バルベラの家で話をしていると、やがて夜になる。
その間の話は、主にマーベルとバルベラの子供の頃の話となっていた。
特にマーベルが子供の時に馬に乗って牧場から出て、それをマーベルの両親が馬に乗って追い掛けた話とか。
そんな風に話しているうちに、いつの間にか夜になってしまった。
アレンとの約束の時間は、もう少しだな。
肝心要の、オーラバトラーに関する情報はまだ殆ど入手出来ていない。
けど、ハワイの新聞とかはそれなりに俺達が知らないような情報とかも書かれていた。
そうして話していると……不意にバルベラの家の扉が開く音がした。
「あ、パパ」
部屋に入ってきた人物を見て、バルベラがそう言う。
なるほど、この人物がバルベラの父親で海軍の軍人か。
海軍の軍人とはいえ、前線で戦う兵士ではなく参謀とかそっち関係の人間らしく、身体はあまり鍛えられているようには思えない。
勿論一般人に比べれば、軍人だけあって鍛えているのだろうが。
「ああ、ただいま。……君は、マーベル・フローズン?」
「はい。お久しぶりです、おじさま」
「久しぶりだが、よくこんな時期にハワイへ……」
そう言いながら、バルベラの父親は俺に視線を向けてくる。
普通に考えれば、バルベラの幼馴染みのマーベルはともかく、全く見知らぬ相手……しかも女ならともかく、男が自分の家にいるというのは、父親として色々と思うところがあるのだろう。
「そちらは?」
「この人はマーベルの彼氏のアクセル」
バルベラの言葉に、マーベルは特に反論しない。
駆け落ち云々はともかく、俺がマーベルの恋人であるというのは、間違いのない事実なのだから。
そして俺がマーベルの彼氏だと聞き、バルベラの父親は安堵した様子を浮かべる。
もしかしたら、俺がバルベラの恋人かもしれないと、そう思ったのだろう。
「こんな状況だ。君達を歓迎はしたいが……危ないぞ。出来れば、早いところ家に帰った方がいい」
「おじさま、ありがとうございます。ですけど、今日ここに来たのは……」
そこで一旦言葉を止めたマーベルが、俺に視線を向けてくる。
その視線が何を意味しているのか、想像するのは難しい話ではない。
そんなマーベルに頷くと、安堵した様子で口を開く。
「バルベラに用があったというのも事実ですが、おじさまにも用件があったんです」
「私にかね?」
マーベルの口から出たのは、バルベラの父親にとっても予想外の言葉だったのだろう。
見るからに驚いた様子を見せ、そう尋ねる。
「はい。率直に言います。私は行方不明になっていた間、バイストン・ウェルにいました」
「っ!?」
バイストン・ウェルという言葉については、既にバルベラの父親も知っていたのかもしれないが、マーベルがそこに行っていたというのには、さすがに驚いた様子を見せる。
バイストン・ウェルという単語については……多分、以前ショウがガラリアと共に地上に出た時に、教えたのだろう。
その結果として、バイストン・ウェルについての情報は信じられず、宇宙人扱いになったが。
「マーベル、君が……?」
「え? ちょっと、マーベル。本当に?」
親子揃って、マーベルにそう尋ねる。
そんな2人に対し、マーベルは素直に頷く。
「ええ、本当よ。私はバイストン・ウェルでダンバイン……以前地上に出て来たショウ・ザマが乗っていたのと同型機に乗っているわ」
「……それは……」
バルベラの父親にすれば、今のマーベルの言葉は衝撃でしかない。
それでも軍人らしく、すぐに我に返った様子を見せる。
あるいは、目の前にいるのが自分の知っているマーベルだから、というのもあるのかもしれないが。
「それで、マーベル。君は一体何をしに私の家へ? 先程はバルベラだけではなく、私にも用件があると言っていたが?」
「ええ。実はおじさまからアメリカ軍が集めている、バイストン・ウェルの軍勢についての情報を教えて欲しいの」
「そのような真似が出来ると思っているのかね?」
バルベラの父親は、あくまでも軍人としてきちんとした倫理観を持っているらしい。
「なら、取引だ。アメリカ軍にとっても、オーラバトラーというのは興味深いと思うが、その中で1機、完品を渡そう。それを情報料として欲しい」
マーベルとバルベラの父親の会話に、そう割り込む。
「君は……」
「アクセル・アルマー。マーベルと一緒にバイストン・ウェルで活動していた。ああ、ちなみにバルベラが言ったマーベルと恋人同士だというのも、間違いじゃないけどな」
異世界に存在する、シャドウミラーという国を率いているという話は、取りあえず言わないでおく。
ただでさえ、バイストン・ウェルからやって来た軍勢で混乱しているところに、更に異世界からやって来たという俺の存在を教えれば、余計に混乱しかねない。
それどころか、ショウのように宇宙人といった事にされても面白くないし。
「それは……なるほど。興味深い話ではある。だが、そのような大事な事は、私の一存で決められる訳ではない。それこそ上層部に相談する必要がある。……だが、君の言葉は本当に信じでもいいのかね?」
「ああ。何なら、すぐにでもオーラバトラーを出してもいいぞ?」
「いいの?」
マーベルが少し心配そうにこちらに視線を向けてくる。
俺がオーラバトラーを集めていたのは、ホワイトスターに戻る時の土産という一面が強いというのを、理解しているのだろう。
だが、オーラ力の影響か、現在ホワイトスターに戻る事は出来ないし、何より空間倉庫の中にはダーナ・オシーがかなりの数ある。
ライネックやズワァース、もしくはレプラカーンやビアレスといったような最新鋭機はともかく、ダーナ・オシーはその後にボゾン、ボチューンと進化していくという意味では貴重な機体だが、十分な数を確保してある。
それこそ、奪いすぎたのか? と思ってしまうくらいに。
そういう意味では、ダーナ・オシーを1機くらい譲渡しても構わないのは事実だ。
そんな俺の様子に、バルベラの父親は厳しい表情を浮かべ……基地に連絡を入れるのだった。
現在、俺とマーベルはハワイにあるアメリカ軍の基地……それもかなり機密度の高い格納庫にいた。
バルベラの父親が基地に連絡すると、話は即座に進んだ。
この辺りの対応の早さは、さすがアメリカ軍といったところか。
俺達の周囲には、ハワイ基地の中でもお偉いさん達が集まっていた。
その中にはバルベラの父親の姿もあるが……バルベラの父親は、ある程度の地位ではあって、あくまでもそのくらいの地位だ。
それでもこうして将官級の軍人が揃っている中にいるのは、この話を持ってきた人物だからだろう。
「それで、だ。君が言っていたように格納庫を用意した。ここまでしたのだから、冗談ではすまない事は分かっているな?」
集まった中の1人が、俺に向かってそう言ってくる。
その視線は鋭く、もし俺の言葉が嘘であった場合、どうなるのか分かっているな? といった視線を向けている。
他の軍人達も、俺の言葉を完全に信じている者はいないだろう。
それでもこうしてお偉いさん達が集まったのは、バイストン・ウェルの軍勢が多数地上にいて、その対応に手を焼いているからか。
「ああ、問題ない。ただし……こちらがオーラバトラーを引き渡す以上、そちらにも約束を守って貰う。もし破ったりしたら……」
パチンッと、指を鳴らす。
瞬間、格納庫の中に獅子と虎の炎獣を生み出す。
『っ!?』
いきなりの光景に、息を呑む軍人達。
それはバルベラの父親であっても同様だ。
「見ての通り、俺は魔法を使える。それこそ、この場にいる者を一瞬にして殺す程度なら容易に出来るし、なんならこの基地そのものを消滅させるような真似も可能だ。その上で俺を倒そうとするのなら構わないが……その時は、アメリカという国に最悪の結末がもたらされると、そう思った方がいい」
その言葉で我に返った何人かの軍人が、苦虫を噛み潰したかのような表情を浮かべる。
この連中にしてみれば、俺を自分の手の中で転がすつもりだったのだろう。
そうしたい気持ちは分かるが、生憎と俺がそれに付き合ってやる必要はない。
「分かった。君の言葉を信じよう。もし本当に君が私達にオーラバトラーを渡すのなら、こちらも可能な限り情報を渡す事を約束する」
その言葉と共に、俺を狙っていた狙撃手と思しき者達がいなくなるのが、気配で分かった。
正直なところ、俺は狙撃されても何の問題もないし、何なら俺が人間ではないというのを示す為にも、それを見せておいてもよかったのかもしれない。
ちなみにマーベルは既に俺が人間ではなく混沌精霊であるというのは知っている。
そのような話を知っても、マーベルは俺を忌避する事はなかった。
ともあれ、俺が狙撃されるのは何も問題ないのだが、その狙撃によってマーベルが怪我をしたらと思えば、今回のこの判断は決して間違ったものではなかったと思う。
「アメリカという国の為にも、その約束が守られる事を祈ってるよ。……さて、あまり勿体ぶってもなんだし、出すぞ」
その言葉と共に、俺は空間倉庫の中からダーナ・オシーを取り出す。
ちなみにおまけとして、ダーナ・オシー用のミサイルとオーラソードもしっかりと用意しておいた。
『おおおおおお』
何もない場所からいきなり姿を現したダーナ・オシーの姿に、軍人達は驚く。
「これをお前達にやる。だから、バイストン・ウェルの軍勢についての情報を出来る限り欲しい」
バイストン・ウェルの軍勢が地上に出てから数日……恐らく、地上の軍隊の中でオーラバトラーを完全な姿で入手出来た者はいない……と、思う。
もしかしたら、何らかの偶然で入手出来た者がいるもしれないから、絶対とは言わないが。
「このオーラバトラーは見たことがあるぞ。アメリカで暴れていたうちの1機だ」
そう言った軍人の言葉に、他の軍人達もそう言えば……といった様子を見せる。
マーベルやトッドが介入したあの戦いの件なのか、それとも他の場所で行われた戦いなのか。
その辺りの理由は俺にも分からなかったが、それでもアメリカで暴れたオーラバトラーを入手出来たというのは、アメリカ軍にとっては嬉しい事だろう。
もっとも、このダーナ・オシーはダーナ・オシー系の最初の機体という事で、性能そのものは非常に低い。
それこそダーナ・オシーよりも性能の低いオーラバトラーは、ゲドしか存在しないと言い切れる程に。
そんな訳で、ダーナ・オシーをそこまで喜んでいるのを見ると、微妙に申し訳ない気分にもなるのだが……まぁ、最初期のオーラバトラーという事は、オーラバトラーという存在を知る為には、悪くないと思っておこう。
実際、ズワァースやライネックのように最新鋭の、オーラバトラーとして非常に進化した機体とダーナ・オシーでは、ダーナ・オシーの方がオーラバトラーという存在を調べる上で大きな意味を持つのは間違いない。
それ以外にも、先程軍人の1人が口にしたように、ダーナ・オシーは今でも現役で使われている機体だ。
第一線で戦うのは厳しくなってきたが、それでも戦力として有用なのは間違いない。
それに地上での戦いとなれば、オーラバリアによって防御力の弱さを補えるし、火薬系の武器の威力もバイストン・ウェルよりも上がる。
そういう意味では、地上でこそダーナ・オシーは有効に使えるのかもしれないな。
とにかく、そういう意味でダーナ・オシーと戦う可能性もある以上、アメリカ軍としてはこれを分析したいと思うのは当然だろう。
「君、アクセルだったな。他にはないのか? TVでは、この機体以外にも多数があったが」
軍人の1人が俺に向かってそう言ってくる。
目の前にいきなりダーナ・オシーが姿を現した事で、他のオーラバトラーも持っているのではないかと、そのように思ったのだろう。
実際、その判断は間違っていない。
現在の俺の空間倉庫には、それこそ多種多様なオーラバトラーが……それどころか、オーラシップのナムワンすら入っているのだから。
しかし、だからといって俺がそれを相手に渡すかと言えば、その答えは否だ。
「最初の約束だと、ダーナ・オシー1機だけだった筈だ。それ以上を望むのなら、バイストン・ウェルの軍勢の情報以外に、そちらは何を差し出す?」
「ぐ……それは……」
俺にまだ他にオーラバトラーはないのかと言った軍人は、言葉に詰まる。
向こうにしてみれば、いきなりダーナ・オシーが完品で入手出来たというのもあるし、目の前で空間倉庫の能力を見たというのもあってか、欲望に負けたのだろう。
とはいえ、だからといって俺がそれに乗る必要はないのだが。
実際にアメリカ軍が俺達に提供出来る物となると、それこそ情報程度しかない。
戦力という点では、オーラバトラーと戦闘機ではどうしようもない。
戦車の類に限っては、それこそ空を飛んでいるオーラバトラーにしてみれば、対処するのは容易だろう。
戦闘ヘリの中には、タンクハンターと呼ばれるような機体もある。
それだけ、戦車にとって上空を自由に飛べる敵というのは厄介な相手なのだ。
……その分、地上戦力を相手にする場合には頼りになるのだが。
ともあれ、現状でアメリカ軍が提供出来る物となると……それこそ、核くらいしかない。
しかし、幾ら何でもアメリカ軍がそれを提供するとは思えないし、提供されても困るというのが正直なところだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1600
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1688