ドレイク軍が動いているという情報が入った翌日……俺達は全軍でそちらに向かう事になった。
実際に戦いになるのかどうかは、俺には分からない。
しかし、この状況でドレイク軍が動き、しかも俺達が拠点としているイギリスに向かっているとなると、それで楽観的に見ろという方が無理だろう。
「キブツ、戦いの準備はどうなっている?」
「は。特に問題はないので、もしドレイク軍と戦いになっても大丈夫です」
「ドレイク軍から派遣されている者達は? 言ってみれば、同士討ちだろ? そうなると、戦いにならないんじゃないか?」
「いえ、それが……予想外の事なのですが、多くの者がこのまま問題なくアクセル王と一緒に行動すると言っています」
「それは、また……」
この場合は喜んでいいのか?
実は俺と一緒に行動しておいて、いざドレイク軍と戦いになった時に裏切る……なんて真似をするような事はないだろうな?
いやまぁ、ヨルムンガンドにいる者達なら、現在俺達に集まっている戦力が一体どれだけのものなのかはよく分かっている筈だ。
そうである以上、わざわざ俺達を敵に回すといったような真似はしないと思う。
それでも一応何かがあった時は対処出来るようにしておいた方がいいだろうが。
以前であれば、人数的にはキッス家の方が少なかった。
そうである以上、もしこのような状況でドレイク軍から出向してきた者達が何かをしようとしても、それを完全に止めるような真似は出来なかっただろう。
しかし、今は違う。
ビショット軍の残党が俺の部下として活動しており、ナムワンやブル・ベガーの他にも、このヨルムンガンドにも相当数乗っている。
そしてビショット軍の兵士達……特にヨルムンガンドにいる者達は、刈り取る者を間近で見た事によって完全に俺に対する反骨心をへし折られていた。
刈り取る者を見た中で俺に復讐しようとしたり、ヨルムンガンドに破壊工作をしたりといったような真似はまず不可能なのは間違いなかった。
世の中には絶対というのはないので、中にはそんな状況であっても反骨心が折れず、ビショットに対する忠誠心を抱いており、仇として俺を狙ってる奴がいてもおかしくはないが。
……ビショットを殺したのは黒騎士、つまりはバーンで俺じゃないんだが、復讐心を抱いている者にしてみれば、もう死んだバーンではなく俺に復讐したいと思ってもおかしくはない。
そんな風に考えていると……その日の夜、俺はグランガランに呼び出される事になる。
「久しぶりだな」
「そうですね。仕事では色々と話をしましたが、こうして直接顔を合わせるとなると、何だか随分と久しぶりな気がします」
グランガランにある一室……現在、俺はシーラと2人だけでいた。
マーベルも来るかと思ったのだが、今日はシーラに譲るといったような事を言い、俺だけでグランガランにやって来たのだ。
そして通されたのは、シーラの私室。
今までグランガランに来た時に話をする時に使っていたような事務的な部屋ではなく、本当にシーラの私室なのは間違いない。
とはいえ、グランガランが幾ら広くても、シーラの為だけに私室を幾つも用意は出来ない……らしい。
いや、グランガランの大きさを考えればシーラの為の部屋はもっと用意出来ると思うんだが。
あるいは単純にシーラが自分の部屋は1つだけでいいと言ったのかもしれないが。
ともあれ、そんな理由で……うん。ここはシーラの私室であり、同時に寝室でもある。
しっかりと言葉で示された訳ではないが、シーラが俺に好意を持っているのは明らかだ。
そんなシーラとベッドがある部屋にいるというのは、少し気まずいものがあるのは間違いなかった。
ましてや、この部屋にはカワッセは勿論、エルやベルといったフェラリオの姿もない。
多分……そういう意味なのだろうというのは、理解出来る。
「ドレイク軍との戦いが終われば、取りあえず緊急の用事はなくなるな。もっとも、ゴラオン隊をどうするのかといった問題があるが」
「ゴラオン隊には、私が話してみましょう。それなら、向こうも多少は話を聞くつもりになるかと」
「それしかないだろうな」
俺はドレイク軍に雇われたといった形でギブン家、ミの国、ラウの国と戦ったが、ゴラオン隊にしてみれば雇われた云々というのは関係がないだろう。
自分達の仲間を、家族を、恋人を、友人を殺したのだからと、憎まれてもおかしくはなかった。
また、ショット達はドレイクに協力してオーラマシンを開発したという点で強く憎まれている筈だ。
もしバイストン・ウェルにおいてオーラマシンが開発されなければ、あそこまで戦場が広がり、大きな戦いになるという事はなかったし、オーラマシンに関係してるからという理由で強制的に地上に転移させられるといったような事もなかった。
後は……まぁ、これは俺が言うのもどうかと思うが、恐獣がオーラマシンの素材になるからという事でかなり乱獲されるようになった。
いや、これ本当に俺に言う資格はないといった奴だよな。
俺の空間倉庫の中には、それこそ大量の恐獣の死体がそのまま入っているのだから。
ともあれ、そんな訳で俺やショットではゴラオン隊と話そうとしても、その前に向こうから攻撃されてしまう可能性が非常に高い。
「とはいえ、問題なのは私の言葉でも素直に聞いてくれるかどうか、ですね。アクセルとゴラオン隊の間にはかなりの確執があるようですし」
「それは否定しない。元々はリムル……ドレイクの娘が俺を悪しきオーラ力とか何とか言っていたのが原因なんだけどな」
改めて思い出せば、リムルは俺を悪しきオーラ力と表現していたが、明らかに悪しきオーラ力というのは俺ではなくルーザだろう。
ビショットを……一国の王を籠絡し、最終的には破滅させたのだから。
リムルにしてみれば、自分の母親を悪しきオーラ力とは呼びたくなかったのか?
「悪しきオーラ力ですか。……アクセルが?」
心の底から理解出来ないといった様子を見せるシーラ。
「ああ。まぁ、実際にはエレやシーラのように俺の力を感じて悪しきオーラ力とか言っていた訳ではなく、俺が自分の思い通りに動かなかったからそんな風に言っていたと思うんだけどな」
そう言うと、シーラが不愉快そうな表情を浮かべる。
オーラ力とかの扱いについて特殊なものを持つシーラにしてみれば、自分の都合だけで相手を悪しきオーラ力といったように決めつけるのは決して許容出来ないのだろう。
「不愉快ですね」
「そうだな。俺も最初は苛立ったのは間違いない。けど……今はそうでもないな」
「何故です?」
心の底から不思議そうに尋ねてくるシーラに、笑みを浮かべて口を開く。
「現在の状況を見れば明らかだろ。リムルが逃げ込んだギブン家はドレイクに負けて、それで逃げた先のミの国は滅びて、ラウの国もフォイゾンが討たれた。……疫病神扱いされてもおかしくはないと思うぞ」
実際、リムルの行った場所は悉く没落している。
大国と言われたラウの国ですら国王のフォイゾンが死に、現在地上で何とか行動しているといった感じだ。
しかもゴラオン隊……というか、リムルが乗り込んでいるゼラーナが関わった結果としてパリまで燃やされたのだ。
もはや疫病神どころか、邪神と表現してもいいのではないかと思ってしまう。
「そう言われるとそうですね」
俺の言葉に納得したのか、シーラは心の底から納得した様子を見せる。
シーラにしてみれば、そんな疫病神とは絶対に関わり合いになりたくないといったところか。
とはいえ、ナの国はラウの国と一時的に友好的な関係を結んでいたし、横流しとはいえビルバインを渡してもいる。
何だかんだと、ナの国もリムルと関わる機会はあった。
それでもこうして無事でいるというのは、リムルの呪いから逃げ出せたという事なのだろう。
俺とシーラは、そのまま一時間近く話をしていた。
重要な話という訳ではなく、世間話の類だったが。
特にシーラが聞きたがったのは、俺が今までどのような世界に行ってきたかという事だ。
シーラにしてみれば、今までずっとバイストン・ウェルのナの国……それも王族として育てられてきた関係上、城から出る事も滅多になかったのだろうが、今となってはバイストン・ウェルでは伝説の地的な扱いをされている地上にいる。
それだけに、色々な世界を旅してきた俺の話を聞きたがるのは当然だった。
他にもレモンを始めとした恋人達の話を聞きたがったりもしたが、これについては俺もその意味を理解出来る。
「そうですか。では、そのレモンという方がアクセルと一番古い付き合いなのですね」
「ああ。恋人達の纏め役も自然とレモンがやるようになっている」
レモン本人は、誰かを纏めるといった能力はあるが、そういうのを好むかと言われれば……好まない。
現場で研究をしたりといったような事を好むのを見れば、その辺は明らかだろう。
それでも何だかんだと恋人達の纏め役になっているのは、そうしなければ色々と不味いというのもあるし、レモン以外の恋人達が全員レモンを自分達の上だと認めているという点も大きい。
これに関しては、気の強いコーネリア、スレイ、シェリル、エリナ、ゆかりといった面々も含めて、全員が認めていた。
「……では、私もいつかはそのレモンという方に認められるような日が来るといいですね」
さらりと告げられたその一言は、間違いなくシーラにとっての告白だった。
さすがにそれが分からない程、俺も鈍くはない。
……俺が鈍くないと言えば、恋人達から揃って抗議の声を発せられそうだが。
ともあれ、この部屋に通された時から……いや、唇にキスをされた時から、こうなるというのは予想出来ていた事だ。
だからこそ、俺も口を開く。
「本気か?」
「……私が本気ではなく、このような場所に男の人を通すとでも?」
シーラは真剣な表情で俺を見て、そう言ってくる。
そこには、言葉通り本気であるという感情が見て取れた。
そして……同時に、俺に対する強い想いも。
正直なところ、俺はシーラからそこまで好かれる理由というのは分からない。
マーベルの場合は、俺と一緒にバイストン・ウェルに転移してきたという事で、ずっと一緒に行動してきた。
だからこそ、俺を愛するというのも納得出来たし、同時に俺がマーベルを愛するようになったのも理解は出来た。
だが……しかし、俺とシーラの接点はそこまでない。
考えられるとすれば、嵐の球の一件くらいか。
それはそれでどうかと思わなくもないが……
俺の様子を見ていたシーラは、真剣な視線を俺に向けたままで言葉を続ける。
「アクセル、私を抱いてくれますか?」
好きという告白は、もうあのキスですませた。
だからこそ、次に抱いて欲しいと言ってくるシーラだったが、それは少し急すぎないか?
そう考え、ストレートに尋ねる。
「何でそこまで急ぐ?」
「それは……」
俺の問いに、シーラが言葉に詰まる。
どうやら俺の予想通り、ただ俺を好きで抱いて欲しいと言っている訳ではないらしい。
「理由は言えないのか?」
「……思い出が欲しいのです。それも誰とでもいい訳ではなく、アクセルとの思い出を」
「思い出?」
「はい。私達が地上に出た一件ですが、これがどのような結末になるのか分かりますか?」
「分かりますかと言われても、そうだな。取りあえず普通に終わるといったような事にはならないと思う」
これから接触するドレイク軍と合流するにしろ、もしくは戦うにしろ、その一件が終われば取りあえず地上に出たオーラバトラーに関する騒動は落ち着くと考えていいだろう。
ゴラオン隊の問題もあるが、そっちはシーラに任せておけば何とかなると思う。
もしゴラオン隊と戦うといったような事になった場合でも、その時は倒してしまえばいい。
ぶっちゃけ、ゴラオン隊で気をつける必要があるのはショウの操縦するビルバインと、現状最強の攻撃力を持っているオーラノバ砲を持つゴラオンだけだ。
その2つをどうにかすれば、残るのは雑魚でしかない。
いやまぁ、ギブン家やミの国の兵士達は何だかんだと戦い続けているので、精鋭と呼ぶべき存在もいるのは間違いないので、雑魚と一括りにするのはどうかと思うが。
それでも、ゴラオン隊が敵対した場合でも、そこまで厄介な事にはならないと思う。
「そうですね。ですが、それが終わった場合……本当にもう心配がなくなった場合、私達は地上で暮らしていく必要があります。そうなると、私はシーラという1人の女ではなく、ナの国の女王として活動する必要があります。その中には、場合によっては政略結婚をするといった事もあるでしょう。ですから……私は、その前にアクセルとの一夜の思い出が欲しい」
「シーラ、お前……」
そこまで考えているというのは、予想外だった。
いや、女王の立場としては当然なのだろうが。
「分かった。だが……俺が抱くからには、お前は俺の女だ。政略結婚なんて事は絶対にさせない、それでもいいな?」
「アクセル……愛しています」
そう言い、俺はシーラと唇を重ね……そのまま押し倒すのだった。
アクセル・アルマー
LV:43
PP:1690
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1706