ズワァースについてはまだ殆ど話が進んでいないということで、取りあえず今回はお預けとなった。
ゼットが最終調整をしている間、俺はショットと色々と話をしていたのだが……ショットはフェイを殺したオーラバトラーに強い興味を抱く。
とはいえ、俺は直接そのオーラバトラーを見た訳ではなく、ドレイク軍の兵士から話を聞いただけだ。
分かっているのは、ダンバインの意匠に通じている外見があり、ウィングキャリバーに変形出来る能力を持つ可変機という事だ。
俺にとって可変機というのは、そう珍しい話ではない。
それこそVFとかを見れば、その辺は明らかだろう。
だが、それはあくまでも俺にとっての話であって、ショットにとっては違ったらしい。
ともあれ、そうして話をしている間にようやく最終調整が終わる。
本来なら最終調整にはもう少し時間が掛かる筈だったのだが、ダンバインのパイロットのマーベルが最終調整に協力したということもあって、それなりに時間は短縮出来た形だ。
そうしてヨルムンガンド……ではなく、ウィル・ウィプスのいる場所に転移する。
影のゲートは自由に転移出来る能力を持つが、あくまでも地面で繋がっている場所である必要がある。
その為、ヨルムンガンドが地上に着地しているのなら問題なく転移出来るのだが、もし空を飛んでいる状況であった場合、転移は出来ないのだ。
そういう意味では、使いやすいようで微妙に使いにくい魔法と言ってもいいのかもしれない。
いやまぁ、空を飛んでいる相手に転移出来ないのなら、近くまで転移して俺が生身で飛んで移動するといった手段もあるので、そこまで問題がある訳でもないのだが。
「どうやら、ヨルムンガンドはもう到着していたみたいね」
「らしいな」
ウィル・ウィプスの隣にヨルムンガンドがいるのを見て、マーベルと言葉を交わす。
「どうする? どうせなら、ダンバインに乗って移動するか?」
「別にそこまでしなくてもいいんじゃない? 強化されたのは間違いないけど、基本的に強化されたのは内側だけだし。外見で変わったのは、それこそアクセルのサーバインと同じ複合兵装の盾を装備したくらいでしょ?」
「それが結構大きな違いになるんだけどな。……まぁ、マーベルがそう言うのならそれでもいいか。なら、取りあえずヨルムンガンドに行くぞ」
そう言い、俺とマーベルは影のゲートで転移するのだった。
「アクセル王、マーベル殿も……随分とお早いお帰りですな」
ヨルムンガンドのブリッジで、俺とマーベルが影のゲートから姿を現したのを見て、キブツがそう声を掛けてくる。
影のゲートを使うのはともかく、そこから姿を現す俺を見るのは、慣れたのだろう。
「予想よりも改修作業の方が進んでいてな。……それで、こっちの様子はどうだ? 何か分かったか?」
「いえ。ドレイク軍の方も、聖戦士が殺されたという事で混乱しているらしく」
「だろうな」
それについては、俺も納得出来る。
ドレイク軍にとって、聖戦士というのは特別な存在だ。
ドレイクがそのように演出したというのもあるし、実際に聖戦士は全員が高いオーラ力を持っており、オーラバトラーのパイロットとして一流の素質も持っていた。
だからこそ、ラウの国との戦いで聖戦士が死んだというのは、ドレイク軍の士気を挫くには十分だったのだろう。
「取りあえずドレイクに通信を送ってくれ」
そんな俺の言葉に従い、ウィル・ウィプスに向かって通信が送られる。
『アクセル王、戻ってきたのか。……ラース・ワウに戻っていたと聞いたが?』
「ああ、以前約束したダンバインの強化が終わってるかと思ってな」
『ふむ。それで、どうであった?』
ショットからその辺の報告は受け取ってはいないのだろう。
まぁ、通信が届かない以上、報告をする場合は紙に書いてか、もしくは伝令の兵士が直接説明するといった必要がある。
そうである以上、ダンバインの強化について報告がされていなくてもおかしくはない。
……実際、ダンバインの強化が終わったのはついさっきなんだが。
「問題なく強化されたぞ。ショットによると、性能的には1.5倍……オーラ力によっては最大2倍近い性能を引き出せるらしい」
とはいえ、2倍近い性能を引き出すにはかなりのオーラ力が必要となるのだが。
元々、ダンバインはパイロットのオーラ力によって機体性能が大きく変わってくる。
強化されたダンバインの性能を最大限に発揮するには、マーベルのオーラ力では足りないらしい。
マーベルは始まりの聖戦士と呼ばれているが、それは最初に聖戦士として活動していたからこそ、そのように呼ばれているのであって、純粋なオーラ力という点ではそこまで多くはない。
ましてや、原作の主人公であるショウには到底及ばないだろう。
ただし、戦いというのはオーラ力の大小だけで決まる訳ではない。
戦闘経験という点では、それこそゲドが使われていた時代からオーラバトラーに乗っていたマーベルだけに、かなりのものだ。……もっとも、それなら聖戦士がショウだけでドレイクに攻撃を仕掛けていた分だけ、向こうの戦闘経験も多いが。
恐らくショウは原作よりも高い戦闘力を持っているだろう。
キブツから聞いた話によると、ギブン家はマーベルを召喚しようとしていたらしい。
それが召喚の時の騒動で正確に召喚されるような事はなく、俺と一緒にエルフ城の近くに出てしまった。
俺がこの世界に転移してこなければ、恐らくマーベルはギブン家に召喚され、ショウと共にドレイクに戦いを挑んでいた可能性が高い。
……とはいえ、マーベルの性格を考えると宣戦布告の類もなく、テロまがいの攻撃をするかどうかとなると、微妙なところだが。
ともあれ、そんな俺の干渉によってマーベルがギブン家とは違ってシャドウミラーという第3勢力に所属する事になり、結果として原作では恐らくマーベルが戦う分もショウが戦うといった事になり、それによってショウの戦闘経験は増えた。
『ほう、それは素晴らしい。……ちなみに聞くが、そのダンバインに行った強化は、他のオーラバトラーにも出来るのか?』
「どうだろうな。その辺は俺は専門じゃないから、それこそショットやゼットに直接聞いた方がいいと思う。ただ、武器で強化されたのは複合兵装の盾だが、それはレプラカーンの奴を多少改良した奴だから、量産しようと思えば出来ると思う。……使いこなせるかどうかは別だが」
複合兵装は、その名の通り複数の武装が混ざった盾だ。
オーラショット、オーラバルカン、ショットクロー、後は盾の先端を打突武器として使えるようにもなっている。
4つの武装があり、盾としても使えるのだから、瞬時に使いこなすといったような判断が出来なければ、それこそ宝の持ち腐れになる。
ましてや、複合兵装は相応の重量があり、オーラバトラーを操縦する際のバランス感覚も今までとは異なる。
そちらに関しては慣れれば問題はないが、その慣れるまでが大変なのは事実だ。
「精鋭なら使いこなせるかもしれないが、機体バランスが今までよりも極端になるのが嫌な奴には向かないな」
具体的には、トッドやアレンのように高機動型の機体に乗ってる奴だ。ガラリアもそうか。
残るはジェリルとトカマクだが、あの2人は既にレプラカーンに乗っており、レプラカーンには普通に複合兵装の盾が装備されているから、装備する必要はない。
そうなると、複合兵装を使うのは……バーンくらいか?
ただ、現在バーンは補給隊の隊長をしている筈で、暫く姿を見ていない。
……まぁ、バーンも色々と因縁のある俺と会いたくないという風に思っていても、おかしくはないんだが。
とはいえ、バーンの性格を考えると大人しく補給隊の隊長を続けるというのはちょっと違和感がある。
俺にとっては補給隊というのは非常に重要な意味を持っていると認識しているが、それは現代戦についての知識がある為だ。
このバイストン・ウェルのようなファンタジー世界となると、食料? その辺の村や街で略奪すればいいだろうといったような認識の者が多く、補給は軽視されている。
ショットやゼット辺りがドレイクにその辺の説明をしていれば、また違ったかもしれないが。
「使えるとしたら、バーンくらいだな。……バーンが現在どんなオーラバトラーに乗ってるのか分からないから、何とも言えないが」
何しろ、オーラバトラーの開発速度というのは、かなり早い。
ショットが有能だというのは分かるが、ショットが全く関わっていないダーナ・オシー系でも、ボゾンが開発されたと思ったら、すぐにボチューンが出て来たしな。
『む、バーンか? 奴はその……今はどうであったか』
何だ? 微妙に焦った様子を見せたのは……バーンについて完全に忘れていたとか、そういう理由からか?
ドレイクの場合は、ラウの国との戦いでかなり忙しいしな。
その辺の事情を考えれば、既に左遷したバーンが現在どうしているのかといったことを気にしていなくても仕方がないか。
「そうか。まぁ、ともあれそんな感じだ。……で、話を変えるが、俺達を呼んだという事は、俺達を雇いたい。そう考えていいんだよな?」
『うむ。その通りだ。既に知ってると思うが、聖戦士の1人、フェイが死んだ』
「そうらしいな。ダンバインに似た意匠の新型オーラバトラーが出て来たんだろう? 多分ショウが乗っている……もしかしたら黒騎士かもしれないが」
『ダンバインに似ているという事で、恐らくショウ・ザマが乗ってると思われる。ただでさえ聖戦士を複数動員して対処していたショウ・ザマが新型のオーラバトラーに乗っているとなると、こちらでは手に負えん可能性がある』
へぇ、ドレイクがこうも素直に弱音を口にするのは珍しいな。
まぁ、俺やマーベルという突出した戦力がいるからこそ、弱音を吐いても問題はないと思ったのかもしれないが。
それに新型のオーラバトラーにショウが乗っているのなら、黒騎士が乗ってるオーラバトラーのことも考えると、かなり厄介なのは間違いないし。
「分かった、最近はラウの国の機械の館を襲ったり、恐獣を倒すといった程度しかやる事はなかったからな。仕事を依頼するのなら受けてもいい。……ただ、ショウという現在最強の聖戦士を相手にするんだ。報酬はそれなりに高いぞ?」
『何を望む?』
「ライネックを20機。それと、現在ショットにズワァースを俺が使えるように改修案を考えて貰っているから、その完全なバックアップ。勿論、改修する素体となるズワァースも用意して貰う。後は、マジックコンバータを5基だな」
『それは……少し欲張りすぎではないか?』
呆れたようにドレイクが言うが、正直俺もそう思う。
とはいえ、ドレイクが欲張りすぎと言ってるのは、ズワァースやマジックコンバータではなく、ライネック20機に関してだろう。
特にズワァースは、元々ショットに異世界の機械を報酬として依頼をしていたのだから、それを後押しするといった感じだな。各種素材の類もドレイク持ちということで。
ライネックは最新鋭の量産主力機として開発された機体だし、それだけにズワァース程ではないにしろ、コストは高い。
だが、ヨルムンガンドにいるオーラバトラー隊の主力機も、そろそろアルダムでは苦しくなってきているのも事実だ。
オーラバトラーの開発スピードが早いという事は、当然ながらその性能も次々に更新されていく。
アルダムはクの国が最初に開発した高機動型オーラバトラーで、間違いなく優秀な機体だ。
だが、それでも最新鋭の機体と比べると、どうしても数段落ちてしまうのは事実だ。
だからこそ、俺としてはこの機会に最新鋭のライネックに交換したかったのだ。
「確かに高価かもしれないが、聖戦士の命の値段と考えれば安いんじゃないか?」
『ぬぅ……そう言われると……』
実際、聖戦士がドレイク軍の兵士に与える影響は大きい。
この辺り、何気に始まりの聖戦士と呼ばれているマーベルの活躍も大きく影響していたりするんだが。
……聖戦士として召喚されたショウが突出した強さを持っているのも、ドレイク軍の兵士にしてみれば聖戦士だからという理由で納得出来るんだろうし。
そんな聖戦士が1人殺され、場合によっては更に聖戦士が殺される可能性がある。
それがドレイク軍に与えるマイナスの影響は、間違いなく大きい。
士気に関しては、かなり下がる事になるだろう。
であれば、やはりここはドレイクが奮発してでもシャドウミラーを雇うといった方にした方がいいと思うんだが。
そう思ってるからこそ、かなり強気の値段交渉をしてる訳だが。
ライネックは、ヨルムンガンドで使わない分は予備として空間倉庫に収納して、あわよくば技術班への土産として使う予定だし。
「ドレイクがどれだけ聖戦士を重要視しているか、この件で他の者達も分かると思うが? なら、ここで報酬を渋るような真似はしない方が、後々有利になると思うぞ?」
そう告げる俺の言葉に、ドレイクは少し考え……やがて、厳しい表情をしたままだったが、頷くのだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1580
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1684