オーラロードを通る感覚は、俺にとっては2度目……いや、3度目か。
1度目は、ゲートでこの世界に転移してきた時にマーベルが召喚されたのに巻き込まれ、2度目はショウとの戦いで嵐の球に行った時。そしてこれが3度目。
3度目だからこそ、俺はオーラロードで転移する様子を冷静に観察する余裕もあった。
生身でオーラロードに? と思われないでもなかったが、考えてみれば地上人が召喚される時は、基本的に生身で転移してくる。
……あ、そう言えばショウが転移してきた時はバイクも一緒に転移してきた筈だったけど、あのバイクって一体どうなったんだろうな。
多分、まだラース・ワウにあると思うけど。
そんな風に思っていると、オーラロードの中で不意にマーベルの存在を感じた。
その存在を感じる事が出来たのは、やはり俺がゲートでこの世界に転移してくる時にマーベルと一緒だったから、というのが大きいだろう。
それだけではなく、バイストン・ウェルに転移してからも俺はずっとマーベルと一緒に行動していた。
その辺の事情を考えれば、俺がマーベルの存在を感じるにようになったのも……多分、そうおかしな話ではない。
オーラロードの中で動くのは、どうすればいいのか。
最初はそれが分からなかったが、それでも試しているうちに一応のコツのようなものが分かってきた。
そうしてマーベルの近くまで移動し……そして、マーベルがそれに気が付いた。
そう思った瞬間、強烈な光が周囲一帯を包み込む。
もっとも、オーラロードの中でそのように感じたのは、あくまでも俺のイメージに近い感じで、実際に光があったのかどうかは、俺には分からない。
分からないが、それでも次の瞬間にはオーラロードはなくなり、俺は地面に投げ出される。
「っと!」
慌てて転ばないように地面に足を付け、バランスを取る。
そして周囲を見回すと……真っ先に視界に入ってきたのは、ダンバイン。
足を伸ばして地面に座っているような形のダンバインのコックピットは開いていないので、恐らくマーベルはまだダンバインの中にいるのだろう。
さて、そうなると問題なのは……ここは一体どこか、だよな。
また嵐の球のような場所か?
そうも思うが、取りあえず周囲の様子を見る限りでは嵐の球とは全く違う。
それこそ周囲には普通の地面があり、少し離れた場所には家も建っていた。
どうしたものかと考えていると、やがて家の中から2人の男女が姿を現す。
年齢は40代くらいか?
2人のうち、最初に女の方が俺の姿に気が付く。
「あ、貴方は……誰? あれは一体何?」
そう示す女の背後で、男は猟銃と思しき銃を手にし、こちらを厳しく睨んでいる。
「あー……その前に1つ聞きたい」
俺が誰なのかといったような事を言っても、この場合は意味がないだろう。
そう判断し、俺は以前ガラリアから聞いた話を思い出す。
ガラリアとショウがオーラロードを開いて転移した時、2人が出たのは東京だったらしい。
ガラリアは当然のように東京といった地名については分からなかったが、地上で行動しているうちにその辺を理解したとか。
これで問題なのは、一体何故ショウとガラリアが地上に出た時、東京に出たのか。
オーラロードが開いて地上に出るのはいい。
だが、一体何故地上の中でも東京に転移した?
そんな中で最初に考えられるのは、やはりショウが東京出身だったからだろう。
であれば、マーベルと一緒に出たこの場所は一体どこなのか……予想するのは、そう難しい話ではない。
「マーベル・フローズンという名前に聞き覚えは?」
「っ!?」
マーベルの名前を聞き、女の方は驚いた様子を見せる。
男の方も驚いた様子を見せてはいたが、それでも露骨に表情に出すといったような真似はしていなかった。
とはいえ、そんな2人の様子を見れば、マーベルと関係があるのは明らかだ。
年齢差であったり、何よりも2人にはマーベルの面影がある事を考えると、恐らくこの2人はマーベルの両親か。
「どうやらマーベルを知ってるみたいだな」
「貴方、マーベルがどこにいるのか知ってるの!?」
そう詰め寄ってくる女……マーベルの母親と思しき相手に、ダンバインを見る。
そんな俺の視線を追うように、マーベルの両親達も白いダンバインに視線を向ける。
そう言えば、ショウとガラリアが地上に出た時の件が広がってるとなれば、ダンバインについてはあまり表に出さない方がいいのかもしれないな。
マーベルのダンバインは装甲が白に塗り替えられているし、ショウのダンバインが装備していなかった複合兵装も装備している。
よく見れば同じダンバインだと認識は出来るだろう。
だが、一瞬見た程度であれば、ダンバインであるとは認識出来ない……か?
ともあれ、マーベルの両親らしき存在や、俺の視線を向けられたダンバインのコックピットが開き、そこからオーラバトラー用のパイロットスーツ……いや、鎧と表現した方がいいのか? ともあれ、そんなのを着たマーベルが姿を現す。
「アクセル……それに、パパ、ママ!?」
最初に俺の名前を呼び、次に男女に呼び掛ける。
どうやら、俺が予想した通りマーベルの両親だったらしい。
「マーベル……本当にマーベルなの!?」
「ええ、ママ……貴方の娘のマーベル・フローズンです」
そう言い、母親を抱きしめるマーベル。
母親も涙を流しながらマーベルを抱きしめ返していた。
しかし……そんな2人とは裏腹に、父親の方はマーベルの言葉を無視して俺に銃口を向けてくる。
「君が本当に私の娘だというのなら、その証拠を見せて欲しいものだな」
そう言うマーベルの父親だったが、銃口を向ける先が俺だというのは……正直どうなんだ?
俺がいなければマーベルに銃口を向けていたのかもしれないが、俺という存在がいる以上、自分の娘と思しきマーベルよりは俺に銃口を向けるといったようになるのは、そうおかしな話ではないのかもしれないが。
「そうね、私も本当の私だと知って欲しいわ。だから、証明させて貰うわ。……けど、ひとまずアクセルに銃口を向けるのは止めてくれる?」
その言葉の強さに、マーベルの父親は若干気圧される。
「あら……」
そして、何故かマーベルの母親はそんなマーベルの様子を見て驚いたような声を上げると、再度俺に視線を向けて何故か嬉しそうな笑みを浮かべる。
「マーベルがどうこうといったようなことを話すにしても、まずは家の中に入りましょう。このまま外にいても、しょうがないでしょうし。あ、それでも……その、ロボット? はどうするべきかしら?」
「アクセル、お願い出来る?」
その一言だけで、マーベルが何をして欲しいのかというのは容易に想像出来た。
頷き、ダンバインの近くまで移動すると装甲に手を触れ……次の瞬間、空間倉庫に収納されたことにより、ダンバインの姿はその場から瞬時に消える。
『なっ!?』
これには、マーベルの両親も揃って驚く。
マーベルがバイストン・ウェルという世界に行っていた事を証明するのに、空間倉庫を見せるというのは便利だよな。
百聞は一見にしかずって奴か。
「驚いたでしょう? 私が行っていたバイストン・ウェルという世界は、こういう魔法があるような世界なのよ」
実際には、バイストン・ウェルにあるのはオーラロードを開いて地上からオーラ力の強い相手を召喚するといったような魔法……魔法? 能力? スキル? まぁ、とにかくそんな感じであって、俺の魔法だったり空間倉庫だったりは、全く違うものなのだが……まぁ、その辺についてはいいか。
今はとにかく、マーベルについての説明をするのが先決だったのだから。
「そうだったの。……アクセルさんだったわね。マーベルを助けてくれて、ありがとうございます。もしアクセルさんがいなければ、マーベルはどうなっていた事か……」
予想外な事に……いや、マーベルの母親は元々マーベルを本物だと確信していたようだったので、ある意味予想通りかもしれないが、とにかくマーベルの母親はマーベルから一連の事情を聞くと、そんな風に頭を下げてくる。
俺がバイストン・ウェルの人間ではなく、また別の世界の人間であるというのもあっさりと受け入れている辺り……器がでかいのか、それともマーベルの言う事だからと素直に信じてるのか。
その辺については俺も分からなかったが、とにかく俺にとって都合がいいのは間違いのない事実だ。
「いや、気にしないでくれ。俺もマーベルがいたおかげで助かったのは事実だし。それに……俺がこの世界に転移する為の巻き添えになったせいで、そういう目に遭ったのかもしれないし」
「でも、アクセルと一緒じゃなければ、私は多分ギブン家に召喚されていたのよ? その事だけを考えても、アクセルに感謝するのは当然だと思うけど」
そう、マーベルが告げる。
その気持ちは分からないでもない。
もしギブン家と行動を共にしていれば、宣戦布告もなくドレイクに攻撃をしたりと、テロリスト染みた真似をしていた可能性も高いのだから。
そういう意味では、マーベルが俺に感謝をする気持ちは十分に理解出来た。
恐らく……本当に恐らくだが、原作だとマーベルはギブン家に味方をしていた可能性が高い。
現在の状況を思えば、マーベルにとって原作よりはマシだと思うが。
原作でギブン家がどういう行動をしていたのか、俺が介入した事で一体どのような変化が起きたのか。
その辺りは全く分からない状況だ。
だからこそ、今の状況の方がいいかどうかはマーベルが決める必要がある。
そしてマーベルは現在の状況に満足してるのだから、多分大丈夫だとは思う。
「それにしても、オーラバトラー……バイストン・ウェルといった存在だけでも驚きだというのに、更に異世界の存在か。正直、さっきの空間倉庫だったか? あれを見なければ、信じることは出来なかっただろうな」
マーベルの父親がそんな風に言う。
それを責める気はない。
今まで魔法とかを知らなかった者にしてみれば、いきなり魔法とか言われても手品か……最悪、詐欺師と認識されてもおかしくはないのだから。
ダンバインをその目で見て、更には空間倉庫に収納するというのを目の当たりにしたからこそ、信じたのだ。
最悪、それでもイリュージョンだとか、そんな風に思ってもおかしくはなかったのだが。
また、マーベルの両親から聞いた話によると、以前地上に戻ってきたショウとガラリアのうち、ガラリアはともかくショウは宇宙人がショウ・ザマに化けているといったような結論になったらしい。
それを信じるのかどうかは分からないが、少なくてもショウの母親はそう主張し、自衛隊や日本政府はそれを信じたらしい。
そこまで詳しい情報が流れているのか? と疑問に思うが。
この時代、当然ながらネットや携帯電話の類は一般に広まってはいない。
もしかしたら軍用とかで使われている可能性もあるが、少なくてもマーベルの家で自由に使うような真似が出来ないのは間違いなかった。
そうなると、情報源はそれこそTVが主になる筈だ。
つまり、その辺の情報についてTVで流したのか?
日本にしてみれば、自分達の恥を晒すような真似になると思うんだが。
「ともあれ、これからどうするのかね? 私としては、出来ればマーベルにはこのまま戻ってきて欲しいのだが」
マーベルの父親として、それは当然の望みだろう。
だが、マーベルはそんな父親の言葉に答えるよりも前に、俺に向かって尋ねてくる。
「ねぇ、アクセル。私の記憶が間違いないのなら、あの時タータラ城の周辺にいた全員がオーラロードに包まれたように見えたわ」
「だろうな。それに、オーラロードによる転移に抵抗しようとした時、俺の中に誰か……恐らくあのオーラロードを開いた奴だろうが、そいつの声が響いた。転移に逆らえば俺はバイストン・ウェルに残るが、他の者達は全員地上に出ると」
「ちょっと、それって……」
マーベルは慌ててTVを点ける。
この時代なので、当然薄型や空中に浮かぶ映像スクリーンの類ではなく、ブラウン管のTVだ。
そのTVに映されているのは……オーラバトラーだった。
それこそ、ドラムロやダーナ・オシー、ボゾンといったように大量に量産されたオーラバトラーや、中にはビランビーやビアレスといったオーラバトラーもいる。
チャンネルを次々と変えていくマーベルだったが、ほぼ全ての局でいきなり地上に出て来たオーラバトラーについての緊急特集をやっている。
俺達の話をマーベルの両親にしている間に、ここまで事態が動いていたのだろう。
「あ、ちょっとアクセル。これ!」
マーベルがとあるチャンネルを表示する。
そこには俺達にとっても見慣れたウィル・ウィプスの姿が映し出されている。
予想はしていた、やっぱりオーラバトルシップも地上に出て来ていたか。
そうなると、問題なのは……
「ウィル・ウィプスがいるとなると……ヨルムンガンドが一体どこに出たんだろうな」
「そうね。出来れば早いうちに……え? ちょっと、これ見覚えがないわよ?」
別のチャンネルでマーベルがそう言ったのは、空中に浮かぶ城のようなオーラバトルシップだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1600
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1688