転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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鏡あきらさんから、話数での具体的なタイトルと、ヒロアカ編の人物紹介その2を貰いましたので、投稿しました。
気になる方は以下からどうぞ。
鏡あきらさん、ありがとうございました。


話数での具体的なタイトル
https://syosetu.org/novel/179815/3.html


キャラ一覧
https://syosetu.org/novel/179815/14.html


4726話

「そんな訳で、数日中に壊理を雄英に連れて行こうと思うんだけど、どうだ?」

 

 相澤から壊理の件を聞いたその日の夜。

 俺はホワイトスターに戻ってくると、リビングにいる面々に尋ねる。

 

「うーん……あくまでも雄英の内部だけの文化祭なんでしょう? なら、壊理ちゃんを連れていっても問題ないと思うけど」

 

 そうマリューが言うと、他の面々も同様に頷く。

 

「でしたら、私が付き添いとして一緒に行きましょうか?」

 

 ……千鶴のその言葉は、俺にとっても予想外ではあったが。

 

「千鶴の気持ちは嬉しいけど、千鶴が来たら誰だ? って騒動になるのは間違いないんだよな」

 

 特に峰田辺りが千鶴を見たら、一体どうなるのか。

 特に千鶴は俺の恋人達の中でもトップクラスの双丘を持つだけに、その年齢に見合わぬ落ち着いた美貌……未亡人染みた美貌と言ってもいい、そんな美貌から、多くの者達の注目を浴びる。

 

「ウフフ、アクセル君?」

「あ、いや。何でもない。うん」

 

 笑みを浮かべ、どこからともなく長ネギを手にした千鶴に対し、そう誤魔化す。

 相変わらずこっちの考えを読んでくるな。

 あるいは俺が分かりやすいだけなのか? と思わないでもないが、今まで色々な修羅場を潜り抜けてきた上で、そういう弱点が露わになった事はない。

 つまり、俺の顔に考えが出やすいとか、そういうのでないのは明らかだ。

 なら、何で分かるのかと言われれば……まぁ、女の勘、恋人の勘としか言いようがなかったりするのだが。

 

「とにかく、そんな訳で壊理は一度雄英に連れていくことになる」

「けど、アクセルだけで壊理の面倒を見られるのか?」

 

 スレイのその言葉に、話を聴いていた他の面々もそれぞれに頷く。

 

「文化祭の時は、拳藤が一緒にいてくれるらしい。壊理も拳藤とヤオモモには結構懐いているしな」

 

 そう言うと、何人かが納得した様子を見せ……いや、それどころか、何故か意味ありげにお互いに目配せをしたりしている。

 うん? 一体何だ?

 そう疑問に思ったが、それを口にするよりも前にあやかが口を開く。

 

「拳藤さんが一緒にいてくれるのは、あくまでも文化祭の時ですわよね? そうなると、近いうちに行くという時はどのようにするんですの?」

「その時は……どうなんだろうな」

 

 拳藤は今からもう劇の練習やら何やらで忙しいとLINで愚痴っていた。

 何しろ拳藤は劇の主役、あるいはヒロイン? とにかく主要キャラをやる事になったらしいしな。

 覚える台詞も多いだろうし、そういう主要キャラとなると、ただ台詞を覚えるだけではなく、きちんと演技の練習もする必要がある。

 だからこそ、拳藤は忙しい訳で……文化祭本番の日ならともかく、こうして練習をしている時に呼ぶのは不味いか。

 多分呼べば多少の無理は承知の上で協力してくれるとは思うんだが……そこまでやる必要はないしな。

 なら、同じく壊理が懐いているヤオモモに頼むか?

 だが、ヤオモモはヤオモモで学級委員長であったり、バンドのキーボードであったり、個性を使って必要な物を作ったりと、忙しい。

 ヤオモモも壊理と会えれば喜ぶだろうから、呼んでもいけど……こっちもこっちでやっぱり忙しそうなんだよな。

 そんな訳で、ヤオモモも駄目、と。

 そうなると……ああ、ミッドナイト辺りに頼むのもいいかもしれないな。

 

「文化祭の準備中に見て回るんだし、いっそ教師のミッドナイトに頼んでもいいかもしれないな。それも青くていいって事で、喜んでくれそうだし」

「青い? 何が青いの?」

 

 マーベルの疑問に、周囲にいた者達も同じように首を傾げていた。

 まぁ、ミッドナイトがどういう性格か分からなければ、そういう疑問を抱いてもおかしくはないか。

 

「ですが、アクセル。そのミッドナイトというのは……その、18禁ヒーローなのでしょう? そうなると、その壊理の教育に悪いと思うのですが」

 

 シーラらしい生真面目な意見ではあったが、何気にこれに同意する者達が多かった。

 まぁ……うん。実際、ミッドナイトの外見は男の劣情を煽るかのように、ボディラインを見せつけるような、そんなヒーローコスチュームだ。

 そういう意味では、確かに問題かもしれないが……

 

「けど、ミッドナイトも駄目となると、他に頼めるような相手はいないぞ?」

 

 他に壊理の世話を出来るような女の教師となると……13号とか?

 いや、けどミッドナイトはともかくとして、俺は13号とはそこまで親しい訳ではない。

 USJの一件でちょっと知り合ったくらいで……言ってみれば、それだけしかないのだ。

 勿論、13号も雄英の教師である以上、林間合宿が終わった後で俺の秘密を話した場所にはいたので、こっちの事情は理解している筈だ。

 しかし、それでもやはり本当に13号でいいのかと言われると……やっぱりどうかと思うんだよな。

 

「では、やはりここは私が……」

 

 そう口にしたのは、凛だった。

 まさか凛がこういう事で自分から動くのは予想外だったが、本人の様子を見ると冗談でも何でもなく、本気で自分がヒロアカ世界に行こうとしているのは明らかだ。

 

「凛がヒロアカ世界に行きたがるというのは、ちょっと意外だな」

「あら、そう? でも私にしてみれば決しておかしな話ではないつもりよ? 個性というのは、少し興味があるし」

「……凛が、か?」

 

 魔術ならともかく……あるいはネギま世界のような魔法とかならともかく、まさか凛が個性に興味を持つというのは予想外だった。

 

「ええ。何かおかしい?」

 

 おかしいかと言われれば、間違いなくおかしいと答えるしかない。

 それは事実なのだが、そういう風に言った瞬間にガンドが飛んで来そうなんだよな。

 とはいえ、凛を連れていくのが難しい理由もある。

 

「凛の気持ちは嬉しいが、雄英は結構な技術を使っているんだよな。それを考えると、凛を連れていくのはちょっと難しいと思う」

 

 雄英の正門を見れば分かりやすいと思うが、それなりに高度な技術を使っているのも事実。

 であれば、もし凛を連れていった事によって何らかの騒動が起きる可能性は十分にあった。

 ましてや、今は文化祭の準備期間となっている。

 そうなると、当然だが生徒達も忙しくしており……そんな中で凛が何らかの機械に触れて、その結果として文化祭の準備が駄目になったりしたら、洒落にならない。

 

「それはっ! ……えっと……まぁ、うん。そう言われると反論するのがちょっと難しいわね」

 

 悔しそうな様子で言う凛。

 ホワイトスターにある機械の類なら、注意して扱えばそこまで問題がないようには出来る。

 だが、それが雄英に行ってとなると……それこそ雄英にある何らかの装置が意図せぬ発動をしても、俺は驚かない。

 あるかどうかはともかくとして、雄英の自爆スイッチが入っても『凛だしな』で納得してしまう自信が俺にはあった。

だからこそ、雄英を破滅させない為にも取りあえず凛を連れていくのは止めた方がいいというのが俺の判断だった。

 

「やっぱり、ミッドナイトに任せるのが一番いいな」

「……アクセルってああいう人好きだもんね」

 

 ミナトのそのからかうような言葉に、何と答えればいいのか迷う。

 いやまぁ、実際ミッドナイトが好みかどうかという風に言えば好みであるのは間違いない。

 また、強烈な女らしさを出しつつも世話好きできちんと生徒の事を思っているのも理解はしている。

 それにミッドナイトにとっても俺は生徒であって生徒ではないという特殊な立ち位置というのもあって……また、以前何も知らないミッドナイトに20代の姿で会った事もあり、そういう意味でも色々と……本当に色々と俺とミッドナイトの関係は特殊で、だからこそ複雑な状況であるというのは理解している。

 だが……それでも、俺とミッドナイトがそういう関係になる可能性は低いと思う。

 何らかの証拠があってのものではなく、あくまでもそういう風に感じるというだけなのだが。

 ともあれ、ミナトと……そんなミナトの隣で呆れの視線を向けているエリナから逃げるように、TVを見ている壊理の側に向かう。

 なお、当然のように壊理の側にはルリとラピスの姿もあり、3人揃って一緒にTVでアニメを見ていた。

ちなみにTVの内容は、言葉を喋ることが出来る動物達が自分達の国作りをする為に頑張っているというものだ。

 これ……どの世界のアニメなんだろうな。

 見た感じだと壊理はかなり真剣に見ている。

 ……いつだったか見た、武闘派の魔法少女っぽい感じの奴とは方向性は違うものの、それでも壊理の注意を向けるのには十分だったらしい。

 

「あ、りんご……」

 

 壊理の呟きにTVを見ると、そこではカニがリンゴの木に登り、地上にいる猿が木に登ろうとすると、泡を吹いて登ることが出来ないようにしていた。

 これ……まさかとは思うけど、サルカニ合戦的な奴のオマージュか何かか?

 柿じゃなくてリンゴで、しかも木の上にいるのがカニで地上にいるのが猿というのにかなりの違和感があるけど。

 これは30分の番組だったらしく、やがて猿とカニの決着がつかないままで話は終わる。

 

「残念」

 

 もっと見たかったといった様子で呟く壊理。

 俺にはあまり面白さは分からなかったが、どうやら壊理にしてみれば今のアニメはかなりの当たりだったらしい。

 

「壊理」

「え? あ……おと……アクセルさん」

 

 惜しい。

 そう思ったが、壊理が俺を父親と呼べるようになるまでは気長に待つ事にしているので、その辺については今は気にしないようにしている。

 

「ちょっといいか? 近いうちに俺が通っている雄英で文化祭をやるんだが、それを見に行かないか? ああ、ちなみに文化祭を見に行くのなら、その前に一度雄英に行って、どういう感じなのかというのを見る事になると思うけど」

「えっと……?」

 

 俺の言葉に首を傾げる壊理。

 壊理にしてみれば、まだ小さい事もあり……何より、治崎によって閉じ込められていたので、まだ色々と分からない事もあるのだろう。

 また、治崎との一件については思い出させないようにする為に、意図的にヒロアカ世界の情報は聞かせないようにしているらしいし。

 なので、当然ながら治崎の件……死穢八斎會の一件についても、まだ壊理は知らない。

 寧ろ壊理は治崎はともかく、死穢八斎會という名称すら知らない可能性があった。

 年齢を考えれば、それも無理はないが。

 ましてや治崎のオーバーホールという個性によって、虐待という一言では言い表せない程の、そんな痛みに耐え続けてきたのだから。

 

「今度、雄英に遊びに行こう」

「うん、アクセルさんといっしょにいく」

 

 端的に目的を話せば、即座にそう反応する。

 俺の思い込みでなければいいんだが、壊理は俺と一緒に遊びに行けるというのを喜んでいるように思える。

 

「そうか。なら、それまで待っていてくれ。俺にとっても、今回の一件は色々と特殊な状況になりそうだしな」

「とくしゅ?」

 

 不思議そうに首を傾げる壊理の頭を撫でる。

 レモンからの報告によると、壊理の個性である巻き戻しは、それを使うのに何らかのエネルギーを使うらしい。

 例えばヤオモモの創造が、カロリーを消費しているのと同じようなものだな。

 それで、壊理の巻き戻しの場合は額の右側にある角にそのエネルギーが溜め込まれているらしい。

 幸いなことに巻き戻しによる影響を受けるのは人だけなので、壊理は角にエネルギーが溜まったらホワイトスターの中でも人が誰もいない場所に移動して、巻き戻しを使っているとかなんとか。

 これによって、壊理も自分の個性によって人を傷つけなくてもいいということで、自分の個性について悪い印象はある程度へったらしい。

 ……もっとも、治崎による虐待どころではない一件の影響もあり、まだ完全といった訳ではなかったが。

 

「ああ、特殊だ。とにかく、壊理がその気になってくれたのは俺も嬉しかったよ」

 

 そう言うと……ラピスが俺に近付いてくる。

 

「父、私も」

 

 頭をぐりぐりと擦りつけてくるのを見れば、ラピスが何を望んでいるのかも分かりやすい。

 なので、そっとラピスの頭を撫でてやる。

 

「ルリ、どうする?」

「……私、そこまで子供じゃありませんから」

 

 そう言いつつ、少し……本当に少しだけラピスを羨ましそうに見ているのは、きっと俺の気のせいという訳でもないだろう。

 なので、ラピスを撫でた後はルリの頭も撫でてから、また新たなアニメが始まったのを見つつ、その場から離れる。

 

「それで、レモン、マリュー。個性破壊薬の方はどうなっている?」

 

 壊理達から離れ、レモン達の側に戻ってくると、そう尋ねる。

 個性破壊薬が完成すれば、それは強力な一手となる。

 なので、一体どうなのかと聞いたのだが……

 

「少し苦戦しているわね。壊理の髪の毛や、爪といった部位を使って研究そのものは進んでるけど……まだ完成にはもう少し掛かると思うわ」

 

 そんなレモンの言葉に、あのレモンがまだ? と少しだけ驚くも、それだけ個性破壊薬というのは特殊な存在なのだろうと納得するのだった。

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