ガッターを倒した翌日、俺の姿はドレイクの部屋にあった。
「いや、アクセル王の実力を見誤っていたのには恥じ入るばかりだ。まさか、ガッターを5匹も倒してくるとは。正直なところ、オーラバトラーやドロもなしにそこまでの実力を発揮するとは思わなかった」
「そう言って貰えると、俺も頑張った甲斐があるよ。それで、これからもガッターを狩るといった感じでいいのか?」
「そうなるな。他にも素材となる恐獣はいるのだが、ガッターは生息数が多くて困っている者も多いのだ」
「……まぁ、ガッターの性格を見る限り、そうだよな」
昨日俺が戦ったガッターは、どれも非常に好戦的だった。
それこそ、俺を見るとすぐに食おうとしてくるくらいには。
俺だからこそ、そんなガッターを容易に倒せた訳で……もしバイストン・ウェルの普通の住人なら、それこそ生身で戦うのは無理だろう。
ドロを複数用意し、それでようやく倒せるといった感じになる筈だ。
「そういう訳で、アクセル王には暫くガッターの対処を頼みたい」
「分かった。なら、次にガッターを倒しに行く時は、ゲドに乗ったマーベルも連れていきたいんだが、構わないか?」
「彼女を? ……まだ訓練を始めたばかりだと聞いてるが、戦えるのか?」
「多分大丈夫だ。俺が見た感じだと、かなり動きはよかったし」
「いや、だが……儂のところに入っている報告によると、彼女は地上人であっても戦いには慣れておらんのだろう? そのような者がいきなりガッターと戦ったりすれば一体どうなるか……アクセル王なら言わずとも分かると思うが?」
「だろうな。それでもマーベルを連れていきたい」
俺もドレイクのその意見には賛成だった。
マーベルは地上にいた頃は、ただの大学生だった。
それこそ、数え切れない戦いを乗り越えてきた俺とは、全く違う。
……アメリカと言えば銃社会だが、だからといって皆が銃を撃ったりした事がある訳ではないし、銃撃戦をした事がある者なんて全体で見れば本当に少数だろう。
マーベルは見た感じではそんな少数に入っていないように思えた。
だが……だからこそ、今のうちに戦闘に慣れておいて貰う必要があるのだ。
今のところは、敵……この場合は人と戦うといったようなことは基本的にない。
しかし、この世界の原作がいつ始まるのかは分からないが、もし始まれば人と戦うといった事になる可能性が高い。
あるいは、この世界の原作的には恐獣の群れと戦うといったような事になるのかもしれないが……その辺りがどうなるかは分からないが、ともあれオーラバトラーが存在する以上、誰か……もしくは何かと戦闘になるのは確実だった。
そしていざ戦闘となった時、今まで敵と生死を懸けて戦った事がない場合、間違いなく一歩出遅れる。
いや、出遅れるだけではなく、敵に殺される可能性が高い。
だからこそ、まだ原作が始まっていないだろう今のうちに、戦いを経験させておきたいのだ。
「そこまでアクセル王が言うのであれば……」
「ちなみに、ドレイクにも利益はあるぞ。ガッターの素材は勿論だが、ゲドの運用データも得られる。それも実戦のな」
これは、ドレイクにとっても決して悪い話ではない筈だ。
今のゲドは、オーラコンバータを動かすのに必要とされるオーラ力が多く、バイストン・ウェルの人間が動かすのは難しい。
勿論全く誰も動かせないという事はないのだろうが、それでも操縦出来る者は少なく、どうしても運用データを集めるのは難しい。
ましてや、敵と戦って得られる運用データが一体どのくらいあるのか。
ドレイクも、数少ないゲドを運用出来るパイロットをそう簡単に恐獣との戦いに行かせるというのは考えていない筈だ。
オーラコンバータを動かす際に、もっと低いオーラ力で動かせるように改良するか、もしくはオーラコンバータに使うオーラ力そのものを何らかの方法で増幅するか……そんな感じに、色々と改修する必要がある。
とはいえ、改修しようと思ってすぐに改修出来る訳がない。
まずはどのように改修するのかを考えて、それで問題なく動くかどうかを計算して、実際にそれを開発してテストして……それ以外にも色々とやる事があるのだ。
勿論、オーラバトラーはドレイクの手駒の中でもかなり強い代物だ。
そうである以上、その辺を解決していないという事はないと思うが……それがまだ出来ていないという事は、そういう事なのだろう。
そんな俺の言葉が正しかったかのように、ドレイクは迷う。
「ふむ、実戦データか。それは色々と役に立つのは間違いない。間違いないのだが……それでも、今の状況ではそう簡単に判断は出来んな」
「何故だ? この一件はそっちにとっても利益しかないと思うが」
「だからだよ。何故こちらに利益しかないのに、アクセル王はそのような提案をするのだ? そこまでする必要はないだろうに」
なるほど、自分にとって利益が大きすぎるから、罠か何かではないのかと警戒しているのか。
とはいえ、まさかこの世界に何らかの原作があるなんて事は言えないしな。
「趣味に近いな」
結局まともな理由を答える事は出来ず、そう言葉を返す。
とはいえ、趣味の一環であるというのは間違いのない事実でもある。
「趣味?」
「ああ。今はまだゲドだけしかないオーラバトラーだが、聞いた話によると後継機も作られている。……だろ?」
その問いには、ドレイクも特に驚く様子もなく頷く。
当然だろう。ドレイクがゲドの後継機を開発させているというのは、それこそ多くの者が知っている事実なのだから。
それこそ、軍人でも何でもない一般人でも知っている。
……その辺、軍事機密とかじゃないのか? とも思ったが、ドレイクの様子を見る限りでは、その辺は意図的らしい。
恐らくはこのルフト領にいる他の貴族に対する牽制とか、そういう感じだと思うんだが……それにしては、少し情報を与えすぎといった気がしないでもない。
まぁ、その辺はドレイクにも考えがあってやってるんだから、俺が何か口出しをする必要もい。
「それは事実だが……」
「だろ? だからだよ。折角後継機を作ってるのに、ゲドで十分な実戦データがないままだと、悪影響が出るのは間違いない。なら、ここでしっかりとゲドを使って実戦データを得ておいた方がいいと思うんだが? これはドレイクにとっても大きな利益となる。……だろう?」
「ふむ」
俺の言葉にも一理あると判断したのか、ドレイクはそう呟くと考え込む。
ドレイクの頭の中では、色々と考えが纏められているのだろう。
オーラバトラーの開発は、ドレイクにとって非常に大きな意味を持つ。
そうである以上、俺の言葉に興味を持つのは当然だ。
そして……やがて口を開く。
「では、頼んでも構わないだろうか? ただし、こちらから派遣出来る人物はそう多くはないが?」
オーラバトラーの実戦データの事を考えれば、人は多ければ多い程いい。
にも関わらず、人を寄越さないのは……マーベルをそこまで重要視していないという事か?
いやまぁ、マーベルは正式にはドレイクの部下って訳じゃなくて、俺の部下……もっと言えば、俺の女という事になっている。
勿論それは表向きの話であって実際には違うのだが、それだけにドレイクとしてはマーベルをそこまで重要視していないといったところなのだろう。
それに、人が少ないというのは俺にとっては助かる事でもある。
何しろ、恐獣を倒した後でそれを全てドレイクに渡さなくてもいいという事になるのだから。
「ゲドのデータ取りの点はどうする? 実際にゲドが戦っているところを見なくてもいいのか?」
「それについては惜しいと思う。だが、オーラバトラー関係の件で使える人材はまだ多くはない。これがもっと後でなら、話は違ってきたのだろうが……」
これは本気で言ってるのか、それとも危険な行為をこっちに丸投げしたいのか。
「分かった。なら、ゲドとマーベルがいればそれでいい。そっちも人材は惜しいだろうし。だが……そうなると、今まではどうやって恐獣の部品を手に入れてたんだ? 正直なところ、とてもではないが満足に入手出来るとは思えなかったが」
「ああ、その件か。アの国と隣接しているリの国があるだろう? そこには恐獣の住む森が多く、そしてリの国の者は恐獣を倒したり、生け捕りするのに長けている」
「それは便利な相手だな。そっちとの取引は今も続いているのか?」
「そうだ。……もっとも、取引である以上は当然代金の支払いも必要となる。出来れば、恐獣の素材もこちらで入手出来ればいいのだが……」
そう言い、俺に視線を向けてくる。
ドレイクが何を言いたいのかは、俺にも理解出来た。
ドレイクとしても、俺を同盟者として扱っている以上、ただ飯食らいにはさせたくないのだろう。
だからこそ、騎士との模擬戦をしたりしたのだが。
それでもドレイクとしては、俺には出来るだけ多くの恐獣を確保して欲しいのだろう。
……何しろ、俺が恐獣を確保出来ると直接見せてしまったしな。
「取りあえず、ガッターならそこそこ問題なく確保出来る筈だ。俺が使えるオーラコンバータ……そしてオーラバトラーを出来るだけ早く作って欲しいしな。期待してもいいんだろう?」
「勿論、アクセル王の期待には応えよう。儂も同盟相手を一方的に使おうとは思わぬしな」
こうして、半ば妥協の産物といった感じではあったが、俺が次に恐獣狩りに行く時はマーベルがゲドで参加する事が決まるのだった。
「え? 私が?」
「ああ。以前ちょっと言ったと思うけど、次の恐獣狩りにはマーベルにも来て貰う事になった」
「それは……まぁ、話は分かるけど……」
夕食の時間、マーベルはシチューを食べるのを一度止め、俺の方を見てくる。
それだけマーベルにとって、俺の口から出た言葉が驚きだったのだろう。
「マーベルもバイストン・ウェルでオーラバトラーのパイロットとしてやっていくのなら、戦いには慣れておく必要がある。……いずれは人との戦いも行う必要が出てくるかもしれないが、その前に恐獣との戦いだな」
「……分かってはいたんだけどね」
マーベルにしてみれば、この反応は当然のものだった。
まぁ、それでもこうして一緒に暮らしていて分かってくる事もある。
マーベルはやると決めたらそれはしっかりとやる。
今はこうして憂鬱そうな様子を見せていても、実際に恐獣を前にすれば戦いの忌避感から戦えないなんて事はないと思う。……多分だけど。
「安心しろって言い方はどうかと思うが、マーベルが戦うのはガッターだ。それなりに巨大な恐獣だが、俺が生身で何匹も倒したのを思えば、マーベルがゲドで戦うのはそう難しいとも思えないだろ?」
「アクセルが倒せたから私もって……素直に頷く事は出来ないわね」
「そうかもしれないけど、結局のところ慣れだな」
「命のやり取りに慣れるのはどうかと思うけど」
マーベルの言葉に、微妙に反論出来ない。
いやまぁ、普通に考えればそういう慣れというのはよくないのだろう。
これまで多くの戦場を経験してきた俺にしてみれば、そんなのは最早普通の事に等しいのだが。
とはいえ、バイストン・ウェルという世界に来た以上はそんな甘えが許されないのも事実であり……
「多分……本当に多分だが、この先この世界では戦いが起きる。その時、戦えない場合はどういう事になるのか……分かるだろ?」
「本当に戦いになるの? ……オーラバトラーがある以上、戦いになってもおかしくはないと思うけど」
「そんな訳だな。とはいえ、今の様子を見る限りだとすぐ戦いが起こるといったようなことはないと思うけど。だからこそ、今のうちに戦いに慣れておく必要がある。……マーベルが死なない為にもな。それにいざという時は俺が守るよ」
そう言ったものの、実際にはいつ戦いが起きるのかというのは俺にも分からない。
オーラバトラーが曲がりなりにも完成している以上、その技術を欲した者がゲドを盗み出そうとして襲撃してきてもおかしくはないのだから。
そしてマーベルがゲドのパイロットをやっている以上、その場にいるという可能性は決して皆無ではないのだ。
そうなった時、どうなるか。
最悪の場合、マーベルを殺して敵がゲドを奪っていくといった可能性もある。
……もっとも、ゲドを操縦出来るパイロットはバイストン・ウェルの中でも非常に少ない。
その辺の事情を考えると、そんな事が起きる可能性はそう多くはないのかもしれないが。
「そう……そうね。分かったわ。やれるだけやってみようと思う」
少し考え込んでいたマーベルは、やがてそう告げる。
どうやら、取りあえず戦わないで嫌だというようなことはなかったらしい。
「分かった。……安心しろ。お前に何かあっても俺が守るから」
「ふふっ、それさっきも言ったのに」
「そうだったな。……まぁ、とにかく俺がいる以上、マーベルを傷つけるってことはさせないから、安心しろ」
「……ありがとう」
そう言い、マーベルは照れ臭くなったのか再びシチューにスプーンを伸ばすのだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1400
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1648