、それだけ嬉しかったのだろう。

 

「それとW世界のトールギスはカートリッジ式のビーム砲でしたが、このトールギスは動力炉から直接エネルギーを貰っています」

「まぁ、エイハブ・リアクターが2基だしな」

「はい、そうですね。先程説明したスーパーバーニアについても、この2基のエイハブ・リアクターがあってこそですが。もっとも、その分推進剤の消費がありますので注意が必要です」

「……それはどうせならさっきの説明の時に聞きたかったな」

「申し訳ありません。……さて、では次の武装ですが、左手に装備されたシールドは、トールギスⅢの物を参考にして作られた物で、ヒートロッドを内蔵し、ビームサーベルも2本格納されています」

「当然、ヒートロッドのエネルギー源もエイハブ・リアクターな訳だ」

「そうなりますね。なので、基本的にエネルギー切れの心配はいりません。それと腰のライフルですが……」

「それが正直なところ一番分からなかったな。何でわざわざ実弾を? 牽制とかなら、砲身を折り畳んだ状態で連射出来るビーム砲でいいと思うんだが」

「勿論、このトールギスに装備している以上、あのライフルはただのライフルではありません。あのライフルは、ダインスレイヴを小型化した物と言えば分かりやすいかと」

「……ダインスレイヴを? え? 本気で言ってるのか?」

「はい、勿論です、レールガンに近い構造で、弾頭は高硬度レアアロイを使用しています。あそこまで小型になっている分、威力は当然ながらオルフェンズ世界のダインスレイヴと比べると大分劣りますが」

「まぁ、そうだろうな」

 

 オルフェンズ世界での戦いの時に見たダインスレイヴは、基本的に銃火器が無力化されるオルフェンズ世界のMSであっても、容易に破壊出来るだけの威力を持っている。

 ……もっとも、巨大すぎて狙いとかは大雑把にしかつけられないという難点もあるが。

 ともあれ、それをトールギスの腰にあるくらいまで小型化したのなら、その威力が低くなるのは当然だった。

 

「ただ、実弾である以上は弾倉が必要となります。後で大量に作った弾倉を渡しますが、それを使い果たしたら、使えなくなります。……まぁ、高硬度レアアロイではない普通の弾丸も使えるようになっていますので、口径が合えば使えますが」

「それはありがたいな」

 

 専用の弾しか使えないというのは、その弾がある時はいいが、弾を使い切るとゴミにしかならない。

 しかもその専用弾が高硬度レアアロイの弾丸……小型のダインスレイヴ的な物となれば、邪魔だからといってその辺に放り投げる事も出来ない。

 まぁ、本当に邪魔になったら空間倉庫に収納するといった方法もあるのだが……まぁ、それはともかく。

 

「そして最後になりますが、頭部にビームバルカンがあります」

「……ビームバルカン?」

 

 いや、トールギスに頭部バルカンがあるというのはそうおかしな話ではない。

 実際、綾子の使っているトールギスⅢには普通に頭部バルカンがあるのだから。

 だが、そのバルカンがビームバルカンとなると、話は変わってくる。

 使う方にしてみれば、便利ではあるんだけどな。

 

「このトールギスは、基本的にオルフェンズ世界とW世界の技術で作られたとか言ってなかったか? なら、ビームバルカンは問題があるんじゃないか? 使う方にしてみればありがたいが」

 

 頭部バルカンは威力こそバルカンである以上かなり低いが、使い勝手は非常にいい。

 対人、あるいは軽装甲を狙ったり、牽制に使ったり、ミサイルとかの迎撃に使ったりといった具合に。

 また、ビームバルカンだと弾数の心配をしなくてもいいというのはかなり大きかった。

 ただ、オルフェンズ世界とW世界の技術を使って……というのからは外れているように思えた。

 そう思ったのだが、研究者は首を横に振る。

 

「いえ、W世界もビームバルカンという技術は確立されています。ヘビーアームズで使われていたのを覚えてませんか?」

 

 その言葉に、ヘビーアームズについて思い出す。

 この男が言ってるのは、ヘビーアームズのメイン武装であった左手の武装だろう。

 なるほど、確かにあれはビームガトリング砲と呼ぶべきものだった。

 だが同時に、それはあくまでもビームガトリング砲であっても、ビームバルカン……つまり、頭部に内蔵出来るような武器ではなかったと思うんだが。

 

「あれはビームガトリング砲だろう?」

「そうですね。ですが、その威力を弱め、代わりに頭部に内蔵出来るようにすれば頭部バルカンとなります。……いえまぁ、実際にはそこまで単純なものではないですが、それでもそうして頭部ビームバルカンとして内蔵出来たのは事実です」

「……なるほど?」

 

 何だか屁理屈で誤魔化されたような気がしないでもない。

 しないでもないが、同時にそれによってトールギスに便利な武器が追加されたのだから、その件について俺がこれ以上突っ込む必要もないだろう。

 そもそもの話、別に俺はオルフェンズ世界とW世界という縛りについて特に何か気にしている訳ではなかったのだから。

 

「まぁ、取りあえず話は分かった。このトールギス……いや、ここまで原型機と違う機体になった以上、トールギスのままってのは問題だな」

「……言われてみればそうですね。では、どうします? アクセル代表の専用機ですから、アクセル代表が名前を付けてくれると嬉しいのですが」

「俺がか?」

 

 まさか俺にそういう名付けをさせるというのは、予想外だった。

 そういうの名付けというのはあまり自信がないんだが……けど、そうだな。

 単純にトールギスⅣというのはどうだ?

 そう思ったが、トールギスⅣというのはちょっと違うと思う。

 なにしろこのトールギスは単純にトールギスの後継機という訳ではなく、あくまでもオルフェンズ世界から入手した技術であるガンダムフレームとエイハブ・リアクター、後はついでにだがダインスレイヴの技術を試す為の機体なのだから。

 そういう意味では、トールギスⅣという名称は相応しくないと思う。

 となると……

 

「トールギス・グレイルってのはどうだ? グレイルというのは2つの意味があって、その1つは聖杯。ただ、こっちは今は関係ない。俺がこの機体にトールギス・グレイルと名付けだのは、グレイルの持つもう1つの意味……達成が困難だが強く望まれる目標や理想、究極の目標という方だな。オルフェンズ世界の技術とW世界の技術が融合したという意味では、この機体はトールギス・グレイルという名称が相応しいと思う」

 

 そう説明し、他の面々の様子を見てみると……どうやら、悪くはなかったらしい。

 中には微妙な表情を浮かべている者もいるが、多くの者は納得した様子を見せている。

 であれば、このMSはトールギス・グレイルで問題ないだろう。

 

「レモン、このMSはトールギス・グレイルで問題ないな?」

「アクセルがそれでいいのなら、私には何も問題ないわよ。実際に乗るのはアクセルなんだし」

 

 レモンから……技術班の頂点に君臨するレモンからの許可も貰ったので、取りあえずこのMSはトールギス・グレイルという事で決まったな。

 

「では、アクセル代表。早速ですが試乗をお願いします」

 

 トールギス・グレイルの設計をした研究者の言葉に頷くが……

 

「試乗するのはいいけど、魔法球の中だとさすがにトールギス・グレイルの全速を出すのは難しくないか?」

 

 何しろ、最大加速50Gだ。

 混沌精霊である俺だからこそ、そのくらいの加速は問題なかったりするが、だからといってこの魔法球の中でそんな速度を出したら……それこそ、周辺の被害が酷い事になる。

 

「う、そ、そうですね。では、どこか別の世界でお願いします」

「となると、やっぱりオルフェンズ世界だな」

 

 トールギス・グレイルの技術がオルフェンズ世界のものもあるからというのもあるが、オルフェンズ世界の火星はまだかなり広大な範囲で自由に行動出来るというのが大きい。

 それに、50Gの加速を出せるという事は恐らく普通に大気圏脱出が可能な筈だ。

 まぁ、無意味にそういうのをやるのはどうかと思うが、試乗である以上はその辺りについても一応やっておいた方が分かりやすいだろうし。

 そうなると、やっぱりそういう無茶を試す為にも、オルフェンズ世界がいいだろう。

 ……まさか、現在いるヒロアカ世界でそういうのをやる訳にもいかないだろうし。

 いやまぁ、ヒロアカ世界において宇宙開発は殆ど進んでないので、宇宙に出た後に好き勝手出来るというのは大きかったりするが。

 ただ、ヒロアカ世界の場合は宇宙に出るまでが難しい。

 トールギス・グレイルの加速力を考えると、ぶっちゃけどこでも大気圏を突破出来ると思う。

 思うのだが、そうなればそうなったで、トールギス・グレイルが地球で移動しているのをどこぞのプロヒーローが察して、何があったのか……ヴィランによる何かではないかと考えて、こっちにやって来る可能性は十分にある。

 そんな訳で、やっぱりトールギス・グレイルの性能を試すのならオルフェンズ世界だな。

 ただ、昨日のヴィラン連合の拠点のバーを襲撃した件や、AFOとの戦いの件もある。

 その辺りの打ち合わせ……というか、話し合い? ちょっと予想外な事態に発展してしまった以上、その辺りについて話す必要があるし、他にもヤオモモが微妙に俺の正体に気が付いたっぽい感じがしていて、そういう意味でもそっちのフォローもする必要がある。

 ヤオモモの性格を考えれば、確証もないのに俺の正体について話したりはしないと思う。

 そういう意味では安全なのだが、だからといって完全に気を許す訳にいかないのも事実。

 だからこそ、ヤオモモとはしっかりと話をしておいた方がいいのは間違いない。

 ……いっそ、トールギス・グレイルの試乗にヤオモモも連れてくるか?

 一瞬そう思ったが、実際にそのような事をしたら絶対に不味い事になるので止めておく。

 

「取りあえず1時間……いや、頑張れば2時間はいけるか? そのくらいはトールギス・グレイルの操縦を試してみるよ」

「ありがとうございます。一応こちらで確認した限りは問題はない筈ですが、アクセル代表が実際に操縦してみて何か違和感なり、おかしいところがあったら教えて下さい。すぐに調査して、改修しますので」

 

 トールギス・グレイルを開発した男にしてみれば、この機体は自分の欲望を満たす為の機体であると同時に、オルフェンズ世界のMS技術の検証でもある。

 そこでもし何らかの支障が出た場合は、しっかりとその辺りについても調べるし、問題があるようなら改修するのは当然だった。

 

「分かった。じゃあ、俺は行ってくる。……ちなみに、お前も一緒に来たりはしないのか? トールギス・グレイルの性能を見るのなら、データを見るんじゃなくて直接自分で見た方がいいと思うんだが」

「そうしたいところですけど、私が行くとアクセル代表の足手纏いになるでしょう。それは避けたいので、ここで大人しく待っています。……非常に、非常に残念ですが」

 

 そこまで言うのなら、一緒に来ればいいだろうに。

 そう思うのだが、本人が同行するつもりもないようなので、その点については俺からは特に何も言えない。

 

「分かった。本人がそう言うのなら、それで構わない」

「では、アクセル代表。少しよろしいでしょうか?」

 

 俺の呟きを聞いたエキドナが、不意にそう声を掛けてくる。

 エキドナがどうした?

 そう思ったのだが、エキドナの視線は俺ではなく、先程まで意気揚々とトールギスについて説明していた研究者に向けられている。

 

「えっと……? まぁ、俺は構わないけど、どうしたんだ?」

「少し……いえ、色々とその男に聞く必要がありますので」

 

 そう言うエキドナは、整った顔に微かに笑みを浮かべそう言う。

 これは……多分、何かやらかしたんだな。

 それでも今までこうして連れていかなかったのは、せめてもの温情と言うべきか?

 ……何をやらかしたのかは分からないが、男はエキドナの手によって連行され……それを見ていた他の研究者達は、無茶しやがってと、そんな表情を浮かべるのだった。

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