多島海での戦闘が終了して少し時間が経過する。
幸いにして、多島海でのゼラーナ隊との戦いが終わった後は、特に戦闘らしい戦闘はないままに進む。
結局ゼラーナ隊は、あの後は襲ってくるようなことはなかった。
霧の中で逃げ出したのを思えば、もう攻撃をしてくるつもりはないのかもしれないが。
まぁ、ゼラーナは結構な被害を受けたのだから、その修理でとてもではないが追撃が出来るような余裕はないのかもしれないが。
「それで、ナの国まではどれくらいで到着する予定だ?」
「今日の夕方くらいには到着するかと」
ヨルムンガンドのブリッジで、キブツがそう言ってくる。
今日の夕方か。
だとすれば、ナの国との面談は明日になりそうだな。
まさか、夜にいきなりナの国と交渉をするのは難しいだろうし。
「そうか。なら、ゆっくりと移動してくれ。ナの国に移動する途中で操作ミスをしたりすれば、洒落にならないからな」
「分かりました」
「それと、ゼラーナ隊との戦いで小破したオーラバトラーの修復をしておけ。ナの国とは交渉をしに来たのだが、場合によっては戦いになるかもしれないし」
「ナの国と戦いですか。出来ればそれは遠慮したいですね」
キブツにしてみれば、ナの国というのは正真正銘の大国だ。
それこそアの国にとって大国となるとラウの国だったのだが、ナの国はそのラウの国よりも国土や国力が双方共に上の国だ。
だからこそ、ナの国はラウの国よりも上である以上、戦いたくないと思うのは当然だった。
「俺も別に無意味に戦いたいとは思わない。だが、向こうは大国……それも現在ではラウの国と手を組んでいる国だ。そうである以上。アの国からやって来た俺達に攻撃をするという可能性は否定出来ない」
あるいは、直接攻撃をしてくる訳ではなく、模擬戦とか決闘とかそんな感じで戦いを行うといった真似をしてもおかしくはない。
大国故の傲慢とか、ナの国にはありそうだけどな。
とはいえ、そんな大国のナの国もオーラマシンを開発出来なかったのだが。
……ルフト領でオーラマシンを開発出来たのは、ショットやゼットを召喚したからだけど。
そういう意味では、ドレイクはある意味運がよかっただけと言ってもいい。
あ、でもショットやゼット達を召喚したんだから、運だけって訳じゃないのか。
まぁ、その召喚でショットやゼットといったような技術者を引き当てた辺り、運がいいのは間違いないんだろうが。
「出来れば穏便に交渉が出来ればいいのですが」
「向こうの出方次第だな」
そうキブツに返したが、もし万が一……本当に万が一だが、ナの国の国王がフラオンのような無能であった場合、オーラバトルシップのヨルムンガンドや、そこに搭載されている各種オーラバトラー、そして地上人の俺とマーベルを欲しがってもおかしくはない。
正確には俺は地上人ではなく異世界人なのだが。
もっとも、ナの国の繁栄を見ればナの国の国王がフラオンのような無能という事はないと思うが。
というか、あのレベルの無能が2人もいるというのは止めて欲しい。
ある意味、最強の兵器と呼んでも過言ではない存在なのだから。
その兵器を所有している者に被害を与え、敵に大きな利益を与えるという意味でも。
「ナの国の者達がアクセル王を怒らせないように、祈りますよ」
そうキブツが言うと、ブリッジにいた他の面々もその言葉に同意するように頷くのだった。
「この写真は素晴らしいわね。日本の美しさが表れているわ」
マーベルがそう呟く。
現在俺達がいるのは、ヨルムンガンドにある俺の部屋。
そこで、俺とマーベルは一緒に写真集を見ていた。
風光明媚な場所を選んで写真に撮ったという、そんな写真集。
実際、マーベルが感動しているように、どの写真も見て分かる程に素晴らしい景色だ。
山々に広がる紅葉だったり、滝だったり、川だったり、海だったり。
寺の写真とかも非常に興味深い。
「そうだな。こういう写真を撮れるのが、本物のプロなんだろうな」
この世界の地上では、写真を撮るのはまだそこまで簡単な事ではない。
使い捨てカメラとか、そういうのはある時代なのか?
ともあれ携帯の類やデジカメといった諸々で簡単に写真を撮れるような感じではないだけに、プロの実力というのがしっかりと分かる。
素人が適当に撮った写真では、こういう写真集に載っているような写真を撮る事は出来ないのだろう。
『アクセル王、ナの国が見えてきました。そろそろ向こうから通信が入ってもおかしくないので、ブリッジの方にお願いします』
マーベルと写真集を見ていると、キブツからそんな通信が入る。
そうか、そろそろ夕方か。
どうやら予定通りにナの国に到着したらしい。
正確には、ナの国が見えてくると言っていたので、まだナの国に到着した訳ではないのだろうが。
それにしても、ナの国に限らずバイストン・ウェルにおいて領海とかその辺はどう認識されてるんだろうな。
そんな疑問を抱きつつも、俺はまだ写真集を見ていたい様子のマーベルと共にブリッジに向かう。
さて、ナの国……ラウの国と手を組んでるのは、状況証拠から明らかだが、具体的にどのくらいの深さで手を組んでいるのか。そして、交渉次第でその辺を止めさせることが出来るのか。
その辺はかなり興味深い状況ではあるな。
ナの国という国の事を考えつつ、ブリッジに到着する。
「ナの国からの通信は?」
「まだ入っていません」
キブツのその言葉に安堵し、ブリッジにある俺の為の椅子……艦長席よりも立派な、それこそ玉座と言ってもいいだろう場所に座る。
まぁ、俺がシャドウミラーの王である以上、玉座が用意されるのは当然の話か。
そうして、映像モニタに表示されているナの国の様子を見る。
とはいえ、それはヨルムンガンドという最新鋭のオーラバトルシップだからこそ、映像モニタに表示出来るのだが。
現在のところ、オーラバトルシップの中で一番最後に完成したのがこのヨルムンガンドである以上、ある意味でこのヨルムンガンドこそが最新鋭と言ってもいい。
実際には、俺が使っていたナムワンで採用されていた自動化だったり、機械の館をそのまま移設してきたりといったように、最新鋭ではあるが、ある意味で実験艦の要素が強いのは事実なのだが。
それでも実験艦だけに、性能はかなりいい。
……実験艦としてやりすぎて、後方で待機する空母的な存在になったのはちょっとあれだが。
「あれがナの国か。……まだ、特に何かそれらしい場所は見えないな」
映像モニタに表示されてるのは、陸地だけだ。
実際、あの土地はナの国の領土である以上、ナの国が見えたといった報告は決して間違いではない。
てっきり、ナの国の王都……とまではいかないが、街くらいは見えたのかもしれないと思っていたのだが。
「それでも、ナの国程の強国となれば見回りの類はいるでしょう。ガロウ・ランの存在もいますし」
キブツの言葉には、納得するしかない。
ガロウ・ランは、別にアの国やその周辺諸国だけの問題ではない。
それこそバイストン・ウェルであれば、どこにでも存在する連中だ。
中には、ドレイクやキブツに従っているような忠誠心の強い者もいるが、そのような者は全体から見てもほんの少数でしかない。
そうである以上、ナの国も自国に存在するガロウ・ランに対処する必要がある以上、国内の見回りは必須だろう。
ルフト領だけを見ていればよかったドレイクと違い、ナの国全てとなると……国土が広いだけに、その手間はかなりのものになる筈だった。
ドレイクと取引をしたのなら、ドロも所有してるだろうし、ゲドやドラムロを購入していれば、独自にオーラバトラーの技術を発展させた可能性もある。
あるいは、ラウの国と協力関係にある以上、ダーナ・オシーやボゾンを譲られている可能性も十分にあった。
その辺の状況を考えると、やはりしっかりと戦力が整っていると考えるべきだろう。
……もっとも、実はナの国ではオーラマシンを全く開発していないといった事になれば、こちらとしてはかなり助かるんだが。
ドレイクと取引をしていたという実績がある以上、その辺を心配しても意味はないと思うが。
「アクセル王、ナムワン級がこちらに接近してきます」
「来たか」
ブリッジ要員のその言葉に、ようやくかといったように呟く。
だが、ブリッジ要員はすぐに戸惑ったように口を開く。
「え? あれ……すいません、間違えました。これはナムワンではなく……ラウの国で確認された、ナムワンの改修型です」
その言葉に、ブリッジがぎょっとした様子を見せる。
当然だろう。そのナムワンの改修型がラウの国で開発されたにせよ、ナの国で開発されたにせよ、ラウの国とナの国に何らかの繋がりがあるのはこれで確定したのだ。
勿論、今までもそれを前提として動いていたし、状況証拠から考えて間違いないとは思っていた。
しかし、それでもこうして決定的な証拠を見せつけられれば、厄介な事になったと思うのは当然だろう。
この際、そのナムワンの改修型がどのような性能をしているのかというのは、あまり大事ではない。
ラウの国とナの国が繋がってると確定したのが不味いのだ。
「どうします、アクセル王。この件が明らかになった以上、一度退くという選択肢もありますが」
そう告げるキブツだったが、明らかに言葉を俺が聞くとは思っていない様子だった。
実際、この件が明確になったのが大きいのは間違いないが、だからといってはいそうですかと帰る訳にはいかない。
いや、寧ろこの件が明らかになった以上、より強くナの国がラウの国に援軍を送るのを止めさせるべきだ。
とはいえ、問題なのはそれを引っ繰り返す手段だな。
「アクセル王、通信です」
いよいよか。予想していたうちではあるが、それでもあまり好ましくない状況に、これからどう転ぶのかといった思いを抱きつつ、俺は頷く。
それを見て、ブリッジ要員が通信を繋ぎ……映像モニタには、30代くらいの男が姿を現す。
『こちら、ナの国所属のグリムリー級ドラング。艦長のワスラです。ここは既にナの国の領土であり、貴艦は領土に侵入しています』
こっちは無許可でナの国の領土に侵入したのだ。
てっきり高圧的に言ってくるのかと思ったが、予想外に低姿勢だな。
とはいえ、考えてみればその理由は容易に想像出来る。
何しろ、ナムワン……いや、グリムリー級という名称らしいが、そのグリムリーとヨルムンガンドでは、大きく違う。
オーラシップとオーラバトルシップとの間には、大きさも戦闘力も圧倒的な差がある。
そうである以上、ここで向こうが高圧的に出て来た場合、最悪ドラングだったか。そのグリムリー級が撃破される可能性もある。
ある意味で自己保身から、今のような態度を取ったとしてもおかしくはない。
ともあれ、今はまずこっちの事情を説明する必要があるか。
「こちらはアの国の国王ドレイクと、クの国の国王ビショットから派遣された交渉員のアクセル・アルマーだ」
『アクセル・アルマ……アクセル王!?』
ワスラは俺の名前を聞き、驚きに叫ぶ。
どうやら俺の情報を知っていたらしい。
その情報がどこから来たのか……それは、考えるまでもなく明らかだろう。
ラウの国、ピネガン、フラオン……正確にはギブン家。
その辺りから情報が流れたのは間違いなかった。
「そうだ。どうやら知っていたらしいな。その情報をどこから知ったのかは気になるところだが……さっきも言ったが、現在の俺はドレイクとビショットから派遣された交渉員だ。ナの国と交渉する為にやってきた」
『……了解しました。では、案内するので本艦についてきて下さい』
その言葉に従うようにキブツに告げ、ヨルムンガンドはドラングについていく。
「一応……本当に一応だが、攻撃された時に備えて反撃の準備をしておけ。このまま騙し討ちをされないとも限らないし」
ナの国にしてみれば、ラウの国と協力関係にある以上、俺達の存在は邪魔だろう。
場合によっては、ここで俺達を殺そうと考えてもおかしくはない。
何しろ、ナの国はアの国やラウの国から遠く離れている。
俺達を殺す事に成功したら、俺達はナの国に到着していない。
到着する前に、ラウの国の戦力か、もしくは海に棲息するか空を飛ぶ恐獣に撃破されたのではないかと言えば、それでいいのだから。
勿論、俺やマーベルの戦闘力を知っているドレイクやビショットが、そんな話をそう簡単に信じる筈はない。
筈はないが、それでも証拠がなければ意味はない。
まぁ、ナの国の国王は有能な人物だと聞いているし、実際にこれだけの大国を問題なく運用しており、更にはアの国の領主の1人でしかなかったドレイクが開発したオーラマシンを輸入してるのだから、実際に無能という訳ではないのだろう。
俺の指示に従い、真剣な表情でいつ何があってもいいように準備をしている者達を見ながら……俺は、無事に交渉出来ればいいんだがなと、そう思うのだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1570
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1682