転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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昨日の番外編の更新で、ちょっとしたミスで以前のアンケートのままになっていました。
現在は修正してあるので、昨日アンケートに投票出来なかった方で投票してもいいよという人はどうぞ。


4707話

「なぁ、アクセル。インターンの件、どうだった?」

 

 俺が龍子と話した日の翌日……朝食を食べに寮の1階にある共同スペースに下りてくると、峰田がそう聞いてくる

 仮免試験に合格し、ビッグ3からインターンの重要性について聞き、それでいざインターンに……という風になったのに、インターンを受け入れるのは実績のある事務所のみとなり、峰田――だけではないが――はインターン先に困っていたのだろう。

 実際、峰田以外にも俺の返事が気になっているような者達が視線を向けたり、あるいは自分は気にしてないと見せつつ、実際にはこちらに意識を向けていたりと、そんな感じとなっている。

 

「リューキュウの事務所からは、4人受け入れてもいいという事になった」

 

 ざわり、と。

 俺の事を聞いた者達がざわめく。

 ……爆豪までもが何だか気にした様子を見せているのは……どうなんだろうな?

 もしかして、爆豪も龍子の事務所にインターンに来たいとか?

 

「うおおおおおっ! さっすがアクセル! オイラの親友だぜ!」

 

 そう喜びの声を上げる峰田だったが……いや、親友って。

 お前はいつも血涙を流しながら俺を睨んでいるし、攻撃してきたりもするだろうが。

 ……まぁ、峰田の事だからそれはそれ、これはこれといった感じで言ってきそうだけど。

 ともあれ、今は峰田の親友発言はスルーして、事情を説明しておいた方がいいだろう。

 

「待て、まずはしっかりと話を聞け。……リューキュウの事務所で4人引き受けてもいいとは言ったが、実際に引き受けられるのは2人だ」

「え? ちょっと、アクセル。それってどういう事? 1人はアクセルだと思うけど、もう1人は?」

 

 卵焼きを食べながら、そう三奈が聞いてくる。

 

「拳藤だ」

「……へぇ……」

 

 俺の言葉に、三奈がジト目を向けながらそう言ってくる。

 ……いや、三奈だけではない。話を聞いていた多くの者達が俺を見ていた。

 

「あー……その、一応言っておくけど、拳藤がインターンの1人に決まったのは、別に俺が何かを言った訳じゃないぞ? リューキュウが……より正確にはマウントレディが拳藤を気に入ってるからだ」

「え? ちょっと待った、アクセル。マウントレディ? オイラ、断られたんだけど?」

 

 そう、峰田が言ってくる。

 峰田にしてみれば、自分のインターン希望が断られたのに、一体何でだと不満に思ってもおかしくはない。

 とはいえ、その辺はちょっとした行き違いからのものだが。

 

「峰田にしてみれば理不尽に感じるだろうが、俺のインターン希望の話を聞いてから、リューキュウがマウントレディに話を持っていって、それでチームアップしているという事から、リューキュウの事務所で4人インターンを引き受けてもいいって事になったらしい。だから、峰田がマウントレディに話を聞いた時にはマウントレディはインターンを受け入れる事が出来ないと認識していたのは間違いない」

 

 女好きのセクハラ常習犯である峰田と一緒にいたくなかったから断ったとか、そういう事ではない。

 ……まぁ、職業体験の時は峰田がマウントレディと一緒に行動して、峰田が……あの峰田が、一時的に女が怖いといった状態になっていたりはしたが。

 

「そうなのか?」

「ああ、そうだ」

 

 もっとも、これはあくまでも俺が聞いた話であって、実際にはどうなのか分からないが。

 もしかしたら……本当にもしかしたら、優が峰田をインターンで受け入れたくなくて断ったという可能性もある。

 もっとも、優の性格を考えるとそういう事をするようには思えないが。

 

「ともあれ、リューキュウの事務所で受け入れられるのは残り2人となる。その2人分の希望者は……どうやら結構な人数がいそうだな」

 

 こうして見た感じでは、俺の話を聞いていた多くの者達がやる気満々といった様子なのは間違いない。

 ……これで2人だけが、あるいはせいぜい3人か4人程度ならジャンケンやくじ引きでという風に考えられたんだが、この様子だと難しいな。

 それに原作のある世界だと考えれば、ほぼ確実にこのインターンでも何らかの騒動があるのは間違いない。

 直近での諸々を考えると……ふと、脳裏にファンタジー世界のロボットなんてのが思い浮かぶ。

 おいおい、もしかして今回の騒動の裏には異世界に転移出来る個性の持ち主がいて、A組……もしくはB組の生徒もそんな世界に放逐されるとか、そういう可能性はないよな?

 で、個性を使って、後はヤオモモの創造の個性とか、他にも色々な者達の個性を使って建国するとか?

 でもって最終的にはその世界の神を殺してヒロアカ世界に戻ってこられるとか。

 ちなみに何となくだが、その時に腹心の部下の魔法使いの女が1人いるような気がする。

 まぁ、妄想はその辺にして。

 とにかく原作的に何らかの騒動が起きるのはほぼ確実……もしかして、直近という意味だと壊理の件が影響していたりするか?

 結局壊理を追っていた者達については、俺が壊理を救出してから、特に何もなかったし。

 だとすれば、何となくだが壊理の件が関わってくるような気がする。

 とにかくそうなると、当然のように戦闘力が重視される訳で……

 

「そうだな、残り2枠を決める為に、今日の放課後に希望者で模擬戦のトーナメントでもやるか。それで1位と2位がその2枠にという形になるってのでどうだ?」

 

 そう言う俺の言葉に、インターンを希望する多くの者達がやる気に満ちた様子で声を上げるのだった。

 

 

 

 

 

 そして今日の授業も終わり、放課後。

 いつものようにミッドナイト……だけではなく、万が一の事も考えて相澤にも今日は来て貰っている。

 それはいいんだが……

 

「えっと、茨は何でここにいるんだ?」

「アクセル様と同じくインターンに参加したいからです」

 

 あっさりとそういう風に言ってくる。

 いやまぁ、それは別におかしな話ではないけどな。

 ただ、B組から来ているのが拳藤と茨の2人だけというのはどうなんだ?

 こうして茨が来たという事は、当然ながら龍子の事務所のインターン枠が残り2人という情報がB組にも伝わったのだろう。

 あるいは三奈とかが拳藤にLINで知らせたのかもしれないが。

 

「なるほど」

 

 こうも堂々と俺と一緒にいたいからと言われれば、俺としてもそう答えるしか出来ない。

 ただ、少し疑問なのは……

 

「なぁ、拳藤? B組からリューキュウの事務所にインターンを希望するのは、茨だけなのか? それこそこの件が伝わっているのなら、もっと来てもおかしくはないと思うんだが」

「あ、あはは。その……茨にその……ちょっとな」

 

 茨の隣にいた拳藤が、俺の言葉に困った様子でそう言ってくる。

 あ、これは……多分だが、他にもB組に龍子の事務所のインターン希望者はいたんだろうが、茨によって色々とされたな。

 勿論、茨の性格からすると脅しとかそういうのをするとは思えないが、それはつまり脅しとかじゃなければ何かをやったと、そういう風に思えるのも事実だ。

 それが具体的に何なのかとかは分からないが。

 あるいは……B組代表を決める為の模擬戦とか、でもしたか?

 まぁ、その辺については俺が考えるような事じゃないか。

 ……下手に突っつくと嫌な予感しかしないし。

 

「それでは、トーナメントの順番を決めましょう。私も含め、ここにいるのはリューキュウの事務所にインターンで行きたい方々という事で間違いありませんわね?」

 

 ヤオモモがそう尋ねると、その言葉に異論を口にする者はいない。

 そうしてヤオモモが創造の個性で作ったクジを引いてトーナメントの順番を決めていく。

 ……なお、ヤオモモは自分が作ったクジということで自分では引かず、最後に残った場所を自分の場所とし……そうして、龍子の事務所のインターンを目指す残り2枠を巡ってのトーナメントが始まるのだった。

 

 

 

 

 

「嘘だろ? 俺が……ええっと、本当にいいのか?」

 

 トーナメントで準優勝となった瀬呂が、信じられないといった様子でそう言ってくる。

 まぁ、それも当然か。

 トーナメントに参加した者達の中でも瀬呂は決して有力な選手とは思われていなかったのだから。

 だが、瀬呂はそんな前評判を覆して決勝に進出し、そこでは負けたものの、それでも準優勝を勝ち取ったのだから。

 何だかんだと日の目の当たる場所に出る事が出来なかった瀬呂にしてみれば、大殊勲といった形だろう。

 ……もっとも、体育祭で最終種目にまで残った時点で十分に日の当たる場所に出ているという考え方もあるのかもしれないが。

 そして、そんな瀬呂を決勝で破ったのが……

 

「それを言うなら、私の方が驚きだよ。まさか、優勝出来るなんて思わなかった」

 

 まさに、こちらの方こそ大殊勲と言ってもいいだろう。

 そこには驚いた様子で声を発する葉隠の姿があった。

 ……いやまぁ、実際に瀬呂以上にこの展開は予想外だったが。

 何しろ、他の参加者としては創造のヤオモモや三奈、耳郎、茨といったいつものメンバー以外にも、尾白、上鳴、切島、梅雨ちゃん、砂藤、峰田、障子といった面子もいた。

 そんな面々を倒して勝ち抜いて来たのが、葉隠と瀬呂なのだから、それに驚くなという方が無理だろう。

 葉隠にしろ瀬呂にしろ、競争率300倍の受験を突破して雄英のヒーロー科に合格しただけあって、優秀な人材なのは間違いない。

 特に葉隠は自分の髪の毛の細胞から培養したヒーローコスチュームを着ている為に、裸ではなくなった……つまり、そこまで高くはないが、きちんとした防御力を持つ事が出来るようになったというのは、大きな意味を持つ。

 実際、葉隠が優勝出来た理由にもその辺りがあったのは間違いないし。

 透明というのは、それだけで強いんだよな。

 ……まぁ、気配を察知出来るような相手に対しては、透明という個性の利点は大きく消されるのだが。

 

「くっそぉ」

 

 喜んでいる2人とは裏腹に、切島を始めとした他の面々は悔しそうな様子を見せていた。

 龍子の事務所にインターンで行けなくなったのが悔しいというのもあるが、もっと単純に模擬戦で負けたというのが悔しいのだろう。

 この辺の負けず嫌いは切島らしい……というか、雄英の生徒らしいよな。

 

「うーん、まさかテープをあんな風に使われるとは思わなかったなぁ……悔しい」

 

 こちらは準決勝で瀬呂に負けた三奈の言葉。

 瀬呂に勝てばインターンが決まっていただけに、余計に悔しさがあるのだろう。

 だが、三奈も瀬呂によって負けてしまった。

 

「アクセル、もういいな? では俺は仕事に戻るぞ」

「あ、はい。ありがとうございまいた」

 

 相澤の言葉にそう答えると、相澤は素早くこの場を立ち去る。

 

「えっと……ミッドナイト先生はいいんですか?」

 

 相澤は立ち去ったものの、何故かミッドナイトはまだこの場に残っていた。

 それを疑問に思ってそう尋ねると……

 

「いいのよ。私は今、青春を身体全体で感じているの。うーん……この青臭さは……好き!」

 

 そう言い、身をくねらせるミッドナイト。

 ……峰田が、いや上鳴や瀬呂、尾白までもが身をくねらせるミッドナイトに目を奪われていた。

 いやまぁ、身体のラインを強調させるヒーローコスチュームを着ていながら今のように身体をくねらせているんだから、高校生なら大人の色気に目を奪われるのも当然だが。

 特にそういうのに慣れていない者達であれば、余計にそのように思うだろう。

 ちなみに俺の場合は、レモンを始めとするミッドナイトに負けないくらいの男好きのする身体の持ち主達とかなりの頻度で楽しんでいるのもあって、そこまで露骨に目を奪われるような事はない。

 ヤオモモを始めとした女達が微妙にジト目を、何故か俺だけに向けているのも、この場合は関係しているのかもしれないが。

 そんな多数のジト目に耐えきれなくなった……訳ではないが、俺はこのトーナメントを開いた人物として口を開く。

 

「それじゃあ、無事にトーナメントも終わったし、そろそろ夕方だから寮に帰るぞ」

 

 そう言うと、全員が特に異論もなく寮に帰るのだった。

 ……茨は自分が負けた事に呆然自失といった状態だったが、そちらは同じクラスの拳藤に任せる事にする。

 茨にしてみれば、信仰の対象である俺と同じインターン先になるというのを希望していたんだろうけど、こればかりはな。

 別に贔屓とかそういうのではなく、普通に茨が途中で負けたんだし。

 もし茨が優勝か準優勝をしていれば、特に異論なく龍子の事務所でのインターンに推薦していたし。

 そんな訳で、茨には今回の負けをしっかりと噛み締め、また立ち上がって貰いたいと思うのだった。

 

 

 

 

 

『へぇ、ちょっと意外だったわね』

 

 夜、俺は部屋で龍子に電話をしていた。

 話の内容は、当然のように今日行われたインターンを巡ってのトーナメントの事。

 

「意外って……瀬呂はともかく、葉隠とか龍子は知ってたか?」

『ええ、仮免試験の時に見ていたから』

 

 そう言われ、納得する。

 仮免試験では優がヴィラン役として出たものの、龍子はヴィラン役としては出なかった。

 その代わりという訳ではないが、観客席でこちらを見ていたのだろう。

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