転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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新年、明けましておめでとうございます。
今年も1年、転生とらぶるをよろしくお願いします。

昨日も書きましたが、本来なら今日から活動報告に書いた長い番外編をやるつもりだったのですが、計算ミスで明日からになりました。
ともあれ、この話で一段落。
明日からは番外編をお楽しみ下さい。


4706話

 放課後……というか、夜。

 いつも通り放課後は自主訓練をし、寮に戻ってからはランチラッシュの作ってくれた夕食を楽しみ、風呂にも入って、後は寝るまでの自由時間。

 いつもであれば1階の共用スペースで他の面々と話していたりするのだが、今日は珍しく部屋にいた。

 ……ホワイトスターにある家でもそうだが、自室にいるよりもリビングとかそういう場所にいる方が多いんだよな。

 もっとも、ホワイトスターにある俺の部屋は寝室で巨大なベッドがあるだけなので、そのような場所にいても意味がないというのはあるが。

 一応レモンを始めとした恋人達と同じように荷物を置く部屋もあるが……あれはあくまでも荷物置き場でしかなく、それを自分の部屋というのは少し疑問だ。

 この寮に入る前に住んでいたマンションなら自分の部屋という事も出来るが、あのマンションで借りていた部屋全体が俺の部屋と呼ぶ事が出来たのを思えば、何だか自分の部屋というのも違う。

 そういう意味では、この寮の部屋は俺の部屋という意味では間違いなく納得出来る訳だ。

 もっとも、そういう意味ではまだ龍子の事務所に居候をしていた時にも俺の部屋らしい部屋はあった訳だが。

 ともあれ、そんな部屋のベッドに寝転がりつつスマホを弄り……目的の番号に掛ける。

 数度の呼び出し音の後、相手が電話に出る。

 

『もしもし、アクセル? どうしたの?』

 

 電話に出たのは、龍子。

 電話をしたのは龍子の事務所……ではなく、龍子のプライベートなスマホに対してだ。

 もう夜だというのに、電話に出た龍子の声には疲れが一切ない。

 龍子も今日は……というか、毎日トップヒーローとして忙しいのは間違いないのだが。

 

「夜に悪いな。今、電話して大丈夫か?」

『ええ、今日はもう仕事もないし……まぁ、緊急で何らかの騒動があったりすれば分からないけど』

「だろうな」

 

 プロヒーローというのは、あくまでも仕事だ。

 そうである以上、もしヴィランがどこかで暴れたりしたら、当然ながら龍子も出動しなければならない可能性がある。

 そういう意味では、プロヒーローってやっぱり大変なんだよな。

 

『それで? 用件は何かしら? ……まぁ、用件がなくてもアクセルなら連絡をしてきても歓迎するけど』

「そう言って貰えて嬉しいけど、用件があるのは間違いない。……ねじれが行ってるインターンだけど、俺も龍子の事務所に行ってもいいか?」

『ええ、アクセルなら歓迎よ。即戦力になる人を頼らない訳がないでしょ? それに……』

 

 何かを言いかけようとした龍子だったが、その言葉が途中で止まる。

 

「龍子?」

『ううん、何でもないわ。その……詳しい事は言えないんだけど、もしかしたらアクセルの力を借りるような事になるかもしれないと思って』

「……俺の?」

『ええ。今も言ったけど、まだ詳しい事はいえないから、出来れば聞かないでちょうだい』

「まぁ、龍子がそう言うのならそれはそれでいいけど」

 

 あるいはこれが他の者……全く俺と関係のない相手であれば、態度ももう少し変えたかもしれない。

 だが、相手は色々と世話になっている龍子だ。

 であれば、ある程度の事ならその頼みを引き受けても構わないと思った。

 ……勿論、ヒロアカ世界との交渉で譲歩して欲しいとか、そういう要望とかであった場合は、話が別だったが。

 とはいえ、龍子がそういう要望を言ってくるとは思えなかったが。

 

『ありがと。……それで、インターンの事よね?』

「ああ、雄英の教師達の会議で、インターンの実績のある事務所にのみ許可が出るらしい。そうなると、俺が行けそうなのは龍子の事務所一択だしな」

 

 あるいはプッシーキャッツがまだ活動していれば、そっちに頼むという選択肢もあったのかもしれないが、残念ながら今はプッシーキャッツは活動停止中だ。

 あるいはラグドールがいない中、3人でプッシーキャッツとして活動するという可能性もあるが……プッシーキャッツにとって、ラグドールの個性であるサーチというのは非常に大きな意味を持っていた筈だ。

 何しろ、相手の個性とかそういうのを丸裸に出来るのだから。

 ヴィランと戦う時、何が厄介なのかとなると、それは当然ながら相手がどんな個性を持っているのか分からない時だろう。

 既に相手がどういう個性を使うのかが分かっていれば話は別だが、それが分からなかった場合、実際に戦って相手がどのような個性を持っているのかを調べる必要がある。

 だが、その時にヴィランの個性が1発で致命的な被害を受けるような、そんな個性であれば、プロヒーロー側にとって不利になるのは当然だろう。

 そんな中、ラグドールがいれば相手の個性がどのような個性なのか分かる。

 プッシーキャッツにとって、それが戦局の要であるのは間違いない筈だ。

 しかし、そのラグドールがAFOによって個性を奪われた。

 ……タルタロスにAFOがいるのだから、どうにかして個性を返させるといった事をすればいいのだろうが、AFOの性格を考える限り、そう易々とこちらの要望に従うとは思えない。

 それこそAFOの場合は、殺すとか脅しても……あるいは実際に手足の1本を切断するなり、潰すなりしてもこちらの要望を聞くような事はないだろう。

 ……まぁ、それ以前にそういう尋問というか拷問は、このヒロアカ世界では禁止されている。

 AFOのような相手には例外を設けてもいいんじゃないかと思わないでもないが、悪法も法のうちという事なのだろう。

 実際、壊理をヒロアカ世界の警察やプロヒーローに預けるような事をせず、ホワイトスターに連れていったのもその辺りが理由なのだから。

 そんな訳で、AFOに対する拷問の類が出来ない訳だ。

 あるいは可能性として、以前オールマイトの治療の代価として約束した、タルタロスにいるヴィランを引き渡すというのを公安……いや、この場合は警察か? それとも政府か? とにかくそこが受け入れるのであれば、ホワイトスターにAFOを連れてきて拷問出来るんだが……まぁ、無理だろうな。

 そもそも校長と約束をしたタルタロスのヴィランの引き渡しについても、恐らくは無理だろうというのが前提での話だし。

 そんな訳で、もしプッシーキャッツが活動を再開するにしても、色々と変わる必要があるので、それなりの時間が必要だ。

 つまり、インターンを受け入れている余裕はない。

 

『ふふっ、それは喜んでもいいのかしらね?』

「どうだろうな。……ちなみに峰田が優に連絡を取ってみたらしいが、その時はインターンの受け入れ実績がないからと断られたらしい」

『まぁ、それはしょうがないでしょうね。……あ、でも今は私とチームアップしてるんだから……一度切るわね。考えが纏まったら電話するから』

 

 そう言い、スマホが一旦切れる。

 今の話の流れからして、恐らくは何か思うところがあるのは間違いないのだろう。

 問題なのは、それが何かという事なんだが。

 もっとも、この状況で龍子がこっちにとって不利益になるような事を言うとは、とてもではないが思えない。

 だとすれば、今は大人しく待っていた方がいいだろう。

 ……とはいえ、こうして待っているのも暇なので部屋のTVをつける。

 以前のマンションから持ってきたTVなので、かなりの大きさのTVだ。

 何だったか……部屋に置くTVの大きさを導き出す計算……とまでは言わないが、ある程度の法則とかそういうのがあったと思うんだが。

 それに当て嵌めると、俺の部屋にあるTVは明らかに大きすぎるのは間違いないと思う。

 せめてもの救いは、混沌精霊の俺はTVとの距離の問題で目が悪くなったりはしないという事か。

 そんな風に思いながら、TVを見る。

 さすがに神野区の一件についてはかなり下火になってきたものの、それでもまだそれなりに神野区の一件をやっているんだよな。

 それだけ神野区の一件は衝撃が大きかったという事なのだろう。

 あるいは他に何か……その辺りに匹敵するニュースがないか。

 いや、それはないな。ヒロアカ世界においては、それこそ毎日のようにプロヒーローとヴィランの戦闘が起きている。

 であれば、当然ながら多くの騒動が起きる訳で……だとすれば、ニュースは幾らでもある。

 そうなると、一体何で今もまた神野区の一件がニュースになっているのか……

 TVを見ているとスマホが鳴る。

 表示されているのは、龍子の名前。

 それを確認し、通話に出る。

 

「もしもし」

『アクセル、ちょっといい? 優とちょっと話したんだけど、多分私達で4人はインターンを引き受けられるわ』

「……優と? いや、けど峰田が……」

『そうね。でも、それは優だけの場合でしょ? 忘れているのかもしれないけど、今の私達はチームアップをしてるのよ。そして私はインターンを受け入れている』

 

 龍子の言うインターンを受け入れているというのは、言うまでもなくねじれの事だろう。

 とはいえ……そうなると、それはそれで疑問だが。

 ねじれをインターンで受け入れている以上、龍子が言うように1年から4人出すと、合計で5人となる。

 ……あるいは龍子はインターンの受け入れをやっているので、ねじれを入れて3人でもいいと判断したのかもしれないが。

 まぁ、その辺りは俺がどうこう考える必要はないけど。

 

『ただし、その4人のうち1人はアクセルとして、もう1人は拳藤さんにお願いするわ』

「え? 拳藤? 何でまた?」

 

 まさかここで拳藤の名前が出るとは思わなかったので、驚く。

 もっとも、優や龍子は拳藤と会った事もある。

 ……特に優の場合は失禁の後始末とかそういうのすらやって貰った間柄だ。

 普通ならそういう相手は避けたりするものだが、不思議な事に優は拳藤を気に入っていた。

 それは体育祭の昼休みに俺と拳藤を呼びに来たのを見れば明らかだろう。

 ただし……それはそれとして、まさかここで拳藤を誘うとは思わなかった。

 

『優がそう要望したのよ。まぁ、実際体育祭の様子を見る限りだと、彼女はそれなりに優秀なのは間違いないでしょう?』

「それは否定しない」

 

 両手を大きくするだけという、シンプルな個性。

 だが、シンプルな個性であるが故に、応用力も高い。

 これで拳藤本人の能力が高くなければ、あるいはその個性もそこまで使い道がなかったかもしれないが、幸いな事に拳藤は間違いなく優秀なので、そのシンプルな個性を使い来ないしている。

 この辺は拳藤が格闘技をやっているのも大きく影響しているのだろう。

 

『でしょう? だから、アクセルと拳藤さん。残り2人は……アクセルの方で選んでちょうだい。ただし、インターンである以上、実力が高くなければこちらも途中で打ち切らせて貰うから、そのつもりでね』

 

 そう言ってくる龍子だが、その辺りについては俺も反論出来ない。

 あるいはこれが職場体験であれば、まだ未熟な者にプロヒーローとしての活動をさせるという事で龍子も受け入れただろう。

 だが、インターンというのはあくまでもそのヒーロー事務所の一員として働く事を意味している。

 仮免を持っているからこそ、いざという時は個性の使用も可能だし、何よりインターンは給料も出るのだから、事務所としてもしっかりと戦力になる者でなければ、許容出来る筈もない。

 だからこそ、龍子としては戦力にならないような者であれば、戦力にならないからという事で打ち切る……つまり、首にすると、そう言っているのだろう。

 

「分かった。けど……2人か。龍子の事務所で働くのを希望する奴は結構いたんだけどな」

 

 まず最初にこの話を持ってきた峰田。次に俺と峰田の話を聞いていて、そこに割り込んできた、三奈、葉隠、耳郎。

 他にも瀬呂や上鳴なんかも羨ましそうにこっちを見ていたし、ヤオモモも興味がありそうな様子だった。

 そのような面々について考えれば、その中から4人……いや、俺と拳藤は既に決定しているので、残り2人を選ぶというのは難しい。

 あ、拳藤が決まっているという事は当然ながらB組にもこの話が知られる訳で、そうなると当然のように茨も俺と一緒にインターンをやりたいと主張してきてもおかしくはないか。

 場合によっては、その辺から情報が漏れてB組の面々の中でも龍子の事務所に行きたいと希望する者が出て来てもおかしくはない訳で……そうなると、余計に選ぶのに手間が掛かる。

 

『その辺はアクセルが選んでちょうだい。とはいえ、仮免試験を見る限り、基本的には心配はいらないと思うけどね』

 

 ああ、そういえば龍子も仮免試験には来てたんだったな。

 最終試験で優が……マウントレディが出たのは強く印象に残ってるんだが、龍子はあの時出て来なかったしな。

 もっとも、あそこでドラゴンに変身した龍子が出て来たとしたら、手が回らずに診療所に到達されていた可能性もあった訳で……それだと難易度が高すぎると、そう公安も判断したのかもしれない。

 そんな風に思いつつ、取りあえず希望者を集めて模擬戦でもさせてみるかと考えるのだった。

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