「アクセル、もう来てたの?」
マーベルがそう言いながら、こっちに近付いてくる。
先程までゲドの訓練をしている場所から見える場所にいたんだが……マーベルは地上では大学生だったんだし、戦いについては素人だと思えば注意力が散漫でもしょうがないか。
これでもっと戦いの経験を積めば……いや、そうだな。恐獣狩りは俺だけで行くつもりだったが、ゲドの操縦訓練も兼ねてマーベルを連れていくのもいいかもしれないな。
オーラバトラーは基本的に空を飛べるのが一般的なので、地上を進むよりも随分と楽だし。
……まぁ、影のゲートを使って転移すれば、その辺は気にする必要もないのだろうが。
それでもいざという時の事を考えると、やはり空を飛べた方がいいのは間違いない。
「ああ。少し前に騎士との模擬戦が終わってな。それで、ゲドの方はどうだ?」
「そうね。基本的な動きは問題ないわ、後は、慣れが必要なんだけど……」
「空は飛べるのか?」
「ええ。その辺は特に問題ないわ」
こうして見る限り、その言葉に嘘はないのだろう。
マーベルの性格から考えて、見栄を張って出来ない事を出来るといったように言うとは思えないし。
「そうか。ならもう少し訓練を積んだら、俺と一緒に恐獣狩りにでも行くか?」
「……え?」
一瞬、何を言われているのか分からないといった様子で、そう呟く。
普通に考えれば、今まで戦いとかをやった経験がないだろうマーベルに、一緒に恐獣狩りに行くか? というのは、色々とおかしいか。
とはいえ、ここが地上ならそれでもいいのだが……ここはファンタジー世界たる、バイストン・ウェルだ。
いつモンスター……いや、恐獣に襲われるかもしれないし、何よりもファンタジー世界である以上、人同士の戦いもある。
特にドレイクはオーラバトラーを開発したとあって、その技術情報を欲しい奴は幾らでもいるだろう。
もしくは、ドレイクが妙な野心に取り付かれて戦いを起こすという可能性もある。
そしてマーベルは聖戦士と呼ばれる――かもしれない――地上人で、実際にバイストン・ウェルの者では操縦出来ないゲドを容易に操縦している。
そんな諸々の情報を考えると、いざという時に戦えないとなると、マーベルは死ぬ可能性もある。
また、人を殺すのを躊躇った挙げ句に、味方に余計な被害を及ぼすという可能性も否定は出来ない。
そうなると、やはりマーベルに実戦を積ませておく事は必須だ。
今回誘ったのは恐獣だが、いずれ……本当にいずれは、人を殺すといった事を検討する必要もある。
狙い目は、ガロウ・ラン……それも集団で盗賊をしているような連中か。
出来れば後で、ドレイクからその辺の情報を貰っておきたいな。
……とはいえ、ルフト領はオーラバトラーはともかく、ドロがあるので治安維持にはかなり力を入れている。
ガロウ・ラン達にしてみれば、空中を自由に動く爆撃機的な存在のドロは、非常に厄介な相手だろう。
そういう理由から、ドレイクの領地にガロウ・ランはいない……という訳ではないが、それでも他の領地よりも数は間違いなく少ないらしい。
隣のギブン家も、アの国では相応の力を持っており、領地内に存在するガロウ・ランの盗賊とかを頻繁に討伐しているらしいが。
「本気?」
「ああ。ドレイクから恐獣について素材を集めるように頼まれたんだよ。マーベルもこの世界で暫く生活する以上、戦いには慣れておいた方がいい」
「……そう、ね」
自分から進んで戦いたいとは思わないが、今の状況で戦わないという選択肢もないのは理解しているのだろう。
「まだゲドを完全に操縦出来るって訳でもないみたいだから、無理にとは言わない。ただ、その辺は覚えておいた方がいい」
「分かったわ。……それで、アクセルはこれからどうするの?」
俺の言葉に頷いたマーベルだったが、すぐに話題を変える。
マーベルにしてみれば、今の状況でも色々と思うところがあったのだろうが……少し露骨だな。
「ショットやゼットに会ってみようと思う。オーラコンバータの件がどこまで進んだか、ちょっと確認してみたい」
さっき機械の館の前でオーラマルスを弄っていた技術者から聞いた話によると、オーラコンバータというのは、オーラバトラーの生体組織を生かす為にも必須らしい。
そう考えると、純粋なオーラ力を使えない俺の場合、その辺もしっかりと確認しておく必要がある。
最悪、俺がオーラコンバータを使えるようになっても、オーラ力とは違う魔力だという事で、オーラバトラーの生体組織が急激に損耗するといったような可能性は否定出来ない事実なのだから。
オーラ力よりも出力の高い魔力を使ってオーラバトラーを動かすのなら、その辺についてもしっかりと確認しておいた方がいいだろう。
……にしても、オーラ力を使って動かすからオーラバトラーなら、魔力を使って動かすのならマジックバトラーと呼ぶのが相応しいのか?
そんな風に思いつつ、俺は機械の館の中に入っていく。
マーベルもオーラコンバータの改修については気になっているのか、俺の後をついてくる。
そして……やがて、目的の場所に到着した。
「ショットの言いたい事は分かるが、そうするとオーラ力のロスが大きすぎる」
「魔力はオーラ力よりも密度の高いエネルギーだ。そうである以上、多少ロスが大きくなったところで、問題はないだろう。それよりも、オーラバトラーを安定して動かせる方を重視すべきだ。それに……アクセルの魔力を考えると、これでも全く足りないと思うがな」
「その辺はリミッターを付ければどうでしょう? そうすればショット様もゼット様も心配はいらないと思いますが。そしてどうしても出力が必要な時にリミッターを解除すればいいのでは?」
「ショットじゃないが、魔力は密度の濃いエネルギーだ。そうである以上、リミッターなんか作ってもあっさり破壊されると思うんだがな」
「それは……その辺はアクセル王に何とかして貰うとか」
「馬鹿か。それだと、こっちが技術的にどうしようもなかったからパイロットに任せるって事になるじゃねえか。そんなのは絶対にごめんだぞ」
うん、どうやらかなり議論が白熱してるらしいな。
「どうやら、アクセルの魔力? とかいうのはかなり大変みたいね」
マーベルも聞こえてきた声に、そう呟く。
実際、オーラ力と魔力は未知のエネルギーという点では同じようなものだが、性質としてはかなり違う。
オーラコンバータに使う為のコンバータといったような物も必要になってくるのかもしれないな。
きちんと調べた訳じゃないから、あくまでも俺の印象なんだが、オーラ力というのは気と似ている。
つまり、魔力じゃなくて気を使う奴なら、意外とあっさりオーラバトラーを動かせるのかもしれないが。
そんな風に思いながら、ディスカッション――と表現してもいいのかどうか微妙だが――をしているショット、ゼット、それ以外にも何人もの技術者に声を掛ける。
「よう、ちょっと様子を見に来たんだが、どんな感じだ? ああ、これ差し入れ」
そう言い、ペルソナ世界のドーナツ屋で購入したドーナツの入った箱を1箱空間倉庫から取り出して渡す。
「おお!?」
そんなドーナツを見て、ゼットが嬉しそうな声を出す。
どうやら、ドーナツ好きらしい。
だが、バイストン・ウェルでドーナツを作るのは……小麦粉とかがあるから無理じゃないんだろうが、それでも他に色々と材料は必要で、それはそう簡単に入手出来るものではない。
それを思えば、ドーナツを見たゼットが喜ぶのは当然だった。
ショットもまた、ゼット程に極端に喜んでいる様子ではなかったが、口元に笑みが浮かんでいた。
そう言えばこのドーナツを買った店にはドーナツの知識とか書いた紙が貼ってあったな。
それによると、ドーナツとドーナッツという2つの呼び名があるのだが、これはどちらも正しく、どちらかが間違っているといったような訳ではないらしい。
俺はドーナツ派だけど。
「これでも食って、俺が乗る事の出来るオーラコンバータを開発してくれ。そう時間は掛からないんだよな?」
「ん? ああ、そうだ。ただ、改修はともかく、どういう方向性で行くかがちょっと議論になっていてな」
早速チョコが掛かっているドーナツを食べているゼットが、そう言ってくる。
「それでも約束通りに作ってみせるから、安心してくれ」
「……分かった」
ドーナツを食べながらそう言ってくる様子を見ると、本当にその言葉を信じてもいいのか? と思わないでもなかったが……実際にゼット達はオーラバトラーを開発したという実績を持っている。
それを思えば、この言葉は決して出鱈目でも何でもなく、自信があっての事なのだろう。
「マーベルだったな。ゲドに乗っていて何か気が付いた事はないか? 次のオーラバトラーを作る際の参考にしたいので、何かあったら教えてくれ」
少し離れた場所では、ショットもまたドーナツを食べながらマーベルに尋ねていた。
ショットにしてみれば、ゲドをきちんと操縦出来るというだけでマーベルは値千金といった存在なのだろう。
だからこそ、マーベルからしっかりと話を聞き、それを次のオーラバトラーに活かそうとしているのだろう。
とはいえ、マーベルは少し前まで普通の大学生だった。
それだけに、ゲドの性能についてしっかりと説明することは難しい。
「何だか、機体を動かす時に少し重い感じがするわ。それがオーラバトラーだと言われれば、納得するしか出来ないんだけど」
「機体が重い? それはオーラコンバータの出力が機体全体にしっかりと伝わっていないという事か? しかし……」
迷った様子を見せるショットだったが、そんなやり取りを見ていると、ドーナツを1個食べ終わったゼットが口を開く。
「アクセルの世界にも人型機動兵器はあるんだろ? どういうのだ?」
「どういうのと言われてもな。色々な種類があって、どれの事を言ってるのやら」
これは嘘ではない。
PT、AM、MS、KMF、VF、戦術機……それ以外にも戦闘機だったりMAだったり、シャドウミラーが有する機動兵器というのは多種多様だ。
勿論一番の主力機となればPTなんだが。
ただ、このバイストン・ウェルでブラックホールエンジンとか言っても……うん。まず無理だ。
「なら、何かヒントになりそうなアイディアはないか?」
「アイディア? そうだな。……複合武装とか」
「複合武装?」
「ああ。例えば俺が知ってるのでは、盾にビームサーベルとビームライフル、槍のような形をした推進弾とかが一緒になったような武器がある」
言うまでもなく、ブリッツガンダムのトリケロスだ。
他にもシャドウミラーには複合武装は色々とあるが……何となくこれが思い浮かんだんだよな。
「興味深いな」
「まぁ、その複合武装……トリケロスには欠点もあったんだけどな」
「欠点?」
「ああ。盾にビームサーベルがついてるって事は、その盾で敵の攻撃を受け止めながら反撃することが出来ないんだよ」
正直、トリケロスは決して使いやすい武器ではない。
それに……
「複合武装となると、当然だが普通に1つの武器を作るよりも技術力が必要になるし、何より整備性の問題がある」
何気に整備性というのが一番の難点だよな。
機構が複雑なものになるから、どうしてもその辺が問題となる。
実際、俺がブリッツガンダムを使っていた時、アークエンジェルのメカニックをしていたマードックはその辺でかなり苦戦していたらしいし。
「だろうな。普通に考えただけでも、それくらいは予想出来る」
「ただ、それでも複数の武器を1つに纏めるとなると、その武器だけを持っていればいいから、便利なのは間違いない。……ただ、盾とビームサーベル……いや、オーラバトラーだとオーラソードか。それを一緒にするのはあまりお勧めしないけど」
とはいえ、オーラソードと盾をくっつけるのが一番やりやすい改造であるのも事実なんだよな。
それが使いやすいのか、使いにくいのかは別として。
「アクセル、少しいいか?」
不意にそんな声が聞こえ、そちらに視線を向ける。
ショットが驚いたようにこっちを見ていたが……何かあったか?
「どうした?」
「恐獣狩りに行くって聞いたんだが、本当か?」
「ん? ああ。騎士の模擬戦相手だけじゃどうかと思うしな」
それに、恐獣の素材を確保して技術班のお土産にしたいという思いもあったのだが、それは黙っておく。
「本気か? 騎士や何十人も……いや、ドロも複数機必要になるんだぞ?」
「だろうな。まぁ、その辺は大丈夫だ。生き物なら攻撃すれば死ぬだろ。なら、こっちには幾らでも攻撃手段があるし」
そんな俺の言葉に、ショットは呆れの視線を向ける。
いや、ショットだけではなく、ゼットやドーナツを食べている他の技術者達も同様だった。
……まぁ、多分それが普通の反応なんだろうな。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1290
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1637