転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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4766話

 朝と呼ぶにはまだちょっと早い、午前5時くらい。

 俺の姿はロイヤルスィートルームの一室にあった。

 そして広いベッドの上には、俺以外にもヤオモモ、一佳、三奈の3人が裸で眠っている。

 部屋の中は快適な温度に保たれているので、冬であっても何も着ていなくても特に寒いとは思えない。

 思えないのだが……それでもやはりこうして眠っていると、薄い掛け布団でもいいから掛かっていて欲しいと思う。

 そんな風に思いつつ、俺はベッドの上からでも見られる外の景色を楽しむ。

 周囲にこのホテルより高い建物はないので、カーテンとかそういうのも存在しない。

 ……まぁ、ここがヒロアカ世界であると考えれば、あるいは何らかの個性で覗くような奴もいるかもしれないが。

 とはいえ、このホテルは高級ホテルだ。

 何らかの個性で覗こうとするような者がいても、その対処方法とかは十分に確立されているだろうとは思うが。

 

「ん……」

 

 横にいる一佳が寝言を口にする。

 ……今更、本当に今更の話だけど、やってしまったよなぁ……

 思い切り雰囲気に流されたところはあるが、俺は高校1年の相手を抱いてしまったのだ。

 あやかや千鶴、円、美砂といったネギま世界出身の恋人達には高校を卒業してからと言ったし、実際に抱いたのは高校を卒業した後だった。

 だが、ペルソナ世界においては美鶴とゆかりを抱いてしまう。

 高3の美鶴と、高2のゆかりをだ。

 そうして考えれば、高1のヤオモモ達を抱いたのは……ましてや、1人ずつではなく3人同時に。

 ……うん、この辺は考えるのを止めておこう。

 

「んにゃ……アクセルぅ……」

 

 一佳の言葉に反応したのか、反対側にいる三奈が小さく呟く、

 桃色の皮膚が酷く艶めかしい。

 それこそこのままずっと見ていたいと思うくらいには目を惹く姿だった。

 そんな三奈の隣にはヤオモモの姿もあり、こっちはこれ以上ない程にぐっすりと眠っている。

 こうしてこの3人を俺は受け入れた訳だけど……だからといって、この3人はどうするんだろうな。

 将来的には、シーマを始めとしたUC世界の恋人達と同じように、このヒロアカ世界でプロヒーローとしてやっていきながら俺と付き合うといった感じになるのか?

 そうも思ったが、実際にどうなるのかはその時になってみないと分からなかったりもするし。

 将来……ヤオモモ達が雄英を卒業する時に決めればいいだろう。

 

「うん? ……アクセルさん、どうかなさいましたの?」

 

 ヤオモモが薄らと目を開け、そう聞いてくる。

 まだ疲れが取れきっていない筈だが、そんな中でも俺のちょっとした動きで目を覚ましたといったところか?

 

「何でもないから、まだ寝ていろ。今は疲れを癒やせ」

「……はい……分かりましたわ……」

 

 俺の言葉に、そのままヤオモモは眠りに就き……新たな3人の恋人を見て、夜景を眺め……自然と俺も眠るのだった。

 

 

 

 

 

「ああああああっ! ちょっ、時間、時間!」

「えっと、私のブラは……って、ちょっと、アクセル! 首筋にキスマークとか、どうやって誤魔化せばいいんだよ!」

「下着は……これ、もう駄目ですわね。新しいのを注文しないと。……その、アクセルさん。見えてませんわよね? 本当に?」

「ああ、見えてないから安心しろ」

 

 現在の時間は、午前6時くらい。

 初めての夜ということで俺はかなりセーブをしたし、痛くないようにたっぷりと時間も使った。

 そのお陰もあってか……あるいは初めてなのに複数での行為という背徳感的なものもあってか、とにかく痛みについてはそこまで問題ではなかったらしい。

 とはいえ、昨日は乱れに乱れまくった姿を見せた新たな3人の恋人達だったが、一晩経って朝になると、やはり裸を見せるのは恥ずかしいらしい。

 そんな訳で、現在俺はヤオモモが創造で作った布で目隠しをされ、その上で着替えているヤオモモ達に背を向けている状態だった。

 うーん……本来なら初めての夜の翌日という事もあって、甘い時間を楽しむんじゃないのか?

 そうも思ったが、実際に時間がないのも事実。

 特に緑谷とかは毎日のように早朝からランニングをしているので、多分もう起きているだろうし。

 ……ちなみにジョギングとランニングの違いというのは、ジョギングが健康維持とかを目的に走る事で、ランニングは身体を鍛える為に走る事……らしい。

 何も見えない中で、俺はそんな風に考える。

 そっと目隠しを取るというのも魅力的ではあるのだが、それをやると間違いなく怒られるだろうしな。

 なので、今はランニングとジョギングについて考えていたりする訳だ。

 一佳の言うキスマークの件については……まぁ、うん。行為の中で盛り上がってしまったからというのが大きい。

 とはいえ、一佳も途中で俺の首筋に噛みついたりしてきたのを思えば、俺だけが悪いという訳でもないだろう。

 もっとも、俺の場合は混沌精霊としての能力で既に噛みつかれた痕跡の類はないが。

 さすが高級ホテル……それもそんなホテルの中でも最高級の部屋だけあって、注文をしたらすぐに新たな下着が届く。

 そんな訳で、昨夜の行為でそのまま身に付けることが出来なくなった下着は別に持ち帰る事になり、シャワーを浴びて昨夜の残滓を洗い流し、着替え終わった俺達はホテルをチェックアウトする。

 ……まだ朝が早いお陰もあってか、ホテルのロビーに人の姿はあまりない。

 ただ、あまりないって事は誰もいないという訳ではなく、俺達と同じように何らかの理由で早めにチェックアウトしようとする者もいる訳で……見るからに金持ちだったり、どこぞの会社のお偉いさんといったような者達やエリートっぽい連中がいて、そんな者達が不思議そうな、信じられないような視線を俺に向けていた。

 まぁ……うん。普通ならこのホテルは学生が使えるようなホテルではない。

 それこそ他国の元首とかそういう者達が使うホテルなのだから。

 ましてや、そのホテルの最上階……ロイヤルスィートルームを使っていたとは、思いも寄らないだろう。

 更には、俺以外にヤオモモ、一佳、三奈と3人が一緒にいるのを見れば、一体どういう風に認識するのかちょっと気になる。

 どこかの金持ちのボンボンが同級生を侍らせているとか、そんな風に思われるんだろうか。

 ……このホテルに泊まる手筈を整えたのはヤオモモだし、宿泊金額とかそういうのもヤオモモが出しているのを思えば、その考えは決して間違ってはいないのだが。

 一応俺が支払うと言いはしたんだが、半ば強引にヤオモモに押し切られたんだよな。

 

「何か……見られてるね」

 

 三奈が若干不安そうにそう言う。

 三奈にしてみれば、このようなホテルで何人かからそれとなく視線を向けられているというのは、気になるのだろう。

 

「でも、下手に声を掛けてくる人達がいないのは、助かるね」

「このホテルに泊まるような連中だけに、そういう下世話な行動はしないんだろうな。……あるいは、ヤオモモがあそこで話している相手の影響もあるのかもしれないけど」

 

 一佳の言葉に、いかにもこの高級ホテルのお偉いさんといったような50代から60代程の男と話をしているヤオモモを見る。

 いかにも権力者といった雰囲気を持っている男だが、ヤオモモの相手をしている様子は好々爺といった感じだ。……そこまで年を取ってるようには見えないが。

 ともあれ、俺達に下手にちょっかいを出せば、あの男に目を付けられる可能性がある訳で……また、それ以外にも俺達と同じように早朝にチェックアウトしようとしているんだから、何らかの用事であったり、あるいは後ろめたい事があったりするのだろう。

 不倫だったり、浮気だったりといったように。

 あるいは身分差のある恋人同士が一晩のロマンスを楽しむ的な?

 

「とにかく、もう時間はあまりないと思うよ。皆が起きてくる前に、私達早く部屋に戻らないと……」

「三奈やアクセル、ヤオモモは同じクラスだから何かあっても色々と対応出来るかもしれないけど、私はB組だからなぁ……万が一にも切奈とかに事情を知られたら、一体何を言われるか……」

 

 一佳が微妙な表情でそう言う。

 以前……一佳から聞いたのか。あるいは取蔭本人から聞いたのかはちょっと忘れたが、取蔭は中学の時はいわゆるギャルだったらしい。

 その影響もあってか、恋愛とかに強い興味を抱いているらしい。

 ……恋愛好きという意味では、B組の三奈と言ってもいいのかもしれない。

 あるいは三奈がA組の取蔭なのか。

 そんな風に思いながら、俺達はお偉いさんとの話を終えたヤオモモと合流し、ホテルから出ると影のゲートを使って雄英に帰るのだった。

 

 

 

 

 

「じゃあ、また後で……」

「ちょっと待った」

「ん? んんっ!?」

 

 寮の前、まだ早朝……しかも昨日がクリスマスイブでかなり遅くまで騒いでいた者達がいた為か、いつもと比べても明らかに寮の中は静かだ。

 気配を探っても、寮の1階の共有スペースには誰の気配もない。

 その為、少しくらいはいいかと考え、自分の寮に戻ろうと声を掛けてきた一佳の手を握って抱き寄せ、唇を重ねる。

 最初、一佳は一体自分が何をされているのか分からないといった様子ではあったのだが、すぐに自分がキスをされていると理解したのだろう。

 慌てたように動き……だが、俺がその身体を抱きしめると、やがて抵抗は無意味だと判断したのか大人しくなり、身体を俺に預けてくる。

 とはいえ、このキスはあくまでも唇を重ねるだけのキスで、深い……いわゆる大人のディープなキスではない。

 なので、キスを終えても一佳は目を潤ませてはいたものの、すぐ我に返る。

 

「アクセル!? ちょ……お前、一体何でこんな場所で……」

「恋人となってクリスマスイブで初めての夜に愛し合ったんだ。朝になっても、このくらいはしてもいいだろ?」

「ば……だ、誰かに見られたら、どうするつもりだったんだよ!」

 

 小声で怒鳴るといった器用な事をする一佳。

 

「大丈夫だって。誰も見ていないのは気配で確認してるから」

「……それでも、こういう場所でそういうのは禁止だ、禁止。……でも、その嬉しかった」

 

 最後に小さく言うと、頬を赤く染めた一佳はB組の寮に向かって走り去る。

 その動きがぎこちないのは、昨夜が初体験であった以上は仕方がないのだろう。

 禁止だとか言いながら感謝の言葉を口にするってのは、どうなんだ?

 そう思わないでもなかったが、ここでそういう風に言うのは野暮ってものだろう。

 

「じゃあ、一佳も帰ったし……俺達も寮に戻るか」

「そ、そうですわね」

「うわぁ……うわぁ……ピロートーク……あれ? ちょっと違う?」

 

 ヤオモモと三奈がそれぞれにそう言い……それでいながら期待の視線を向けてくるのには気が付かないようにして、寮に入る。

 ……ん? あ……

 すると、ちょうどそのタイミングで緑谷が1階に下りてきた。

 どうやら朝のランニングに行く為に下りてきたのだろう。

 

「あれ? アクセル君? 八百万さんに芦戸さんも……一体こんなに朝早くからどうしたの?」

『っ!?』

 

 緑谷に声を掛けられ、ヤオモモと三奈が驚きで息を止める。

 まさか、この状況で緑谷に会うとは思っていなかったのだろう。

 あるいはこれで、俺達も運動に向いている服装をしていれば、ランニングをした帰りだとか、そういう風に誤魔化せたかもしれないが、俺達3人は全員が私服……それもヤオモモと三奈は、昨夜俺に告白をする為にかなり力の入った服装だ。

 朝からそんな状況で……それもちょうど帰ってきたという事を考えれば、一体どう思うか。

 ましてや、昨夜はクリスマスイブだ。

 その上で夜に寮を抜け出した事を考えれば……普通なら色めいた事を想像してもおかしくはない。

 どう誤魔化す?

 そう思ったのだが……

 

「じゃあ、僕は走ってくるから」

 

 緑谷はそう言い、寮を出ていく。

 

「えっと……」

「これは、セーフ……かな?」

 

 そんな緑谷の様子を見て、ヤオモモと三奈は戸惑った様子で言う。

 

「多分緑谷は昨夜の件は何も気が付いていないと思うぞ」

 

 そう2人に言う。

 原作主人公という事で、何だかんだと俺は緑谷と接する機会が多い。

 緑谷の親友の飯田や、あるいは原作ヒロインの麗日と比べれば負けるが。

 ともあれ、そんな訳でそれなりに接する機会の多い俺にしてみれば、もし緑谷が俺達が朝にこんな服装でいるのかを知ったら、見るからに挙動不審となっているのは間違いないと思う。

 しかし、幸いなことに緑谷は本気で俺達が今ここにこの服装でいるのを疑問に思った様子はなかった。

 ……まぁ、それはあくまでもさっきはというだけで、もしかしたら走っている最中にふと思いつくかもしれないが。

 ランニングにしろジョギングにしろ、走っている時はいきなり何かを思いついたりするというのは別にそこまでおかしな事ではないしな。

 とはいえ、それを言えばヤオモモも三奈も混乱しそうなので、言わないでおく。

 そうして2人に一佳と同じようなキスをしてから、解散するのだった。

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