転生とらぶる2   作:青竹(移住)

222 / 2196
2939話

「えっと……これが、森か?」

 

 エルに示された場所に到着すると、俺の口からはそんな声が漏れる。

 当然だろう。森だと言われていたので、てっきり普通の木々が生えているのかと思ったら、ここにあったのはキノコ、キノコ、キノコ。

 それもオーラバトラーと同じくらい……いや、それよりも更に大きなキノコも多数存在する、キノコで出来た森だったのだから。

 そして森の中には湖と思しき存在もある。

 さすがファンタジー世界のバイストン・ウェル。こういう特殊な森なんてのもあるんだな。

 

「そうよ。ちょっと待っててね。シーラ様を探してくるから。アクセルはここで待っててちょうだい」

 

 湖の側に俺を残し、エルはどこかに行く。

 シーラがどこにいるのか分からないのなら、それこそ俺も一緒に捜した方がいいと思うんだが。

 シーラを俺に捜させたくない理由でもあるのか?

 とはいえ、エルが待っていろと言ったんだから、こうしてここで待っていた方がいいのは事実だ。

 さっきの恐獣やガロウ・ラン達に襲撃でもされたら、話は別だが。

 こうして考えると、改めてサーバインを空間倉庫に収納しておいてよかったな。

 サーバイン……というかオーラバトラーは基本的に俺が知ってる人型機動兵器の中でも小さい方だ。

 KMFという、オーラバトラーよりも小さい人型機動兵器もあるが、それでも基本的には20m前後の機体が多い。

 それでも、こういう場所でサーバインを操縦していれば、間違いなく目立っていただろう。

 あるいは、赤茶けた大地だけに赤いサーバインは保護色になって見つからない可能性も否定は出来なかったが。

 そんな風に考えていると、やがてエルの声が聞こえてきた。

 興奮してるのか、最初よりも大きくなってきたのだろう。

 

「ほら、以前に聞いたお話でありましたよね! 危なくなった姫を救いに来る王子様! きっとシーラ様にとってアクセルが王子なんですよ。アクセルは王様らしいけど」

「エル、今はそのような事を言ってる場合では……しかし、アクセルが……そう、ですか」

 

 あー、これは放っておくとエルの話がいつまでも終わらないな。

 俺の方から迎えに行った方がいいか。

 そう判断し、声の聞こえてきた方に向かって進む。

 すると、そこには湖の側で壊れている1隻の船。

 その船の船底部分が壊れており、そこにシーラとエルの姿があった。

 シーラも俺の存在に気が付いたのだろう。こちらに視線を向けると、微かに笑みを浮かべながら口を開く。

 

「アクセル……まさか、このような場所で会うとは、思いませんでした」

「俺もだよ。というか、エルからは結局ここがどこかは聞いてないんだが。ナの国で間違いないのか?」

「ええ。嵐の球という場所の中になります。私はシンドロと名乗るあのガロウ・ランに連れ去られたところで、この嵐の球に遭遇して囚われてしまったのです」

「それは、また……何の為に?」

「分かりません。何らかの目的があったのは間違いありませんが」

「まぁ、シーラだしな。使い道という点なら色々とあるだろうし」

 

 シーラはナの国の女王だ。

 そんな女王を連れ去る……つまり誘拐するってのは、何気にあのシンドロって奴は凄くないか?

 普通なら、とてもじゃないがガロウ・ランがシーラのような立場にある者と接触する機会はないだろうに。

 まぁ、ドレイクとかなら分からないでもないけど。

 ちなみにシーラの使い道として最初に思いつくのは、ナの国に対しての脅迫か……あるいは、顔立ちの整っているシーラだけに、そういう目的とも考えられる。

 ともあれ、俺が助けた時点でその辺は気にしなくてもよくなったのだが。

 

「それで、この嵐の球とやらから脱出する為には、どうすればいいんだ?」

「アクセルのオーラバトラーがあれば、問題なくここを脱出出来るでしょう」

「……なるほど。ただ、それだと問題があるな」

 

 これがダンバインや他のオーラバトラーなら、多少狭いがコックピットに入れるといった真似が出来るだろう。

 だが、サーバインは特殊な機体だ。

 それこそ、起動する時には俺の魔力を大量に消費するといった特性がある。

 そうである以上、もしコックピットにシーラやエルが乗った場合、どんな影響が出るのか分からない。

 不幸中の幸いなのは、サーバインを起動した時に吸収される魔力の量が次第に少なくなっている事だろう。

 とはいえ、それでも結構な量の魔力を吸い取られているのだが。

 そんなサーバインのコックピットの中にシーラを入れたら、どんな影響が出るか分からない。

 影のゲートを使えば? と思って試してみるが、嵐の球の内部での移動は出来るが、外には出られなかった。

 これは嵐の球というのがバイストン・ウェルの中でも更に異世界にあるのか、それとも何か別の理由があるのか……

 

「掌に乗せるとかはどうだ?」

「ちょっと、それだとシーラ様が嵐で吹き飛んじゃうわよ!」

「だとすると……ああ、そう言えば俺がここにいるという事は、多分ショウもここにいる筈だ」

 

 俺だけが嵐の球の中にいて、ショウが地上に出ていなければの話だが。

 

「とはいえ、ショウが俺達に協力するかどうかは微妙なんだよな」

 

 ショウにしてみれば、俺は悪しきオーラ力の持ち主だ。

 エレやシーラに言わせると、悪しきオーラ力ではなく大いなる存在らしいが。

 そんな状況で、今まで敵対していた俺に協力するかどうかは微妙なところだろう。

 とはいえ、俺と協力するのではなく、ショウのダンバインにシーラとエルを乗せるだけだ。

 ラウの国としても、協力関係にあるナの国の女王を粗略に扱うといった真似は出来ない筈だ。

 正確には、ショウが所属しているのはギブン家で、そのギブン家はフラオンに協力してるのだが。

 それでもラウの国にいる以上、その考えに沿うように行動する必要がある。

 

「嫌です」

「……は?」

 

 何故かシーラが俺の提案を否定する。

 だが、その言葉は自分でも思いも寄らないものだったのか、慌てたように口を開く。

 

「その、私はアクセルが言うショウという人物を知りません。私とエルが知っているのは、あくまでもアクセルだけです。嵐の球のような危険な場所から脱出するのなら、信頼出来る相手を頼りたいと思うのは当然でしょう」

 

 そう告げるシーラだったが、何だか多少無理があるような……いや、そうでもないのか?

 あるいは、俺がここにいなくて、ショウだけがここにいるのなら、シーラもショウに頼るといったことを躊躇する事はなかっただろう。

 しかし、シーラはシンドロに騙されてこの嵐の球に閉じ込められたのだ。

 そうである以上、俺という知っている人物がいれば、まだ会った事もないショウよりも俺の方を頼りにするのは当然だろう。

 ショウはこの世界の原作の主人公である以上、もしかしたらこのシーラこそがヒロインだった可能性もあるんだが。

 清楚な雰囲気を纏った女王。

 ヒロインとしては十分に相応しい。

 あるいは、エレの方がヒロインといった可能性も否定は出来ないが。

 

「シーラの言いたい事は分かるが……俺のサーバインは、マーベルが乗っているダンバインの試作機だ。性能という点ではダンバインよりも圧倒的に上だが、その分パイロットのオーラ力……じゃなくて、魔力を吸い取る。そんな機体にシーラとエルを乗せたら、どうなるか分からない」

 

 普通なら、オーラバトラーのコックピットにパイロット以外を乗せるといったような事はない。

 元々オーラバトラーはかなり小柄の人型機動兵器で、そのコックピットもパイロットが1人でちょうどいいサイズなのだから。

 とはいえ、シーラは女という事もあって小柄だ。

 サーバインのコックピットにも乗れないことはないだろう。

 エルにいたっては、フェラリオだ。

 ショウのダンバインにもチャムというフェラリオが乗っている以上、多分問題はないと思う。

 そうなると、やっぱり問題なのはシーラがサーバインに乗って問題がないかどうか、か。

 そもそもショウに協力して貰うにしても、今どこにショウがいるのか分からない以上、それは難しいし。

 

「では、試してみましょう」

 

 あっさりとそう告げるシーラに、俺はしょうがないと溜息を吐いて空間倉庫からサーバインを取り出す。

 最悪、サーバインに乗るのが駄目でも、俺の空間倉庫には多数のオーラバトラーが入っている。

 これらは普通のオーラバトラーである以上、シーラでも多分乗れる……と思う。

 とはいえ、当然ながらシーラはオーラバトラーの操縦訓練などしていない。

 オーラバトラーの操縦にはイメージ力が大事とはいえ、それでもさすがにこの状況でシーラをオーラバトラーに乗せるというのは自殺行為に等しいだろう。

 あるいは、シーラをオーラバトラーに乗せても動かさないでそのまま運ぶとか?

 この嵐の球から脱出する時に何が起きるか分からない以上、それは止めておいた方がいいだろう。

 色々と他の方法を考えもしたが、最終的には何故かシーラがサーバインに乗るというのを強く要望した為に、それに押し切られる形となって一緒にサーバインの中に乗り込む。

 今までもこうしてコックピットに複数で乗り込んだ事はあったが、やはりオーラバトラーだとコックピットが狭い分、シーラもかなり厳しそうだ。

 不幸中の幸いなのは、サーバインのコックピットは座るのではなく立って操縦するタイプだという事か。

 

「大丈夫か?」

「ええ、問題ありません。魔力? とやらも特に吸われている様子はないので。では、よろしくお願いします」

 

 そう言うシーラだったが、このままだとかなり無理をさせるような事になるのは間違いない。

 俺と違って魔力を吸収されなかったのは、運がよかったな。

 エルの方は? と視線を向けるが、そちらでも特に問題ないようにコックピットの中を飛んでいる。

 ……サーバイン、一体何で俺からしか魔力を吸収しないんだ?

 それとも、俺から魔力を吸収したからこそ、シーラやエルからは魔力を吸収しないのか?

 ともあれ、問題がないのは運がよかったと考えつつ、俺はサーバインを空に浮かばせる。

 シーラも乗っている以上、サーバインを全力で動かすのは難しいだろう。

 だとすれば、ある程度手加減しながら動かす必要がある訳か。

 そんな風に考えつつ飛んでいると……

 

「あ、ダンバイン」

 

 サーバインの映像モニタに、ダンバインの姿を見つける。

 ただし、そこにいるのはダンバインだけではない。

 先程エルから教えて貰った、ルグウという恐獣。

 それとダンバインが戦っていたのだ。

 多分、俺の仲間だと思われたんだろうな。

 サーバインはすぐに空間倉庫に収納したので、ダンバインと似てるとかそういうのは分からない筈だが、それでもいきなり嵐の球の中にオーラバトラーが姿を現したのだ。

 その少し前に俺と遭遇したのだから、俺の関係者と認識してもおかしくはない。

 

「うわ、オーラソードが効いてないわよ!?」

 

 エルがルグウと戦っているダンバインを眺め、そんな風に言う。

 その言葉は正しく、ルグウの頭部に向けて何度となくオーラソードを振るうダンバインだが、特に防いでいる訳でもないのにルグウは一向に気にした様子がない。

 ……欲しいな、あの素材。

 オーラバトラーというのは、恐獣の素材によって作られている。

 その素材には当然ながら、倒しやすい恐獣の素材が使われる事が多いが、当然の話として倒しやすい恐獣というのはそこまで強くはないという事を意味している。

 そんな中で、現在聖戦士の中で最強と言ってもいいショウのオーラ力を使って能力が強化されたダンバインの一撃を受けても、全くダメージを受けないあの恐獣は、量産型のオーラバトラーの素材としては使えないだろうが、俺の使うオーラバトラーの部品としては最適だろう。

 それがサーバインの強化になるのか、それともサーバインとは全く違う別のオーラバトラーの素材になるのかは、正直なところ疑問だが。

 嵐の球から出るにしても、ルグウをそのままにしておけばこっちを襲ってくる可能性は十分にある。

 だからこそ、そういう風になる前に倒しておいた方がいい。

 

「シーラ、エル、嵐の球を脱出するよりも前に、ルグウを倒す。機体が多少激しく揺れるが、我慢しろよ」

「任せます」

「頑張って、アクセル」

 

 そんな2人の声を聞きながら、俺はダンバインと戦っているルグウの方に向かう。

 ルグウの頭部には、シンドロの姿もあった。

 あのシンドロを倒せば、ルグウも好き勝手に動けなくなる筈だが……いや、そうなると、それこそ向こうは好き勝手に動き回るようになるか。

 それと、グライウィングに乗っていた他のガロウ・ランにも注意が必要だな。

 そんな風に思いつつ、俺はダンバインに向けて体当たりをしようとしているルグウに向け、複合武装のオーラショットを放つ。

 まさか、向こうは新たなオーラバトラーがいるとは思っていなかったのだろう。

 完全に油断しており、オーラショットの一撃が命中する。命中するが……

 

「分かっていたけど、頑丈だな」

 

 オーラショットが命中しても、向こうは特に大きなダメージを受けた様子はない。

 ただ、向こうの注意をこちらに向けるのには成功した。

 

「ショウ、こいつを倒さないとここからの脱出は難しい。俺と手を組むか、それとも俺が戦うところを黙って見てるのか、好きな方を選べ! ただし、こっちの邪魔をするような真似はするなよ!」

『何!? アクセル、一体何を……女? フェラリオ?』

『ちょっと、ショウ! それよりも今はあっちを!』

 

 ショウが映像モニタに表示されたこちららのコックピットを見て、シーラとエルの姿に驚く。

 同時に、チャムの声も聞こえてくる。

 俺はそれを気にした様子もなく、真っ直ぐルグウに向かう。

 そうして放たれる複合武装のショットクロー。

 ルグウの身体に巻き付き、電撃を流すとルグウもオーラソードの一撃はともかく、電撃に対しては身体の動きを止める。

 シンドロもルグウの身体を通して電撃を食らい、持っていた手綱で地面に落ちてはいないが、それでも動けない状態になっていた。

 そこに、オーラソードを構え……真っ直ぐに突っ込み、俺はオーラソードの一閃であっさりとルグウの首を切断する。

 そうして地面に落下していくルグウの首だが、そこには手綱で掴まっているシンドロの姿もあり……そして気が付けば、ステータスの撃墜数は2上がっていたのだった。




アクセル・アルマー
LV:43
PP:1580
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.11
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1684
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。