ショットのスプリガンがこちらに合流してくると、すぐにこれからの件についての話が行われ……
「じゃあ、このままゲア・ガリングに攻撃するということでいいな」
『はい。私は構いません。ですが、パリ上空での戦いはどうにかして避けた方がいいでしょう』
シーラのその言葉に、ブリッジで話を聞いていたマーベルやトッドといった面々も頷く。
マーベルはともかく、トッドもシーラの意見に従うというのは少し意外だった。
とはいえ、トッドも元は軍人。
ビショット軍のように明確な敵ならともかく、一般人……それもただの人ではなく、住んでいる街を焼かれた者達を巻き込みたいと思わないのは、当然だろう。
『ふむ。では私のスプリガンでゲア・ガリングを誘導するといった形に持っていくのがいいか』
ショットがそう言うのは、先程の戦いで上手い具合にビショット軍のオーラバトラー隊――タンギーも含まれていたが――を誘き寄せる事に成功したからだろう。
「同じ手が何度も通じると思うか? 寧ろ今度スプリガンがまた同じような行動をしたら、意地でもパリから動かないといったような形になってもおかしくはないぞ?」
『だが、それならどうする? 普通に戦いを挑めば、間違いなく地上に被害は出る。特にゲア・ガリングが沈もうものなら……』
ショットのその言葉の先は、言わなくても理解出来た。
ゲア・ガリングはかなりの巨体だ。
そんな巨体が地面に落ちるといった事になれば、パリが受ける被害は火事と同等……あるいはそれ以上のものになってもおかしくはないだろう。
イギリスの女王からの依頼である以上、出来ればそのような結末は迎えたくなかった。
いつバイストン・ウェルに帰れるのか……あるいはこのままずっと地上にいるのか。
そして俺の場合はホワイトスターに戻れるのか。
その辺りがはっきりしない以上、地上にいる者達の印象は大事にしたい。
そんな中でパリを本格的に破壊した存在と言われれば、それは地上で生きていく上で大きなマイナスとなるだろう。
そうである以上、ビショットの件は出来るだけ周辺に被害を与えないような形で勝利したかった。
「敵にルーザと黒騎士がいるのなら、いっそ俺が出てみるか? ルーザはともかく、黒騎士は何故か俺に強い敵意を抱いていたようだったから、俺が出ていけば追ってくる可能性が高い。そして黒騎士が移動すれば、もしかしたらそれを追ってゲア・ガリングが来るかもしれない」
『黒騎士の件はともかく、ゲア・ガリングは……来るか?』
「どうだろうな。その辺は賭けになると思う。ただし、ゲア・ガリングがこっちに来なくても、黒騎士という強力な手札を排除する事は可能だと思う」
正直なところ、本当に何故俺がそこまで黒騎士に恨まれているのかというのは、分からない。
タータラ城での戦いで俺が黒騎士と戦った時、そこにあったのは圧倒的な憎悪だった。
俺が黒騎士に初めて会ったのは、その戦いであるにも関わらず、だ。
あそこまで恨まれている以上、何かがあるのは事実なんだろう。
あるいは今回の戦いで、その辺についてもはっきりするかもしれない。
そういう思いがあるのも、事実だった。
『ふむ、黒騎士か。……あのズワァースをあそこまで操縦する技量は、一流と言ってもいい。私は実際に戦う者ではないが、開発者だけにズワァースの能力については理解出来る。あの機体は、それこそレプラカーンとは別の意味で非常に使いにくい機体なのだ。……アクセルを見ていれば、そうは思えないがね』
何故か呆れの視線を向けてくるショット。
いや、そう言われてもな。
そもそも扱いにくいオーラバトラーとなると、サーバインだって相当なものなんだが。
『アクセル王、本当に大丈夫なのですか?』
ショットの言葉を聞いて不安に思ったのか、シーラが心配そうに言ってくる。
「大丈夫だ。俺のオーラバトラーの操縦技術は知ってるだろう?」
『ええ、だからこそヴェルビンを任せたのですから』
「……そう言えば、ヴェルビンの改修はどうなってるんだ? ズワウスも悪い機体じゃないんだが、やっぱり俺は高機動型の方が好みなんだよな」
『もう少し待って欲しい。あれだけの機体を改修するのは、色々と難しいのだ。……シーラ女王、ナの国はよくあれ程の機体を開発しましたね』
ショットにしてみれば、ヴェルビンというのはかなり驚くべきオーラバトラーだったのだろう。
それにヴェルビンだけではなく、ビルバインの件もある。
ヴェルビンはオーラバトラーらしいオーラバトラーというか、生物兵器的な面が強く出ているのに対し、ビルバインは地上の機械との類似性がある。
とはいえ、ナの国に聖戦士はいない。
だとすれば、偶然ナの国で開発されたオーラバトラーがそういう形になったのか、もしくはショウ辺りからのアイディアでもあったのか。
その辺は俺にも分からないし、シーラもオーラバトラーの開発に関しては国家機密だろうから、俺に教えるとは思えない。
だとすれば、やはりこの件は偶然といった形だろうと思っておいた方がいいか。
『我が国の技術も、捨てたものではないでしょう?』
『ええ。それは素直にそう思います』
元々、ナの国はドレイクと細々とではあるが取引をしていた。
そこでオーラマシンを入手し、技術を研究していたのだが……そこにラウの国からダーナ・オシー系の技術が入り、ドレイク系とギブン家系のオーラマシンの技術が混ざり合った形となる。
勿論それだけではなく、ナの国の国力があったからこそ、その技術を発展させる事が出来たのだろうが。
そういう意味では、ショットにとってもヴェルビンは非常に興味深い機体なのだろう。
「俺がした話だが、取りあえずヴェルビンについてはその辺にしておくとして……とにかく、俺が突出して黒騎士を引っ張ってくるって感じでいいか? 場合によっては、それこそこっちに引っ張ってくる前に俺が黒騎士を倒してしまうかもしれないけど」
そんな俺の言葉にショットは頷き、シーラは少し心配そうな様子を見せながらも、不承不承といった感じで頷く。
そうして話が決まれば、俺が行動に移るのは早い。
というか、ここで悠長に時間を潰すといったような真似をした場合、ビショットが何かがおかしいと、そんな風に思う可能性が否定出来ない。
だからこそ、今は少しでも早く行動に出てビショットを倒す必要があった。
より正確には、ビショットを操っているルーザと、その刃となっている黒騎士をか。
個人的にビショットは嫌いじゃない。
今まで色々と付き合いもあったし、その付き合いでも友好的な関係を築いていたと思う。
男が女で変わるっていうのは、本当なんだなとしみじみと思う。
そんな訳で、ルーザに籠絡されたビショットは結局倒すしかないだろう。
他のアイディアとしては、いっそグランガランが前に出るというのをシーラが提案してきたが、これに関しては俺とショットが揃って反対する。
グランガランは、種別ではオーラバトルシップと言ってもいいだろうが、その能力は戦闘ではなく、ナの国の移動する首都……といった感じでしかない。
オーラバトルシップである以上、戦闘能力はあるものの、その戦闘力はオーラバトルシップの中で最弱なのは間違いない。
下手をすれば、オーラシップにも負けるのでは? と思ってしまうような、そんな攻撃力なのだから。
そう思えば、やはりこの状況においてグランガランを出撃させるといったような真似は出来ない。
俺とショットの意見に、シーラも特に反論するような事はないまま納得した。
そうして、最終的に出た結論は……やはり、俺が出撃するという事。
ビショットと友好的な関係にあり、ルーザや黒騎士に憎まれているというのが、この場合は大きい。
ゼラーナ隊も直接戦場には出ていないので、タータラ城での戦いのように、ショウと黒騎士の2人を相手にするといった必要もないしな。
もしいたとしても、さすがにショウの刃がこちらに向けられるということはないと思いたい。
そんな風に思いながら、会議は終了するのだった。
「アクセル、気をつけてね」
俺がズワウスに乗ろうとしたところで、マーベルからそう声を掛けられる。
心配そうな様子を見せているのは、これから俺がやる事を考えれば当然の事だろう。
「心配するな。俺がこの程度の事で怪我をしたり……それこそ死んだりとか、する筈がないだろ?」
そう言うものの、オーラ力というのはどこか気に近い一面がある。
これが地上の兵器なら、それこそ弾丸だろうが砲弾だろうがミサイルだろうが、それどころか核兵器であろうが俺を傷付ける事は出来ないのだが、ファンタジー要素である気や魔力となれば違ってくる。
オーラ斬りのように、オーラ力を最大限に活かした攻撃をされた場合、俺がダメージを受ける可能性も否定は出来ない。
特に黒騎士は憎悪から強力な……言ってみればマイナスや負のオーラ力を宿しているように思えたし。
その辺の状況を考えれば、マーベルの心配も間違いではないものの、それを表に出すような真似はせず、心配そうなマーベルとそっと唇を重ねるだけのキスをする。
「じゃあ、行ってくる」
「……もう。気をつけて行ってきなさいよ」
心配そうにしていたのが、キスで吹っ飛んだのだろう。
多少なりとも気の晴れた様子で、そう言ってくる。
少し離れた場所では、トッドが口笛を吹いている音が聞こえてくるが、そっちは取りあえず置いておく。
そうしてズワウスに乗ると、機体を起動させ……いつものように魔力を吸収され、そして出撃準備は整う。
複合兵装を手に持ち、俺の乗る赤いズワウスはヨルムンガンドの格納庫から出撃するのだった。
「さて、そろそろビショット軍に察知されてもおかしくはない頃合いだが」
フランスに入り、パリが大分近くなってきたところで呟く。
ゲア・ガリングが、レーダーの類を地上で新調しているのかどうかは、俺には分からない。
だが、ビショットの性格を考えれば、有益な装置である以上、地上のレーダーを入手するといったような事は当然行われる筈だった。
これがルーザや黒騎士なら、地上の機械がどうこうといったような事を口にして無駄なプライドで地上の機器を導入するといったような真似はないだろうが、オーラバトラーの開発についての才能や知識、実力もあるビショットなら、プライド云々よりも実際に使えるのなら導入してもおかしくはない。
「って、噂をすれば何とやらだな」
ビアレスが2機にライネックが1機、こちらに向かって飛んでくる。
当然だが、向こうは最初からこちらを敵と認識しており……ある程度間合いが詰められたとろで、ライネックがミサイルを発射してくる。
ビアレスが持っている飛び道具はフレイボムだけなので、この距離では届かない。
ああ、でもオーラソードが鎌なので、投擲をすれば……その場合は俺が攻撃を回避するしないに関わらず、オーラソードの鎌がなくなってしまうが。
発射してきたミサイルを回避しながら、間合いを詰める。
当然ながら、向こうはズワウスが近付いて来るのを見てビアレスが自分の番だと言いたげに前に出る。
その2機が攻撃をするよりも前に、俺は通信を送る。
「攻撃を止めろ。俺はアクセルだ。ビショットと話をしようと思ってきた!」
そう叫ぶも、ビアレスの攻撃は全く止まる様子はなく鎌のオーラソードを手に、近付いて来るといった行動は止まらない。
ちっ、俺がアクセルだと名乗っても、一切攻撃を止めるつもりはないか。
ビショットからそういう命令が出ているのか、それともこのオーラバトラーに乗っているのはルーザの息が掛かった者なのか。……より正確には黒騎士の部下なのか。
もしくは、ドレイク軍の兵士と同じように地上に出た影響で攻撃的になっているだけなのか。
その辺りの事情は俺には理解出来なかったが、こうして攻撃をしてくる以上、こちらもそれを黙って見ている訳にはいかない。
「そっちから攻撃をしてきたんだ。死んでも後悔するなよ!」
叫び、マジックコンバータを全開にして、前に出て来たビアレス達との間合いを詰める。
こっちの移動速度が予想以上だったのだろう。
ズワァースの性能は知っていたので、その速度で考えていたのかもしれないが、このズワウスはショットやゼットが俺の専用機として改修した機体だ。
当然ながら、その能力はズワァースよりも高い。
一瞬動揺し、動きが鈍ったところで1機目のビアレスの胴体をコックピットの辺りで真っ二つにし、すぐ近くにいたもう1機のビアレスに向けて複合兵装の盾のオーラショットを撃つ。
間近で食らったその攻撃に、2機のビアレスが撃破される。
近くにヨルムンガンドがいるのなら、コックピットだけ破壊して機体は持って帰ってもよかったのだが、今はそのような事をしていられる余裕はない。
再びミサイルを発射してきたライネックの攻撃を回避し、間合いを詰め……オーラソードを振り下ろそうとしたところで、不意に通信が入った。
『アクセル王、そこまでだ!』
そんな声と共に、ゲア・ガリングが姿を現したのだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1640
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1696