転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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2922話

「よかったの、本当に?」

 

 ナムワンに戻ってくると、マーベルが俺にそう言ってくる。

 何について言ってるのか、それは考えるまでもなく明らかだろう。

 それは、俺がナの国に向かう際の報酬として要求した、ダンバインの強化……それも強力な武器を持たせるといったような強化ではなく、動力炉のオーラコンバータやオーラバトラーの筋肉でもあるオーラマルスを強化したりといったような、そういう意味での強化だ。

 マーベルにしてみれば、他にも色々と報酬が貰えるのに、何故? と、そんな風に思ったのだろう。

 

「構わない。マーベルがダンバインに乗ってるというのは象徴的な意味があるし、そんなマーベルを守る為に報酬分を一つ使うくらいは、全く何の問題もない」

「アクセル……」

 

 驚いたようにこちらに視線を向けてくるマーベル。

 マーベルにしてみれば、俺のそんな言葉は予想外だったといったところか。

 

「それにしても、今回の会談で色々と事態は動いたようですな」

 

 俺とマーベルの話が一段落したと判断したのか、キブツがそんな風に言ってくる。

 キブツにしてみれば、俺とマーベルがウィル・ウィプスに行って戻ってきたら、予想外の方向に話が進んでいて驚いたといったところなのだろう。

 とはいえ、その気持ちは俺にも理解出来る。

 まさか、ラウの国の王都のタータラ城までやってきて、そこでいきなりナの国に向かう事になるとは思ってもいなかったんだろうし。

 

「そうだな。まさか、ラウの国がこうして籠城戦をするとは思わなかったし。……話に聞いていたフォイゾンの性格からすれば、少し意外だった。ナの国からの戦力を待ってると考えれば、その選択は分かるんだが」

 

 ナの国にしてみれば、ラウの国に援軍を送るといった理由は特にない筈だ。

 いや、利害関係だけを考えれば、それこそ俺達に協力した方が利益が大きいのは間違いない筈だった。

 にも関わらず、ラウの国に戦力を派遣するというのは……多分、ドレイク軍がミの国、ラウの国と攻めて来た以上、次はナの国だと考えている可能性は否定出来ない。

 これでケムやハワの国に攻め込んだであれば、まだ話は違ったかもしれない。

 だが、ミの国、ラウの国と、アの国は地図で見れば上に向かって侵攻している。

 ラウの国の周辺には他の国がなく……次の狙いとして、自分達だとナの国が判断してもおかしくはない。

 だからこそ、ラウの国に援軍を送るといった判断をした可能性がある。

 とはいえ、この辺りは完全に俺の予想でしかない。

 もしかしたら、ナの国に行ってみればラウの国に援軍を送るといったような事は全く考えられていない可能性もあった。

 ……その可能性は、限りなく低いものではあったが。

 

「そちらの件はアクセル王に任せるとして……私達にとって問題なのは、やはりヨルムンガンドでしょうな」

 

 キブツは少し難しい表情を浮かべて、そう告げる。

 同じオーラシップ……正確にはヨルムンガンドはオーラバトルシップだが、ともあれ空を飛ぶという点では似たようなものではあるが、それでもやはり色々と違う点は多い。

 何よりも、ドレイク軍の兵士を借りて行動をする必要がある以上、キッス家の面々がその兵士達と友好的にやれるのかといった思いがある。

 幾らヨルムンガンドの自動化が進んでいるとはいえ、それでもやっぱり30人程度でオーラバトルシップを動かすのは不可能だしな。

 

「その辺は、ナの国に向かいながらどうにかする必要があるだろうな。……幸い、その間はそれなりに暇になる筈だ。まぁ、もしかしたら……本当にもしかしたらだが、ラウの国の戦力が襲ってくるかもしれないけど」

 

 ラウの国にしてみれば、籠城をしている以上は迂闊に戦力を出すといったような事は出来ないだろう。

 だが、もし俺達がナの国に向かうと知れば……そしてナの国に援軍を要請していた場合、俺達を阻止しようとして攻撃をしてくる可能性は十分にある。

 そうなると、レンの海を移動している……つまり、何かあった時に不時着出来る場所が少ないというのも、この場合は大きかったりする。

 せめてもの救いは、ラウの国からレンの海を越える場合、多島海というように小さな島が複数ある海域を通るという事だろう。

 ただし、当然ながらそのような場所はヨルムンガンドを襲撃しようとする部隊がいた場合には、絶好の隠れ家となる。

 向こうにしてみれば、奇襲をするにはもってこいの場所だ。

 つまり、多島海は何かあった時にヨルムンガンドを着地させるにはいい場所だが、同時に警戒をしなければならない場所でもある。

 そういう意味では、安心すると同時に危険な場所でもある。

 いや、寧ろヨルムンガンドの完成度が高くて予期せぬ故障とか、そういうのがない場合は、多島海を通らず、普通に海の上を通ってナの国に向かった方がいいのかもしれないな。

 

「ともあれ、今回の件は俺達にとっても大きな利益になるのは間違いない」

 

 そう断言するが、ぶっちゃけ報酬という意味では俺とマーベルには大きな利益があるものの、キブツ達キッス家の面々に関しては……そこまでの代物ではない。

 敢えて言うのなら、俺のコレクション欲が満足して、気持ちよく行動出来るという点や、マーベルのダンバインが強化され、マーベルが今よりも強くなるということになる。

 とはいえ、ダンバインの強化はナの国の一件が終わってからの報酬という形になるのだが。

 ナの国に向かう途中でゼラーナ隊と遭遇する可能性があるのなら、出来れば今のうちにその辺を対処したかったのだが……武器の追加ならともかく、性能の底上げという事になると、そう簡単に出来るものではない。

 ダンバインに使うオーラマルスをより高性能な物とするには、技術者の方で専門のオーラマルスを用意する必要があるだろうし、オーラコンバータに関しても、今回用意するのはあくまでもダンバイン専用の物であって、他のオーラバトラーのをそのまま使うといった訳にはいかない。

 いや、あるいはドレイクが俺に約束したような、新型……もしくはオーラバトラーの最終形や完成形と呼ぶべきオーラバトラーのオーラコンバータをダンバインに流用するといった可能性はあるかもしれないが。

 とはいえ、ショットやゼットにしてみれば、ダンバインに使う新型のオーラコンバータというのは、気になってもおかしくはない。

 それで興味を持って、専用の代物を開発してくれれば、俺としては嬉しいんだが。

 

「アクセル王、では私達はヨルムンガンドが到着したらすぐに移動出来るように、各種荷物を運び出す準備をしたいと思いますが、構いませんか?」

 

 キブツのその言葉で、俺はダンバインについて考えていたところから我に返る。

 

「ああ、そうしてくれ。ヨルムンガンドに移動が終わったら、このナムワンは俺の空間倉庫に収納しておく」

 

 どこかにナムワンを保管しておいても構わないのだが、そうなった場合、フラオン軍やピネガン軍とかに奪われる可能性もあるし。

 俺はフラオン軍やピネガン軍の所有する機械の館を、何度も襲ってきた。

 それだけに、襲われた方としても色々と俺の行動に思うところがあってもおかしくはない。

 特にフラオン軍やピネガン軍にしてみれば、俺の使っているナムワンはかなり自動化が進んでおり、少人数で軍を運営しているとなれば非常に羨ましく思う筈だ。

 ……まぁ、フラオン軍やピネガン軍が俺のナムワンにそういう自動化をする為の装置があるというのが分かっていればの話だが。

 ともあれ、そんな風に色々と危険な状況である以上、俺としては下手な場所に保管するよりは空間倉庫に収納しておいた方が絶対的に安全なのは間違いない。

 これ以上に安全な隠し場所は、それこそどこを探してもないのは間違いないと思うし。

 

「分かりました。いざという時のことを考えると、その方が安心でしょうね」

「ああ。もしヨルムンガンドが何らかの理由で撃沈されるようなことがあった場合、すぐにナムワンを出してそれに乗り換えるといった真似も出来るし」

 

 これは空間倉庫を持つ俺だからこそ出来る、一種の裏技のようなものだ。

 もっとも、空間倉庫からナムワンを出したとしても、すぐに使えるといった訳ではない。

 まずは停止している状態のナムワンを動かすといったような真似をする必要があるのだから。

 

「こうして考えると、しみじみとアクセルの空間倉庫って便利よね。……羨ましいわ」

「そうか? まぁ、マーベルも魔法を習得すれば……あるいは、何とかなるかもしれないな」

 

 俺の空間倉庫は、魔法とは全く関係ない能力ではある。

 だが、魔法を習得していけばいずれは空間倉庫と同じような効果を発揮する魔法を作るといったような事も出来るかもしれない。

 あるいは、そういうのを得意なネギ辺りに頼めば……もしかしたら、そんな魔法を作ってくれる可能性は否定出来ない。

 

「魔法……そう、魔法ね」

 

 最近、何気に魔法の訓練に行き詰まっているマーベルだけに、俺の口から魔法について出るとなると、色々と思うところがあったのだろう。

 ましてや、ガラリアは必死の状態ではあっても魔法を発動する事が出来た。

 それに比べると、マーベルは全く魔法を発動出来る気配がない。

 

「訓練を重ねれば、マーベルもいずれ魔法を使えるようになるだろ。今は、とにかく根気強く訓練を重ねるだけだ」

 

 ここが魔法球の中であれば、もう少し魔法を使いやすくなったかもしれないが……魔法球はホワイトスターの中だしな。

 とはいえ、このバイストン・ウェルはファンタジー世界で妖精に似た存在のフェラリオの類もいる。

 自然が豊かな為か、魔法を使う際にも魔力の消費はそこまで大きくはない。

 もっとも、俺の場合は元々の魔力の数値が圧倒的に高く、その回復速度もスキルのおかげでもの凄い早さだ。

 そういう意味では、魔力の消費云々というのはあまり気にしなくてもいいのかもしれないが。

 

「そうね。魔法……出来れば早く使ってみたいとは思うんだけどね」

 

 しみじみと告げるマーベルに、俺は何と言えばいいのか迷うのだった。

 

 

 

 

 

 俺がドレイクやビショットからナの国に交渉しに向かうという話を聞いてから数日後……現在俺達が拠点としている場所に、ヨルムンガンドが姿を現す。

 タータラ城からそう離れていない場所を拠点としているので、もしかしたら再度夜襲でも仕掛けてくるのか? と思いもしたのだが、幸か不幸か夜襲の類はなかった。

 ちなみに拠点と表現しているが、別に何らかの建物がある場所を拠点にしているのではなく、草原にオーラシップやオーラバトルシップを停泊させる事により、拠点としているだけだ。

 元々オーラシップやオーラバトルシップの類は、艦内にきちんと部屋があり、食堂の類もある。

 つまり、そのままオーラシップやオーラバトルシップが停泊していれば、そこはそのまま拠点となるのだ。

 勿論、軍隊だけに何もしなくても食料を始めとした各種物資は毎日のように消費されていく。

 その為、ヨルムンガンドと一緒に各種物資を搭載したナムワンもここに到着した。

 この部隊は、補給物資を下ろすとすぐにまたアの国に戻り、また補給物資を運んでくる予定になっている。

 当然、補給物資を運ぶこの軍はドレイク軍達にとっては生命線であり、敵に狙われる可能性も高い。

 そう考えると、腕の立つバーンが補給隊を率いてるというのはある意味でちょうどいいのだろう。

 失態を繰り返して、筆頭騎士の座をガラリアに奪われたバーンだったが、まさかこんなところで顔を見るとは思わなかった。

 バーン本人も、現在の自分の状況に色々と思うところはあるのか、こっちと視線を合わせようともしなかったが。

 とはいえ、バーン本人は現在の自分の状況に納得はしていないようだったが、補給というのは非常に大きな役割を持つ。

 何しろ、補給が届かなければ軍隊というのは戦えないのだ。

 特にドレイク軍やビショット軍は、オーラマシンを採用した事によって飛躍的に戦力を高めたものの、同時に補給物資も多くなった。

 騎兵や歩兵が戦うような戦争であれば、食料や武器、防具といった物があれば、十分に戦える。

 だが、オーラバトラーを始めとするオーラマシンで戦うようになった場合、それらの補充部品も必要となる。

 戦いの中で損傷する事もあるだろうし、調子が悪くて部品交換をしなければならない事もある。

 不幸中の幸いなのは、現在のドレイク軍で使われているオーラバトラーは、ドラムロが大半だという事だろう。

 そのおかげで、最悪共食い整備といったような真似も出来るのだから。

 そこまでいかなくても、部品の共有といった真似は出来るので、整備の時には非常に助かる。

 ……ビランビーやレプラカーンといった新型機、また現在はもうガラリアしか乗っていないが、バストールといった機種もあるので、そっちの整備は機数が少ない分整備は大変そうだが。

 ともあれ、バーンがこのまま消えるか、はたまた何らかの手柄を挙げて復活するか……その辺は、俺にも分からないので楽しみに成り行きを見させて貰うとしよう。

 もっとも、まずはナの国に行くことが最優先だけどな。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1560
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1680
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