転生とらぶる2   作:青竹(移住)

2009 / 2196
番外編206話 女達の会話

 アクセルが壊理の面倒を見ている時、凛に引っ張られていったヤオモモと拳藤は……

 

「さて、ここならアクセルにも聞こえないでしょう」

 

 奥にある部屋……当然ながら毎晩のようにアクセルと肌を重ねている寝室ではなく、あるいはルリやラピスの部屋でもなく、あるいはここに住んでいる者達の私物が置かれているような部屋でもなく、こういう時の為……という訳ではないが、人に聞かれないような話をする為に使われている部屋に、ヤオモモ達はいた。

 現在この部屋にいるのは、凛、ゆかり、シェリル、そして引っ張られてきたヤオモモと拳藤。

 

「えっと、その……一体ここで何を話すのでしょうか?」

 

 ソファに座るように言われたヤオモモは、そのソファが予想外に良い物……それこそ自分の家で使われているよりも上質な物である事に驚きつつも、そう尋ねる。

 そんなヤオモモの言葉に、拳藤も自分の向かいに座っている3人の女達を見た。

 ヤオモモと拳藤の正面に座っている、凛、ゆかり、シェリルの3人は、アクセルの恋人だ。

 それが分かっているだけに、ヤオモモにしろ拳藤にしろ色々と思うところがあるのは当然だった。

 そんな2人の様子に、凛はゆかりとシェリルの2人に視線を向ける。

 アクセルに惹かれた女として……それだけに、目の前の2人の女の気持ちは十分に分かっていた。

 

(にしても……)

 

 凛はその美貌を、ヤオモモと拳藤の2人……特にヤオモモの胸に向ける。

 アクセルがいわゆる巨乳好きなのは、アクセルの恋人達を思えば明らかだ。

 それこそマリューや千鶴のような魔乳と呼ぶに相応しい女達もいるし、それ以外の者達であっても基本的には平均以上だ。

 ……実際、凛も昔、それこそFate世界で聖杯戦争に参加した頃は綾子と違って貧乳と呼ばれる側ではあったものの、アクセルとの契約やら、あるいは抱かれた事が影響しているのか、聖杯戦争が終わってアクセルが消えた後で胸は大きくなり、巨乳と呼べる……かもしれないくらいには胸が大きくなった。

 ただ、それでもアクセルの恋人の中ではクリスと並んで下位に甘んじているのだが。

 ともあれ、そんな凛から見るとヤオモモの身体は立派に大人の女だ。

 雄英のヒーロー科のA組では、発育の暴力と呼ばれている程に。

 アクセルの恋人達の中でもトップクラスは無理でも上位には入るくらいには大きな胸をしていた。

 拳藤の方も、ヤオモモ程ではないにしろ、年齢の平均以上の胸を持っているのは明らかだ。

 そんな2人を少しだけ……本当に少しだけ、羨ましそうに凛は見る。

 とはいえ、その気持ちはすぐに押し隠してから口を開く。

 

「まず、色々と話す前に自己紹介をしましょうか。お互いにしっかりと名前が分からないと、色々と不便でしょうし。私は遠坂凛。予想は出来ていると思うけど、アクセルの恋人の1人よ」

 

 そう言うと、凛は次はお前の番だといった様子でゆかりに視線を向ける。

 するとゆかりは、少し困ったように息を吐いてから、この状況では逃げられないだろうと判断し、口を開く。

 

「私は岳羽ゆかりよ。まぁ……その、言わなくてももう予想は出来ていると思うけど、私もアクセルの恋人ね」

 

 ゆかりがそう言い終わると、最後にシェリルが自分の番だと口を開く。

 

「私はシェリル。シェリル・ノームよ。言うまでもなく、アクセルの恋人ね」

 

 そうして凛、ゆかり、シェリルの自己紹介が終わると、当然ながら次はヤオモモ達の番となる。

 堂々とアクセルの恋人であると断言出来る目の前の3人に対して色々と思うところがない訳でもなかったが、それでもこの場で逃げる訳にはいかないと判断したのだろう。

 まず最初にヤオモモが口を開く。

 

「私は、八百万百です。アクセルさんからはヤオモモと呼ばれているので、そう呼んで下さい」

 

 少し……本当に少しだけ、対抗心を出して言うヤオモモ。

 そんなヤオモモに続くように、拳藤が口を開く。

 

「私は拳藤一佳。アクセルとはクラスは違うが、登校する時は毎朝一緒に登校している」

 

 こちらもまた、負けじとアクセルと登校しているという事実を口にする。

 だが、そんな2人の反抗心に……それこそ、可愛らしい反抗心と呼ぶに相応しいその様子に、凛は笑みを浮かべて口を開く。

 

「じゃあ、単刀直入に聞きましょうか。貴方達、アクセルに好意を持ってるわね?」

 

 好意と、そう言われたヤオモモと拳藤は、その言葉に対して瞬間的に言葉を封じられる。

 実際に自分達がアクセルに好意を持っているのは間違いのない事実だったのだから。

 だが……それでも、拳藤はそんな凛に向かい、口を開こうとする。

 しかし、そんな拳藤が何かを言うよりも前に、シェリルが口を開く。

 

「言うまでもないと思うけど、この場合の好意というのは友人に対する好意、あるいは尊敬とか憧れとか、そういう意味での好意じゃなくて、男女間の好意、恋心的な意味での好意よ?」

 

 シェリルの口から出た言葉は、再度拳藤の口を封じるのに十分な威力を持っていた。

 

「あ……う……」

 

 あるいは、拳藤本人もアクセルに好意は抱いていたものの、それは友情的な意味での好意であると、そう思っていたのかもしれない。

 だが凛やシェリルの言葉、それにこちらは実際口に出しはしなかったものの、ゆかりが自分を見る視線によって、その自分の中にある気持ち…思い、いや想い。つまりは恋心について実感してしまう。

 

「け、けど……でも私はまだアクセルと会ってから、半年も経ってないんだぞ!? なのに、そんな……」

「女が恋をするのに、時間なんて必要ないわよ。勿論長い時間を掛けて相手を好きになるというのもあるけど、それこそ一目惚れという言葉があるように、一目見ただけで恋に落ちてもおかしくはないわ」

 

 シェリルのその言葉には、強い説得力がある。

 ……もっとも、シェリルが自分の世界、マクロス世界においてアクセルに好意を持っていると自覚するまでは相応の時間があった。

 

「まぁ……普通はそうよね……」

 

 そして凛は、そんなシェリルの言葉に微妙な表情で言う。

 何しろ凛の場合は、アクセルと知り合った経緯が色々な意味で特殊だ。

 Fate世界において行われる、聖杯戦争。

 それによってサーヴァントとなる英霊を召喚したところ、何とアクセルが現れたのだ。

 ……しかも、当初は何故かアクセルが記憶喪失で。

 ましてや、アクセルのクラスはアークエネミーというエクストラクラス。

 その上に凛が夜に寝れば、アクセルと魔力のパスが繋がっている為にアクセルの記憶を垣間見る事になったのだが……その内容の多くが濡れ場であるという始末。

 当時凛は通っている高校でミス・パーフェクトと呼ばれ、当然ながら男から告白される事も多かったが、それは全て断ってきた。

 全ては魔術師として生きる為に。

 あるいは父親が途中で負けた聖杯戦争に挑戦する為に。

 ……もっとも、本来であれば次の聖杯戦争はとてもではないが凛が参加出来るようなものではない筈だった。

 何しろ、本来の聖杯戦争は数十年に1度の割合で行われるのだから。

 だが……前回の聖杯戦争が中途半端な状態で終わってしまった為、新たな聖杯戦争が始まるのが早かった。

 そんな訳で凛は意気込んで聖杯戦争に参加したのだが……毎晩のようにアクセルの濡れ場を見せられる事になってしまう。

 恋人を作らないで――本人に言わせれば作れないのではなく作らない――いた凛は、友人達と多少話すくらいには性の知識はあったものの、それだけだ。

 そんなところにアクセルの濡れ場を見たのだから、混乱するなという方が無理だった。

 ……とはいえ、結局そんな状態の中で聖杯戦争を通じてアクセルに好意を持つに至り、最終的にはライバルにして親友、そして聖杯戦争の中で半サーヴァントとなってしまった綾子と一緒に魔法を成功させ、並行世界に……アクセルのいる場所まで転移してしまったのだが。

 そういう意味で、凛がアクセルを愛しているのは間違いないものの、とてもではないが普通の出会いとは言えなかった。

 とはいえ、それを言うのならゆかりは初めて影時間に入った時にアクセルと遭遇したし、シェリルの場合はバジュラとの騒動が大きく関わっている。

 そういう意味では、とてもではないが普通の出会いとは言えない。

 ……寧ろ、雄英の入学試験の時にアクセルと協力した拳藤や、個性把握テストの時にアクセルと関わるようになったヤオモモという2人の方が普通にアクセルと知り合ったと言えるだろう。

 

「さて、その様子を見る限りだと、拳藤の方はアクセルに対する気持ちを認めたようだけど……ヤオモモだったかしら? 貴方の方はどうかしら?」

「私……ですか。正直なところ、分かりません。いえ、勿論アクセルさんに対する好意はありますし、それが恋心だと言われればそうかもしれないとは思います。ですが……その、恥ずかしながら、このような気持ちを抱くのは初めてなので……」

「純真ね。……その身体付きに似合わず」

 

 凛のその言葉に、ヤオモモは恥ずかしそうに頬を赤く染め、俯く。

 そんな可愛らしい……愛らしいとすら言ってもいいヤオモモを見ていた凛達だったが、ふと気になって拳藤に尋ねる。

 

「それで……貴方達の世界では、アクセルを好きな人はどのくらいいるのかしら?」

 

 凛のその言葉は、ゆかりやシェリルも興味津々といった様子だ。

 アクセルが色々な世界に行って恋人を作ってくるのは珍しい話ではない。

 その人数も、恋人を作らないこともあれば、複数人の恋人を作ってくる事もある。

 これまでの経験からすると、ネギま世界とUC世界が4人で多かった。

 ……もっとも、ネギま世界はともかく、UC世界の恋人達……シーマ、モニク、クスコ、クリスの4人は全員がUC世界に住んでおり、アクセルの恋人ではあるが、シャドウミラーに所属するのではなく、ルナ・ジオンに所属しているのだが。

 もっとも、ルナ・ジオンそのものがシャドウミラーの下部組織的な存在であるので、大きな目で見れば、シーマ達もシャドウミラーに所属していると言ってもいいのかもしれないが。

 ともあれ、凛やゆかり、シェリルの疑問としては、ヒロアカ世界で何人の恋人が出来るのかという事だった。

 

「えっと……茨とか? いや、でも茨の場合はアクセルに好意を持っているけど、それは寧ろ信仰に近い感じの好意だしな」

「ああ、エルフ達と同じ感じなのね。……まぁ、そういう恋人もいれば珍しくて面白いとは思うけど……ちょっと難しいかしら。他には?」

「え? えっと……B組にはあまり……ヤオモモ、A組は?」

「そうですわね。私自身が恋というのをよく分かっていないので何とも言えませんので、あくまでも恐らくという事になるとは思いますが……芦戸さん、耳郎さん、葉隠さんの3人はアクセルさんに対してかなり強い好意を抱いていると思います」

 

 ヤオモモの言葉に、凛達は驚きつつも面白そうな表情を浮かべる。

 

「ああ、芦戸は明らかにアクセルを好きだよな」

 

 拳藤は受験の時からLINで三奈と知り合いだったし、その縁もあって三奈がアクセルを相手にどのような気持ちを抱いているのかは、何となく理解出来る。

 ……そもそもの話、多くの女が名前ではなく名字で呼ばれている中で、三奈だけが名前で呼ばれているのだから、その辺り露骨であると言っても決して大袈裟ではないだろう。

 

「そうですわね。他だと……プッシーキャッツのうちの2人、ピクシーボブとマンダレイもその中に入れてもいいのではないでしょうか?」

「あー……そうそう。林間合宿であったばかりなんだけど、何だかアクセルに思うところがあったみたいで、妙に接する機会が多かったよな」

 

 ヤオモモの言葉に拳藤がそう言うが、もし拳藤がもっと恋愛に詳しく、スレた性格をしていた場合、女の顔、あるいは雌の顔をしていたと、そう表現しだろう。

 

「それと、リューキュウとマウントレディ。この2人も忘れちゃいけないと思う。何だかんだと、アクセルとの付き合いは長いみたいだし……その……」

 

 最後は言葉を濁す拳藤。

 リューキュウはともかく、マウントレディはアクセルの部屋に呼ばれた時、失禁していたのを見たからだ。

 とはいえ、さすがにここでそのような事を言える筈もなく、黙り込む。

 もっとも、凛達3人はそんな拳藤の様子を見たことで、何となく言いにくいことがあるんだろうなと思うが。

 

「なるほどね。……この様子だと結構多くなりそうかしら」

「その……1つ聞いてもいいでしょうか?」

 

 凛の様子を見たヤオモモは、不思議そうに尋ねる。

 それを聞いた凛がそう返すと、恐る恐るといった様子でヤオモモが口を開く。

 

「皆さんが、アクセルさんの恋人だというのは分かりました。ですが……その、独占したいとは思わないのですか?」

「あー……なるほどね。まぁ、そう思う人もいるのは分かるわ。ただ、言えることはアクセルの恋人になるのなら、ハーレムという形態を許容出来ないのなら、諦める事ね」

「……それは……」

 

 凛の言葉にショックを受けるヤオモモと、こちらも同じく話を聞いていた拳藤。

 だが、そんな2人に対し、シェリルはからかうように言う。

 

「それに……アクセルの夜の相手を1人でしてみなさい? 間違いなくヤリ殺されるから」

 

 そのシェリルの言葉に、凛とゆかりはうんうんと同意するように頷き、言葉の意味を理解した拳藤は顔を真っ赤に染め……その拳藤に耳元で何かを言われたヤオモモは、同じように顔を赤く染めるのだった。

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