『馬鹿なっ!』
ヨルムンガンドのブリッジに、ジャバの信じられないといった様子の声が響き渡る。
ジャバの操縦するガラバは、その上半身に白いダンバインが立っており、コックピットに向けてオーラソードを突きつけていた。
誰がどう見ても、勝負ありといった状況だろう。
もしマーベルがその気になれば、それこそオーラソードをコックピットに突き刺され、ジャバは死んでしまう。
ジャバもそれを理解しているからこそ、自分が負けたというのは理解しつつも、不満を口に出さないのだろう。
「マーベルはバイストン・ウェルに召喚された聖戦士の中でも、3本の指に入るだけの実力を持つ。次は……そうだな、ドレイク軍の中では聖戦士筆頭という地位にいる、トッドと戦ってみるか?」
『やってやる! 次こそは俺が勝つ!』
そうして俺の言葉にジャバはやる気を見せ……
『な……』
だが、数分が経過した後には再度ガラバはコックピットにオーラソード――ビアレスだから鎌だが――を突きつけられる結果となっていた。
その後、アレンとも戦ったジャバだったが、そちらはマーベルやトッドよりも少し長く戦いは続いたものの、結果としてアレンにも負ける事になるのだった。
「何でだ? 俺はそんなに弱いのか?」
模擬戦が終わり、ガラバをスプリガンに置いてからヨルムンガンドにやって来たジャバは、信じられないといった様子でそう告げる。
ジャバにしてみれば、自分は強いと思っていたのが、3連敗だ。
これでショックを受けるなという方が無理だろう。
「強いか弱いかで言えば、強いと思うぞ。ガラバの性能も高いし、ジャバのパイロットとしての技量も決して低くはない」
「なら、何で負ける!?」
ジャバの悲痛な声が周囲に響き渡る。
ジャバにしてみれば、自分は強いと思っていたのだろう。
実際、ジャバは間違いなく強い。
素質に関しても、バイストン・ウェルに聖戦士として召喚されてもおかしくないくらいのものは持っている。
だが、素質だけで全てが上手くいく訳ではない。
いや、素質を持つ者の中でも突出した素質を持つ者なら、あるいは素質だけで全てを何とか出来るかもしれないが、残念ながらジャバは素質を持っていても、そこまでの突出した素質ではない。
「経験不足。これ以外に言える内容はないな」
「ぐ……」
あるいは、ジャバも経験不足という自分の弱点を理解していたのか、俺の言葉を聞いて呻き声を上げる。
「ちなみにオーラファイターを操縦するという経験に限定すれば、間違いなくジャバはこの中で一番だ」
それは間違いのない事実。
何しろオーラファイターやオーラボンバーといったオーラバトラー以外の機種が開発されたのは、本当にここ最近なのだから。
そして聖戦士の多くは、オーラバトラーの操縦に慣れていた。
勿論、実際に乗ってみればそれなり以上に使いこなせるだろうが、それでもやはり最初からオーラファイターに乗っていたジャバの方が上手く扱えるだろう。
「けど、実戦での経験という意味では、明らかにジャバが一番下だ」
マーベルは始まりの聖戦士と呼ばれているように、聖戦士の中では一番長くオーラバトラーを使っての実戦経験を持つ。
トッドはショウやトカマクと同様にドレイク軍の第2陣として召喚された聖戦士で、かなりの実戦経験を積んでいる。
アレンはここにいる聖戦士の中では一番遅くにバイストン・ウェルに召喚されたが、戦いの中で召喚された聖戦士だけあって、召喚されてからかなりの数の戦いを潜り抜けてきた。
それに比べると、ジャバがガラバに乗ったのは俺達が地上に出てから。
それこそまだ数日といったところだろう。
ましてや、ジャバが自分に才能があるということで訓練を疎かにしたり、そもそもガラバの完成が最近だったという関係もあり、どうしても実戦経験は少ない。
それこそ本格的な戦闘という意味では、ジェリル達との戦いが初めてだったのではないか? と思ってしまうくらいに。
「なら、どうすればいいってんだ!」
「簡単な話だ。実戦経験が足りないのなら、これからそれを積めばい。幸いという言い方はどうかと思うが、間違いなくこの世界は大きな戦乱が巻き起こるだろうからな」
バイストン・ウェルから地上に召喚された者のどれくらいが好戦的になってるかは分からない。
だが、アメリカの街で戦ったドレイク軍を思えば、間違いなく戦いは広がる。
最悪、ドレイクやビショットといった面々も地上に出た事によって好戦的になっている可能性があった。
ハワイで得た情報によると、ウィル・ウィプスもゲア・ガリングも、今のところ動いている様子はない。
ゴラオンやゼラーナも、まだ大きな動きは見せていない。
恐らくは現在情報を集めている最中なのだろう。
そうして情報を集め終わってから、一体誰がどう動くのか。
その辺はしっかりと様子見をする必要がある。
だからこそ、未だにどこの所属なのかが分からない……恐らくはナの国だと思うが、まだ確証がないソ連のオーラバトルシップと接触する事が必要だった
「本当にそうなるのか?」
「ああ。ショットから聞いてるかもしれないが、バイストン・ウェルの人間にも色々といるからな」
その言葉に、ジャバは取りあえず納得した様子を見せる。
実際には、バイストン・ウェルのオーラバトラーが巻き起こす戦乱はない方がいいのだろう。
だが、今更それを言っても意味がないしな。
そうして話は終わり……ヨルムンガンドとスプリガンはソ連に向かうのだった。
「アクセル王、ソ連軍の戦闘機と思われる存在が近付いてきています」
ソ連の領海に入って少しすると、キブツからそんな報告が入る。
ソ連というのは俺が知ってる限りでは軍事大国だ。
自分の国に見知らぬ戦力が近付いてくれば……それも連絡も何もなく近付いてくれば、警戒する意味を込めて戦力を派遣してくるのは当然だろう。
ましてや、現在この地上には多くのバイストン・ウェルの軍勢が存在しているのだから。
ソ連の領土内にも、ナの国のオーラバトルシップと思しき存在がいるので、余計にそのように思ってもおかしくはない。
「さて、この場合はどう対応したらいいものやら」
まさか、馬鹿正直にソ連の領土内にあるオーラバトルシップと接触しに来たといったような事を言ってもそれが通じるとは思えない。
かといって、何も言わなければ敵と判断して攻撃してくるだろう。
もっとも、オーラバリアがある以上、戦闘機によって攻撃されても、ほぼ効果はないのだが。
「どうした方がいいと思う? 素直に理由を話すか、無視するか。もしくは適当な嘘を口にするか」
「ソ連軍だろ? なら、何を言ったところでこっちの話を聞くとは限らねえぜ。それこそ、自分達に都合のいいようにこっちを動かしてくる筈だ」
トッドが不満そうに、そう言ってくる。
元アメリカ軍の人間だけに、ソ連軍に対して強い敵意があるのだろう。
とはいえ、俺の印象としてもトッドのその言葉とそう違いはない。
「なら、無言で進むか。ただし、反撃は可能な限りするな。オーラバリアを突破出来そうな攻撃だけに対処しろ。スプリガンにもそう伝えろ」
「分かりました。すぐに」
そうしてヨルムンガンドとスプリガンは、ソ連の領土内を進む。
「敵、攻撃してきます!」
ヨルムンガンドの周囲を飛んでいたソ連軍の戦闘機だったが、こちらが何も返事をしないという事で、敵と認識したのだろう。
こちらに向かってミサイルを発射してくる。
さて、どうなる?
いざという時は俺が外に出て対処する必要がある。
そう思っていたが……戦闘機から発射されたミサイルは、ヨルムンガンドのオーラバリアに命中して爆発する。
その衝撃によって、微かに艦は揺れたものの、それは本当に僅かな揺れでしかない。
「どうやら問題ないようだな。……スプリガンの方はどうだ?」
オーラバトルシップのヨルムンガンドは、かなりの巨体を持つ。
それに比べると、スプリガンはオーラシップくらいの大きさしかないし、元々が高機動型をコンセプトにしている。
それだけに、防御力という点では決して優れていない。
オーラバリアがあれば大丈夫だとは思うが、オーラバリアの防御力が何に由来するものなのかというのは、まだはっきりとしていない。
ショットやゼットにすれば興味深い代物なのだろうが、あの2人は今はやるべき事が多々あり、オーラバリアを解析するような余裕はない。
……ないと思わせておいて、実は……といった可能性もない訳ではなかったが。
「問題ありません。スプリガンの方も被害はないとの事です」
スプリガンに通信を送っていたブリッジクルーの言葉に、そうかと納得する。
「なら、このままオーラバトルシップのある場所まで進むぞ。ソ連軍でも、自分の領土内に入れば無茶な真似は……」
「するかもしれないな。いや、自分の領土内だからこそ、何かあっても隠し通せる可能性が高いから、それこそ最悪核を使ってきてもおかしくはない」
トッドのその言葉に、そんな事は絶対にないと答えられる程に、俺はソ連軍を信用することは出来ない。
結果として、一応何が起きても対処出来るようにと指示をして、そのままソ連の領土内を進む。
傍から見れば、ヨルムンガンドとスプリガンは一種異様な光景に見えた事だろう。
何しろ周囲には多数の戦闘機が飛び回り、ミサイルを撃ちまくっているのだ。
にも関わらず、ヨルムンガンドとスプリガンは反撃をするでもなく、そのまま進む。
「これ、ソ連軍にしてみれば、かなりショックだろうな」
「そうか?」
トッドの言葉に疑問を抱き、そう告げる。
だが、トッドはそんな俺の言葉に当然だといったように頷く。
「向こうが攻撃しまくってるのに、こっちは何の反撃もしていない。それでいながら、ダメージは何もないんだぜ? ソ連軍にしてみれば、自分達の攻撃は俺達には警戒すべき対象ではないと、そういう風に思われていてもおかしくはないんだ。これならいっそ、反撃された方が自分達の攻撃を脅威と思って反撃した……といったように思って、まだマシかもしれないな。反撃されたパイロットは死ぬけど」
そんな風に呟くトッドだったが、別に俺達がそこまでソ連軍に配慮する必要もないだろう。
そもそも、こうして攻撃をされ続けているにも関わらず、俺達は全く反撃していないだけでも感謝して欲しいくらいだ。
一応、こっちが無茶をしているという自覚があるから、一方的に攻撃を受けているのだから。
そうして少し時間が経過し……
「見えました、アクセル王。ナの国の物と思われるオーラバトルシップです! ですが……周囲には、ソ連軍ですか? その軍隊がオーラバトルシップを包囲している模様!」
ブリッジクルーの言葉に、映像モニタを確認する。
するとそこには、確かに報告された通りの光景が広がっていた。
台座から塔が伸びているといったような、明らかに今まで見てきたオーラバトルシップとは違う形。
そんなオーラバトルシップからは、ある程度の距離を保って戦車や歩兵といった戦力が待機している。
とはいえ、オーラバトルシップという存在の危険さを知っていれば、このくらいの警戒は必要になるだろうが。
もっともオーラバトルシップの能力を考えれば、このくらいの敵に囲まれていても対処するのは難しい話ではないだろうが。
そして不幸中の幸いなのか、オーラバトルシップのある場所に近付くと、先程まで延々とヨルムンガンドとスプリガンを攻撃していた戦闘機が去っていく。
弾薬切れなのか、帰還命令が出されたのか、その辺は分からないが。
最後の方になると、ミサイルやバルカンの類も全て使い切り、何も出来ずにただヨルムンガンドやスプリガンの周囲を飛び回っているといった機体も、それなりにいた。
そう思えば、この帰還命令はそんなにおかしなものではない……と、俺は思う。
「あのオーラバトルシップに通信を繋げ。俺の予想が正しければ……」
そんな俺の予想は、次の瞬間には解決された。
ヨルムンガンドの映像モニタには、見覚えのある美人……シーラの顔が映し出されたのだ。
『アクセル王、お久しぶりです』
「そうだな。多分ナの国のオーラバトルシップだとは思っていたが、間違っていなかったらしい」
『驚かれないのですか?』
「何にだ? ああ、ナの国がオーラバトルシップを建造してた事か。それなら前に情報を手に入れていたしな」
あっさりとそう言うと、シーラが驚きの表情を浮かべる。
シーラにしてみれば、ナの国でオーラバトルシップを建造しているという情報を俺に知られているのは予想外だったのだろう。
だが、その驚きもすぐに消え……少しだけ困った様子で口を開く。
『それにしても、まさかアクセル王がここまで強引な真似をするとは思いませんでした』
「ここに来た事か? 地上の状況を色々とはっきりさせる上で、未知のオーラバトルシップをそのままにする訳にはいかなかったからな」
『このオーラバトルシップ……グランガランがナの国で建造されているというのは、知っていたのでは?』
「知っていたし予想もしていたが、それでもそのグランガランとやらがナの国のオーラバトルシップという確証はなかった」
そう告げ、取りあえず会って会話をするという事にする。
ちなみにシーラが俺をアクセルではなくアクセル王と呼んでいるのは、今は女王としての立場から話し掛けているからだろう。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1605
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1689