転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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聖刻群龍伝編、今日で終わりです。
2ヶ月近く付き合ってくれて、ありがとうございました。
デュマシオンの息子世代の話が殆どなかったのは、当初の予定通り。
原作においても、息子世代の話になるとデュマシオンの描写がかなり少なくなっていたので。
やはり私にとって聖刻群龍伝というのは、デュマシオンの物語なんですよね。
あるいは番外編ではなく本編でやれば、



ちなみに、この番外編の時のアンケートですが、結果は

聖刻群龍伝を知っている 123票(9%)
名前くらいは聞いたことがある 139票(10%)
知らない 1090票(81%)

と、圧倒的に知らない人が多かったみたいですね。
なお、この聖刻群龍伝編を見てのアンケートを新たに追加したので、よろしければ投票して下さい。


明日からはまたヒロアカ編に戻りますので、よろしくお願いします。


番外編265話 聖刻群龍伝編 58話

 ラグーン国主同盟……改め、東テラル首長国連合。

 これがラグーン国主同盟の発展した形の国だ。

 ……いちいち東テラル首長国連合とするのは面倒なので、一般的にも連合と省略される事が多いが。

 ともあれ、その連合と帝国の戦いは、圧倒的なまでに連合有利な状況で進む。

 元々、連合の戦力はイカルガを含めて非常に高く、サイオンの改革すらもろくに進まない帝国軍は、当然のように連戦連敗が続く。

 

「まぁ、サイオンもこんな戦力でこっちを倒せるとは思っていないだろうから、ただの足止めだろうけどな」

 

 アンノウンの振るうハルバードで操兵の頭部を切断しながら、そう呟く。

 既にこの戦争が始まってから結構な勝利を積み重ねているが、それでもまだこの戦いは前哨戦にすぎない。

 サイオンにしてみれば、今俺達が戦っている相手は連合の戦力を少しでも消耗させればいいという、そんな捨て駒的な存在でしかないんだろうな。

 

「ゼオラ砦に向かうのに、分散して戦力を派遣するのも悪くない考えだ。だが……人馬操兵の機動力を計算に入れなかったのは間違いだったな」

 

 現在連合が攻めているのは、ゼオラ砦と呼ばれる砦で、その砦の戦力量だけでは連合を相手に持ち堪えられる筈もなく、結果としてこうして他の砦から戦力を呼び寄せる事になったのだろう。

 まぁ、俺がこうして襲っているのは幾つかに分けられた戦力の1つで、そこまで大勢いない者達なのだが。

 だが、そのような戦力だからこそ少数の戦力を派遣するのは難しく、かといって大勢の戦力を派遣する訳にもいかない訳だ。

 そういう意味では、1機で高い戦闘力を有するアンノウンは、少数の敵を殲滅するのに向けさせるという意味では、これ以上ない程に向いていた。

 

『おのれぇっ! 帝国に仇なす者がぁ!』

 

 残っていた操兵のうちの1機が長剣を構えて突進してくるが……

 

「馬鹿が」

 

 ハルバードを掬い上げるような一撃で振るい、その一撃によって操兵が吹き飛ぶ。

 本来なら、相手はまがりなりにも狩猟機だ。

 片手の一撃で今のように吹き飛ばすといった事が出来る筈もないのだが……アンノウンは、人馬操兵が俺の魔力によって変質した存在だ。

 だからこそ、重量級狩猟機並の膂力を持っており、今のようにこうして操兵を吹き飛ばすだけの威力のある一撃を放つのだった。

 そうして帝国領土に侵攻した連合軍は、まさに連勝を重ねていく。

 帝国軍にしてみれば、何とか連合軍の攻撃を阻止しようとするものの……それこそサイオンの改革に反対をする者達の中には連合軍と戦うどころか、こちらに合流する者達すらいた。

 この辺り、改革を進めるという意味でもデュマシオンとは大きく違ってしまった形だろう。

 するとその辺りはサイオンも理解したのか、小さな軍勢で連合軍の前に出るような事はせず、帝国軍の戦力を集めてから一気に攻撃するということになったのだが……その決戦の場所が、城塞都市ザルツェンだった。

 ……もっとも、サイオン自身が直接出てくるような事はなかったが。

 この辺は専門家に任せてこういう形にしたと言えば分かりやすいのかもしれないが、ファンタジー世界での戦いとなると、総大将が戦場に出るというのは大きな意味がある。

 勿論、戦場に出るとはいえ、最前線に出るといった訳ではない。

 本陣にいる事になるのが普通だが……サイオンはそれすらしなかったのだ。

 もっとも、その辺りについては分からないでもないが。

 何しろサイオンとしては連合軍の相手をする事も必要だが、帝国の政治を動かす必要もある。

 それを考えれば、サイオン本人が戦いに参加するというのは不可能だったのだろう。

 ……まぁ、サイオンはソーキルドという仲間がいるのだから、一時的にしろ帝国の政治はそのソーキルドに任せてもいいとは思うけど。

 ともあれ、ザルツェンを巡る戦いが始まり……

 

「ガイザスが?」

「はい。アクセル様には蛮人王軍の対処をとデュマシオンから連絡がありました」

「……まぁ、分からないではないけどな」

 

 ヘルガの言葉にそう返す。

 俺が乗っているアンノウンは、人馬操兵だ。

 一般的な操兵が歩兵だとすれば、人馬操兵は騎兵のような扱いとなる。

 そして向こうはザルツェンという城塞都市に籠城をしており、そうなると騎兵よりも歩兵が……つまり、人馬操兵よりも普通の操兵の方が向いている。

 勿論、それでも人馬操兵はそれなりに使えたりするのだが……デュマシオン的には、ガイザスを相手にして貰った方が助かると、そう判断したのだろう。

 

「じゃあ、行ってくる」

「お気を付けて」

 

 そんな言葉を交わし、俺はアンノウンを走らせる。

 当然ながら、ガイザス率いる蛮人王軍の対処は俺だけに任された訳ではない。

 アンノウン以外の人馬操兵を使うバルーザや、イカルガを始めとした戦力もいる。

 他にもイカルガ以外の……従来の操兵の姿もある。

 連合においてイカルガが採用されて量産が続けられているものの、イカルガが主力となったからといって、今まで使われていた操兵が消えた訳ではない。

 その操兵達が、今回蛮人王軍との間で出されたのだ。

 ……普通に考えれば、蛮人王軍と城攻めでは後者の方がそこまで高性能な操兵を必要としないと思う。

 何しろ敵は弱兵揃いの帝国軍なのだから。

 いやまぁ、バルーザ戦役だったり、あるいは群雄割拠状態で帝国軍もそれなりに戦いを行ったから、練度は上がっているかもしれないが。

 だが、それでも人馬操兵を使う蛮人王軍の方が手強いのは間違いない。

 それでもこのような状況になったのは、既にザルツェンを攻めている者達と予備兵力を交代する余裕がないからというのも大きいのだろう。

 そんな訳で、俺達は蛮人王軍とぶつかったのだが……

 

「は? 逃げた?」

「はい」

 

 戦いが始まってから暫くして、そんな報告が入る。

 ガイザスが龍操兵の新兵器……ナパーム弾的な性能を持ったそれによって攻撃され、大きな被害を受けて逃げ出したらしい。

 予想外の展開に驚きはしたものの……蛮人王軍の逃亡というのが、帝国軍側の士気を下げたのは間違いなく、やがてザルツェンも陥落するのだった。

 その後は、もう戦いらしい戦いが起きたりといったような事もない。

 たまにどこぞの貴族が立ち塞がったりもしたが、今の連合軍の動きはそれでどうこうする事が出来る筈もなく、あっさりと潰されるか、あるいは降伏する。

 そうして進み続け……やがて連合軍は帝都ルーフェンに到着するのだった。

 

 

 

 

 

「うわぁ……って感じだな」

「サイオンにしてみれば、せめてもの矜持でしょう」

 

 燃える城を見つつ呟くと、ヘルガがそう返してくる。

 ……そう、帝都の中でもサイオンのいる場所は今こうして燃えていた。

 デュマシオンに対する負けを認めたくなかった為か、あるいはいっそ潔く幕引きをと思ったのか。

 その辺りは俺にも分からないが、ともあれこうしてロタール帝国は亡びることになったのだった。

 

 

 

 

 

 ロタール帝国は亡んだものの、デュマシオンとしては妻サクヤーの事も考えてか、帝国を再建する道を選んだ。

 こうしてデュマシオンは連合と帝国、2つの国のトップに立った訳だが……その後もいつの間にかアーシェラとの間に作っていた子供が現れたり、エアリエルとの間に子供が出来たりと、諸々の騒動は起きていたが。

 ちなみに俺はデュマシオンとの約束通りにイシュカークの旧首都イシュカロンにある城を報酬として貰う。

 重要なのは、ヘルガが見つけた場所。

 城ではなく、離れにある場所の地下に広大な空間があり、そこには奇岩島で見たとの全く同じ光景が広がっており、当然のようにそこにはデュマシオンのソレイヤード2世……ルーヴェン・ブロイ・アイネスもあり、他にも特殊な重量級狩猟機、中量級狩猟機、軽量級狩猟機……といった物もあった。

 それだけではなく、自動的に操兵の故障している場所を見つけ、直してくれる整備機械のような物すらあったのだから、ここは奇岩島よりも上位の施設か何かだったのだろう。

 唯一違うのは、奇岩島にあったシュルティ古操兵は白い機体だったのに対し、イシュカロンにあった操兵は黒い操兵だった事か。

 しかもこの黒い操兵は独自の自我があったらしいが……うん、その自我が操手漕に入った俺に接触してきたところ、ヘルガの時と同じく精神的に繋がって俺に完全服従となった訳だ。

 ちなみにその際に黒かった操兵の色が赤くなったのは……まぁ、うん。

 ともあれ、そうして繋がったルーヴェン・ブロイ・アイネス、王者の操兵から手に入れた情報によると、どうやらこの聖刻世界には8の聖刻という神らしき存在がいて、王者の操兵はその8の聖刻に従う存在だったらしい。

 つまり、神の部下が王者の操兵で、スィナーグや人馬操兵、龍操兵といった諸々はその部下……つまり、神の部下の部下といった感じなのだろう。

 そんな訳で俺はイシュカロンで入手した操兵を使って連合の傭兵という扱いとなる。

 その後……エリダーヌとの戦いでカフラーが死んだり、逃げ出したガイザスが再び戻ってきて戦いを起こしたり、あるいはデュマシオンとアーシェラの息子が本当の意味で龍の王の生まれ変わりであるという事が判明し、親子での戦いになったりもした。

 ちなみにデュマシオンの息子に転生した龍の王だったが、本来なら俺がイシュカロンで見つけた王者の操兵を始めとする操兵を戦力として使おうとしたらしいのだが、その辺りは既に俺が奪っていたので、どうしようもなかったらしい。

 結果として、デュマシオンの息子である龍の王は最初から最後までデュマシオンを相手に苦戦をし……そうして最終的には息子が龍の王を飲み込むなり切り捨てるなりして、戦いは終わる。

 そうして龍の王の関係する戦いが終わって暫くが経過し……

 

「中原に?」

『はい、王よ。そこに8の聖刻の気配が現れました』

 

 王者の操兵から、そう報告があった。

 

「ヘルガ、何か掴んでいるか?」

「いえ、申し訳ありませんが、特には」

 

 俺の問いに、ヘルガがそう答える。

 俺がヘルガと出会ってから、既に数十年……あるいはもっとか?

 とにかくそれだけの時間が経ち、連合においても俺達と一緒に戦った者の多くは既にいない。

 だというのに、ヘルガは今もまだ若く美しいままだ。

 俺の魔力による侵食で使い魔となったのも大きいし、あるいは毎晩のように俺に抱かれているのも関係しているのかもしれない。

 ともあれ、以前聖刻の園に所属していた時に月の女王と呼ばれていたヘルガだが、今となってはその異名の方が足りないくらいの貫禄と美貌を持つに至っている。

 ……龍の王との騒動の際、ライバルだったアーシェラがローエンの妹のセーラによって殺された時はそれなりにショックを受けた様子ではあったが……今となってはその状況からも既に立ち直っていた。

 また、聖刻の園を壊滅させた際に間者匠合も乗っ取り、今となってはロタール帝国のあった地域……どころか、西方最大の間者組織を要している。

 ……まぁ、その結果として工呪会が擁する巨人の足跡とぶつかったりする事も珍しくはないのだが。

 そんなヘルガの持つ情報網であっても中原についてまでは届いていないらしい。

 その先にある教会については、考えるまでもないだろう。

 それでも王者の操兵が8の聖刻について知る事が出来たのは……多分、俺の魔力に浸食される前は8の聖刻に仕える存在だったからこそ、その気配について察知する事が出来たのだろう。

 ともあれ、そういう美味しそうな情報を入手した以上、いつまでもこのままここにいる訳にはいかない。

 

「ヘルガ、バルーザの連中を呼べ」

 

 そう、指示を出す。

 バルーザは元々龍の王に仕える存在ではあったのだが、デュマシオンや龍の王と色々とあったり、アンノウンの件もあった結果、今では全てではないにしろ、全体の3割程は俺に従っている。

 もっとも竜騎士の方は人馬操兵と比べて数は少なかった事もあり、真の龍操兵もデュマシオンと龍の王との戦いで破壊されていた。

 簡易版の方は別に竜騎士としての血が濃くなくても乗れるのだが……そちらも数が少ない為に、既に竜騎士という存在は消滅している。

 海の龍操兵の方は……カフラーがエリダーヌと戦った時に、ほぼ全滅してるしな。

 なので、今残っているのはバルーザのみとなる。

 まぁ、その気になれば王者の操兵の知識によって龍操兵を新たに作れたりするのだが、そちらに乗るには血筋的な問題もある。

 そんな訳で、俺はバルーザの中でも俺に従う者達を引き連れて中原に向かう。

 ……その後、色々とあって中原の戦いの後には東方に向かい、そこで俺はニーズヘッグを使って何度目かになる神殺しを達成し、それでようやくゲートが起動するようになってヘルガと共に……他にも俺に従う者達の中で俺と一緒に行きたいという者達を引き連れ、ホワイトスターに帰るのだった。

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