俺とマーベルと、そして何故かアレンが一緒にハワイに移動する。
トッドならまだしも、何故アレン? と思ったが、アレン曰く久しぶりに街で遊びたいらしい。
まぁ、その気持ちは分からないでもない。
マーベルから聞いた話では、ハワイというのはこの世界においても有数の観光地だ。
数日前にバイストン・ウェルの軍勢がいきなり転移してきた影響もあって、現在行き来は非常に厳しい事になっているらしいが。
それでも、ハワイというのは遊ぶという意味で非常に適した場所なのだろう。
そんなハワイからそう離れていない場所で、スプリガンやヨルムンガンドの中にいるだけというのは、アレンにとっても我慢の限界だったのだろう。
元々、アレンは享楽的な性格を持っている。
それだけにハワイで息抜きをしたいと思ってもおかしくはない。
何しろ、バイストン・ウェルはファンタジー世界だけに、地上にあるような楽しみは殆どなかったしな。
そういう意味では、アレンにとって今回俺達と一緒にハワイに行くのは絶好の機会だったという事か。
とはいえ、俺とマーベルはあくまでも情報収集に来たのであって、遊びに来た訳じゃないんだが。
「じゃあ、俺は適当に見て回ってくる」
そう言い、街中に去っていくアレン。
一応約束の時間を決めてるとはいえ、アレンは本当に大丈夫なのか?
このハワイはアメリカの一部だ。
そんな中で、アレンは実家の近くにビアレスに乗った状態で転移してきた。
トッドも同様だったらしいが、それで騒ぎになってその場から逃げ出したらしい。
つまり、アレンの存在は既に政府や軍には知られており、場合によっては指名手配されているといった可能性もある。
……まぁ、アレンは有能な軍人だ。
当然その辺りの事情については理解した上で行動してるんだろうが。
「じゃあ、アクセル。私達も動きましょうか。まずはバルベラに連絡をしないとね。……家にいてくれるといいんだけど」
そう言い、公衆電話に向かう。
世界によっては、既に殆ど絶滅しつつある公衆電話だが、携帯の類がまだ発展していないこの世界においては、普通に存在していた。
この辺、時代の流れだよな。
「あ、バルベラ? 私、マーベル。実はちょっとハワイに来ていて……ええ、そう。やだ、違うわよ。……本当に?」
そんな風に幼馴染みと楽しそうに話すマーベル。
そんなマーベルを見てしみじみと思うんだが、こうして見るとマーベルって本来なら普通の学生なんだよな。
だが、バイストン・ウェルに召喚された事によて、その運命は大きく変わってしまった。
本来ならただの大学生の筈が、バイストン・ウェルにおいては始まりの聖戦士として非常に有名になってしまった。
こうなってしまうと、運命ってのは色々と残酷だよな。
俺がマーベルと知り合った当初は、当然ながら全く戦いについては素人で、ゲドのパイロットになってからも、操縦技術は上がったものの、恐獣やガロウ・ランを殺すという事に戸惑ってもいた。
そんなマーベルが、今やバイストン・ウェルでも指折りのパイロットなのだから。
「あら、どうしたの? そんなぼうっとして」
いつの間にか電話が終わっていたのか、マーベルは俺を見てそんな風に声を掛けてくる。
久しぶりに幼馴染みと話す事が出来て、嬉しかったのだろう。
その顔には満面の笑みが浮かんでいた。
「いや、もしマーベルがバイストン・ウェルに召喚されなかったら、どうなっていたかと思ってな」
「……何で今更そんな事を?」
「幼馴染みと電話で話している時のマーベルが楽しそうだったからだろうな」
「そう。でも、今となっては、私はバイストン・ウェルに召喚されてよかったと思うわよ? 召喚されたからこそ、私はアクセルに会う事が出来たんだから。そう思えば、私を召喚してくれたエ・フェラリオには感謝したいくらいよ。まぁ、ギブン家に召喚されていれば、全く違う感情を抱いていたかもしれないけどね」
そう告げるマーベルは、本当に後悔をしていないように思える。
それが嬉しく、俺も笑みを浮かべて頷く。
「そうか。マーベルがそう言ってくれるのは、俺も嬉しく思うよ」
「分かってくれればいいわよ。さぁ、行きましょう。バルベラの住所を聞いてきたから。幸い、ここからそんなに離れていないみたいよ」
そう言い、俺はマーベルと共にハワイの街中を進む。
当然の話だが、ハワイの住人は見るからに不安そうな様子を見せていた。
バイストン・ウェルから転移してきた者達の事を心配しているのだろう。
……ヨルムンガンドやスプリガンがハワイからそう離れていない場所にいるというのは、気が付いているのかいないのか。
軍人とかなら、そういう情報を得ていてもおかしくはないが。
そうして歩き……不意にマーベルが俺の手を握ってくる。
俺もマーベルの手を握り返し、そうしてバルベラという人物の家に向かう。
ある意味で軽いデートをしていると、不意に遠くから声が聞こえてくる。
「マーベル!」
やって来たのは、ハワイらしい露出の激しい格好をした女。
ハワイで暮らしているだけあって、その肌は健康的な小麦色に焼けていた。
「バルベラ!」
その女……バルベラの姿を見つけると、マーベルは大きく手を振る。
バルベラは俺とマーベルの前に来ると、マーベルに抱きつく。
「久しぶり、マーベル」
「ええ、久しぶりね。元気そうで何よりよ」
そうして一言二言話すと、やがてバルベラが俺に視線を向けてくる。
「ふーん……この人が……」
意味ありげな視線と言葉。
そんなバルベラの様子に、何かを思ったのだろう。マーベルは不思議そうに尋ねる。
「どうしたのよ?」
「ううん。この人と一緒に駆け落ちしてたんでしょ? マーベルのお父さんから私の家にも電話が掛かってきたんだから。全く、マーベルはお堅い性格をしていると思っていたのに……」
「ちょ……まぁ、その。間違ってはいないけど」
「あら、やっぱり。ふーん。……マーベルの男の趣味もなかなかね」
マーベルが自分の言葉を否定しなかった事に、嬉しそうな様子を見せるバルベラ。
そんなバルベラに、マーベルは何とか言い返す。
「私の事よりも、バルベラはどうしたのよ? 恋人はいるの?」
「今はいないわ。ちょっと前に浮気されたから別れてやったの」
「ふーん……浮気、ね」
意味ありげな様子を見せて、マーベルは俺の方を見てくる。
自分以外に10人以上の恋人を持つ俺という存在に対して、当て擦っているのだろう。
マーベルの状況を思えば、そのような真似をしても不思議ではない。
とはいえ、それでも本気で俺を当て擦っている訳ではないのだろうが。
「ええ。向こうは色々と言い訳をしていたけど、だからって私がそれを聞く必要はないでしょう?」
満面の笑みを浮かべて、そう告げるバルベラ。
一般的な常識としては、バルベラの言葉が正しいのだから。
「じゃあ、バルベラは今は恋人募集中なの?」
「うーん、そうね。暫くは男はいいわ。……あ、でもマーベルの恋は応援してるから。マーベルのパパから連絡が来ても、マーベルが恋人と一緒にハワイにいるって言わないから安心して?」
「あー……その、ね。もうパパはアクセルの事を知ってるのよ。ママはアクセルを大歓迎したし、パパも最初はともかく、最後はアクセルとの仲を認めてくれたのよ」
「へぇ、それはおめでとう」
嬉しそうに言うバルベラ。
この辺り、明るい性格をしてるよな。
幼馴染みのマーベルの恋を応援するとか。
「アクセル、だったわよね? 言っておくけど、マーベルを悲しませたりしたら、許さないからね」
それは本気で言ってるのは間違いない。
それだけマーベルの事を大切に思っているのだろう。
「ああ、マーベルを泣かせるような真似はしないよ」
「……あ、でも別の意味……夜のベッドでなら泣かせても構わないわよ?」
「ちょっ、バルベラ!?」
突然のバルベラの言葉に、マーベルは慌てた様子で何かを言おうとする。
バルベラ曰く、マーベルは真面目な性格だから、そのような行動に出てもおかしくはなかった。
だが、バルベラは幼馴染みらしく、マーベルの様子を見て、何かに気が付いたのだろう。
「あら? ねぇ、マーベル。貴方もしかして……女になった?」
女になった。
その言葉に、マーベルも最初は一体何を言われているのか分からない様子を見せ……だが、バルベラの言っている女になったというのは、いわゆる初体験をすませたという事だと理解したのだろう。
急激にマーベルの顔が赤くなっていく。
「なっ、なっ、な……そ、そ、そ……」
マーベルが何かを言おうとする様子を見せるものの、実際に何かを言葉に出す様子はない。
うん、バルベラが言う通り普段の凛とした様子とは異なり、その手の事には弱いんだな。
それもマーベルらしいと言えばらしいのかもしれないが。
「へぇ……この年まで男を知らなかったマーベルがねぇ……アクセルだったわよね? やるじゃない」
「そういうので褒められてもな」
バルベラがマーベルをからかうといった様子ではなく、本当に心の底から俺を褒めているのは分かる。
分かるのだが、だからといってここでそんなバルベラに同調するような事を言ってしまえば、後々面倒な事になりかねない。
「バルベラ! そういうのは街中でする話じゃないでしょう!」
マーベルの雷が落ちるも、さすがにそこは幼馴染み。
バルベラは満面の笑みを浮かべ、口を開く。
「あら、じゃあ家の中ならいいのね? なら、行きましょう。マーベルとアクセルには色々と聞きたい事があるし」
「え? あ……」
マーベルも、そこで自分の言葉の失態に気が付いたらしい。
慌てたように口を押さえるも……既に遅かった。
マーベルはバルベラに引っ張られるようにして、少し離れた家の中に連行されていく。
当然ながら、俺もその後を追う。
元々バルベラに会うのが目的だった以上、ここで置いていかれる訳にはいかないし、それに何より、ここに1人で残されても困る。
そうしてバルベラの家に入ると、リビングで寛ぐ。
BGM代わりにという訳でもないが、バルベラがTVを点けると……
「ウィル・ウィプス……」
TVに映し出されたその姿に、思わず呟く。
「え? 何? どうしたの?」
だが、当然ながらバルベラがウィル・ウィプスの名前を知ってる筈もなく、唐突に呟いた俺に不思議そうな視線を向けてくるだけだ。
「いや、何でもない。ただ、いきなりだったから驚いただけだ」
「何がよ?」
そう言いながらバルベラがTVを見るが、既にそこにはウィル・ウィプスの姿ではなく、自称軍事評論家といったような者達の討論が行われている光景だった。
『大体、人型のロボットなど兵器としてはナンセンスです!』
『しかしですね。実際にこうして存在している以上、どうしようもないのでは? それに、今回が初めてではないですし』
『東京に出た2機ですね。幸い、その時は今回と違って被害は殆ど出ませんでしたが』
『当時はそれでも被害が出すぎたといった批判が日本政府に向かったのですがね。それでも今回の一件を考えると……』
数人が、そんな会話をしている。
人型のロボットが兵器としてはナンセンスか。
それは実際、今まで色々な場所で聞いてきた話だ。
それだけに間違っている訳でもないのだろう。
だが、世界によってはそれを覆す何らかの要素がある。
最近俺が行った世界だと、UC世界のミノフスキー粒子なんかがそうだろう。
……とはいえ、この世界に関してはそういう要素となると……やっぱりオーラバトラーというのが、オーラ力で動くというのが大きい。
イメージして機体を動かすといったような事がある以上、当然ながら操縦する際にはそのイメージのしやすさが重要となる。
そして人間がイメージで機体を動かす以上、乗っている機体が人型だというのは、非常に大きな意味を持つ。
この辺の状況がなければ、もしかしたらオーラバトラーが人型にはなっていなかった可能性も否定は出来ない。
ああ、でもバイストン・ウェルはファンタジー世界で、人が直接長剣や槍、斧といったような近接戦闘用の武器で戦う事が多かったのを考えると、その関係からどのみちオーラバトラーが人型になったのかもしれないな。
「またこの手の番組なのね。この前からこういうのばっかりで、うんざりしちゃう」
バルベラが不満そうに言いながらTVのチャンネルを変えていくが、どのチャンネルもやってるのはオーラバトラー関係のものだけだ。
「もう、今日は私が楽しみにしていたドラマが入るのに……これだと、潰れそうね」
「それはしょうがないでしょう? こんな事があったんだから。そう言えば、新聞を見せて貰える? 出来ればここ数日分の」
「え? 新聞? まぁ、いいけど。ちょっと待っててね」
そう言ってリビングから出ていくバルベラ。
普通なら新聞はリビングにあるんじゃないか?
そう思ったが、その辺は家によって変わるのだろう。
「新聞はマーベルの家でも見てただろう? なのに、また見るのか?」
「ええ。ハワイとテキサスだもの。当然新聞の内容は違うわ。もしかしたら、そこに私達の知らない情報が載ってるかもしれないでしょう?」
そんなマーベルの言葉に、俺は納得して頷くのだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1600
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1688